『相棒』……エルガー『愛の挨拶』を求めて
テレビドラマ『相棒』は、特に寺脇康文さんの演じる亀山薫が辞めるまでのものは、結構、好きで見ていた。
再放送も、録画までして見ていたほど、好きな番組の一つだった。
水谷豊さんの演じる杉下右京と亀山薫とのコンビネーションも良かったのだろう。
それぞれの演技もいいが、二人が絡み合うことで持ち味が相乗効果式に一層、深まったものと思う。
→ 「相棒 Classical Collection:杉下右京 愛好クラシック作品集」 (画像は、「テレビ朝日|相棒season8」より)
ところで、このドラマ、主人公(の一人)の杉下右京の好み…というよりプロデューサーか演出家、音楽担当の方の好みなのだろうが、クラシック音楽がよく使われる。
好きな曲、耳馴染みの曲もあれば、クラシックに(も)疎い小生には初耳と思しき曲も流れてくる。
となると、その曲は何なのか、誰が演奏しているのか、誰の作曲なのかが気になる。
曲名は、ドラマの中で紹介されることもあるが(それどころか、作曲者は誰か、誰の演奏かも滔滔と述べられることがあるが)、ちょっとメモすればいいものを、やはり、ドラマを見ている最中は、大概、食事時間だったりするし、そもそも不精でもあるので、記憶力も萎え切っている小生、到底、後になって思い出すなど叶わない。
が、ふと、就寝しようとして、はて、あの曲は何だったっけと気になりだす。
となると、眠れなくなる…なんてのは大袈裟だが、本を手にしてベッドに入るのが習慣なのだが、とてもじゃないけど、本に集中できなくなる。
そんな気になる作曲家にエドワード・エルガー(という名前)の人がいる。
エルガーファンならずとも、クラシックファンならば好きの程度は別にして、常識のうちに入る人なのだろう。
どうして気になるかって、番組の中で、刑事の杉下のみならず、酷薄な金貸し(で、友達のいない)犯人までもがエルガーのある曲を、あるいはその演奏だったか、あるいは、曲の中のある部分を激賞しているではないか。
番組の中で流れているから、多少は雰囲気は分かるが、やはりじっくり聴いてみたくなるってのが人情であろう。
(言うまでもないが、エルガーに限らず、バッハやショパン、ホルスト、シューベルト、フォーレ、ヴィラ=ロボス、ハイドン、モーツァルト、ラヴェル、ドヴォルザーク、アルビノーニ……などなど、いろんな作曲家の曲が使われてきている。クラシックだけが使われているわけではなく、吉田拓郎やteam K、の曲なども架かっていた。)
エルガーの曲自体は、『相棒』の中で何度となく使われている。
音楽担当の方か制作の関係者にエルガー好きの方が居られるのだろう。
何度か使われたエルガーの曲の一つは、『威風堂々 第1番』である。
しかし、気になってならなかったのは、「season 2 第7話「消えた死体」」にて使われていた曲で、『愛の挨拶』だった。
「各種の編曲がなされ、エルガーの作品の中では『威風堂々』に次いで有名なものに入る。優美な曲想が幅広い支持を集めている」という。
調べてみると、ノーマン・デル・マー指揮ボーンマス・シンフォニエッタによる、『愛の挨拶』のようである。
← 『黒部の泡水』 「黒部の名水で地サイダー」だとか。発売元は、「うなづき商店」。 (情報・画像は、「黒部の名水で地サイダー、その名も『黒部の泡水』 チューリップテレビニュース」より)
この曲をじっくり聴きたくて図書館で物色したが、所蔵品の中にも見つからず、あったのは交響的習作『フォルスタッフ』(Falstaff )だった。
「サー・ジョン・フォルスタッフ(Sir John Falstaff)はウィリアム・シェイクスピアの作品に登場する架空の人物」で、人気はあるものの、『愛の挨拶』とは、雰囲気が違いすぎる!
うーむ。
どうやら、小生には、『愛の挨拶』は当面、縁遠いようである!
参考:
「相棒音楽、クラシック一覧」
(10/01/26 作)
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コメント
天神様の話題は別項にあらためるとして、エルガ―はイギリスの生んだ数少ないす作曲家です。「愛のあいさつ」――この曲にまつわるエピソードは検索すればすぐヒットすると思います――はまだ無名の頃の作品ですが、完成されたシンフォニーは2曲だけですが多くのオーケストラ作品や室内楽を遺しています。やいっちさんご紹介の「威風堂々№1」のトリオ部分のメロディーはイギリスの第2国歌の扱いになっていますし、「のだめ・・・」では、まったく見てないので自分では確認していませんが、ヴァイオリンソナタが取りあげられて話題になったようです。ぜひ聴いていただきたいのが「チェロ協奏曲」です。ジャクリーヌ・デュプレのすばらしいというか鬼気迫る名演があります。
イギリスの作曲家なのでシェイクスピアをとりあげた曲がいくつもありますが、私がおもしろく思うのは彼がコナン・ドイルとまったくの同時代人であることです。ドイル作品のホームズはご存じのようにヴァイオリンを弾き演奏会にも足を運んでいますが、ドイルがエルガ―をどう評価していたものか、知りたいとこころです。
投稿: かぐら川 | 2010/01/27 01:00
こんばんは。
昔の「相棒」は面白かったですね。最近のは少し違っているように感じます。
投稿: シゲ | 2010/01/27 20:16
かぐら川さん
確かに、エルガ―(の「愛のあいさつ」)についての情報は、ネットでもいろいろ見つかります。
今、エルガーの「フォルスタッフ」を繰り返し聴いていますが、他の曲もドンドン聴いていくつもりです。
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、こと曲については、百言は、一聴にしかずです。
エルガーとドイル!
なるほど、エルガーが1857~1934で、ドイルが1859~1930。
ほぼ同時代。
「ドイルがエルガ―をどう評価していたものか」、またエルガーがドイル作品を読んでいたのか、どんな感想を持ったのか、興味津々ですね。
投稿: やいっち | 2010/01/27 21:24
シゲさん
素晴らしい写真家で、自分の意見をしっかり持っておられる!
篠山紀信さんの街中ヌード撮影事件はどうお考えでしょう?
『相棒』のスタッフは、そっくり寺脇康文さんの新しいドラマ『853〜刑事・加茂伸之介』に移っているようで、『相棒』への力の入れ方が幾分、弱まっているのかも。
水谷さんの年齢の問題もあるのかな。
投稿: やいっち | 2010/01/27 21:28
こんばんは!!
やっぱり、「かおる」ちゃん、でない相棒は相棒じゃないですよねえ?!
アルツを患っている親父も「薫」の出ていた相棒は
(小生自身驚いたことに)楽しんで観ていたんですよ!!(地デジの再放送)
それが...なんですかねえ...今のは....(T_T)
薫の復帰は永久になさそうだし...(T_T)
第一回の新鮮さは今も覚えています!!
投稿: kimball | 2010/01/27 22:07
kimball さん
杉下右京と亀山薫のコンビ。二人あってこその『相棒』だったなーと改めて感じています。
ふと、ちょっと(ずっと?)昔の刑事のコンビ、『まだまだあぶない刑事』での舘ひろし&柴田恭兵を思い出します。
彼ら単体でも主役はありえなくはないけど、やはり、二人の組み合わせてそれぞれの持ち味が倍化していたように感じたものです。
まあ、どんな面白い番組も、やがてはマンネリ化するってことなのか。
でも、刑事コロンボは、マンネリ化しつつも面白かったような。
投稿: やいっち | 2010/01/28 21:23