真冬の満月に武者震い?
今朝未明は月齢では15前後と、まさしく満月の夜だった。
丑三つ時過ぎに勝手口の戸を開けると、思わず、おおっ!と感動してしまうような明るさ。
過日も書いたが、月光に照らし出されるところと、そうでない陰のところとの輪郭が線を引いたようにはっきりしている。
← 今朝未明、あまりの月影の見事さに、たまらずバイクを止め、撮影に挑戦。やはり、小生の腕前ではちゃんと撮れない。
上り框(かまち)で、長靴を履きながら、しばし晩秋の真夜中の千金の光景を鑑賞。
目の前に広がる畑も田圃も、遠くの大きな公園も、普段なら、僅かながらも街灯の光に照らされているのだが、こんな満月の夜ばかりは、町の灯りなど月影に圧倒されてしまう。
屋根の瓦も光を反射して、光の波を演出している。
先月の満月の時にも、「月影のワルツ?」なんて日記を書いたが、今回はさらに雲が少なくて、まともに眺めると眩いほどに月影が清かだった。
「雲に覆われた真夜中の明るさ」なんて日記も書いたことがあるが、それはそれで不可思議の感を覚えて感動的なのだが、やはり、満月の夜の明るさには敵わない。
凄みさえ、感じてしまう。
月光の故に地上に物陰の輪郭が鮮やかだと書いた。
月は、まだかなり天空低く空を過(よ)ぎっていく。
なので、地上をバイクで這い回っていると、建物にやや近づいてしまうと、月が真正面にあっても、場合によっては姿を完全に没してしまう。
あれれ、と、ちょっと落胆するが、バイクを走らせると、物影から光明が、そして月影が顔を覗かせる。
→ あと数日で満月という或る日、我が家の勝手口から夕景を撮る。
これがやがて真冬ともなると、月は天高く渡るようになり、時間によっては、まさに天頂に位置し、地上の万物から影がなくなってしまう。
自分の影さえ、直下に僅かに垣間見えるだけになってしまう。
真冬の、真夜中。
何処かの公園の片隅に一人ぼっちの自分。あるいは木々。滑り台やブランコ、鉄棒などの遊戯施設。それらの全てが影を失う。月光の光に照らし出されるだけになる。
冬の寒さと心の空虚とが相俟って、背筋がぞくぞくしてくる。
そんな戦慄の念の一閃するような不可思議さは、経験してみないと分からないだろう。
そうして、「真冬の月と物質的恍惚と」を、もっと昂じると「真冬の満月と霄壤の差と」なんて小文を書きおろしてしまうのである。
けれど、今、富山にあって思うと、「真冬の月と物質的恍惚と」なんて随想を書けたのは、自分が東京に居たからこそだと。
暖冬とはいえ、東京と富山とでは、地理的感興も気象条件もまるで違う。
東京にあっては、雪の心配などほぼ皆無だった。
雨さえ、滅多に降らない。
むしろ、乾燥に注意が必要なほど。
富山は雪か、雨でも凍て付くような冷たい雨。
夜中ともなると、路面などの凍結が当たり前となる。
そんな真冬を控えているとなると、月影をただ美しいとか凄みがあるとか、感傷に耽っているわけにはいかない。
そんな余裕などなくなるだろう。
上掲のエッセイだって、戸外での感懐を思い出して書いたものだが、そんな東京でのアウトドアなんて、富山など北の国々の者からしたら、炬燵に足を突っこんでの甘い感傷に過ぎないと思えてしまうだろう。
小生の今のある種の怯えは、まさにそんな富山の冬を前にしての武者震いめいた慄きに近い。
真冬になって雪と氷の世界にあって、真夜中過ぎに天頂の満月に照らし出されたなら、一体、どんな感覚を胸に刻み込まれるのやら。
今から楽しみである ? !
← 一昨日、精米に行ったら、近くでスズメがこちらのようすを窺っていた。お零れ頂戴を狙っている? ゴメンね。我輩はケチだから、一粒もあげないよ!
関連拙稿:
「月影のワルツ?」
「雲に覆われた真夜中の明るさ」
(09/12/02 作)
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