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2009/11/21

夢のない夢を見る

おかゆの作り方から始めます」にて、場合によっては最後の入院になるかも、との懸念もあった(主治医にそう警告されていた)入院生活を終え、母は自宅療養へ、などと書いた。
 その自宅療養、まだ、三日目なのだが、小生はヘトヘト。

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→ リクライニング機能のある車椅子を用意。

 朝は八時前に母にインシュリンの注射。
 その前に、朝食の準備。温めれば出せる(食べれる)ようにしておく。
 インシュリンを打つには、ベッドに寝ている母のベッドの上半身を電動機能を使って起こしておく。

 お茶を煎れ、父母の分の朝食を配膳し(…その前に食事の際、ちょっと不自由な手なので、ご飯やオカズを零す可能性があるので、前掛けをさせておく)、テーブルに並べ、朝食後に服用する父母らの薬を用意し、父母らが食べている間に、小生は大急ぎでご飯を済ます。
 
 食後、ヘルパーさんが来るので、その時間までに母(父はゆっくり食べる)や小生が食べ終えておかないといけない。
 というのも、九時過ぎにはデイサービスの方が母を迎えに来るので、その前にヘルパーさんが着替えや下(しも)の世話などを済ませる必要があるからである。食後の食器類の片付けも含めて済ませる。
 母がデイサービスへ持参するタオルや着替え、手帳、オムツなどの入ったバッグを用意する。

 ちょうど同じ日に、燃えるゴミの日なので、父母の寝室など家中のゴミを集めて回って45リットルのポリ袋に詰めて、所定の場所に出す。
 今日は、20リットル入れの灯油容器4個の灯油がほぼ消費し終わったので、縁側の石段に置いてあるドラム缶からポリ容器への移し変え、なんて仕事が発生する。
 これが案外と一仕事だったりする。
 午前には、洗濯、父の用事で外出(銀行で貯金を解約する。親の貯金を取り崩して入院の費用や介護用品を買っている)、回診してくれる主治医の医院へ入院していた病院からの紹介状を届けたり、血糖値を測る器具を借り受けたりする。

 父は体の具合が悪いというので、本来はデイサービスの日なのだが、休んでしまった。
 ということは、父の世話をしないといけない。
 父の要望で、父の好きなバターパンなどを買ってくる。
 オムツがなくなったので、オムツや尿漏れパッドなどなどを買ってくる。
 帰って来て、やっとお茶で一服できるかと思ったら、デイサービス施設から電話。
 お昼に母が食後に飲む薬がバッグに見当たらない、だって。
 慌てて小雨混じりの中、デイサービスへ。
 外出は、よほどの雨でない限り、自転車を使う。
 自宅周辺の道路は、側溝や路肩の工事で当分、渋滞が続く見込みなのだ。

 なんだかんだあって、朝方までアルバイトして、帰宅して仮眠を取るはずが、午前中は昨日に続き、全く眠る暇がない。
 午後、部屋に篭り、一時間ほど仮眠。
 もう、何もしたくない! 邪魔されたくない!

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← 母のために用意した電動ベッド。病院でも寝たきりだったが、自宅でも寝たきり。日中は、障子戸の隣りの小部屋のカーテンを開けて、少しは明るくするが、母には光は届かないのか。父も同じ部屋なので、ストーブもだが、テレビも点けっ放し。父は母の話し相手…愚痴の聞き役になっている?

 昨日も、母の自宅療養のための買物(汚物用のバケツや雑巾を洗うためのバケツなどなど)やら母のベッドのためのシーツ(パッド)などを買うため、自転車や車で走り回り、午後になってやっと仮眠を取れたものだった。
 それも、親戚筋の者が来てくれて、昼食を作ってくれたり、父母の相手をしてくれたので、多少なりとも仮眠を取れた次第だったのである。

 午後も、方々との連絡やらで電話を架けたり架かってきたりで、気が休まらない。
 場合によっては、母の療養のための入院もありうるので、なかなか空きがなこともあるので、その申し込みも早めにと、当該の係員に連絡。
 そのうち、母がデイサービスから戻ってくる。

 このデイサービスへの送迎が一仕事である。
 というのも、母のための車椅子は(首が据わらないと母には危険なので)背凭れが高い仕様のもので、結構、大型だし、我が家の玄関は段差が相当にある。
 なので、玄関から廊下へとスロープを渡す必要がある。
 カーボンファイバーのスロープを業者から借り受けてあるのだが、その設置は小生の役目なのである。
 当然、片付けも小生。
 なので、送り出す際もだが、出迎える際も、寝過ごすわけにも、不在にもなれない。
 
 夕食も、朝食同様、インシュリンの注射から始まって(昼食の前には血糖値を測定する)、食事の準備、片付け、その前に、デイサービス(での入浴)やヘルパーさんの介護の際に出た衣類の洗濯を済ませておく(翌日でもよさそうだが、翌日は翌日であれこれと洗濯物が出てくるのだ)。
 慌しい一日が、一応でもホッとできるのは、夜…、かと思いきや、夜もヘルパーさんに来てもらう。
 実際の介護はヘルパーさんにお願いするとしても、バケツや手拭いやお湯、そのほかの用意は怠らないように確かめておかないといけない。
 戸締りも大事。
 夜、ヘルパーさんが来る…ということは、ヘルパーさんが帰ったあと、戸締りをする必要があるのだ。
 真夜中も、これまでの経験からして、いつ、父母の声が掛かるか、分からない。
 寝てしまえば、もう、どうでもいいようなものだが、時折、夢の中にまで現実のあれこれが闖入してくる。
 目覚めて、ああ、夢だったのかと思うのだが、ああ、でも、夢と現実がスライドしているな、なんてわけの分からない感懐を抱いたりする。
 夢さえ、夢のない夢なのである。

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→ 北陸(富山)は、寒気もあって曇天の日が続く。束の間の雨上がりの中、ドラム缶の灯油をポリ容器に移すなど、外仕事。

 まあ、今日はまだ、母の自宅療養生活が始まって通算して三日目。
 まだまだ思いも寄らない雑事が生じるのも仕方ないのだろう。
 今の生活が軌道に乗ったら、少しは余裕ができるのだろうか。
 そう、期待していいのだろうか。 

                                  (09/11/20 作)

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