「ムーンシャイン」は妖しい言葉
小生、丑三つ時過ぎから夜明け前までという、真夜中に活動するという仕事柄、月影にも、月を巡る話題にも敏感である。
← 今日は、実りの秋を髣髴とさせる我が家の庭木たちを紹介。
今日、マーク・ロナン著の『シンメトリーとモンスター―数学の美を求めて』(宮本 雅彦 宮本 恭子【訳】 岩波書店 (2008/03/19 出版))なる本を読み始めたところ、そのプロローグの部分で、「ムーンシャイン」という言葉に出合った。
何故に大袈裟にも、「ムーンシャイン」という言葉に出合った、などと書くかというと、英語に(も)精通しない小生には、ちょっと想像の外の意味があることを教えられたからである。
本書のプロローグでは、ある特殊な(未だ得体の知れない)数学の問題を採り上げる中での件(くだり)での出合いである。
まだ、数学的に研究する対象足りえるか分からない、雲を掴むような題材を前にしての学者の戸惑い。
コンウェイはこれらの現象を「ムーンシャイン」と呼んだ。それは、踊っているアイルランドの小妖精に降り注ぐ不可解な月明かりという情景を表わし、論理的な理由がわからない意味のはっきりしないものという趣旨を込めていた。同時に、このムーンシャインという言葉は、禁酒法時代の代表的な密造酒の名前でもあり、あたかも、この研究が正当ではないかもしれないという疑念もこめている。しかし、このムーンシャインという用語はすぐに人気を得た。私が最初にそれを聞いた時、月のように反射して光っているものというふうに理解した。そこには、発見され注目を浴びることになる多くのものが根元に眠っており、それを見つけ出すことが数学の大きな楽しみの一つとなる。数学では、対象を深く研究すればするほど、発見するものが増えれば増えるほど、知りたいと思うものが増えてくるものなのである。
(以上、本書より抜粋転記)
→ ミカンも大分、熟してきた。今月末か来月には、それなりに甘くなって食べられそうである。
密造酒に絡む、欧米での「Moonshine」の意味合いについては、「Moonshine - Wikipedia, the free encyclopedia」を参照願いたい。
とにかく、英語では、辞書的な意味合いでは、「Moonshine」は、「月光; ばからしい空想; 〔米話〕 密造[密輸入]酒」だという。
← ミカンの木の背後には、多分、ツバキの木。桃色の花が咲いている。秋の青空にミカンの黄色とツバキのピンクと葉っぱの緑とが映える。
「Moon Light」だと、「月光」といった意味である。
なので、小生の貧しい英語力からの連想だと、「Moonshine」だって、似たような意味になるのかと思ったら、「月光」という意味もあるが、「ばからしい空想」、さらには「密造[密輸入]酒」だというから、ちょっと驚き。
「Moonshine - Wikipedia, the free encyclopedia」によると、密造酒は、満月のもとでこっそり作る(あるいは密輸入することから派生するという!
夜陰に紛れて…じゃなくて、満月のもとで働いて作るんじゃ、内緒にはならないと思うのだが、真暗じゃ仕事にならない、だから、満月の真夜中に作業するってことなのだろう……か ? !
→ 今朝、仕事を終えて帰宅した直後、多分、五時過ぎ、我が家の屋根越しに満月を二日ほど過ぎた、それでも眩く輝く月影を見た。無粋にも、小生、敢えてフラッシュを焚いて撮影を試みる。目にはでっかく見える月影だが、感情移入しないレンズの冷たい目線では、月影はこんなに小さい。いかに月を見るに際して人の思い入れが深いかが分かるというもの。
日本語でも「月」が絡むと、時にロマンチックに、あるいは時にやや妖しくなる。
事情は海外でも似ているということか。
…まあ、どうでもいい話題であった。
「月」関連拙稿:
「冬の月」
「月の魔力?」
「夕月夜…秋の月をめぐって」
「月の山脈と天の川と」
「春の月・春の星」
「月冴ゆる」
「もしも月がなかったら」
「青い月 赤い月」
「ブルームーン」
「月影のワルツ?」
(09/11/06 作)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
- 「日本航空123便墜落事故」(事件)の真相解明を!(2024.12.02)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
- 「日本航空123便墜落事故」(事件)の真相解明を!(2024.12.02)
「駄洒落・戯文・駄文」カテゴリの記事
- 柳 宗悦著『民藝四十年』に学ぶこと多し(2024.11.11)
- 生け垣の補修はしたものの(2024.10.01)
- 「昼行燈2」を夜になって書いた(2023.09.16)
- 新しいスマホで野鳥を撮る(2023.09.14)
- 光は闇を深くする(2023.09.10)
「写真日記」カテゴリの記事
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
- 「日本航空123便墜落事故」(事件)の真相解明を!(2024.12.02)
コメント
やいっちさん、こんばんはmoonshineにはそんな意味もあるのですねえ…フフフ
「別れの曲」がピアノで弾けるようになったので、次は「月光」を弾けるようになりたいと練習中です
でも、下手くそな私の手にかかると悲しげなメロディーが酔っぱの千鳥足風になってたりして
ちなみに「別れの曲」も「月光」も単に美しいから好きなんですねえ色っぽくなくてすみません
投稿: 三日月 | 2009/11/07 22:31
三日月さん
なんとか三日月さんの弾かれる「別れの曲」や「月光」を聴いてみたいものです。
…それ以上に、練習している風景をチラッと覗き見したい。
練習中って、楽しいより真剣なんでしょうね。
無粋な小生、ボケ防止のためにも、「ちょうちょう ちょうちょう菜の葉にとまれ~♪」ていう「蝶々」などの童謡でいいから弾いてみたいものです。
投稿: やいっち | 2009/11/08 19:51