寝場所が確保できました!
片側(東側)は仏間で、一応はベニヤで仕切られた壁がある。
北側もベニヤの壁面(但し、やや奥まった隅っこは物置になっている)。
南側は、よくブログで表通りに面する窓のある…などと紹介している部分で、大き目の窓があり、夏場は西日が差し込むのでゴーヤやヘチマなどを植えた花壇(もどき)がある。
この南(通り)に面する壁にある窓は、模様の入った磨りガラス。
レースのカーテンを引いてあるけど、夜、部屋の明かりは漏れ放題。
部屋の中の人影も向かいのアパートから窺い知ることが可能。
だからこそ、日除けを兼ねて、ゴーヤやヘチマなどを育ててきたのだ。
問題は西側で、そちらは障子戸で、廊下と仕切られている。
その障子戸は、改装された三十数年来、一切、手を入れられてなくて、障子は赤茶けているし、破れ目も散見される。
← 南天だろうか、実が真っ赤。いよいよ晩秋の風情漂う。
廊下は細道を間に挟んで隣家に面する。
廊下には、透明なガラス窓の戸があり、レースのカーテンが下がっているだけ。部屋と廊下とは、障子戸と共に古びて解れ目の目立つ(昔は立派だったのだろう)カーテンが申訳なさそうにあるばかり。
部屋の明かりが外に漏れるし、その気になれば、外から部屋の中を透かし見ることができなくもない(誰も覗いたりはしないだろうけど)。
障子戸は今や立て付けが狂っていて、ちゃんと閉め切ることができない。閉めても数センチほど透き間ができる。
が、明かりが漏れることよりも何よりも(夏場の暑さは今は触れないとして)、寒さが堪える。
隙間風の吹き放題なのである。
そんな四囲の状態だが、それより困るのは、床面である。
畳敷きで、その上に絨毯が敷かれてある。
その畳(なのか、畳の下に葺かれている板なのか)が歪んでいる。
以前も何度か書いたが、畳が(あるいは板敷き)が複雑に縒(よ)れていて、慣れている今でも、うっかり歩こうとすると体が傾いて、オリョリョとなってしまう。
そんな床の上に布団を敷いて寝ると、床のよじれが布団があっても、背中に伝わり、寝て起きると背中の節々が痛くなる。
→ いつだったか見かけた蝶々を久しぶりに今日、見た。…でも、これ、蝶々? それとも…、蛾? 岩に留まって何を想う?
仕方なく、最近などは、近所の人から貰った(捨てるはずの)二人掛けのソファに体を埋めるようにして寝てきた。
そう、子宮の中の赤ん坊のように、体を縮こまらせて!
これまた体に悪い。
体を伸び伸びさせることも可能だけど、時に自分の好きで体を縮めるのなら、それはそれで寝方の一つのあり方だが、二人掛けのソファの座面に篭るように寝るしかないのだから、体はただただ窮屈である。
そもそも、布団がひどい。
改装した三十数年前にこの部屋に居住していた者のために誂えた布団に毛布に枕。
帰郷した当初、東京で一人のんびり暮そうと思っていた小生を呼びつけながら、受け入れ態勢が全くなってないじゃないか! と愚痴りつつ、押入れから布団類を出して、ゆがんだ床面に敷布団を敷き、掛け布団を被って寝たのだが、それが拙(まず)かった!
多分、押入れに入れっぱなしで、(少なくとも数年は、あるいはそれ以上か)全く干したことがない(防虫剤も付されていない)、そんな寝具で寝てしまって、小生は悲惨な状態になった。
さすがに数日(もしかして一ヶ月ほど)してようやく原因に思い至って、慌てて布団や毛布などを干したが、時、既に遅かった。
← 裏庭の細道の縁にひっそりと実る南天。傍の太い幹は、先月の台風で倒壊した杉の木の幹。約5メートルほどの高さのところで折れ、そのまま残っている。
そう、多分、ダニ類に体中をやられてしまったのだ。
ひどい痒み、痛み、(蚊に刺されても、決して掻いたりしない小生なのだが)痒みに耐えかねて掻いたりして、やがて体中が痣(あざ)だらけ、傷だらけになった。
その傷のあと(痣)は、今もまざまざと残っている。
我が家の誰も小生の受け入れ態勢のことは考え及ばなかったようだ。
まあ、肝心の母が介護の必要な状態で、小生のことは、二の次三の次、ということなのだろう。
そんな部屋、そんな床面、そんな寝具での日々。
母の介護や父の面倒を見るはずの自分が真っ先に部屋の状態の悲惨さで倒れそう!
我慢を重ねてきたが、アルバイトなどして、やっと僅かながら資金ができたので、思い切ってセールで売り出されていた電動ベッドを買った。
(今年は、床屋さんへは一度きり、本は一冊も買っていない。このために頑張ってきた ? !)
読書をする際にはベッドの上半身の部分(背の部分)を持ち上げて、寝るときは、ベッドを平らにする。
これでやっと安眠できる。
→ 冒頭の月影とジェット機雲の写真。ふと見ると、機影がぼんやりだが映っている。画像の処理をしていて気が付いた。
尤も、布団類は未だ買えない。
夏も冬も、三十数年前に前の居住者のために誂えた毛布を被って眠る。
真夏は、薄い夏掛けを一枚。
晩秋からは毛布を二枚。
布団は(さすがに何度か干したが)こりごりなので、使わない!
まだ、寝具類を買い換える余裕はないし、シーツも未だ買えなくて、スプリング入りの真新しいマットが剥き出しなのが気になるが、とにかく塒(ねぐら)だけは確保できた。
寝て起きたら背中の節々が痛い、という生活からはようやく脱却できたわけである。
ゴンチャロフの小説『オブローモフ』の主人公の、引きこもりにも似た暮らしぶりを少しは真似できるかもしれない。
めでたし、めでたし!
(09/11/10 作)
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コメント
写真のチョウは、「キタテハ(黄縦羽)」であろうと思います。
前回のものは羽の形状なり少しちがい、おそらく「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」ではないかと。
ともにタテハチョウの仲間です。
投稿: かぐら川 | 2009/11/11 00:47
かぐら川さん
キタテハ:
http://www.insects.jp/kon-tyokitateha.htm
前回のは、ツマグロヒョウモン
http://www.insects.jp/kon-tyotumaguro.htm
文芸や植物などだけじゃなく、昆虫にも詳しいのですね。
両者が違うことにすら、小生は気づかないでいました。
かぐら川さんと小生との違いは、観察力…あるいは、動植物に対する愛情の有無の違いなのでしょうか。
投稿: やいっち | 2009/11/11 20:18