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2009/10/24

地球上で最も大きな生体:アスペン

 スペンサ-・ウェルズ著の『旅する遺伝子』(上原 直子【訳】 英治出版 (2008/10/27 出版))を読んでの感想文と呼べない雑文は既に書いたが、その中で、本書のテーマとは直接の関わりはないのだが、「地球上で最も大きな生体」なる話題が載っていた。

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地球上で最も大きな生体」って?
 象でも恐竜でもクジラでもない!
 それは動物ではなく、植物。

 となると、縄文杉とか、あるいは知っている人は、カリフォルニアのセコイアオスギの名を挙げる、だろう。
 確かに個々の生体(樹木)ということであれば、それも間違いではないのかもしれない(小生は未だ、調べつくしていない)。

地球上で最も大きな生体」とは、上掲の著者のスペンサ-・ウェルズによると、「アスペン」という植物(木)だという。
 このアスペンは、「地下の走出枝(ランナー)によって何百から何千本もの個体が結び付い」ているのだという。

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 この巨大な植物の特殊な生態の話が、以下のコメントに続くわけである:

同様に僕たちは、表面上無関係なハプログループ氏族をますます大きな「巨大氏族」に結び付ける共通の根を見いだすことができる。遺伝子という土壌を深く深く掘り下げていくと、最終的にすべては同じ源から生じているのだ。遠い昔にさかのぼれば、全人類はどこかの時点で祖先を共有していることになる。

 まあ、それはそれとして、本書の脈絡から離れて、「地球上で最も大きな生体」である「アスペン」に好奇心を掻き立てられてしまった。
 せっかくなので、実際に観察に行くのは叶わないものの、せめてネットで大よそのことを知りたい(実際に見物・観光に行った方のブログ記事は少なからず見いだせる。羨ましい。が、アスペンの生態を知っているとは思えない感想が大方である)。

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→ 「石蕗 (つわぶき)」の花…だろうか? 一昨日は、花が咲く気配など微塵もなかったのに、今日、傍を通りかかったら、鮮やかな黄色の花が開花。びっくり。

 が、小生の能では、「アスペン」についての詳しい(日本語の)情報(サイト)は見いだせなかった。

 英語の情報(「Aspen - Wikipedia, the free encyclopedia」)では、「アスペン」とは、下記:

Habitat and longevity」:
All of the aspens (including the White Poplar) typically grow in large clonal colonies derived from a single seedling, and spreading by means of root suckers; new stems in the colony may appear at up to 30–40 meters from the parent tree. Each individual tree can live for 40–150 years above ground, but the root system of the colony is long-lived. In some cases, this is for thousands of years, sending up new trunks as the older trunks die off above ground. For this reason it is considered to be an indicator of ancient woodlands. One such colony in Utah, given the nickname of "Pando", is claimed to be 80,000 years old, making it possibly the oldest living colony of aspens. Some aspen colonies become very large with time, spreading about a meter per year, eventually covering many hectares. They are able to survive forest fires, since the roots are below the heat of the fire, with new sprouts growing after the fire burns out.

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← 今日(23日)の「クレオメ(西洋風蝶草)」。過日の台風でかなり悲惨な状態になったが、しぶとく立ち直り花さえ咲かせている。

 ちょっと情報として物足りない。

 本書から当該の箇所を転記しておく:

 アメリカ西部の絶景の一つに、ロッキー山脈の紅葉がある。松や樅(もみ)の木が鏤(ちりば)められたアスペン(アメリカヤマナラシ)の木立が山の斜面を覆い、その葉を風に揺らめかせている。日が短くなり、夜の気温が低くなると、木々の彩りが変わりはじめる。生命のもとである葉緑素の緑色は、ほかの主要色素を残して組織の深部へと浸透し、葉を山吹色の装いに変えていく。
 アスペンに覆われた初秋の山は確かに美しい。しかし注意深く眺めてみると、面白い現象に気が付くだろう――変化は一様ではないのだ。所々に紅葉した木々の固まりがある一方で、近くにあるほかの木々の固まりはまだ青々としている。これには、微気候(たとえば、周囲と比べて日陰が多く涼しい小区域)内での小さな違いが影響していることも考えられる。だが実は、このアスペンの生態に興味深い秘密が隠されているのだ。
 アスペンは、地球上で最も大きな生体だということが判明している。もちろん、個々の木がという意味ではない――一本一本比べるなら、カリフォルニアのセコイアオスギが圧倒的に勝るだろう――むしろつながった生体全体を見たときの話だ。この巨大な植物は、地下の走出枝(ランナー)によって何百から何千本もの個体が結び付いたものなのだ。確認されている一番大きなアスペン林は八〇〇平方キロメートルにも及び、重さは六六〇〇トン、そして林齢一万年を超えているという。アスペンは成長するとランナーを伸ばし、山のほかの一画により日光が当たることを感知したら、そこに別の幹を形成する。このプロセスを何度も何度も繰り返していくうちに、発生した場所からじわじわと何百メートルも進んでいく。これだけ広範囲に広がっているにもかかわらず、表面上独立した木々は共通の起源から生じているのだ。


 以下、上で既に引用した、「同様に僕たちは、表面上無関係なハプログループ氏族をますます大きな「巨大氏族」に結び付ける共通の根を見いだすことができる。遺伝子という土壌を深く深く掘り下げていくと、最終的にすべては同じ源から生じている」云々の記述に繋がっていくわけである。

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↑ この木々の林がもしかして一つの生体なのかも ? !


アスペンの林については、下記ブログなどが写真共々、とても参考になる:
北米・アウトドアかぶれの小言 アスペンのトンネル
紅葉のアスペンへ行ってきました

                              (09/10/23 作)

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コメント

実はこれも道端の家庭にツワブキが咲いているのを見かけて我が家のそれも見に行きました。我が家のツワブキもいつ咲いたものか、咲きさかっています。花姿からフキもツワブキもキク科だったよなと思い出し、検索してみたらその通りだったのですが、なんと鴎外の生地「津和野」が「石蕗(ツワブキ)の野」に由来すると知ってびっくりしました。
ツワブキは犀星の詩「寺の庭」に印象的に歌われているのですが、今も犀星の育った雨宝院にツワブキはさいているのでしょうか。これを書きながら雨宝院が恋しくなってきました。
上の花は、イヌホウズキですね。黒い実が印象的です。ちょっと毒のある容姿もふくめて好きな雑草です。

投稿: かぐら川 | 2009/10/24 13:02

かぐら川さん

昨年だったか、ツワブキの名前、教えてもらいました。
昨春、知らなくて、あやうく、雑草と一緒に刈り取るところだった。

「津和野」が「石蕗(ツワブキ)の野」に由来するってのは、小生にもびっくり。
時間があったら、その周辺を調べてみたいものです。


上の花は、「イヌホオズキ」なんですね:
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/solanaceae/inuhoozuki/inuhouzuki.htm

真っ黒な大豆のような、綺麗な実です。

投稿: やいっち | 2009/10/25 21:12

先週、石蕗のことを書いて以来、ずっと雨宝院のことが気になっていたのですが、きょう、犀川のほとりの雨宝院に行ってきました。なんと門前にもつわぶきが咲いていました。それを見ただけでもう充分だったのですが、寺に入れてもらって裏庭にもつわぶきの咲いているのをみせてもらってきました。

犀星の詩「寺の庭」に、

 つち澄みうるほひ
 石蕗の花咲き
 あわれ知るわが育ちに
 鐘の鳴る寺の庭

とある雨宝院の石蕗です。梵鐘らしきもののないこの寺の「鐘」とは何なのか、ということも知りたかったのです。

それにしても「澄みうるほ」ふのは、「つち」なのです。もちろん背景には犀川の流れがあるのでしょうけれど・・・。

投稿: かぐら川 | 2009/11/01 00:58

かぐら川さん

石蕗(つわぶき)から津和野や雨宝院のこと、犀星に連想が働くなんて、さすがですね。

雨宝院(うほういん)は京都にあるとか:
http://www5e.biglobe.ne.jp/~hidesan/uhou-in.htm
そこまで足を運ばれるというのも、行動的な方だなと感心します。

雨宝院は、元の寺は応仁の乱で消失したとか。
元の堂宇には鐘もあったのでしょうか。

犀星の詩「寺の庭」は味わい深いもの。
彼の詩の中に出てくる「鐘」は、石蕗の花から(そこには不在の)犀星の胸裏の寺か何処かの鐘を連想したのかな、なんて思ったりします。

投稿: やいっち | 2009/11/01 20:45

 やいっちさま、京都まで想像を運んでくださり有り難うございます。が、私の行動力と、なにより財力が及ぶのは京都の雨宝院ではなく、犀星の育った金沢は犀川河畔の雨宝院です。
 この小さなお寺は、すぐ近くの犀星生地に立つ犀星記念館にない暖かさと優しさで、いつも犀星を慕う人を迎えてくれます。ぜひ一度お寄りください。

投稿: かぐら川 | 2009/11/02 01:27

かぐら川さん

小生、先走ってしまったようですね。
勢い余って飛びすぎた?
なるほど、雨宝院は京都にも金沢にもあるのですね。
隣県だし、金沢には三十年以上、無沙汰しているので、なんとか近いうちに(紅葉を見に)行きたいものです。

投稿: やいっち | 2009/11/03 18:06

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