ピアノ曲は我がマドレーヌ?
今日は何故かよく夢を見た。
というか、眼が覚めた瞬間、夢の中の物語の途中であることが何回かあった(あるいは、いつもとは違って、目覚めた瞬間、夢の断片を覚えていた、というべきか)。
← 『中村紘子:リサイタル』(ソニーレコード) (画像は、「Amazon.co.jp: 通販」より)
生活の都合とはいえ、日々、細切れの睡眠(仮眠)を数回取る。
こんな睡眠の仕方では多分、体に悪いのだろうが(きっと心にも)、一日数時間というまとまった睡眠時間帯を確保できないという事情がある以上、余儀ないことである。
目覚めてからも覚えている夢…。一つは初恋のもの。一つはやや尾篭な夢。
尾篭なほうの夢は、機会があったら書く(かもしれない)。
初恋を巡っての夢のほうはというと、もう、大分、夢の内容を忘れてしまった。
初恋の彼女は、ずっとつれなくて、目の前にいるのに、我輩のほうは全く見ない。
彼女は我輩を意図的に見ないのではなく(それだったら、多少は我輩を意識していることを意味する!)、全く眼中にない。
彼女はただ他の人を、あるいは何か他の事に気を奪われている。
あるいは何の気もない時であっても、すくなくともすぐ傍にいる我輩には目も呉れない。
もう、辛うじて覚えている夢の断片を今更、なぞるのもあほらしくなる。
あんな淡い初恋、そして初恋の人を何故に今更、夢に見るのか。
それも、帰郷して一年と半年余りの間に数回も。
東京に在住していた頃には夢の中に彼女が登場したかどうかすら、覚えていない。
何と言っても、保育所時代(から中学卒業の日まで)の初恋の人なのだ。
エピソードすら、敢えて語るほどのものはない(既にブログで何度か書いたから、今回は割愛する)。
ふと、一日に数回、一時間ほどの仮眠を取る際、音楽CDを流しっ放しにしているからではないか、と思われてきた。
珍しく、当たり、と思えるCDだった。
無論、図書館で題名や作曲家、あるいは演奏家、歌手の名前などを確認して選択し借り出している。
だから、気に喰わないCDを聞くはずもないのだが、それでも、可能な限り、聴いたことのないCDを選ぶようにしているので、好みの上での(演奏の良し悪し、ではなく!)当たり外れはあるわけである。
ピアノに絡んで、初恋の人のことについて少しだけ付記しておく。
今は分からないが、小生が小中学生の頃(まで?)は、深窓の令嬢(乃至は、かくありたいと願う親の気持ちとして)は、習い事の一つにピアノを選ぶことが多かった。
初恋の人がそうだったかどうか、分からないのだが、前後してやはり好きになった人は、間違いなくピアノを習っていた。
そういったことも(学生時代、この我輩すらもピアノ教室にせっせと通ったという事実もある!)、ピアノの曲や音と初恋の思い出が夢に現れる伏線というか背景にあるのかもしれない。
今、借りて日に数回、流しているのは、以下の2枚:
『ヴィラ・ロボス:ピアノ曲集 ピアノ:クリスティナ・オルティス』(ポリドール)
ブラジル風バッハ第4番 実習帳 三人のマリア 《シランダス》より ブラジル風連作(シクロ・ブラジレイロ 「白いインディオの踊り」を含む)
『中村紘子:リサイタル』(ソニーレコード)
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第一巻より ハイドン:ピアノ・ソナタ第34番 ホ短調 作品14 メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ ホ短調 作品14 フォーレ:ヴァルス・カプリス第1番 イ長調 作品30 グラナドス:「ゴイェカス」より第4曲 ”嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす” リスト:スペイン狂詩曲 グルック/スガンバーティ編曲:精霊の踊り(メロディ)
← 『クリスティーナ・オルティス/郷愁のブラジル~クリスティーナ・オルティーズによるブラジル近代ピアノ作品集』(株式会社マーキュリー) 悲しいかな、小生が聴いている手元のCDについての資料は、ネット上で見つけることができなかった。まあ、1987年のCDでは無理ないか。
ヴィラ・ロボスのブラジル風バッハなどは数年前、お気に入りになって(違うCDだったが)何度となく借りて聴いたものだが、その曲のことは忘れていたはずなのだが、こんなに心地よく聴けるとは思いも寄らなかった。
中村紘子さんについては、記念すべき年ということで、数年前、東京在住時代に借りて気に入ったリサイタルのCDを探したのだが、見当たらず、代わりといっては何だが、まあ、同じリサイタルだからいいかなと借りたのだが、聞いていたひたすら心地いい。
寝入りの際に、こうしたCDを聞きながら(吉田秀和の評論(随筆)を読んだりしつつ)だから、初恋の人を夢に見たのだろうか。
でも、せめて夢に現れて欲しい人は他にいるのだが、夢などは、なかなか思い通りにはならないものである。
ピアノ関連拙稿(大半が創作なのは、何故?):
「紫陽花の雨」
「ピアノの音は悪魔の囁き」
「蜃気楼の欠けら」
「ショパンの調べについ…」
「ピアノの音」
「雨音はショパンの」
「音楽拾遺…ヴィラ・ローボス他」
(09/10/26 作)
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コメント
弥一さんまとまった睡眠時間を取れないのですか?もしまとまった睡眠時間が確保出来たら睡眠薬とかなくてもぐっすり眠れますか?僕はダメ、不眠症、それに睡眠薬には精神安定の効果もあるしー。弥一さんの初恋の人の話はblogでもずいぶん読みました。僕の夢にも初恋の人たびたび出てきます!高校時代の人、クラスは違ったけどー。青春時代、せつなく燃えるような恋ができるー男子校はかわいそうだなと思う
投稿: oki | 2009/10/27 01:04
okiさん
初恋話と同様、睡眠障害についても、何度も書いてきました。
まとまった睡眠時間帯があっても、多分、きちんとした睡眠は期待できない……というより、小生にはありえません(器質的な理由で)。
ただ、それにしても、細切れの睡眠(仮眠)の時間を合わせても、まるで足りないというのは厳然たる事実ってことです。
投稿: やいっち | 2009/10/27 18:01
やいっちさん、こんばんは




深窓の令嬢ではなかったワタクシは、大人になってから、それも最近ピアノを習いはじめました
ショパンの「別れの曲」が弾けるようになりたいと思っています
て、簡単バージョンですけど
投稿: 三日月 | 2009/10/27 22:04
三日月さん
深窓の令嬢なんて、もう死語なのかな。
まあ、高度経済成長時代の、人の活力を引っぱる夢…というよりニンジンのようなものだったのかもしれない。
三日月さんのピアノ、今が旬、というわけですね。
ショパンの「別れの曲」が弾けるようになりたいって、別れのため? それとも思い出があるから?
それはともかく、目当ての曲が弾けるようになるって素晴らしいことです。
小生など、学生になって二年ほど、ピアノ教室に通いました。
バイエル初級篇の上巻だけ、意地で遣り通した思い出があります。
「エリーゼのために」の譜面が巻末に載っていて、なんとか弾けるようになりました。
…あれって、簡略版だったのでしょうか?
投稿: やいっち | 2009/10/28 18:12