木原光知子さんの命日にちなんで
今日10月18日は元水泳選手の木原光知子さんの命日だという。
木原光知子(1948年4月5日 - 2007年10月18日)さんについては、「木原光知子 - Wikipedia」などで見ていただくとして、小生としては木原光知子さんに絡む(というのもおこがましいのだが)個人的な思い出の記を紹介しておく。
→ 九月の上旬、病院のエントランスで見かけた「ヘデラ カナリエンシス(Hedera canariensis)」だが、生憎、お花屋さんにその苗の在庫がなく、代わりに入手したのは、似て非なるものだが、「ヘデラ(アイビー)」の苗。我が家の庭が、雑草で占領されつつあるので、どうせ緑の野になるなら、もう少し見栄えのする植物を、ということで、とりあえず畑(ここも、雑草の天下)に植えてみた。が、さすがに畑は、今後、何か野菜を植えるかもしれない、ということで、表の車どおりに面する花壇に植え替え。今まで、ゴーヤやヘチマ、朝顔が育ってきたところの並びの位置。が、植物の説明を読むと、直射日光はダメで、「薄日が当たるくらいの明るい日陰が最適です」とある。明日にも再度、植え替えしないといけない。さて、何処で育てるか、それが問題だ。
詳しくは、拙ブログ記事「泳げたぞ!」を読んでいただくとして、ここには関連する件(くだり)だけ、転記して示したい。
同氏の元気だった頃を偲びつつ、そしてやや自堕落でもあった頃の自分を思い出しつつ。
(前略。無職時代、健康な体を取り戻したくて、プール通いを始めた。目標は、まず、泳げるようになること!)
最初の頃は、プールの中を、これはリハビリなんだからと、歩くのがメインだった。
周囲に人が少ない時を狙って(実際、プールへはウイークデーの日中に通うようにしていたので、人影は少なかったのだが)、数メートルだけ、勢いをつけてバタ足で前進してみる。
そのうち、平泳ぎの真似、クロールの真似をする。バタ足での前進だけでは面白みがないし、退屈してしまう。それに、息も続かないから、バタ足では十メートルがやっと。息ができないから、すぐに立ち上がろうとする。プールの底に足を届かせて安堵する。平泳ぎより、クロールのほうが若干、前進する距離が長い。
とはいっても、息継ぎが苦しいのは同じで、25メートルなんて、遥かに遠い。
ああ、夏になる前に、屋外プールで颯爽と泳げるようになりたい。
でも、25メートルだって気持ちの上では、対岸が遠くて霞んで見える自分なのに、50メートルある屋外プールを泳ぎきるなんて論外!(中略)
テレビ(NHK)で水泳教室をやっている。確か、講師は東レの「専属水着アドバイザー」だったり、「1964年、山陽女子高等学校在学時に東京オリンピックに出場」した木原光知子さんだったと思う。
モデルとなって泳がれる若い女性の方の水着姿、水中で泳ぐ姿を見るのが楽しみであり、半ば、目的だったような気もするが、とにかく泳げるようになるヒントを求めてもいた。何回目にその水泳教室の番組を見たときだったろうか。息継ぎの話になった。
「息はね、吸うんじゃないの、息は吐くの。人間の体はね、吐けば、勝手に息を吸ってくれるものなの」
「息を吸おうとするから息が苦しくなるの。だって、普段だって、息を吸おうとする? しないでしょ。息は吐いているだけ。吐けば肺が勝手に吸うものなのよ」(中略)
クロールという泳法を試みながら、右手で水を漕ぐ際に、顔を水面に上げ、息を吐く、その際、仮に口中に水が入っていたなら、その水も一緒に勢い良く吐きだす。
で、あとは放っておいても息を吸うという体の、あるいは肺の自然な動きに任せる。
そのことだけを言い聞かせながら、懸命に、しかし次第にゆとりを持って泳げるようになっていった。
室内プールの25メートルどころか、その往復、往復どころか2往復、3往復と、面白いように距離が伸びていく。
あとはもう、体力次第だった。息を日常でするのと同じようにするのだから、距離を阻むものは体力しかないわけだ。25メートルの室内プールを往復すると50メートル。その往復の回数を10往復、15往復と、日を重ねるにしたがって増やしていく。
懸命に泳ぐ。水をがぶ飲みする。それでも負けずに水を掻く。水と一緒に心身に溜まったストレスを、心の垢を掻き落とす。訳の分からない不毛感と徒労感を押しやろうとする。
俺が悪いんじゃない、なんて自分に言い聞かす。自分は終わっていない。やり直すんだ。苦しさがあったとしら、じゃー、いっそのこと、もっともっと苦しんでやる。波と水との抵抗。水(を飲んでしまうこと)への恐怖、それはまた、現実に負けて、負け犬根性が染み込んでいる自分への嫌悪感と一体でもあった。そしてついに20往復を達成。
← 今朝(17日)の「クレオメ(西洋風蝶草)」。台風で薙ぎ倒され、花は飛び散り、茎も根っ子から折れ曲がって瀕死の状態…に見えた。今も、哀れな状態には違いないのだが、しぶとく花が咲き始めている。
小生は(器質的な障害があって)今も鼻呼吸ができない。
鼻で吸うほうはなんとかできるが、吐くほうがうまくいかない。
なので、バイクを使っての配達の仕事をしながら、バイクでの走行中は時間が勿体無いので)、呼吸の訓練(の真似事)をやっている。
転記文中にあるように、木原光知子の言葉、「息はね、吸うんじゃないの、息は吐くの。人間の体はね、吐けば、勝手に息を吸ってくれるものなの」を肝に銘じつつ。
…と言いつつ、今夏は一度もプールへ行かなかった。
シャワーさえ浴びる余裕がないのだから仕方ないけど、我ながら情けない。
「泳げたぞ!」
「木原光知子さん、死去!」
(09/10/17 作)
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コメント
「息はね、吸うんじゃないの、息は吐くの」 - これはなんか奥の深い言葉ですね。私などは欲張りで、すってっすってですが、すると水泳でも体が浮いて潜水が出来ないんですね。もちろん水にも馴染みが悪いのです。
しかし呼吸はヨガなどでもあるように重要ですね。それで鼻は基本的に吸う機能ですから、吐く必要はない筈です。問題は鼻かみですか?
投稿: pfaelzerwein | 2009/10/18 05:25
筆名を滝野から滝川に変えました。
プールというと庄野潤三の「プールサイド小景」が思い浮かびますが、鬼籍に入られてしまった。
合掌。
やいっちさん、何メートル泳いだのでしょう。
すごいですね。
中学の頃、水泳大会で五十メートル泳いだ記憶がありますが、今は二十五メートルも泳げるか、あやしいものです。
また、プールに行けると、いいですね。
投稿: 滝川 | 2009/10/18 14:30
pfaelzerwein さん
この話題では以前もコメントを戴きましたね。
少なくとも小生にとっては(タイミングもあったのでしょうが)、実に貴重なヒントになりました。
呼吸法は、奥が深い。
アウンの呼吸。
吸う、吐く、生命。
潜水は、人間などの場合、息の調整が肝要なのでしょうが、ちょっとでも水面下を泳ぐと、世界が違って見える。
小生、平泳ぎが出来ないので、潜水は、ただ、潜るだけで、移動ができない。
潜水の醍醐味を味わえていないのです。
投稿: やいっち | 2009/10/18 18:15
滝川さん
サイトをお邪魔させてもらって、滝野さんと確認。
さて、プール通いは今はやっていない。
あくまで泳げるようになったという思い出話です。
体力次第ってのは、右に同じ、ですね。
投稿: やいっち | 2009/10/18 18:17