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2009/09/02

自民党の瓦解……東西冷戦構造の崩壊から20年

 先の総選挙で自由民主党が(歴史的な?)大敗を喫し、民主党が大勝した。
 自民党の一部の幹部は民主党に負けたのではなく、「政権交代」という正体不明の風に負けた、あるいは自滅したのだと強弁している。
 その主張の当否はともかく、民主党が衆議院において圧倒的多数を確保したという厳然たる事実は微動だにしない。

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← 以前、名前を教えてもらったはずなのだが…。

「風」の有無はともかく、小生は、自民党は負けるべくして負けたのであり、むしろ、壊滅的打撃を被るのが遅きに失していると理解している。

 自民党は、1955年に自由党と日本民主党の保守政党が合同して結成された政党である。
 戦前からの経緯(いきさつ)があるのも事実だが、やはり、「社会主義勢力の台頭を危惧する保守政治家」らの画策の結果、生まれたわけで、共産主義や社会主義の脅威をリアルに感じ取っていたからだろう。

 実際、「左右社会党が再統一されて日本社会党となり、保守政党にとって大いに脅威となった」という現実が生まれていた。

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→ (夏)萩。今日は花に焦点を合わせてみた。

 無論、アメリカという自由主義(資本主義)の国の、共産主義や社会主義陣営に対する防波堤の意味も多分(想像以上に!)あって、アメリカによって後押しされた面もある。

 いずれにしろ、今の我々には想像も付かないほど、共産主義や社会主義の脅威を実感していたのだろう。
 
 が、1989年、ベルリンの壁に象徴される、東西の冷戦構造が崩壊し、冷戦が終結した。
 
 その時点で、共産主義や社会主義が日本を席捲する可能性は消滅した(そういった発想自体は細々と命脈を保っているとしても)。

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← 我が家に一本だけあるミカンの木。今年はミカンが豊作の予感。

「1945年、旧無産政党系の政治勢力を結集して結成されて以降約50年間活動を続けた」日本社会党は、自民党の内紛や小沢氏らの策謀(?)による政党の離合集散の歴史の渦に飲み込まれ、1996年1月の村山内閣総辞職後、同月社会民主党に生まれ変わった。
 劇的なほどに勢力を削がれてしまった。
 時代の必然なのだろうが、東西の冷戦構造の崩壊で、巨大な社会主義政党が存在する意味が雲散霧消してしまったわけである。

 思うに、自由民主党も、故・吉田茂元首相の流れを汲む官僚体質を持つ自由党と、故・鳩山一郎氏の流れを汲む党人派の民主党という、政権と社会主義に対する防波堤だけでくっ付いていた二つの勢力が、日本社会党の尻すぼみと相呼応する形で、分裂するべき運命にあったのではなかろうか。
 が、権力や政権への執着が、国民のニーズを忘れ、与党としての責任も忘れ(相次ぐ首相の中途の任務放棄)、内部闘争と既得権の確保にのみ汲々とする仕儀に至っていた。
 
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→ 今日の「クレオメ(西洋風蝶草)」。花が大分、疲れているみたい。昨日の雨くらいじゃ、元気は取り戻せなかったようだ。

 東西冷戦構造の崩壊から、今年で20年。
 ようやく、自由党と民主党(名称は、この際、置く。要は官僚派と党人派、ハト派保守とタカ派保守、中央集権主義と主権在民主義、アメリカ唯一絶対かアジア重視か、資本や金融重視か消費者重視か、単一民族主義幻想死守か海外に門戸を開くか(移民や亡命者の受け入れを緩和するか否か)、などの基本的対立軸)で分離される二つの保守勢力のそれぞれの党に分かれる兆しが今、一気に表面化したわけであろう。
 分裂へのマグマが噴き出したわけである。
(思えば、小泉元首相のもとでの自民党の勝利は悪夢だった。あたら大勝ちしたために、自民党はまだやっていけると勘違いしてしまった。あの小泉劇場の齎した勝利は、結果として、自民党の無為な延命になってしまった、ある意味自民党に止めを刺した一幕の悪夢だったと小生は思えてならない。)

 離合集散はまだ繰り返されるだろう。民主党の中にタカ派勢力が残存しているから、そのうち自民党が民主党に手を突っこんでくる可能性もあろう(逆に自民党の中のハト派勢力が民主党に集まっていく可能性もないとは思えない)。

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← 昨日、名前を教えてもらった「ヤブミョウガ」。今日も様子を見に行ったら、「黒紫色の果実を稔らせ」ていた。

 小生などは、日本共産党と公明党などは、(誤解でなければ)互いに天敵のような存在となっているようだが(今のところ、お互いに不干渉の姿勢を保っているようだが)、平和主義や反権力や庶民重視・生活重視(民主党は生活が一番と言っているが、そのうち、この看板を下ろすのではなかろうか)の理念からして、政治的目的のため、相協力したほうがいいと思っている。

 そうしないと、保守の二大政党の中で、社会民主党を含め、一般庶民の声を代弁する勢力が国会で縮小していくばかりという危惧の念が強まるばかりなのである。
 庶民の党であるはずの日本共産党と公明党が勢力として分裂していて喜ぶのは保守勢力以外の何者でもないだろう。

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→ 我が家の庭に珍客が。目の前に我輩が立っていることに気づかないのかな?

 世界は、金融危機を乗り越えられたのかどうか。
 仮に乗り越えたのだとしても、世界経済の荒波は高まることはあっても、凪(なぎ)の時を迎えることはないだろう。
 となると、保守勢力は、それが自由党(自民党)だろうと、民主党だろうと、遅かれ早かれ国民に牙を向く(結果的に国民に犠牲を強いる)政策を打ち出していくしかないと思われる。

 そうしないと国が国民が守れない、などと訴えて。

 庶民を守る発想が言葉の上ではともかく、本音において保守勢力にあるとは、ちょっと信じられない。
 この(小生の根拠のあやふやな)不信感を民主党が吹き払ってくれるのかどうか、今は固唾を呑んで見守るばかりである。

                                 (09/09/01 作)
 

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コメント

「ハト派保守とタカ派保守」 - 私に言わせるとこの保守というのが際物でね。一体何処に伝統なり政治の基礎を置くのでしょう。一番古い政党は日本共産党に他ならなく、唯物論は近代日本の基礎である事は小林秀雄でも否定しないでしょう。

申し訳ないですが公明党はやはり日蓮宗を標榜してはいますが、カルト集団の政治局でしかないですから、彼らが与党にいたところに日本の文化的な問題があると思いますね。

民主党は基本的に従来のカテゴリー分けでは中道左派とされ鳩山はボトムアップの社会形態を希求しているわけですが、上の二つの政党は全体主義とカルトという典型的な中央集権のトップダウンが最終的な理想像ですから、全く「庶民派」では無い訳ですよ。

投稿: pfaelzerwein | 2009/09/02 04:44

pfaelzerweinさん

まあ、日本共産党と公明党との共闘は、まあ、本気では書いていません。
誰も本気にしないでしょう。
何らかの建前のみがあるだけで、庶民派じゃないのは歴史が語っている。
建前にしがみ付く党は、縮小再生産あるのみだろうと。

保守勢力にとっては、ガス抜きの集団、遠吠えの集団、政治的に利用できる、都合のいい集団なのでしょう。
使える限りは使い(権力志向や与党への色気を示したときは、徹底して利用し尽す)、温存し、あるいは無視する。
ほどほどの、保守に不都合でない範囲の勢力の大きさまでは容認するのでしょうね。


保守は、君子かどうかは別にして、鵺(ぬえ)のようにその時の都合で主義主張を豹変させる。
だからこそ、決して単なる批判者、体制反対派ではなく、為政者の可能性を持つのでしょう。

いずれにしろ、小生が掲げた対立軸なんて旧態依然たるもの。
時代の要請に従い、あるいは保守の本能や嗅覚で、これはという理念を打ち出し、喧伝し、国民を煙に巻くのでしょう。
今の所、官僚主導か否かくらいしか、目立った対立軸が見えていないのは、ちょっと寂しい。

徹底してリアルに日本の、世界の潮流を読み、議論し尽くし、勇気を持って主張していってもらいたいものです。

pfaelzerweinさんは、民主党と自民党の違いや対立軸は何だとお考えでしょうか。
人間関係や今までの経緯だけで対峙していくと考えるのは、あまりに寂しい。

投稿: やいっち | 2009/09/02 10:06

あっ、ヤブミョウガですね。ミョウガの名前がちらちらして、ミョウガをいくつか検索したのですが全然違うし、この花が載っているはずと目星をつけた図鑑が見当たらなくて、あきらめかけていたところです。
なお今日の花も、ヤブです。「ヤブラン」。

投稿: かぐら川 | 2009/09/02 22:45

かぐら川さん

ヤブミョウガ、結構、身近にある植物のようですね。
繁殖力も強いみたいですし。

冒頭に掲げた画像の花、「ヤブラン(薮蘭)」なのですね:
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/yaburan.html

やはり、名前が分かると、眺めていても、親しみを感じます。

投稿: やいっち | 2009/09/03 18:02

民主党308ですか、雑誌の予想では民主党307とした週刊朝日が一番近かったですね、弥一さん、記事のなかで小沢一郎に触れていないのはなぜ?小沢の野望は政権交替可能な二大政党を作ること。だから民主党がこれからも勝ちすぎるようだと小沢は民主党を割るでしょうね、そんな人間です小沢一郎は。鳩山さんも危なくてしかたないから小沢を幹事長にしたのでしょうが、小沢の闘いはまだ始まったばかりでしょう。

投稿: oki | 2009/09/04 23:25

oki さん

小沢さんの力量は、凄いものがあると思いますが、本稿では、もっと大きな潮流と必然性があっての、自民党の自壊(崩壊)だという考えを示したかったので、彼に言及する必要はなかったのです。

小沢さんを幹事長にしたのは、妥当なものだと思います。
トラを野に放つという言葉がありますが、小沢さんがトラかどうかは別にして、衆目の目を浴びる立場にあったほうが、あやふやな立場に置くより、逆にコントロールが効くし、次の参院選の勝利(これがあって初めて本当の政権交代になる)という大きな目標があるわけで、その意味でも、妥当な人事だと思っています。

仰られるように、小沢さんの戦いの正念場はいよいよこれからだと思います。
自民党や財界や官界からの逆風はこれから強まるでしょうしね。


まあ、民主党は初めての政権だから、日本にとっての(戦後)初めての政権交代ということもあり、ギクシャクすることがあって、来年の参院選や次の衆院選などは、新しい自民党(名称も変わるべき)の逆襲に遭うかも。

投稿: やいっち | 2009/09/05 19:20

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