8月5日は「タクシーの日」
今日8月5日は、「タクシーの日」である。
1912(大正元)年のこの日、「東京・数寄屋橋のタクシー自動車株式会社が日本で初めてのタクシーの営業を開始した」とか。
8月5日の8・5は、ハコと読める。
タクシーを(形から)ハコと俗称することもあるから、こじつけだが、「タクシーの日」というより、「ハコの日」と呼んだりも。
← 「タクシーは手を挙げて拾ってね」参照。
小生は、一昨年の暮れまで、12年と3ヶ月(内定からだと、12年と9ヶ月)、タクシードライバーとして東京で影響していた。
帰郷する直前、個人タクシー免許試験にも合格して、個人タクシーとして営業するはずだったが、家庭の事情もあって、急遽、帰郷したため、断念。
名残りの看板(免許を申請する場合に必要なものの一つ)だけ、持ち帰った。
特注した白いプラスチックの細長い板には、「個人 ○▲タクシー営業所」と黒い活字で銘打ってある。
せっかくなので(?)、タクシー関連の記事(日記)をどれか紹介しようと思ったが、あまりに数が多く、選びきれないので、やめた。
思えば、99年11月にネット参入したときは既にタクシードライバーだったため、話題は様々あっても、タクシー稼業を辞めた07年12月まで、詰まるところ、タクシードライバー日記(創作)の数々を日々、綴ってきたようなものなのだ。
タクシーに絡む創作に限っても、リストアップしきれない:
「闇に浮ぶ赤い花」
「白いドレスの女」
「行く先は何処」
「今日も走るぞ! 一人相撲篇」
「今日も走るぞ! 近場ですが篇」
「今日も走るぞ! ここは何処?篇」
「今日も走るぞ! ブヤ篇」
エッセイの数々:
「あれこれと耳学問の日々過ごす」
「轢き逃げ?!」
「今日は自転車で…」
「使えないタクシーチケット」
「おじさんとおじいさんとの出会いかしら」
「タクシー(ドライバー)を見る目が厳しくなります!」
「この道はいつか来た道でも違う顔」
「タクシーは社会の縮図多事多難?!」
「子供のお使いでした!」
「試験より健診結果が心配でした」
「車内はラジオ三昧です!」
「今日はNASVAへ」
「自分は自分 やることをやっていく」
「ラジオ聴き音の風景たっぷりと」
「はぐはぐを望みしもついちぐはぐに!」
「レコーダー映像を捜査に活用…パノプティコン社会は必然?」
「タクシーは手を挙げて拾ってね」
「ピンクで始まりピンクで終った夜でした」
「彼岸花…闇に浮ぶ赤い花」
「冤罪を晴らす日まで生き延びろ」
「ラジオ聴き、右の耳から左へと(1)」
「ラジオ聴き、右の耳から左へと(2)」
「百鬼夜行:クラクションが発端でした事件」
「ホッと一息、でも憂鬱」
「不入斗のこと」
「銀嶺メモ」
「梁 石日著『タクシー狂躁曲』未満」
「居酒屋タクシーじゃなかったけれど」
「初詣で初お酒……何かへの胎動」
「東京タワー…沸騰都市東京のシンボル(前篇)
タクシーエッセイやレポートは、以上でもまだ半分にならない。
後日(翌日)、残りをリストアップしてみる(かも)。
→ 「おじさんとおじいさんとの出会いかしら」参照。
以下は、タクシーエッセイの一つ、「夜間飛行を堪能する」から、一部、転記する:
夜半を回った高速道路を都心を目指してひた走る。すると、夜の闇の中を朧に光る黒に近い灰色の幅広い帯がまっすぐに走っている。帯には路肩や車線を示す白いラインが描かれている。防音壁がまた夜の川を土手のように闇にどこまでも続いていく。車は未明も近い時間帯となると、疎ら。
そう、そこには点々と散在する光たちが藍色と灰色との闇の海の帯に沿って走っていく。
夏も近くなれば、尾っぽを光らせる蛍たちの群れが、遠くの餌場を目掛けて、それとも雌の臭いを嗅ぎつけて、無心になって飛び去っていくようでもある。
中には百キロ余りで走っている凡百のタクシーをあっという間もなく抜き去ってく個人タクシーもある。きっと、余人に増して欲望が強いのか、それとも仕事に打ち込んでいるのか。
だから、闇の中の光の群れは、秩序だった光の列ではないのだ。間近に見えた光が、あれよという間に高速のゆったりしたカーブの先へ吸い込まれていく。消え去っていく。置き去りにしていくようでもある。光が消滅していくかのようだ。
無論、自分の車も、その一台なのである。遠目には自分の車も、黒から藍の海へ、鉛色から底光りする灰色の闇へと変幻する無機の空間に明滅する数知れない虫たちのただの一匹に過ぎない。ああ、おれも、夜間飛行する一匹の虫なのに違いない。
(中略)
あの車、この車のどれにも運転手がいる…はずである。防音壁の下、それとも彼方には住宅街があり、森があり、山があり、海があり、あるいは川がある。そのどこにも、人間の、それとも動物の、植物たちの、微生物たちの、ウイルスたちの生活が、命が、犇めき合い、蠢き合っている。タイヤが削れてまでも走っている今、道路の下では何かの生き物の新たな命が生まれようという瞬間に際会しているかもしれない。末期の時を迎えているのかもしれない。ただただ、生きる苦しみに呻吟している人もいよう。肉体の喜びに嗚咽しているかもしれない。飢え飢えているのかもしれない。
目に見えるもの、耳に聞こえるもの、匂ってくるもの、味わえるもの、考え感じ思い想像し妄想するその全てを賭けても、人の想像力の遥かに及ばない世界が空に地に宙に広がっている。電波が一点へと収斂せんと幾重もの虚の波を闇の彼方の磯を目掛け打ち寄せ続けている。クォークが飛びぬけ、宇宙線が体を貫き、宇宙塵が漂い、星が煌くことを忘れ直視せんとする者から光を奪おうとしている…。夜間飛行の感覚。
(09/08/04 作)
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コメント
タクシーの日ですか、いろいろ思い出おありでしょうね。今のお客さんは運転手さんに話し掛けてくるのかな、じっと携帯眺めてるだけなのかな。吉祥寺でいつも駅前でお客さん待ってるタクシーがいて、ついに店の前にタクシー止めないでくださいと張り紙出されちゃった。相変わらず酒井法子さん行方不明ですね、旦那が覚せい剤やっていた、しかもプロサーファーなんて嘘っぱちだったってショックでしょうが、お子さんがかわいそうだ。タクシー移動したなら運転手さん、情報提供してあげて欲しいものです
投稿: oki | 2009/08/06 00:53
oki さん
こんなトピックを話題に採り上げる人はいないだろうし、かつてはタクシードライバーだった小生としては、触れておきたかったのです。
HPもブログも、タクシードライバー時代の出来事だし、始めたこと。
タクシー関連の日記や記事の多いこと!
タクシーのお客さんは、小生がやっていた間にも、変化を感じました。
やはり、携帯電話の登場は大きい。
以前は、ドライバーとのお喋り空間だったのが、(客が一人の時は)プライベートタイムとばかりに、電話でお喋りが多い。
あるいは女性ならメール。サイトの閲覧。コメントへのレスを書く、など。
用件も車内で。
仕事がタクシーの中にまで持ち込まれたようです。
酒井法子さん、お子さん共々、心配ですね。
若き日のアイドルも、人生の荒波の真っ最中。
乗り切って、大きなタレントになってほしいものです。
投稿: やいっち | 2009/08/06 13:06
また、図書館のパソコンです。
滝野さんのとこ、掲示板につきみられないとは!
酒井さん、意外な展開に驚いてます。
いろいろストレスもあるでしょうがー
投稿: | 2009/08/07 20:19
弥一さんすみません、書きかけで図書館の係員に注意された。うちの図書館は美術館のミュージアムグッズ調べようとしてもこれはショッピングだとブロックされる、Amazonも見られない。ともあれ酒井さんの件は父親も母親も犯罪者だと息子さんがかわいそうだ。タクシー、弥一さんは無事故無違反だったようですが、事故とか起こすと解雇されたりするのですか?ちょっと夏バテ気味の僕
投稿: oki | 2009/08/08 06:39
oki さん
図書館に限らず公的な場所のPCの利用は厳しいでしょうね。
インターネットカフェのほうがいいのでは。
酒井さん、予想外の展開、でも、知る人ぞ、知るだったようですが。
警察も早めの段階で…とも思うけど、そうもいかないのか。
タクシー、事故や違反は、会社も一体で責任を負う。
運転手だけ、責任を問われるのは理不尽だっかのが、数年前のタクシー法の改正で変更になっている。
我がブログでも書いたけど。
投稿: やいっち | 2009/08/08 18:09
な、なるほどう...
8月5日にはそういう偶然の符丁も
あるのですなあ!?
(って、実はこじつけというより、
真相だったりして\(^o^)/)
ご教示ありがとうございました!!
----------------
昨日(8/8),杖をついている老母とともに
実家に帰省しました。
最寄の駅までタクシーを呼んだのですが、
素晴らしいドライバーさんでした!!\(^o^)/
(小生より少し年配の人でした)
母が杖をついているのを見てとるや、
助手席のシートを前に動かし、母が乗りやすい
ように配慮してくれました!!
秦野タクシーの遠藤さん、ありがとうございました!!
(心の中で)必ずや個人タクシードライバー資格を
取得(って、すでに取得されているかも?)される
ことを祈りしましたわい!!\(^o^)/
投稿: Kimball | 2009/08/09 11:48
Kimball さん
以前は、仲間だったから分かるのですが、多くの方は真面目に親切にやっています。
ほんの一部が困り者なのです。
いいタクシードライバーとの出会い、いいですね!
小生も嬉しくなります。
そういうタクシードライバーこそ、ドンドン、利用したり、当局に(会社とかにも)葉書や電話すると、効果が大きいですよ!
投稿: やいっち | 2009/08/09 18:08