夾竹桃…花もあれば毒もある
つい先日、「夾竹桃にも花が咲きます」なんて、やや(?)間の抜けた表題の写真日記を綴ったら、コメントの形でいろいろ教えられることがあった。
← 「白い花の夾竹桃」 (09/06/02 撮影)
夾竹桃にも花が咲くのは当然なのだが、我が家の夾竹桃は、土壌の状態が悪いのか、それとも、春の到来を待っていたかのように伸び始め、表の生垣を乗り越え、通る車の走行を脅かすようになるので(←大袈裟)、小生としても目障りだし、気になってならず、雪解けしたと思ったら、冬の間に成長したかのような、根性のある木が癪に障り、春先には当分、剪定などしなくて済むよう、思い切って刈り込んでしまっていたからか。
今年は、五月の連休にも、近所の方が親切にも半分ほどに伐採してくれた。
昨年も帰郷して一年目ということもあり、雑草駆除と剪定はせっせとやったものである。
そんなことがあるので、花が咲こうにも、丸坊主の体では、咲きようがないわけである。
それでも、夾竹桃(きょうちくとう)はスクスク育つし、とうとう花が咲いたわけである。
夾竹桃の生命力の凄みは、この数年、我が家の敷地(に限らないが)の方々で、まさに蔓延るように生い茂っているドクダミの成長力・」繁殖力にもひけをとらない。
→ 「白い花の夾竹桃」 (09/06/02 撮影)
さて、コメントでは、さとさんから、「原爆許すまじ」といった内容の、広島の歌を教えてもらった:
「夾竹桃のうた」(作詞:藤本 洋 作曲:大西 進)
夏に咲く花 夾竹桃 戦争終えたその日から
母と子どものおもいをこめて ヒロシマの野にもえている
空に太陽が輝くかぎり
つげよう世界に 原爆反対を夏に咲く花 夾竹桃 武器をすてたあの日から
若者たちの願いにみちて 長崎の丘にもえている
空に太陽が輝くかぎり
つげよう世界に 原爆反対を夏に咲く花 夾竹桃 祖国の胸に沖縄を
日本の夜明けつげる日を 迎えるためにもえている
空に太陽が輝くかぎり
つげよう平和と独立を
ちなみに、夾竹桃は広島の花だそうである。
広島の歌となる経緯については、「瀬戸智子の枕草子 夾竹桃のうた」を参照のこと。
さとさんや、かぐら川さんには、夾竹桃の毒性についても、教えてもらった。
教えられて気づいた…というか、思い出したのだが、先月、「ドクター小石の事件カルテ5・毒炎(金曜プレステージ)」で、夾竹桃の毒が要(かなめ)だったのである。
「毒性の強い夾竹桃を燃やして煙を吸わせることで、体内に痕跡を残さず殺すことができる」というのだ。
しかも、検視の任に当たった関係者が、疑惑を抱き、司法解剖しないと本当の死因が分からないらしい。
「キョウチクトウ - Wikipedia」にて、いろいろ情報を得ることができる。
「ヒトの場合、致死量は0.30mg/kgで青酸カリをも上回り植物毒の中では非常に強力な部類に入る猛毒である」 ! !
しかも、「花、葉、枝、根、果実すべての部分に毒性がある。燃した煙も毒」 ! !
花にも樹液に触れてもいけないらしい。
うむ!
素手での伐採作業はダメみたい。ゴーグルも要るか。マスクも必要だ。
今までの我輩の作業ぶりは何だったんだ? 無防備だったぞ ? !
→ 「ピンクの花の夾竹桃」 (画像は、「気になりし<セカンドライフ >分からない」より。07/06/09 東京にて撮影)
夾竹桃が毒性が強いといっても、そこにあるだけで危険なら、街路樹などに選定されるはずもない。
庭木として使ってはいけませんと、当局などから指摘されるはず。
「キョウチクトウ - Wikipedia」の毒性(食中毒)の項を転記する:
・広島で枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている。
・フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある。
(・オーストラリアで近所の数家族がバーベキューの串に使用し11人中10人が死亡、残る1人も意識不明の重篤後に命をとりとめたが、重度の神経障害と失明を残している。)
(・ギリシャのアレクサンドロス3世がインド遠征の折に追従したセレウコス1世率いる軍の一小隊30人程がキョウチクトウを串焼き肉の串として利用し、中毒症で全滅している。)
なんと(!)、夾竹桃の花言葉は、「用心、危険、油断しない」だって。
毒性が花言葉にまで徹底している。
それにしても、「乾燥や大気汚染に強いため街路樹などに利用される。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中でキョウチクトウだけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで同市の緑化樹として広く植栽されている。また高速道路沿いにもよく見られる」というが、何故に、夾竹桃はかくも生命力があるのか。
成長が早いことと関係がある?
たとえば、樹木だと、根っ子から除草剤などの有害物質を吸い込んでも、葉っぱなどへ運ばれ、季節ごとに落葉させることで、有害物質の排除しているという。
実際、除草剤を根っ子に撒いた時の数ヶ月先くらいまでは落葉がいつもより多い(ような気がする。葉っぱを分析してみたわけじゃない)。
← ピンクの花の夾竹桃だが、枝ぶりは迫力がある! (画像は、「気になりし<セカンドライフ >分からない」より。07/06/09 東京にて撮影)
夾竹桃は、成長が早いので、それが街路樹として緑化に適する一面なのだろうが、同時に、枝葉の剪定(に伴って公害物質も廃棄される)も他の木よりは頻繁、なのかもしれない(←未確認。我が家では、そうなのだが)。
「夾竹桃 - 知泉Wiki」によると:
夾竹桃は、二酸化炭素などを吸収する葉っぱの気孔の部分に多数の毛が生えているのです。どうやら、この毛が体内に入る有毒ガス・ゴミなどを除去するフィルターの役目を果たしているらしいのです。
どれくらい有効なのかは現時点では不明なのですが、人間の鼻毛と同じ様な作用を果たしていると言うわけです。
但し、この記述について、学術的な裏付けは、小生は未だ取れていない。
手で触る分には、問題はないらしい(小生には問題なしと断言する自信(根拠)はないのだが)。
いっそのこと、夾竹桃を我が部屋の脇にある裏庭に日除けも兼ねて、植えてみるか。小生が長生きできたら、夾竹桃の安全性が証明されるわけだし ? !
…でも、子供には近寄らせないほうがいいかもしれない。
無邪気に触って、葉っぱを千切ったりして、樹液に接する恐れがないとは言いきれないし。
まあ、街路樹の夾竹桃に戯れる子供もいないだろうが(?)。
→ 今朝、父母をデイサービスに送り出したあと、庭の手入れ。そのついでに、夾竹桃の根元の辺りを撮ってみた。散々、伐採してきた、迫力ある痕跡。
夾竹桃については、まだまだ語るべきことがある。
でも、今日はこれまで!
「夾竹桃の花咲けば」(佐藤紅緑)
「夾竹桃の家の女」(中島 敦)
「夾竹桃」(歌:藤あや子 作詞:小野彩/作曲:伊藤雪彦/編曲:伊戸のりお)
「夾竹桃は赤い花」(歌:小柳ルミ子)
(09/06/05 作)
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コメント
庭に夾竹桃を植た覚えはないのに、いつしか樹がなっている。かなりの高さ。2階の屋根に届きそう。形や葉は嫌いではない。毒があるとは知らなかった!
でも切るのはかわいそう。そのまま 剪定して 生やしておこう
投稿: Kimio Suzui | 2010/05/30 13:07
Kimio Suzui さん
夾竹桃は繁殖力(成長力)が強いみたい。
花も咲くし、見ている分にはいい。
花や葉っぱに触れないようにすれば、折々剪定しつつ、そのまま育つに任せます。
投稿: やいっち | 2010/05/31 16:39