脱輪騒動から花束を届けるまでのエトセトラ(前篇)
しかも、二つ目の我が家の庭(門)前のT字路は、やや鋭角になっているので、バックではいるのは神経を使う。
さらに悪いことに、その鋭角のT字路の角はコンクリートでガッチリ固められている。そこをなんとかクリヤーしたと思えそうな場所に今度は車のドアを擦らんばかりに立ち木の枝葉が出っ張っている。
その上、家の門前には電信柱もあるし、門内すぐには大きな岩までが鎮座している!
恥ずかしながら、この一年で擦ること2回。
家の庭から車を出すのも、なかなかすんなりとはいかない。油断はできない。
ということで、我が家の庭への車の出入りは、なかなか気の抜けない鬼門なのである。
なので、親戚筋の人でも、敬遠する。
小型車なら、まあ、そんなにギリギリというわけではないが、中型車となると、とくに最初は戸惑うかもしれない。
まして、小生の車はやや大型に近い。
三ヶ月前、我が家へのお客さんも、全く同じ場所で脱輪した。
家の玄関の呼び鈴を鳴らす人が居る。
玄関で応対すると、親戚の人。
車を脱輪させたので、手伝ってくれという。
その際は、我が家の車を出動させ、その方の車と紐で連結させ、我が車で引っぱる形で、その方の車を水溝から引っ張り出し、事なきを得た。
もう、何十回も、あるいは百回以上も、バックでの車の車庫入れ(庭入れ)を繰返している。
それほど頻繁に車が行き交うわけではないが、それでも、数回に一度は、バックなどをしている最中によそ様の車がやってくるわけである。
非常灯を点滅させて、しばし待ってもらって、ゆっくり慌てて二つのT字路が変則して重なっている交差点を我が家の門内へ車をバックで納めていくわけである。
今日も、病院へのお見舞いと買物の帰り、かの鬼門に至った。
車の非常灯を点滅させ、最初のT字路付近に一旦、停車させ、バックしようとしたら、生憎、よそ様の車がやってきた。
急がなくていいのに、なぜか慌ててしまった。
いつもより、T字路の横棒の位置に当たる家の塀際に車の左側が寄っていることは分かっていた。
普通なら、車を切り返して、もう少し、塀際から離しつつバックするはずだが、焦りだったのか、ええい、このままバックしちゃえと、バックし続けようとした…ところ、ガリッという音と共に、車の左前方が沈み込んだ。
左前輪が水溝に嵌まったのだ。
急いで車を降りて見てみると、左前輪が水溝に見事に嵌まっている。
バックで力尽くで出ようにもびくともしない。
やってきた、よそ様の車の方には、ダメですと、合図を送る。
その車は、表通りからそのT字路へ侵入した近辺で車を止めて様子を見ていたのだ。
そのうち、その車は車をバックさせ、往来に戻し、何処かへ行った(のだが、実は違った)。
小生は、途方にくれ、比較的近くに店がある、知り合いの自動車修理店へ電話した。
が、今日は土曜日で、営業していないのか、電話が架からない。
自宅に電話しても、携帯に電話してもダメ。
そのうち、折悪しく、携帯の電源が赤点灯!
そこへ、塀の角から数人の人たちがやってきた。
どうしましたと、声を掛けてくる。
なんと、先ほどの車の運転手や同乗者たちだった!
わざわざ駆けつけてくれたのだ。
おろおろするばかりの小生に、4輪駆動だったら、なんとかなるかも、とか、一緒に来た運転手の方のお子さんとその友だちらが、一緒になって車の前方付近を持ち上げて、その際にバックで水溝を脱出しようとか、我が家の庭の片隅にある角材を使って、とか、あれこれやってくれる。
その間、道路の真ん中の融雪装置が作動している。
そう、今日に限って、しかも、脱輪した午後のその時間帯近くになって、冷たい雨が雪に変わっていたのである。
みんな、傘など差していない。
しかも、融雪装置のパイプの穴から勢いよく水が噴出している。
そんな中での手伝いなのである。
しかし、どうにもならず、ジャッキを使うしかないとなった。
我が車にもジャッキくらいはあるはず。
が、小生の怠慢で、ジャッキに限らず、工具が車の何処にしまってあるのか知らない!
どうする、やはり、JAFを呼ぶかと思っていたら、車の同乗者の方が、ジャッキを借りに近所の家へ走ってくれた。小生も。
が、生憎、車が数台あるその家にもジャッキはない。
名案が惹起できないでいると、異変に気づいたのだろう、近所の方がやってきて、やはり手伝ってくれていたのだが、その方がジャッキを持ってきてくれた。
それも、エアージャッキ。
ビニール製の風船のようなもの。まず、予め、しぼんでいる風船を車の左前方の適当な箇所に設置する。
その風船(当初はしぼんだ状態)にはホースが繋がっていて、そのホースの先を車の排気ガスのパイプにつなぐ。
エンジンを吹かすと、排気ガスがホースを伝って風船に溜まって、風船が膨らむ。車(の左前方)が持ち上がる。
そのチャンスを生かして、車をバックさせ、水溝から脱出させるわけである。
↑ 略図を描いてみたが、我輩の知能程度がばれるようで、画かなかったほうがよかったみたい。このソフト、使いづらい(って、絵の下手さを弁解してる)。
そんな騒動の間に、宅配の車など2台の車が、いらいらしつつ、待っていた。
頭を下げ、行過ぎてもらう。
助けてくれた人たちにお礼をする。
すみません、お名前をと訊くと、なんと知り合いの方だった。
というか、その方の親御さんが、小生のお袋と同じリハビリ施設へ通っている、そういう間柄だったのだ。
しかも、その方は小生の名前も家も知っている。
だから、御宅に角材のようなものはありませんかと、先ほど、訊かれたのだ(その時点で、少なくとも先方様は小生のことを知っているし、小生の家が目の前にあることも知っていると気づくべきであった)。
小生、恥じ入る。
お袋から、その家の方にお世話になっていることは何度も聞いている。施設での茶飲み友だちでもある。
いや、実は、ここまでで話は半ばに過ぎないのである。
(後篇へ続く)
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コメント
やいっちさんは脱するのお好きですね。何処の家でも車庫入れがそれほど簡単なのは少ないと思います。慣れない者には勧められないのが普通でしょう。
ところで岩は去年苦労して動かした庭石ですよね。しかし、プロが擦ると言うことは途轍もなく難しいと想像します。
投稿: pfaelzerwein | 2009/03/15 17:34
pfaelzerweinさん
脱…。そう、この前のドキュメンタリーは、結構、読まれたようです:
http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/2009/03/post-63fa.html
車庫、富山では、大抵の家(や店舗、会社)の駐車場は、東京などに比べると、随分と余裕を持って作られている。
我が家も、庭への入口が鋭角になっていたりして、出入りがやや面倒だけど、一旦、庭の中に入ると、数台は止められる。
そんな富山の駐車場事情があるから、尚更、出入りの面倒さが目立つし気になるわけです。
庭石、昨年、動かしたものとは違います:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2008/07/post_6616.html
あれ(↑)は、中に入ってのもの。
まだ、入口付近にもっと大きなものがあるのです。
いつかは移動させたいけど、体力・気力が伴わず、実行は昨年から先延ばしになったままなのです。
投稿: やいっち | 2009/03/15 22:34