春の雪 静かなる家(前半)
今年は暖冬で、一番積もった時でも傘寿センチどころか二十センチもあったかどうか。
先月末に雪が降り、これで雪も降り納めかと思ったら、今月になっても雪。
といっても、チラホラ小雪の舞うだけで、夜中に外を眺めたら車や松などが薄っすら雪化粧していたが、それも、朝の日にあっさり溶けてしまった。
← 映画『チーム・バチスタの栄光』をテレビ(録画)で観た。なかなか面白かった。「映画『チーム・バチスタの栄光』公式サイト」 相変わらず夜中はテレビで映画である。
「春の雪」と聞くと、人によっては数年前に封切りとなった映画(行定勲監督)を思い浮かべる人も居るだろうし、小説好きの方なら三島由紀夫の『豊饒の海(一)』を真っ先に連想するのかもしれない。
三島由紀夫ワールドの嫌いな小生は、三島というと文庫本に入っている『仮面の告白』、『禁色』、『潮騒』、『金閣寺』などくらいは読んだが、多分、最後に読んだのは高校時代か大学生担った頃で、ほとんど関心の外だった。
特に、「1970年、楯の会会長として自衛隊にクーデターを促し失敗、割腹自殺を遂げ世間を騒然とさせた(三島事件)」には軽いカルチャーショックは受けたが、拒絶反応を強めるだけに終わった。
この事件は小生が高校二年の時のもので、放課後、同じ学年だが(留年か何かの事情で)一つ年上の、当時の小生にはませていると思えた同級生と、碌に三島文学など読んでもいないのに、知ったかぶりしつつ、それでも熱く文学や政治や天皇制のことなど語り合ったのを思い出す。
語り合ったは、やや僭越で、まあ、大してストックのない言葉や知識を洗いざらい放り投げているばかりというのが実状だったろう。
さて、今の小生が「春の雪」と聞くと、まあ、単に季節はずれの雪、おいおい今頃になって降るのかよ、もう、やめろよって、うんざりしてしまうだけ。
といっても、春のドカ雪なんて四月になっても降ることはありえるわけで、季節はずれと思うのは、やや小生のほうの我がままなのかもしれない。
寒さに極端に弱くなっている。
その寒さは家の中の、暗さや空っぽさにも理由がある。
母が介護認定を受けて数年、その世話を父がずっと見てきたのだが、その父も疲れ気味なのか、疲労が溜まったのか、長年の酒とタバコが祟っただけなのか、とうとう入院の憂き目に遭った。
(期待を籠めて)二週間ほどの入院加療で退院できる見通しのようだが。
その間、当分は小生が母の面倒を見る。
寝泊りする部屋も、母が小生を呼ぶ声が届く部屋に移らないといけない。
→ 「映画『チーム・バチスタの栄光』」では、厚生省の役人・白鳥圭輔役の阿部寛がいい味を出していた。このドラマ(小説(海堂尊の原作)は読んでいないのであくまで映画では、だが)の唯一の物足りない点は、犯人が意外な人物なのはいいとして、その犯人の人間像がまるで陰影が浅く、ほとんど描かれていないので、とってつけた便宜的な犯人に過ぎないし、出来合いの筋書きに留まるという印象を最後に感じられてしまったこと。
母は何とかトイレも行くが、体の不都合もあり苦労もあるし、母の寝所で何が起きるか分からないので、三時間置きには見守りに行かないとならない。
暖房の中断(灯油切れ)もだし、倒れたら困るし、血糖値も気になるし、とにかく今までは父が常に傍にいて世話してきてくれていたのだ。
その役目を小生が担う。
小生はもともと気の利かない人間だし、36年も一人暮らしを続けてきただけに、人に世話される経験もなければ、世話をした経験もない。
一人、不精を決め込んできた、情けない人間なのである。
融通も利かないし、気の利いた世話なんて及びも付かない。
そうはいっても、昨年の二月末に帰郷して以来、父母の二人暮らしをバックアップするようなスタンスを続けてきた。
父母は今でも二人で暮らしていて、そこに便利な使い走りがやってきたような感覚があるのではと思えてならないことばしばしばある。
大事なことも二人で相談する。デイケアも何も、小生は埒外に置かれたままだった(彼らはそのつもりはないものと思う。従来の生活パターンを続けているだけなのだろう)。
まあ、小生はあくまで力仕事や買物、炊事などの雑事をこなす。
二人が安寧に暮らせたらそれでいい。
(後半に続く)
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