断片その2
世界は揺れ動いている。
世界中が連動している。
世界が一つのコップの中にあると思えてならぬ。
広い世界のどこかの出来事は対岸の火事と座視していればよかったのが、今じゃ、どんな遠くの国の出来事も波の大小はあっても、必ず何らかの波動がやってくる。
何処かの山奥の小さな湖に小石を投げ入れる。
ポチャンと音がする。小さな波紋が生じ、やがて幾つもの丸い波紋が連なり、それが大きな輪へと広がっていくうちに波の山も谷も湖の緩やかに湾曲する面に吸収され消えていく。
かつてはそうだった。けれど、今は、波の動きは誰かが見ており、誰かを直撃し、誰かを慄(おのの)かせ、その慄きは携帯の電波に乗って遥か彼方の誰かに伝わり、尾ひれが付き、事件となってしまう。
「断片その2 続き」
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