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2009/02/09

端唄から龍馬、そしてレゲエへ  梅は咲いたか ♪

 昨日の日記「梅は咲いたし飛行機雲は見たし」で、梅の話題を書いたこともあり、せっかくなので、もう少し、梅絡みの話題を。
 表題に「梅は咲いたし…」とあるが、言うまでもなく「梅は咲いたか♪」を意識している。
 民謡も長唄も端唄も普段、まず耳にすることのない、無風流というか無粋な小生だが、それだけに(?)、少し、その雰囲気・風情の一端くらいは味わっておきたい。

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→ 市丸(唄)『端唄名曲集』(千本歌扇、静子、栄芝、豊藤、豊静(三味線) 他 日本伝統文化振興財団)

 まず、 時に「しょんがえ節」とも言うらしい(未確認)、端唄「梅は咲いたか」の曲や歌詞を確かめておきたい。
 ここはやはり専門家の登場を願って、下記のサイトから歌詞を転記する:
粋有芙の端唄教室

梅は咲いたか

梅は咲いたか 桜はまだかいな

柳やなよなよ 風しだい

山吹や浮気で色ばっかりしょんがいな


 うーむ。こんなに短い文句じゃなかったはずと、調べてみたら下記のサイトを発見:
江戸端唄・俗曲の試聴と紹介 梅は咲いたか

   「梅は咲いたか

   ♪ 梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第
      山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな~

   ♪ 梅にしようか 桜にしよかいな 色も緑の松ヶ枝に
      梅と桜を 咲かせたい しょんがいな~

   ♪ 昨日 北風 今日は南風 明日は浮名の たつみ風
      恋の風なら 色ばっかり しょんがいな~

   ♪ 柳橋から 小舟で急がせ 舟はゆらゆら 波次第
      舟から上がって土手八町 吉原へご案内

   ♪ 桜さくらと 浮かれているわいな 弥生三月 花見月
      あなたは花より 酒ばっかり しょんがいな~

   ♪ アサリ取れたか ハマグリまだかいな アワビくよくよ 片想い 
      サザエは悋気で 角ばっかり しょんがいな~

   ♪ 銀座八丁 行こうじゃないかいな 山の狐が 七化けて
      黒い眉引く 袖を引く しょんがいな~

   ♪ 恋の浅草 二人で行こかいな 何を言問 都鳥
      末は千鳥で 泪橋 しょんがいな~

「アサリ取れたか ハマグリまだかいな アワビくよくよ 片想い   サザエは悋気で 角ばっかり しょんがいな~」なんて艶っぽすぎて、いいねー。


 となると、メロディも含め聴いてみたくなる。

 一昔前の時代劇などで聴いたことがあったし、テレビでも時折は端唄を歌う歌手の場面も目にすることがあったので、小生は辛うじてメロディも知っている。
 興味のある方は、下記にて:
梅は咲いたか-端唄 by Penta - 無料試聴!投稿型着メロ-J研

 江戸情緒たっぷりで、世知辛い今の時代や垢ををひと時だとしても、忘れたり拭ったりできるだろう。

 先に進む前に、端唄とか長唄ってどういうものか、メモだけしておきたい(小生も知らないし)。

端唄 - Wikipedia」によると、「端唄(はうた)は、もともと長唄に対する端歌である。元禄年間に刊行された「松の葉」あたりからこの名がみえる」とか。
 では、長唄はというと、「長唄 - Wikipedia」によると、「長唄(ながうた)は、江戸の音曲の一つであり、「江戸長唄」というのが正式名称であ」り、「義太夫節など語りを中心とした「語り物」とは異なり、唄を中心とした「うたもの」」なのだとか。
 さらに、「演奏は基本的に複数人の唄と三味線で成り立っているが、曲目によっては小鼓、大鼓、太鼓、笛などで構成される「お囃子」が付くこともある」という。
 まあ、今回は長唄についてはこのくらいに。

 端唄に戻る。
「この項でいう端唄とは江戸時代中期以降における短い歌謡の総称のことである。1920年代までは小唄も端唄の名で呼ばれていたが、その後端唄・小唄・うた沢・俗曲とはっきりと区別されるようになり、現在では小唄・うた沢・俗曲に属さない江戸期の小曲が端唄であると定義される」という。
 こうなったのは、天保の改革で「三味線が贅沢なものと見なされ、庶民が三味線を弾く事を幕府から禁止されてしまった」事が大きく、長唄は敷居が高くなり、端唄への人気が高まった。
 その端唄も、より細分化していって、「独自の端唄とするに足りる曲は非常に少ない」というのだ。

 まあ、小生などは論外としても、端唄というと、「さのさ」とか「梅は咲いたか」など、知られている曲は少ないようだ(残った曲自体が少ないのかもしれない)。

琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】 Vol. 67」には、より簡潔に以下のように説明されている:

義太夫節や長唄などの音楽を一般庶民が歌い始めたのが端唄です。義太夫節や長唄のように本格的な唄語りというわけではなく、より親しみやすく、悪く言うと軽くそれっぽくした一種の流行歌といってよいのかもしれません。それだけに、庶民の趣向が生かされるところとなって江戸の粋とでも言うのでしょうか。掛詞を散りばめてあっけらかんとした明るさが魅力であるような気がします。

 ネット上であちこち覗いていたら、あるサイトで、ああそういえば(!)、という事実を思い出させてくれた。
 そのサイトは、「梅は咲いたか-端唄 by Penta - 無料試聴!投稿型着メロ-J研」である。
 そこには、「三味線を弾けた坂本龍馬が即興で作った替唄文句に「咲いた桜になぜ駒つなぐ、駒が勇めば花が散る」」云々と書いてある。

 そういえば、この頃の幕末や明治維新もののドラマには坂本龍馬を登場させないことはまずないが、ちょっと以前のドラマだと、大概、この龍馬が即興で作ったという替え歌を歌う場面が一つの定番エピソードとして使われていたものだった。
 最近は小生以上に無粋というか、粋な場面と思えるのに、見ることが少ないように思えるのは気のせいか。
(「音楽家 坂本龍馬 - アレもしたい、コレもしたい」に、この辺の消息に付いて、龍馬「の兄は音曲に親しみ、姉の乙女さんからは剣術、馬術、は言うに及ばず、三味線、一弦琴、謡曲、琵琶唄まで習っている」などと、もう少し詳しく書いてある。)


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← 7日、撮影。梅、咲いた。もっと、咲く…はず。

 余談というわけではないが、今回、端唄「梅は咲いたか」を調べていたら、へえーという事実を知った。
 実は、「江戸端唄・俗曲の試聴と紹介 梅は咲いたか」のコメント欄にも書いてあったのだが、広島県広島市出身の日本の女性レゲエシンガーソングライターMetis(メティス)さんの曲に「梅は咲いたか 桜はまだかいな」があるというのである。
Metis - Wikipedia」によると、「レゲエの本場ジャマイカでのレコーディングということ、歌詞が受験生を後押しする内容であるということなどで話題を呼ぶ。菅原道真の末裔であるということも新聞やテレビで大きく取り上げられる」とか、「菅原道真が祀られている湯島天満宮にて合格祈願ライブを開催する」などとある。
 となると、曲を、歌詞を知りたくなる。

梅は咲いたか~桜はまだかいな~:山紫水明」なるブログに、Metisさんの曲「梅は咲いたか 桜はまだかいな」の歌詞が載っていた(曲も聴ける):

なにげなく 過ごした日々が
こんな大切なものだったと知った
春の日差しが 止まる足押して 僕たちは言葉につまった
たわいもない言い争い 笑いあった日
そんな些細な出来事を 思い出しては時は過ぎ去った

誰の上にも 歩き始めるために桜は咲くのさ
全てに意味があることのように 君に桜は咲くのさ


 なるほど、これなら、受験生らの応援歌になるのも当然なのかもしれない。
 それにしても、このブログの名前「山紫水明」だって。

 小生のブログは、この「山紫水明」を二つに分解したってことは公然の秘密…でもなくて、以前、ブログを模様替えする際、説明した
 曰く、「壺中山紫庵」「壺中水明庵」である。

                                    (09/02/08作)

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コメント

こんにちは!
笹木お師匠さんの処から飛んできました。
「梅」の写真アップしたのでTBさせてもらいました。
またお邪魔させていただきます。

投稿: utrillo | 2009/02/11 21:16

utrilloさん

来訪、TB、ありがとうございます。

梅の写真に限らず、どの写真も素晴らしいです。
サンタさんの写真も楽しい。

またの来訪を楽しみにしています。

投稿: やいっち | 2009/02/12 00:41

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