アンドリュー・ワイエス氏が死去
今朝(18日)の新聞の片隅に小さく、「米画家、アンドリュー・ワイエス氏が死去 91歳」という記事が載っていた(以下、例によって畏敬の念を篭め、敬称は略させてもらう)。
なので、急遽、昨夜、この記事を書きおろした。
いつも以上に取り留めのない日記だが、哀悼の意を篭め、訃報の記事を載せさせてもらう。
← 「アンドリュー・ワイエス展」(1995/4/15~6/4) 小生が初めて、アンドリュー・ワイエスの画に対面したのはこの展覧会。あまり好きではない渋谷へのこのこ出向いたものだった。複製画など買ったりして(今も所蔵)。(画像は、「弐代目・青い日記帳 「アンドリュー・ワイエス」展」より。)
また一つ、天の星が消えてしまった。
世界が寂しくなる時でもある。
A・ワイエスの訃報に小生は驚いた。
恥ずかしながら、同氏は既に歴史上の人物と勝手に思い込んでいたのである。
同じ思い込みでの間違いは、つい先だってもあった。
「正月を迎える準備は万端 ? !」(2008/12/31)で、恥を忍んで「小生が一番、驚いたのは、クロード・レヴィ=ストロースが未だ存命だということ。『悲しき熱帯』(中央公論社)を読んだのは30年以上も昔のことで、とっくに歴史上の人物だと思っていた。不明を恥じるばかりである」と書いている。
→ アンドリュー・ワイエス画「Christina's World」 (1948) 「画家アンドリュー・ワイエスの世界 - FIFTH EDITION」参照。
昨秋も「Bunkamura」にて「アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)」展があったようだが、小生が初めてアンドリュー・ワイエスの作品に対面したのも、十数年前、同じ「Bunkamura」でのことだったように記憶する。
生の作品を間近で眺めることが出来て感激だった。
…ただ、A・ワイエスの世界に初めて接した(知った)のはいつなのか、ハッキリしない。
さて、冒頭の記事から一部、転記させてもらう:
(CNN) 日本でも人気の高い、米国を代表する画家アンドリュー・ワイエス氏が16日夜、ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の自宅で亡くなった。(中略)
水彩やテンペラを使って米国の田園風景などを描写しつづけた。代表作に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が所蔵する「クリスティーナの世界」や、「アルヴァロとクリスティーナ」(68年)などがあり、長年にわたって1人の女性を描き続けた「ヘルガ」シリーズなどがある。
(後略)

← アンドリュー・ワイエス画「Christina Olson,Triton」 (画像は、「アンドリュー・ワイエス」(ホームページ:「★アートコレクター★ -外国人作家作品-」)より。)
アンドリュー・ワイエスについては小生如きが紹介するまでもないだろう。
「アンドリュー・ワイエス - Wikipedia」には、「アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth,1917年7月12日 - 2009年1月16日)は、20世紀のアメリカの画家。アメリカン・リアリズムの代表的画家であり、アメリカの国民的画家といえる」とある。
経歴から一部、抜粋しておく:
1917年、ペンシルバニア州フィラデルフィア郊外のチャッズ・フォードに生まれる。心身ともに虚弱であったワイエスは、ほとんど学校教育を受けず、家庭教師から読み書きを習った。(中略)代表作「クリスティーナの世界」に登場するクリスティーナは、ワイエスの別荘の近くに住んでいたオルソン家の女性である。生来病弱で孤独に育ったワイエスは、この、ポリオで足が不自由な女性が、何もかも自分の力でやってのける生命力に感動し、出会いの時からその死まで30年に亘ってこの女性を描き続けた。
近年、日本でも公開されて話題になった「ヘルガ」のシリーズは、自宅の近くの農場で働いていたドイツ系のヘルガという女性を、人知れず、240余点もの作品を15年に亘って描きつづけたものである。
アンドリュー・ワイエスは小生の好きな画家なので、既にブログでも採り上げたことがある、と思い込んでいたが、勘違いだった。
あまりに好きな画家なので、とっくに扱っているはず…というのは思い込みに過ぎなかったのだ。
→ N.C.ワイエス画 (画像は、「N.C.ワイエス/連想美術館」所収のクーパー「モヒカン族の最後」より。)
それでいて、A.ワイエスに深く強く影響を与えた彼の父のN.C.ワイエスは、簡単にだが採り上げたことがある:
「壺中水明庵 トーマス・コール(後篇:新アルカディア幻想)」
この文中、『モヒカン族の最後』(J・フェニモア・クーパー作 /N・C・ワイエス画 /足立康訳 福音館書店)なる本の表紙の絵を掲げている。
N.C.ワイエスは、「アメリカ本国では懐かしの挿絵画家として根強く愛されている」とか。
他に、小生がA.ワイエスの名に触れている記事というと、「保田義孝個展へ」がある程度。
しかも、これは、保田義孝の色鉛筆画を見ていて、案内者のアドバイスもあり、そうだ、何処かA.ワイエスの世界を思わせるものがある、A.ワイエスはドライな詩情なら、保田義孝はウエットな(けれど品のいい)詩情世界だと、引き合いに名前を出しているだけ。
← 保田義孝画「赤いドラム缶のある漁船」(色鉛筆 (平成10年) F10号) (「保田義孝個展へ」参照。)
参考:
「Andrew Wyeth」(Andrew Wyeth's website)
「N.C.ワイエス/連想美術館」
「ワイエス、語る わたしの好きなアンドリュー・ワイエスの言葉から。」
「アンドリュー・ワイエス」
「弐代目・青い日記帳 「アンドリュー・ワイエス」展」
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