自転車を駆っていそいそと…読書・音楽拾遺(前篇)
「サルビアの花にうもれて…読書・音楽拾遺(前篇)」や「夕焼け空を追いつつ…読書・音楽拾遺(後篇)」などを書いてから、早くも十日近くが経った。
なかなか思うようには読書はできない。音楽については、部屋にいる間はCDプレーヤーが活躍しっ放しなので(父母の居る部屋からはテレビの音が聞こえてくるので、その消音の意味もある)、何かしら耳にしている。
← 24日は終日、雨だった。畑も庭もたっぷり潤ったことだろう。画像の雨樋からの雨垂れを受けている石の器は、実は臼。数年前までは何十年の間、餅を搗くのに大活躍だったのだが、今は雨ざらし。雨に打たれ憩っている? 長い間、ご苦労様でした。
図書館へ行く時は自転車。
本やCDを返却するのは惜しいが、新しい出会いもあるやもしれず、ペダルを漕ぐ足も軽快である。
特にクラシックやジャズ、民族音楽など、邦楽以外のジャンルの音楽は知らない演奏(家)や曲も多いので、今日はどんな発見があるかとワクワク気分だったりする。
なんだか、初めての相手とのデートにでも出かける気分?
→ ガストン・バシュラール-著「水と夢 物質的想像力試論 」(及川馥-訳 叢書・ウニベルシタス 898 法政大学出版局)
「水と夢 物質的想像力試論 - ガストン・バシュラール-著 及川馥-訳 -」を一昨日(21日)読了。
約40年ぶりの新訳だとか。
ちょっと感想を書く余裕がないので、目次と、感想文を書く際に参照しようと思っていたサイトだけメモしておく。
これだけでもイメージが湧く?
序 想像力と物質
1 明るい水、春の水と流れる水。ナルシシスムの客観的条件。愛する水
2 深い水―眠っている水―死んだ水。エドガー・ポーの夢想における「重い水」
3 カロンのコンプレックス。オフィーリアのコンプレックス
4 複合的な水
5 母性の水と女性の水
6 純粋性と浄化。水の倫理
7 優しい水の覇権
8 荒れる水
結論 水のことば
参照予定だったサイト:
「落合桜 パリの風ドビュッシー「水の精」(2)哀惜 - 」
「Babaのひとりごと 空を泳ぐ魚」
「砕かれた街 8月 2007」
関連拙稿:
「バシュラール…物質的想像力の魔」
「バシュラール『空間の詩学』 あるいは物質的想像力の魔」
「物質的恍惚/物質の復権は叶わないとしても」
「ル・クレジオ…物質的恍惚!」
← リチャード・ドーキンス著『神は妄想である―宗教との決別(THE GOD DELUSION)』(垂水 雄二【訳】 早川書房) ドーキンス節炸裂。宗教(の名を奉じての原理主義)に対する憤怒の書。
リチャード・ドーキンス著『神は妄想である―宗教との決別(THE GOD DELUSION)』(垂水 雄二【訳】 早川書房)を先週末、読了。
一言で言って、怒りの書である。
ドーキンスの怒りが炸裂している。ドーキンス節全開なのだ。
何への怒りか。
宗教に対しての怒りだ。
本書は、9・11テロを契機に書きおろしたもの。
ドーキンスの従来からの主張を、宗教にターゲットを絞ってこれでもかという書きぶりである。
宗教的信念の名目のもとにどれほどのテロが、戦争が為されてきたか。
人を殺すことは大概の人が躊躇うが、こと、宗教的信条の焔(ほむら)が燃え上がると、躊躇なく蛮行を為す。
イスラム教原理主義が取り沙汰されるが、原理主義の魔に取り憑かれているのは一部のイスラム教の国々や人々だけではない。
自由の国アメリカでの原理主義の強大さ、そして政治的影響力の凄さ(「アメリカの原理主義」や、より広い視野ということで拙稿「獰猛なる信仰の行方」など参照)。
イラクへの言いがかりとしか思えない名目の元での戦争。
ついには政権を倒したが、宗教的怨念に駆られての衝動的な蛮行で、後先など何も考えていない。
その後始末に苦しんでいる(といっても、苦汁を舐めているのは原理主義者たちではない、一般市民だったりする)。
というより、既に無責任にも腰が引け始めている(日本は小泉元首相を始め、もっと無責任だが)。
政治も医療も宗教的影響で歪んでいる…だけじゃなく二進も三進もいかなくなりつつあるのではと心配される。
ドーキンスの主張に賛同するかどうかは別に、真摯な議論に耳を傾ける価値は十分にある。
問題は、宗教なきあとで人は何を心の拠り所に生きればいいのか、である。
前門の虎、後門の狼。人は常に幻想の海に漂っているような気がする。
幻想なくして生きられるものなのか。
→ 豊下 楢彦 (著) 『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)
豊下 楢彦 (著) 『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)はようやく本日、読了の見通し。
本書を読んで昭和天皇が終戦後も少なくとも数年間は、どんなに政治的介入を続けたか、驚いた。
不見識にも、小生は、「昭和天皇・マッカーサー会見」は、一度限り、それも儀礼的なものと思っていた。
が、それは思い込みだった。
十一回も行なわれていて、かなり高度な(どれほど高度かというと、時の総理大臣の頭越しに! 憲法や安保など国の枢要な)テーマをマッカーサーらと語り、決定した。
日本の制空権も軍事施設の配備も沖縄の運命も天皇制の維持と共産主義怖しで、本来は可能だった自主独立路線も捨て去って、アメリカにベッタリ依存の歪な政治構造が生れてしまった。
国民より<国体>が大事。
政治のリアリズムのセンスがあるとも思えない天皇が政治に口出しすると、どんなに重いツケを禍根を後世に残すことか。
本書は、現今の日本の政治を憂える人、自主憲法の制定を目論む人などは、一度は読んでみるべき書と思う。
(後篇に続く)
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