「富山の夜」!
過日、仕事の合間に富山の有名人にどんな人がいるか、という話題に花が咲いた。
素養の関係もあるので(作家・政治家・学者・経済界・歴史上の人物などは名が出てこない)主に芸能関係ということで名前を挙げていった…が、すぐに名前が尽きてしまう。
黒部進(ウルトラマン)、柴田理恵、剣幸、西村雅彦、野際陽子、左幸子、左時枝、風吹ジュン、室井滋、立川志の輔、柳沢敦などなど(敬称は敬愛の念をこめて略させてもらいます)。
他にもそのときは名前が挙がらなかったが、加納みゆきや芸能関係ということにしていいのか、森口祐子などなどがいる。
そんな中、誰かが「富山の夜」という曲があり、北森啓介という歌手が歌ってヒットしたという話をし出した。
小生、北森啓介という名の歌手なんて聞いたことがない。「富山の夜」も、知らない。
よく冗談を言う人なので、最初は誰もまともには取り合わなかったが、そのうち、彼がカラオケで鍛えた自慢の喉を披露して歌ってみせてくれる。
うーむ、そんな歌があり、それなりに(地元では?)ヒットしたのか。
小生が東京在住の折、冬などは電車(列車)を使う。
新潟を通ると、「新潟の夜」という曲の宣伝ポスターだったかを目にしたことがあった。
そうか、富山にもちゃんと「富山の夜」なんて曲があったのか。
ネットで調べてみる(歌詞は三番まであるが、一番と三番のみ転記させてもらう)と、1976年の曲のようだ。この頃は、仙台で一人暮らしをしていた。知る由もない…?:
「富山の夜」
歌手:北森啓介
作詞:まるやままさみ
作曲:桜田誠一
あなたの恋を なくし て泣いた
総曲輪通り ネオンが泣いた
苦い 苦い酒でも 心がほしい
グラスに グラスに グチの紅がつく
星に涙を散りばめた
富山の ああ富山の夜よあなたの愛を しのんで泣いた
神通川の 川面で泣いた
消えぬ 消えぬ面影 未練なこころ
月さえ 月さえ うるむ呉羽山
星に涙を散りばめた
富山の ああ富山の夜よ
総曲輪通りは、今、デパートも含め改装しており(終わった?)面目を一新しているところだが、一時は、往時の賑わいが嘘のようになった時期もある。
地方の商店街の例に漏れず、郊外型の駐車場の大きな大型店舗に客を奪われていったのだ。
歌詞に「総曲輪通り」が出てくるところに時代を感じさせる。
この歌詞を書いた何年かあとなら、繁華街の「桜木町」のネオンってことになっていたのか。
三番目の歌詞を敢えて転記したのは、高校の頃から神通川の土手へ行き、川面で(泣きはしなかったが)対岸の風景や呉羽山を眺めることが多かったからである。
四十路頃までは帰省の折など、散歩を兼ね、神通川の土手へ向い、感傷に耽ったものだった。
残念ながら、上流は神通峡もあってすばらしいが、下流に近付くにつれ、神通川は綺麗な川ではなくなってくるので、土手の上に立つまではいいが、川縁にまで下りるのは躊躇われる。
ゴミが浮んでいるのが見えるし、水が濁っているのが如実に分かるからだ(但し、水流が早いので泥が混じりやすいという事情もあるのだが…。今は、環境整備が進んできたと思いたい!)。
せっかくなので、有名な歌手が歌ってヒットさせた、富山に関係する曲を挙げてみる:
風の盆(菅原洋一)
風の盆恋歌(1989年、石川さゆり)
無言坂(1993年、香西かおり)富山市の坂がモチーフ。
はぐれコキリコ(1999年、成世昌平)
氷見の雪(2004年、原田悠里)
生憎と、北森啓介の歌った「富山の夜」は入っていない。ヒットしなかったからなのか、「ふたりの富山」(2003年、伊藤敏博・中島真紀子)もリストアップされていない。
他にも、歌謡曲にこだわらないと下記がある:
交響詩「立山」(1972年、黛俊郎)
たったひとつの幸福~立山こころの歌~(2007年、友香)
蒼の世界~宇奈月から響け大地の音~(2008年、Honey Grace)
『風の盆恋歌』(ビクターエンタテインメント 若林美智子)
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コメント
失礼致します
はじめて投稿させて頂きます。
私はもう何十年と北森啓介さんの
富山の夜という曲を捜していますが
あちこちの中古レコード店を巡りましても
みつからず 昨晩ふと気が付き
検索してみましたらこちら様のブログに
出会う事が出来ました。
さていろいろとページを拝見させて頂いて
おや? どうして? と疑問を感じました
と申しますのも国見様も私もテレサテンさんと
ほぼ同年齢 なのになぜ中学の頃仙台に??
はい!
実はこの富山の夜は69年~70年にかけて
北陸中心にヒットしていました
でもラジオテレビではほとんど流れず
有線でリクエストされていたのです
有線放送ですから多分お聞きにになれなかった
のではないでしょうか..
私は高校の先輩に連れられパチンコ屋さんで
毎日切ない思いで聴いておりましたから
お話は変わりますが私もココログを使用させて
頂いていますのでアクセスページでおわかりと
思いますが私も富山大好き人の一人です
これからも国見様の素晴らしいブログを
拝見するのを楽しみにさせて頂きたいと
思います。
投稿: 戸菜未 | 2009/05/26 18:13
戸菜未さん
来訪、歓迎。コメント、ありがとうございます。
最初に訂正(?)。
本文中で、「この頃(1976年頃)は、仙台で一人暮らしをしていた」と書いていますが、中学じゃなく、大学生でした。
ところで、ネットで調べる限り、北森啓介が歌ってヒットした「富山の夜」は、1976年の曲とあるのですが、戸菜未さんのコメントでは、「69年~70年にかけて北陸中心にヒットしていました」とあります。
その辺り、ちょっと気になります。
小生のブログは、まあ地味な内容ですので、皆さんが楽しめるようなものではないかもしれませんが、地道にやっていきたいと思ってます。
何かの機会がありましたら、覗いてみてくださいね。
投稿: やいっち | 2009/05/27 00:16
お返事いただき大変恐縮です。
申し訳ございません私の説明不足でして..
>この頃は仙台で一人暮らし
と書かれてありましたのでなぜ?と
思いました
と申しますのも国見様の他のページで
テレサさんの一つ年下とありましたので
国見さんと私は同じ歳
で、この曲がヒットしていた頃
私は中学生でしたので
なぜこの方は中学生で一人暮らし?
と思ってしまいました
確かにネットで調べますと1976年と記されて
ありますが...?
もちろんその頃は大学生です.
私の記憶では
北森啓介 富山の夜 コロムビアレコードより
1960年代末に発売。
のちに 森啓介 と改名され3枚ほどシングルを
出されたのですが...
投稿: 戸菜未 | 2009/05/27 18:03
戸菜未さん
改めての情報、ありがとうございます。
「北森啓介 富山の夜 コロムビアレコードより1960年代末に発売」とのこと。
(自分では「北森啓介 富山の夜」について、ネット上での詳しい情報を得ることが出来ませんでした。)
それだったら、小生も聞いていた…ことはないかな。
我が家は有線を聞ける環境になかったから。
小生は気の小さい奴なので、高校時代まではパチンコ屋さんにも喫茶店にも行ったことがなかった(はず。
「森啓介 と改名され3枚ほどシングルを出されたのですが」とのこと。
「酒に泣いて/美人じゃないけれど」などでしょうか。
投稿: やいっち | 2009/05/29 10:38
話題…ありがとうございますm(__)m
そして驚きました!
その『富山の夜』の作詞は、自分の実の父親なんです。
そして歌手は、北森桂介→森 啓介→北森啓介と、幼い頃の記憶で、3度改名してたと思いますが、基本…北森桂介,北森啓介の、2本がメインだった“ケイにいちゃん”です。
なんだかホントに嬉しいです(T_T)
ありがとうございますm(__)m
投稿: マルヤマヒロシ | 2011/09/15 13:25
マルヤマヒロシさん
コメント、メッセージ、ありがとうございます。
コメントをもらうのは、いつも嬉しいものですが、それが『富山の夜』を作詞した、まるやままさみの息子さんからとなると、嬉しさを超えて、びっくりです。
さすが、ネットの力は凄いと感じます。
マルヤマヒロシさんは、ロックンロール・バンド“マルイチ”でボーカルを担当されているとか。
主な活動拠点は目黒,横浜,池袋,大阪……!
音楽のジャンルを超えて、ロックされているんですね。
話は違うけど、富山を題材の唄、もっと欲しい!
投稿: やいっち | 2011/09/17 17:15
私が高校生の頃(70年代中期)、北森さんは一時富山テレビやラジオ番組に頻繁にゲスト出演し、「富山の夜」を歌っておられました。
当時ビバクイズの司会をしておられた優男ふうのアナウンサー、
玉木久雄さんが司会の番組でした。
富山のいろんな場所を盛り込んだムード歌謡曲調のこの歌を聴き、
当時の自分はかなり気恥ずかしい気持ちになったのを覚えています。
懐かしいです。
投稿: 今は都民 | 2016/09/11 01:51