今日は幽霊の日
今日7月26日は、「幽霊の日」だという。
今年も幽霊の季節がやってきたわけである。
幽霊は、やはり暑い時期が似合う。
尤も、雪女などの事例もある。雪女が幽霊なのかどうか分からないが。
← 安村 敏信監修『日本の幽霊名画集』(人類文化社) 「円山応挙、河鍋暁斎から、葛飾北斎、歌川国芳、月岡芳年まで、全国の寺、美術館、博物館、個人コレクションから選りすぐった鬼気迫る幽霊画の傑作75点をカラーで収録した大型画集。小松和彦、水木しげるらによる解説も併載」だとか。ネガフィルムでの人影って何故か不気味! 本書については、「幽霊名画集」なる頁が参考になる。
「鶴屋南北作東海道四谷怪談が初演された文政8年(1825)7月26日を記念する日」だとのこと。
「1825年7月26日に江戸の中村座という芝居小屋で「東海道四谷怪談」が初公演された事に因んでいる」というのだ。
といいつつ、そもそも幽霊とは何か、小生は分からない。
まだ出会っていないということもあるが(出会いたくない…怖い)、「ヒトが死亡して肉体が消滅した後も、この世(娑婆)に未練や恨みがあるために成仏できず、浄土にゆけない魂がそれらしき姿と声を持って、因縁ある人物の前に出現するもの」なのだとしたら、ぼんやりとした小生など、仮に出会っていたとしても気付かない怖れがある。
怖がりな自分でもあるので、逆に時と場合によっては何を見ても幽霊…魂魄の仕業なのかと思えてしまうやもしれない。
「幽霊 - Wikipedia」での幽霊についての説明は、やや物足りない。簡にして要ということか。
その点、小生はエライ(?)。幽霊に付いては、何度となく採り上げてきた。
その集大成(?)としての記事が下記である:
「幽霊の正体見たりスッポンポン?」
この記事は、昨年、「日本の自殺者の数が、9年連続3万人を超えたという」ニュースを契機に書き下ろしたものだった。
この記録は更新されたらしいから、10年連続3万人超となっている。
↑ 歌川国芳「相馬の古内裏」(「歌川国芳 - Wikipedia」より)「掲画の詞書(ことばがき)に「相馬の古内裏に将門の姫君、瀧夜叉(たきやしゃ)、妖術を以て味方を集むる。大宅太郎光国(おおやたろうみつくに)、妖怪を試さんと爰(ここ)に来り、意に是を亡ぼす」」とあるという。拙稿「国芳の多彩な画業猫ゆずり?」を参照する?
「幽霊の正体見たりスッポンポン?」の中では過去の幽霊関連稿を幾つか紹介しているが、そのうちの、04年に書き下ろした「幽霊考」の要点(?)だけ、以下、抜粋しておく(但し、駄文である。内容がくだらないからって、関係者が化けて出てこないことを祈るばかりである):
幽霊について先ず思うことは、幽霊には足のないこと。
幽霊は、江戸時代の怪談ものだと、柳の枝の垂れる薄暗いお堀端で不意に現れる。牡丹燈篭は別として、そうした状況で現れる幽霊さんというのは、決まって足がない。というか、下のほうが曖昧模糊としている。
よく、幽霊には、足がないって言うけど、その足って、何処までがないんだろう。洒落た和服姿の若い女の幽霊さんが、しゃなりしゃなり…じゃなく、ススーと現れる。
美人である。間違っても平安朝の丸顔美人ではない。
やややつれたような恨めしげな表情を痩せぎすな顔と体に漂わせている。間違っても、ハーイなんて、陽気には現れてくれないし、挨拶もしてくれない。その幽霊。和服を脱いだら、あたい、もっと凄いんですって、思い切り良く脱いでいただいて、スッポンポンになって頂いて、腿の辺りから先がないのか、腰の辺りから先がないのか、確かめてみたいものだ。
考えてみれば、そもそも、幽霊って文字通り、霊なんだから、服を着ているのが、本来、おかしいのだ。人間が霊になりえるのだとしても、着衣は浄土へも冥界へも行けないはずじゃないのか。
誰かが霊的存在になったら、着衣も装身具も遺品の類いはみんな一緒にあの世か何処の世か知らないけど、何処かしらの世界に移っていくというのだろうか。
言うまでもなく、おかしい!
遺品は遺品として、遺族等には思い入れの対象になりえるというのは分かるけれど、あの世へ一緒に行くというのはありえないのではないか。→ 女の化粧ほど、化けるという妙技(秘儀)の凄さを感じさせるものはない。真実は何処にある? なんて頓珍漢な男の問いなど何処吹く風なのだろう。化粧の世界に男の常識は通じない。結果が全て。でも、綺麗にすることが悪いはずがない!(画像は、「The incredible power of make up Amazing things」より。) 化粧については、拙稿に「初化粧」や「鏡と皮膚と化粧と…白雪姫の謎」がある。
そう、人がこの世に恨みを残してあの世へ移れずに、幽冥の境を彷徨っているのだとしたら、それは霊魂についてはそうであって、着衣にまでこの世に恨みや未練や復讐の念があるわけじゃなかろう。魂が宿っていた肉体でさえ、この世に見捨てられ朽ち果てるか、腐るか、焼き消されるに任せているというのに。
だから、小生、幽霊は、断固、素っ裸のスッピンで現れるべきだと信じる。
万が一、着衣の幽霊だったら、お前、おかしいんじゃないか、脱げよ、そうじゃないと幽霊と認めてやらないぞと脅してやればいいのだ。もしかしたら、そのスッピンの顔が怖いのかもね。
だって、化粧品や装身具がこの世に残ったままなら、当然、化粧もこの世に取り残されるはずだ。居場所を失ってウロウロするのは魂だけ。当然ながら、着衣はなく、化粧もないスッピンというのが理屈なのだし。
もしかしたら、素顔を見たなー、裏飯屋…じゃない、うらめしやーと出現する?ということで、幽霊がうら若き美人であり、この世を立ち去り難く、魂として漂っているというのなら、それはそれで結構だから、素っ裸での登場を期待したいものである。
なんといっても、これからの季節、暑くなる。裸だって、寒くはないはずだし。← 佐脇嵩之『百怪図巻』より「ゆき女」 (画像は、「雪女 - Wikipedia」より。) コメント欄を参照のこと。
昔、幽霊が何故、夏場に現れるのか不思議だった。芝居の都合上、夏枯れを防ぐため、また、冷房のない昔のこと、暑い最中に来てくれたお客さんに怖い話で少しでも涼んでもらいたい一心だったのだろうと思っていた。
しかし、そうじゃないのだ! 幽霊は真っ裸なのだ。だから、夏場にしか現れようがなかったのだ!
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コメント
斬新な意見ですね(笑)
そうか、寒い冬にはでて来たくとも寒くてだめなのか(笑)
と言うことは、年中寒い土地はには、そんな存在すらいないのかもしれません。
・・・・・羨ましい(笑)
投稿: RKROOM | 2008/07/27 00:25
RKROOMさん
斬新…。ま、あれこれ想像しつつ楽しみながら書いてます。
寒い地方や時期には厚着の幽霊さんが出るのか、どうか。
厚着で達磨さんみたいになった幽霊って、ちょっと迫力がないし、怖くないかも。
その代わり、寒いところには雪女とかいろいろ違うタイプの幽霊が出る?
不思議なのは、雪女も確か(実際に見たことがあるわけじゃなく、漫画やドラマでの姿からすると)、白い薄手の着物一枚の姿。
帽子もかぶってないし、素足。着物の下に厚手の下着を着用しているとも思えない。
……やっぱり、着物の下の様子が気に掛かる。
せっかくなので、あとで雪女の画像を本文に挿入しておきます。
投稿: やいっち | 2008/07/27 09:27
霊的とはキリスト教の文脈では「からだ的」ということなんですよね。
西洋の幽霊は洋服を着ているのか?
世に「心霊写真」なるものがありますね、あれどう思いますか?
しかし記事冒頭の本面白そうですね!
投稿: oki | 2008/07/27 23:15
oki さん
幽霊というくらいだから、幽霊は霊的なものなのでしょうね(← 自信なし)。
西洋で言う幽霊と日本でボンヤリ思い浮かべる幽霊とは概念的に同じものなのかどうか。
西洋の場合、霊というと、聖霊とか一般に「聖書」を前提にした理解になるのでしょうが、日本の場合、八百万の神々などもっと土着の、泥臭いもの(概念的に突き詰めることを好しとしない曖昧なもの)なのでは。
「心霊写真」については、小生は全く相手にしません。モノを動かすようなら心霊なんかじゃない。
心霊は心の目に映るもののはずです(見える場合は、ですが)。
なお、幽霊とは直接関係ないけど、ゾンビの話を書いたことがあります:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2005/05/post_a649.html
投稿: やいっち | 2008/07/28 09:49