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2008/06/19

脊椎動物の祖先はナメクジウオ! 

 今朝、眠い目を擦りつつ、朝食後、何気なく朝刊(読売新聞)を見ていたら、「脊椎動物の祖先はナメクジウオ 「ホヤ」との論争に決着 」(「asahi.com:朝日新聞社の速報ニュースサイト」より)といった囲み記事が目に飛び込んできた。

 取れたてホヤホヤのホットなニュースである。

背骨をもつ脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤでなく、ナメクジウオだった。京都大、国立遺伝学研究所が米英などの研究機関とナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤのゲノムと比べた結果、進化の順番が明らかになった」というもの(記事の大よそは末尾に転記する)。

Branchiostoma_lanceolatum

→  『ニシナメクジウオ Branchiostoma lanceolatum』 (画像は、「ナメクジウオ - Wikipedia」より。) ナメクジウオは、「体長3 - 5センチ程度で、魚のような形態をしている」。「脊椎動物の最も原始的な祖先であると考えられ、生きた化石である。ナメクジウオの遺伝子の6割はヒトと同じである」という。また、「ナメクジウオの生物学 窪川かおる(東京大学海洋研究所)」によると、「近年は個体数と生息地が激減していて、レッドデータブックには掲載されていませんが、絶滅の恐れがある希少種と考えられてい」るのだとか。

「哺乳類や魚類など背骨を持つ脊椎動物は、5億2000万年以上前に、背骨の原形である棒状組織「脊索」を持つ脊索動物から進化したと考えられてい」て、「脊索動物には脊索が尾側にある尾索動物のホヤ類と、頭部から尾部まである頭索動物のナメクジウオ類がある」が、今回の研究の結果、「脊索動物の中でナメクジウオが最も原始的であることがわかった」のである(この節の引用は何れも読売新聞朝刊より)。

 小生はこういった話題は大好き。

 調べてみると、「研究リーダーの一人、京都大の佐藤矩行(のりゆき)教授」に取材した記事が載る、「ゲノム研究のホームページ(文部科学省特定領域研究) - 領域2 比較ゲノム 佐藤矩行」という頁があって、表題には「領域2 比較ゲノム 佐藤矩行 ホヤとナメクジウオのゲノム情報から脊椎動物への道を探る」とある。

「2002年に、サイズが約160Mb、遺伝子数が約1万6000であること」が明らかになっていたが、「今回のプロジェクトでは、この解析をさらに進め、読み切れていない領域を調べなおすとともに、他のホヤのゲノムも読みたいと考えてい」たというもの。

 また、昨年初めの記事になるが、「京都大学-お知らせ/ニュースリリース 2007年1月22日 頭索動物b style=colorblack;background-color#ffff66ナメクジウオ-bにおける胚軸の決定機構 脊椎動物のオーガナイザーの起源」にて、佐藤 矩行は、「脊椎動物は、頭索動物ナメクジウオや尾索動物ホヤとの共通祖先(脊索動物の共通祖先)から進化してきたと考えられていますが、この3群の関係がまだ明確でありません」と語っていたが、その共通祖先がナメクジウオだったということが明らかになったということのようだ。

Symplegma_rubra

← 群体ボヤの一種 『Symplegma rubra』(画像は、「ホヤ - Wikipedia」より。) ホヤ綱の仲間たちの画像については、「無脊椎動物図鑑・脊索動物門 ナメクジウオ綱 ホヤ綱」に豊富に載っている。

「ナメクジウオは脊索動物の共通祖先に近いかたちをとどめ続け、ホヤと脊椎動物だけが独自の進化を遂げたと考えられます」と佐藤教授。さらに、「これまでは脊索動物の中で、まずホヤが分かれ、その後でナメクジウオと脊椎動物が分かれたと考えられてきましたが、ホヤとナメクジウオの位置が逆転し、ナメクジウオが最も古い脊索動物に分類されなおすかもしれません」と話します」とあるが、このたび、「背骨をもつ脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤでなく、ナメクジウオだった」ことが突き止められたわけである。

 ナメクジウオだなんてナメクジの仲間であるかのような名称だが、ナメクジの仲間でも魚の仲間でもない。この種に相応しい和名が未だ与えられていないのである。可哀想 ? !
 小生なら、形が刀の鞘に似ていることから、「サヤウオ」なんて命名したいって思う。あるいは、形からすると[サーベル」の鞘にも似ているようで、「サーベルウオ」などうだろう?

 ナメクジウオ全般については、既に上掲の画像でもコメント欄で参照させてもらっているが、「ナメクジウオの生物学 窪川かおる(東京大学海洋研究所)」なる頁が、日本の研究者の苦労ぶりも察せられ、また詳しいし、小生などにも興味深い。
「目・耳・鼻の感覚器はありません。光には敏感で体中に光受容器の構造が観察されます」などとあると、やがては体表から進化して目や鼻や耳が生まれるのだと思うと、5億年以上の進化の長さと試行錯誤の凄さを感じてしまう。
(「Interview:形の進化とゲノムの変化―ナメクジウオが教えてくれること-BRH - JT生命誌研究館」も参考になる。)

 余談だが、「ダ・ヴィンチの「光」の性質についての図抜けた独創的な考え」などを教えてもくれる、アンドリュー・パーカー著『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』(渡辺 政隆/今西 康子訳、草思社)の紹介を簡単に試みたことがある。本書は面白かった。

Tky200806180357

→ (図は「脊椎動物の祖先はナメクジウオ 「ホヤ」との論争に決着」より)

脊椎動物の祖先はナメクジウオ 「ホヤ」との論争に決着」:

2008年6月19日2時17分
 背骨をもつ脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤでなく、ナメクジウオだった。京都大、国立遺伝学研究所が米英などの研究機関とナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤのゲノムと比べた結果、進化の順番が明らかになった。19日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表する。

 ナメクジウオは浅い海底にすむ体長3~5センチほどの生物で、日本では瀬戸内海などにいる。背骨(脊椎)はなく、脊索(せきさく)と呼ばれる筋が頭から尾まで貫いている。「頭索(とうさく)動物」に分類される。

 一方、ホヤは、生まれた直後はオタマジャクシのような形をしていて、尾にやはり脊索がある。「尾索(びさく)動物」に分けられ、尾の脊索は成体になると消失してしまう。

 ヒトなどの哺乳(ほにゅう)類や、爬虫(はちゅう)類、魚類などの脊椎は脊索が進化してできたとされ、ヒトも大きくはナメクジウオやホヤと同じ「脊索動物」に属する。これまでは最初にホヤが生まれ、その後、形態がより脊椎動物に近いナメクジウオが現れたと考えられていた。

 研究チームは今回、ナメクジウオのゲノムをすべて解読して、約2万1600個の遺伝子を見つけた。これらを、すでに解読ずみのヒトやホヤのゲノムと比べたところ、ナメクジウオが最初に生まれたことが確認できた。

 研究リーダーの一人、京都大の佐藤矩行(のりゆき)教授によると、遅くとも5億2千万年前、脊索動物の共通の祖先からナメクジウオが分岐し、その後、脊椎動物に進化した。ホヤはその過程で分かれ、独自に進化したと考えられるという。

 また、ヒトの遺伝子の9割がナメクジウオにもあることも、今回、わかった。

 佐藤さんは「脊索動物の進化と脊椎動物の起源について、最終決着がついた。新たな学説はもう生まれない」と話す。(香取啓介)


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