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2008/06/29

紫陽花は日本を象徴する花 ? ! 

 過日、郷里の富山が梅雨に入ったと思った途端、いかにも梅雨にピッタリの花、紫陽花の葉っぱのことが話題になった:
実は毒!うっかり食卓に…アジサイの葉で食中毒」(「Yahoo!ニュース」より。この記事の詳細は末尾に示す)

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→ 父の体調が思わしくなく、丹精籠めて育てた多くの盆栽は枯れてしまっている。そんな中、奇跡的に鉢植えの紫陽花が一輪、健気にも咲いてくれた(以下、すべて撮影は6/28日)

 紫陽花の葉っぱの毒性については、小生にしても、「季語随筆拾遺…紫陽花と雛罌粟」(2005/05/30)の中で言及している。
 調理担当者が小生の記事をちょっと眺めてくれたら、こんな事故はなかったはずなのに…、なんて不謹慎なことを書いている場合じゃないか。

 上で梅雨に似合うというかイメージ的にもピッタリの紫陽花と書いているが、小生は紫陽花こそまさに日本的な花なのではないかと思っている。

 桜という意見が圧倒的なのは承知しているが、歴史的経緯を度外視すると、花のようで花ではない、なのに紫陽花の花というとよく目にする小花の群れ(花びらに見えるのは本当はガク、その集団が花に見えている)であり、どこか印象が淡く、曖昧であり、土壌の性格などで色合いが微妙に変わり、咲き始めると印象的なようなのだが、いつの間にかその盛りの時期が終わっている。

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← こちらも奇跡的に生き残った裏庭の紫陽花。何故、奇跡的か。小生、春先に雑草を片っ端から毟り取ったりして、その際にどうやら惰性というか余勢で紫陽花も多くを刈り込んでしまったのである。父の嘆きが耳に残っている…。

 紫陽花こそ、日本的曖昧さを象徴する植物のように思えてならないのである。
 こんな主張めいたことを書きながら、きちんとした根拠を示せないのも、曖昧さを象徴する植物だという説を裏書きしている ? !

 紫陽花好きの小生、これまで紫陽花の周辺を巡ってあれこれ書き綴ってきた。
梅雨のあれこれ(紫陽花編)」(03/06/12)では、あれこれ書き連ねた挙句、次のような随想を綴っている:

 都内でも結構、思いがけない場所で目にすることがある。住宅街などでは、ブロック塀と高さを競うようにあるいは、ビルの谷間の小道に沿って紫陽花の淡い紫の花が咲き誇る。
(中略)
 物の本によると、紫陽花は少なくとも奈良時代には日本でも見られたようだ。梅雨の頃ともなると、なんとなくモノトーンな色彩になりがちな日本の風土にあって、雨の中でも紫陽花は鮮やかで、とても映える。あんな淡い色調の花なのに、どうしてクッキリと浮かび上がって見えるのだろう。
 何か天然の蛍光色の成分でも入っているのだろうかと、勘ぐりたくなる。

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→ 同日、買物の途上で見つけた紫陽花。いかにも萼紫陽花の名を彷彿とさせる。

 最後には小生らしく、勘ぐりで終わっているのが愛嬌であろうか。

シーパラダイスで紫陽花」(2005/05/29)の中では、紫陽花(あじさい)という名の語源に興味を抱き、行き詰った挙句、愛嬌の度を越して、下記のような駄洒落的憶測を逞しくしている:

遠い昔、誰かが道端に咲く可憐な小花の花を見て、思わず、「あ、ちいさい!」と叫び、それがいつしか語呂上、転訛して「あ、ちさい」「あじさい」となったのではという推測を施しても、それほどひどい非難は受けないのかも…

季語随筆拾遺…紫陽花と雛罌粟」(2005/05/30)では、「以前紫陽花の下に死体が埋められていて、そこの紫陽花だけが違う色を発してた・・・というような小説を読んだことがあります」という発言(コメント)を巡って、小生の愚考ぶりを晒している。
 なかなか一筋縄では行かない植物のようだ。
 アジサイの葉っぱの毒性も含め、美しい花には毒がある、そして謎を秘めているということが結論と言えば結論か。

紫陽花の花言葉は…移り気」(2006/05/19)なる雑文では、看板に偽り無し、表題どおりのまさに雑文で、話題があちこち飛んでいる。焦点が定まっていない。
 その意味で小生らしさが如実に表れた小文と言えようか。

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← これも同日、買物の帰り、近所で見つけた紫陽花。色合いが綺麗。紫陽花は雨に似合う…。紫陽花は天気がいいと、色が褪せてみえたりするけど、陽光に負けない紫陽花の花もある。

実は毒!うっかり食卓に…アジサイの葉で食中毒」(「Yahoo!ニュース」より):

6月22日19時39分配信 産経新聞

 アジサイの葉は有毒なので、ご用心-。茨城県は22日、つくば市内の飲食店で料理に添えられていたアジサイの葉を食べた客8人が食中毒症状を訴えたと発表した。2人が病院で検査を受けたが、全員快方に向かっている。

 県によると、アジサイの葉などには「青酸配糖体」と呼ばれる有毒成分が含まれ、胃の中の消化酵素と反応することで、青酸(シアン)が生成され、中毒症状を引き起こすという。

 店はアジサイが有毒植物と知らず料理に使ったとみられ、県は「アジサイの葉による食中毒は極めて珍しい」(食の安全対策室)としている。

 つくば保健所によると、13日夜、同市金田の飲食店にいたグループ19人のうち、34~60歳の男女8人が、食事を始めて約30分後におう吐などの症状を訴えた。8人はいずれも「鳥肉梅しそ和え」に添えられていたアジサイの葉を食べていたことが判明した。


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