図書館の本のこと(前篇)
あるサイトで古本のことが話題になっていた。
書き手は田川ミメイさんでタイトル(テーマ)は、ずばり「古本」。
(田川未明さんのオフィシャルウェブサイトは、「mimedia」)
← 下段右端の参考書を除いて主に中学生の頃の蔵書。屋根裏部屋の奥にあるので整理・処分を免れてきた。
冒頭の部分だけ転記する(「ブッククロッシング・ジャパン e-news vol.34 [まぐまぐ!]」より):
「古いもの」が好きなのに、「古着」は買わない。アンティークは和物も洋物も好きだけれど、やはり買うことは滅多にない。なんとなく抵抗があるのだ。
それを持っていた人の「想い」や「人生」が、その「物」に宿っているような気がして、つい尻込みしてしまう。
それなのに、なぜか「古本」だけは抵抗がない。
以下、古書店の古本が話題の俎上になっていく。
今日は、同じ古本でも図書館の本のことをちょっと書いてみたい。決して古書についての話ではない(古書は小生には無縁の世界だ)。
先に進む前に、「古本」と「古書」の異同について説明しておくべきか。
小生にしても別に厳密な使い分けをしているわけではない。
「古書 - Wikipedia」の説明を若干変えて援用させてもらうと、「古本」という場合、「古い書物。誰かの手元に置かれた、本などの事」全般を指し、「古書」とはその中でも「単に古いだけでなく、歴史的文化的に価値がある」とか、「冊子体の本でなく、巻物状のものや掛け軸などを含める場合」に使う。
よって「古本」は広く古い本を想定しているが、文脈によっては「古書」を念頭から外していたりする。本稿ではまさに商業上の値打ちのある「古書」を含んでいない(「古書は小生には無縁の世界だ」という表現がつい出てしまうのも、この<前提>に基づいているから。)
→ 近所の黒猫。我輩は本など読まん。だが、知恵は人間などに引けを取らん ? !
小生は資産家でも蔵書家でもない。
それでも古い本は持っている。決して古書ではない(はずである)。
馬齢を重ねているので、例えば小学生の頃の本であっても買ってから既に40年以上を経過していることになる。
まだ手元に残っていたらの話だが…。調べたら若干は残っていた。屋根裏部屋に!
引越し騒ぎで自宅の本は相当程度に処分・廃棄した。自分の本だけでなく、父の蔵書も。終戦直後の文学全集もつい一ヶ月前まではあった!
納屋というか蔵があるのだから、本の数千冊など箱に詰めてても保存しておいていいようなものだが、この三月にダンボール詰めの本の箱を開いてみたら…開いてみなくても一見して、箱の底が腐敗していた。
中味までが腐りかけている!
蔵に仕舞いっ放しで湿気でやられたのかどうか。
そうしたダンボール詰めの本の箱は、蔵に蔵置して高々20年か30年ほどに過ぎないのにこの体たらくである。
「古本」を大切に蔵置し「古書」に変貌するのを待つには、余程珍しい本でない限り、大戦などの社会の激変を乗り切るか、やはり50年の歳月…いや百年の風雪を耐え抜いて守りきらないとならないのだろう。
ちなみに我が家は終戦の年、アメリカのB29による空襲で蔵も含め全焼した(「富山大空襲と母のこと」参照)。
焼け残ったのは、漆器が数枚だとか。
よって60年を越えるものは残っていない(貧乏なので値打ちのあるモノも買っていない)!
余談はこれくらいにして、本題へ。
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