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2008/04/13

レジ袋有料化、始まったけど

 4月1日、富山県全域スーパーなどを中心にレジ袋の有料化が始まった(末尾にこのニュース記事を一部転記しておく)。
 我が家には、主に父がマイバッグをもう数点も確保している。

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← 富山城のお堀。4月6日に撮影。

 数年前に東京へ帰京する小生に持っていくようにと手渡されたものだった。
 座敷には未だ手付かずのマイバッグが出番を待って待機(?)している。
 但し、一枚だけは、父が買物に使っていたものなのか、表面が毛羽立つほどに擦り切れている。

 レジ袋有料化の動き、一般にはどう受けとめられているのか。

 買い物客は「環境のことを考えると、仕方ないのかなっていう気はします」、「変わりないですね。レジ袋じゃなくてエコバッグを使っていたので」などと話したりと(「富山県のスーパーなどでレジ袋を1枚5円に有料化 都道府県全体の有料化は初」参照)、概(おおむ)ねレジ袋の1枚5円への有料化の動きを歓迎か好意的か、いずれにしても表立っての反感や混乱などは見受けられないようだ。
(なんとなく、環境への負荷を減らすという大義や京都議定書で日本に義務付けられた削減の都合もあってか、マスコミを含めて乃至マスコミを通じての国による世論誘導の気味を感じられてしまうのだが…。)

 小さな混乱が全くないとは思えない。
 小生にしても、マイバッグは未だ持参する習慣が身に付いておらず部屋の片隅にあり、大概は台所などに残っているレジ袋を買物に限らず外出の際にはズボンのポケットに突っこんで、を心がけるようにしている。
 それでも未だ習慣にはなり切ってなくて、つい忘れることも。
 で、スーパーに着く直前に持参を忘れ、ああ、買物できない! いや、自転車のカゴに買物したものを突っこんじゃえ! あ、そっか、レジでレジ袋を1枚5円で買えばいいんだった、といったちょっとした混乱とも呼べない内心のドラマがあったりする。

 普段、あまり買物などしない人がスーパーで買物してレジに向かい、レジ係りの人に「袋はご入用になりますか」か「袋は持参されておられますか」などと問われて、一瞬、何の話か分からず、キョトンとする…、なんて場面は当分ありそうである。
 大人しい小生のこと、こうした動きの是非など分からないままに、みんなが大人しく、あるいは甲斐甲斐しいまでに積極的に従っている動きに追随している。

県内で1年間に消費されるレジ袋は約3億枚で、製造や焼却に伴う二酸化炭素の排出量は1万8000トンに上り、レジ袋の有料化は地球温暖化対策に大きな効果があると期待している」と言われると、ああ、そうなのかと思うしかない。
 頭の片隅では、紙製なのか布製なのか、もっと高級な素材なのか分からないが、スーパーで買物する人の半分近くの人がエコバッグ(マイバッグ)持参、つまりはそれだけの数の新たなバッグの製造が必要だし、週に何度も使われ消耗(劣化)も激しいだろうから、一年間も耐用が可能とも思えない。

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→ 富山城の石垣の上にて。視線の先には、そろそろ終了の近付いているチンドンパレード…。

 要するにエコバッグ(マイバッグ)を製造するためのコストやエネルギーもそれなりの量になると推測される。
 レジ袋の製造や焼却に伴う二酸化炭素の排出量とエコバッグ(マイバッグ)との差し引きはどれだけになるのか、あるいは計算はされているのか、気になってならない。
 しかも、消費者がエコバッグ(マイバッグ)を常備し持参するためのエネルギーなども、多分そんなものは度外視されていて、計算の対象外なのだろうけれど、それでも費やしているエネルギーや神経の消耗もバカにならないはずである。

 レジ袋の有料化で、「収益は地域の環境保全などに使われることになる」というが、これは体(てい)のいい環境税の一種に過ぎないのではないか。
 しかも、スーパーは経費の相当な節減になる。
 経費の中に篭められていたレジ袋の流通コストの削減が消費者へのサービスにつながれば言うことはないのだけれど。

 しかし、小生の猜疑心は未だムズムズしている。
 市や区や町村のゴミの回収や焼却に要するコストもレジ袋が減った分だけ、減る。
 万々歳?!
 小生が感じるのは、環境対策の名目の下に、それまでは公共機関が担っていた労力やコストを一般消費者に転嫁している、その一環に他ならないのでは、という疑念である。

 ゴミの分別。その必要性は分かる。
 ただ蟠(わだかま)る思いはある。

 それまでは公共サービスの一部だったものが、環境対策であり、資源の節約や保全に繋がるなどといった名目で、分別そのほかの労力が一般市民に丸投げしているのではないか。
 環境対策と言いながら、その実、用は財政の健全化を至上命題とする国や自治体の都合が大きな動機あるいは原因としてあり、公共サービスの一端を環境問題、エコを錦の御旗として、市民が踊らされている…、そんな側面が皆無とは言い切れないのではないか…。
 小生の小さな胸の中は、こんな疑念というか、とにかく得心の行かない思いではち切れそうである(ちと、大袈裟)。
 
 それでも、小生は大人しく今日も唯々諾々と大勢に流され従い、甲斐甲斐しくもシワクチャのレジ袋をポケットに突っこんで外出し、買物に出かけるんだろう。

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← 満開の桜、ゆったり流れる松川。かの滝廉太郎も今で言えば松川縁辺りを通学したとか。詳しくは、「かぐら川」さんより戴いたコメントを是非、参照願いたい。宵闇のなかを松川遊覧船でのんびりってのもいいかも。

[参考]:
(4/1)富山県全域でレジ袋有料化――スーパーなど208店舗」(「日経Ecolomy(エコロミー)――環境と経済の未来を考える」より):

 富山県でスーパーを展開するユニーやイオンなど27社は1日、県内のほとんどの店舗計120でレジ袋の有料化を始めた。また、北陸地方を中心にクリーニング店を経営するヤングドライ(富山市)も県内88の直営店で有料化を始めた。
 環境省は「県内全域で一斉に有料化に取り組むのは全国でも初めてではないか」としている。
 県環境政策課によると、スーパーのレジ袋は一律1枚5円でクリーニング店は1枚10円と設定。一部の社では有料化の導入を見送った店舗もあるが、利用客の反応を見ながら今後、検討するという。
 県や事業者などで構成するレジ袋削減推進協議会は2007年11月に有料化に合意、チラシを配るなどしてマイバッグの持参を呼び掛けてきた。
 県によると、県内で1年間に消費されるレジ袋は約3億枚で、製造や焼却に伴う二酸化炭素の排出量は1万8000トンに上り、レジ袋の有料化は地球温暖化対策に大きな効果があると期待している。〔共同〕

                         (08/04/09作)

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コメント

スーパーでレジ袋を有料化しても若い人たちはコンビニで買い物しますし、コンビニはレジ袋有料化なんて絶対にしないでしょうから、素直に五円払う正直者がバカを見るというかー。
実際母の特養ホームのある所のスーパーでもレジ袋有料化して五円入れてレジ袋を一枚取るという仕組みになっているのですが、お金を払わずにレジ袋を持って行く人が多くて問題発生。
はっきりいってその仕組みだと一円しか入れないでレジ袋もっていってもわからない!
富山では会計の時にレジ袋を渡すのですか?
会計の人はあと五円いただきますとか大変そうなー。

投稿: oki | 2008/04/13 23:23

okiさん

スーパーでも店(系列店)によってやり方が違うようで、小生が買物する店では、普通にレジで清算する際、袋はありますか? と問われ、持参していれば、ありますと言えば、その精算額で済むし、持参していなければ、くださいと言えば、5円、上乗せされて清算と相成る方式です。

仰るとおり、コンビにでは従前のまま。
スーパーで買物する若者は少ない。結婚したり、生活感覚(経済観念)のシビアーな人がスーパーで買物をする傾向が強いような。
(裕福な人はデパートへ?)

いずれにしても、消費者の手間や負担でエコ社会が維持されるという現実の傾向が強まっていくのでしょう。
環境を口実に、反対し難い形で、当局の負担が減るってわけですね。

投稿: やいっち | 2008/04/14 01:01

 やいっちさんに誤解はないと思いますが、富山のことをあまりご存じでない方のために蛇足を・・・「かの滝廉太郎も松川縁を通学したとか。」――廉太郎在富時代〔1886~88/明19~21〕に、まだ今の“松川”は存在していませんね。当時、富山城跡の北には神通川の本流が流れていたいましたから、県庁や廉太郎の通った師範学校の附属小学校があった辺りは、現在の松川の景観とはまったく違った雰囲気だったろうと思われます。
 後年、廉太郎がドイツに旅立った年(1901/明34)に、廉太郎のふるさとの地・富山は大きくかわることになります。市街地を流れていた神通川を直線化するいわゆる“馳越線工事”が始まり、神通川の右岸側の20メートルほどが松川として――神通川当時、河畔に松が多かった故、命名とのこと――残されました。なお、、川岸に桜が植え始められたのは大正初期以降のことですし、戦火で焼失したサクラが今の形になるにはまた一つの歴史がありました。

投稿: かぐら川 | 2008/04/14 01:49

かぐら川さん

貴重なご指摘・教授、ありがとうございます。

さっそく、当該の箇所を訂正乃至注記を入れさせていただきました。

この頁を覗かれる方々にも、是非、かぐら川さんのコメントを読んでもらいたいものです。

あるいは詳しくは、リンクを張っておきましたが、下記を参照のこと:
「富山で感性を育んだ滝廉太郎」
http://www.goodlucktoyama.jp/Matsukawa/takirentaro/taki.html

投稿: やいっち | 2008/04/14 13:57

コメント有り難うございます。↓に参考になるページをリンクしてみました。
http://www.pref.toyama.jp/branches/1541/unga-monogatari/unngarekisi.htm
http://www.hayashikk.co.jp/33yuyu%20toyama/jinzuu1.htm
(↑この中の「旧神通川の流れ」地図は、わかりやすいのですが、駅北の部分が不正確です。)
http://www2.hokurikutei.or.jp/backnum/01apr/isan/1.html
なお、現在の直線化された神通川が完成したのが、明治34~36の2年間の工事のように書いてあるものもありますが、それはおそらく誤解かと思います。2年間でできたのは「馳越線」の部分のみです。新たにつくられた水路(馳越線)が、本流の姿態になるのは大正末年です。
下記↓のページ参照
http://www.eetoyama.com/ikiiki/activity/index.html

投稿: かぐら川 | 2008/04/14 23:06

かぐら川さん

情報、ありがとうございます。
小生自身、知らないこと勉強することが多々あると痛感させられました。

治水に付いては、神通川も大変でしたが、常願寺川も手こずったようで、下記の記事をメモしたことがあります:
「飛越地震…「地震」は遭っても「なゐ」とはこれ如何」
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2006/10/post_be36.html


滝廉太郎についても、数年前に下記の小文を綴ったことがあるだけ:
「富山と滝廉太郎、その周辺」
http://homepage2.nifty.com/kunimi-yaichi/essay/rentaro-oisinbo.htm

今は未だ時間的にも精神的にも余裕がありませんが、追々時間を割いて富山散策していくつもりです。

投稿: やいっち | 2008/04/15 10:07

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