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2008/03/04

最後の引越し?

 引越し。
 今回の引越しが最後となるのか。
 18歳で大学生として暮らすことになった杜の都・仙台へ向ったが、これは引越しとは云わないのだろう。
 単身赴任でもないし、単身赴学?
 やがてやっとこさで大学を卒業し、78年に東京へ。

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← 東京駅で新幹線に乗りしばらくはこんな風景が続く。

 何かの記事で書いたような気がするが、結構ドタバタしたものだった。
 折を見て、上京の顛末を詳しく書いてみたい。

 簡単にメモだけしておくと、上京を決心し、そのための軍資金が必要ということで得意の(?)ガテン系のバイト(小生、学生時代のバイトは二日間限りの家庭教師を除き、新聞配達など全て肉体労働系である)を学校で見つけたはいいが、その矢先にひどい風邪を引いてしまった。

 五十歳を越える今日まで経験したことのないような、もしかしたら肺炎だったのかも知れないような最悪のもので、とうとう一ヶ月間以上、直らなかった。
 引き始めたのは二月の初めだったか。
 当然、一人暮らしなので、寝たきりでいてもラーメンくらいは作らないといけない。
 が、無理して作ったラーメンが、蝋か粘土で出来ていような不味さ。
 というより、味覚が麻痺していたようだし、空腹のはずの胃さえ、食べ物を一向に受け付けないのだった。
 あれは本当に風邪だったのだろうか。真相は今も不明のままである。

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→ 関東と北信越とを分けるかのような谷を越えて。

 引越し代などを稼ぐ必要があり、二月から卒業間際までバイトするつもりでいたのに。
 それも見つけていたバイトは、建設現場での荷役。
 健康な体でも厳しいのに、よれよれの体で懸命に頑張った。
 いままでいろんな労働を経験してきたけれど、あの時ほどに肉体的にしんどい思いをしたことは嘗てない。
 ほかにも上京の引越しに付いては思い出やエピソードが数々あるが今回は略す。

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← 関越のトンネルを抜けると、いつしかこんな景色の中を列車は走る。

 引っ越した先は何故か新宿区の西落合。プリンス荘という名の二階建てのアパートの二階。角の部屋で真向かいに団地があり、その間に地元の生活道路があった。
 近くには哲学堂(公園)があり、新井薬師寺があった。
 ここはここで悪くはなかったのだが、風呂付の安いアパートの情報を得て一年余りで転居。
 隣の中野区へ。
 といっても、徒歩で十分もかからない場所。
 実はバイト先が近いということも魅力の一つだったのだ。
 
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→ 越後湯沢で乗り換え、やがて北陸の海が。

 仙台への引越しは、体一つ。必要なものは全て当地で揃えるわけで、学生生活への期待と不安の念は別にして、引越しの苦労自体は皆無に近い。

 仙台から東京への引越しは、病気がちだったことでの苦労もあったが、50ccのバイクを持っていたので、その扱いに難儀した記憶がある。

 西落合から中野区の上高田への引越しは記憶にその時の情景がほとんど浮んでこないほどに印象が薄い。
 引越しの作業としては楽だったのだろう。

 その上高田での思いでもあれこれあるが略す。
 西落合と上高田で合計すると三年ほど過ごした。

 上高田からは、次は港区の高輪へ。
 会社が港区海岸にあり、近いところを探していて高輪を選んだ。
 同じ海岸にも候補はあったのだが、会社から十分ほどの距離だったので、同僚の溜まり場にでもなりそうに思え、敬遠したのだった。

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← 新潟と富山の間はトンネル続き。高速道路だと、26のトンネルをくぐる。富山平野だ! 遥かに立山連峰も。

 上高田から高輪への引越しは、東京で既に三年だし、学生時代も含めると、荷物も多ければ精神的に引きずるものが累積している。
 上高田から高輪へ引越し荷物を積んだトラックに同乗して向ったのだが、車中で松山千春作詞・作曲の「」が架かっていたこと、その曲が胸をえぐるようだったことが今も鮮明な記憶として残っている。
 この曲の歌詞はどのフレーズもいいのだが、記憶に特に刻まれているのは、下記の部分:

 男はいつも 待たせるだけで
 女はいつも 待ちくたびれて
 それでもいいと なぐさめていた
 それでも 恋は恋

 81年の3月のことだが、松山千春の「恋」がヒットしたのは80年だったはずで、この曲が架かること自体は不思議でもなんでもないのだが。
 むしろ、あの時期にこの曲がヒットすることそれ自体が小生にはたまらないことだったのだ。

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→ 東京での最後の日は、前日、引越し荷物を運び出した、こんなガランとした部屋で一夜を明かした。

 高輪でのことも割愛する。未だ、生傷の状態で書けるのは、ちょっと先になりそう。

 高輪から大森への引越しとなると、相変わらず独身のままなのだが、それでも知らず知らず荷物が増えてしまっている。
 91年の引越し。チラシを見て安そうな業者を適当に選んだのだが、これが失敗のもとだった。
 引越しの前日から一人で懸命に荷造り作業に没頭したのだが、夜になってもどころか、真夜中になっても、丑三つ時になっても、白々と夜が明ける頃になっても作業は見通しがたたない。
 とうとう徹夜した。
 幸か不幸か、トラックはチャーター便だったので、最後は荷物どころかゴミも何も全てトラックに積み込んで引越しと相成ったのだった。

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← 引越しの当日の朝、粗大ゴミを出す。二階から一人で運び出すのは大変だった。郷里へ持ち帰りたい書棚(二十年以上、生活を共にした)やサイドボードなどともお別れ。

 当然、現地に着いても、業者は荷物を部屋に運び入れるだけ。
 すると、覚悟はしていたものの、部屋の中はダンボールやらゴミやらで一杯に。
 高輪よりは大森のほうが若干だが広いはずなのに、やはり荷物が梱包されているせいか、ボリューム的に膨らんでしまうようである。

 それより、日々荷物を整理していったら、何日目かになって衝撃の事実が判明。
 なんと、入社して間もない頃に買った十万円近くする紺色のコートなどがなくなっていたのだ。

 引っ越す際に積み込むのは(正確には、部屋から運び出すのは)確認している。大切な、何かのイベントの際にしか羽織らないコートだったのだが。
 口惜しい!
 
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→ この部屋を出る一時間前の様子。これらも綺麗に片付け、小生が暮らしたあとは微塵もなくなってしまった。いや、塵や埃、若干の魂は遺してきたつもり。

 この大森の部屋を選んだのにも理由がある。
 大森での居宅は白っぽいタイル張りのマンションだった。これは、高輪居住時代のある時期、惚れた人の住んでいたマンションの外見とそっくりだったことが選択の決定打だったのだ。
 なんて、恥ずかしくて誰にも言えない!

 この高輪から大森への完全徹夜の引越しも記憶に残るものだったが、大森から郷里への引越し(出戻り?)に比べたら、苦労のうちに入らない!!!!
 その辺りの事は、「お引越し」や「厄介な荷物?」などにあらましは書いたので略す。

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コメント

今日は。
少し前に越中富山の反魂丹,万金丹の話が面白くて、子供の頃家に来ていた富山のおじさんの話などをコメントしたけど、載せてもらえなかった。(涙)
引越しご苦労様でした。遅ればせながら
お誕生日おめでとうございます。

富山からの発信楽しみにしています。
介護経験者ですので、あまり、無理はしないでくださいね。

投稿: さと | 2008/03/05 10:30

さとさん

> 少し前に越中富山の反魂丹,万金丹の話が面白くて、子供の頃家に来ていた富山のおじさんの話などをコメントしたけど、載せてもらえなかった。(涙)

小生、ショックです。
コメントは、H系や商売目的のものを除いて、記事への批判であっても必ず載せることにしているのです。

ああ、どんな話だったのか、気になる!
知りたい!


誕生日のメッセージ、ありがとう!

富山情報は、これでもか、というくらい書いていくつもりです。
情報をどうやって得るかが課題だけど。

介護、さとさんの日記でその苦労ぶりを感じています。
自分は、愛想のいいほうでも、世話好きでも、気の利くほうでもないので、親たちはどう思っていることやら。
勉強の日々となるでしょうね。

投稿: やいっち | 2008/03/05 11:31

やいっちさんの日記には、女性としてはちょっとコメントしにくいH系な物もある!(笑)

投稿: 雫 | 2008/03/05 14:01

雫さん

コメントしづらいんじゃ困るよね。これがホントのコメントよ。

コメントしやすいのを選んでね。

でも、「女性としてはちょっとコメントしにくいH系な物もある」って、どれだろ。
気になる。

投稿: やいっち | 2008/03/05 18:27

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