« ちょっとだけ東奔西走 | トップページ | 屋根裏部屋の秘密 »

2008/02/15

病院へ

[過日の日記(備忘録)より]

お袋は月に一度、病院へ行く必要がある。
詳細は書かないが、体調の経過を診てもらうためである。

お袋には三十年以上の通院歴がある(手術も含め)。

自分では歩行もようやくなので(家の中は手すりを使ってなんとか、外は車椅子)、当然、介添え役が必要になる。

これまでは主に父がやっていて、タクシーで病院へ。

姉が都合が付いたら姉が車で。

父も体が弱っているので、これからは小生が付き添いの役目をやる。
家事も含めこのために小生が帰省したようなものである。

今日は姉の車で姉に一緒に行ってもらい、病院内でのノウハウを教えてもらったのである。

氷雨の中、病院へ。お袋は同じ道を、ある時はバスを使って、またある時は父とタクシーで、時には姉にも付き添ってもらって車で三十年以上通ったわけである。

診察の指定時間は10時半。

なので10時過ぎに受付へ行き、名前を呼ばれるのを待つ。

待つ。

……待つ。

………待つ。

…………待つ。

診察が長引いて一時間遅れていますという表示が電光掲示板に表示される。

…………待つ。

……………待つ。

お袋は院内の待合所では車椅子に座っている。
座りっぱなしは限界が二時間ほどか。
お尻が痛くてたまらなくなる。

健康な者だって、全く微動だにせずジッと座っていたら体も節々が痛くなるし、お尻だって痛くなる。

まして81歳のお袋は持病持ち。
皮下脂肪が薄いし皮膚も筋肉も弱っている。
座っているだけで億劫を通り越して気分が悪くなる。

たまらず、通りかかった看護婦さんに未だですかと訴える。

看護婦さんが聞いてきてくれた。

すると、診察が2時間、遅れています、あと6人ほど待ちます、とのこと。

溜め息の母。

結局、診察で呼び込まれたのは12時半。

院内で2時間半、待っていたわけだ。

しかも、経過はまずまずということで、診察に要した時間は数分。
薬も出されなかった。
新規や追加の薬が出されなかったこと自体はいいことだろう。

診察時間の半分は次回の予約日のこと。
先生の指定する日は、お袋が週に二度行っているリハビリ(介護)施設の日に当たる。
その日は入浴も出来るし、まだ気力があった頃はカラオケも楽しめた(お袋は民謡を習っていたので、声に驚くほどの張りがある)。
他の日に予約はできないかと訊いたが、先生が診察する曜日は決まっているのだとか。
溜め息。諦め。

それにしても、診察の指定時間の十時半は先生のほうの指定だったのではなかったか。
(前日は祭日の休日だったので、患者が集中したのかもしれない。)

ま、そんな状態は世間の常識なのだろう。
先生も待たせたことを恐縮していたし。

今日は未だいいほう。

というのは、今日の診察は一つの科だけだったから。
多い日は三つも科を回る。
それぞれに待ち時間があることを思うと、気が遠くなる。

ちょっとだけ、悩ましいことがある。

診察の前には採血やら血圧の測定が必要。
これは、まあ、問題ないとして、悩ましいのは尿である。

                           (以下、略)

|

« ちょっとだけ東奔西走 | トップページ | 屋根裏部屋の秘密 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

コメント

お母上の看病ご苦労様ですね。
私も両親のことで多少経験がありますが、これは当事者でなければわからない苦労が(~_~;)
今となっては懐かしく思うことも(-_-)

投稿: 吾亦紅 | 2008/02/15 22:59

吾亦紅さん

今のうちだと思って、やるだけのことはやっておきたいと思います。

郷里の家で、座敷にひっそりと置かれている箪笥類。
その中にはお袋の外出着や和服などが一杯、詰まっている。
外出の機会は通院やリハビリなどの機会しかなくて、もう着る機会があることやら。
他にも履けない靴、持ち運ぶことのないバッグ、台所自体がお袋の働きやすいように作られたもの。
そこで今、小生が炊事をしているわけです。

かく言う小生にしても明日はどうなるか分からない。
どんなことであれ、今が大切ってことですね。

投稿: やいっち | 2008/02/15 23:44

今晩は。想像はしていましたが、やはりご両親の介護で郷里へ帰られるのですね。
私も、札幌の母の元へ何度も何度も通い続けたもう、4年前を思い出します。

これからが、大変でしょがどうぞ、お体を大切に、介護は本当に先の見えない、辛い仕事です。
でもご両親にとっては、やいっちさんが、帰って来てくれるのは本当に心強いことであろうと思います。

投稿: さと | 2008/02/16 18:45

さとさん

お袋の体に不具合が生じてもう四年以上、折々郷里の母の元へ通い続けた。
父の頑張りも大変だし、これを潮に帰郷を決心しました。

今はネットの時代、ネットの輪は何処でも同じなのが心強い。
でもやはり、リアルに知り合った人たちと別れるのは辛いね。

記事の内容も徐々に変わっていくかもね。

投稿: やいっち | 2008/02/16 19:55

富山に戻られたのですね。

昨年末、思わずあっという間に逝ってしまった父ですが、月に一度総合病院へ同行していました。内科、外科、整形、泌尿器科とそれぞれ気の遠くなるような待ち時間を父と過ごしたのも今となれば思い出の一つです。
が、それにしても病院の外来ほど病人に不親切な場所はないですね。

投稿: かぐら川 | 2008/02/16 23:29

かぐら川さん

> 富山に戻られたのですね。

まだ手続きがいろいろ残っていますが、そうなります。

> 昨年末、思わずあっという間に逝ってしまった父ですが、月に一度総合病院へ同行していました。内科、外科、整形、泌尿器科とそれぞれ気の遠くなるような待ち時間を父と過ごしたのも今となれば思い出の一つです。

日記で仄聞しておりました。
日々がかけがいのないもの。日々を大切に送りたいものです。

> それにしても病院の外来ほど病人に不親切な場所はないですね。

検査のためとはいえ、病人の体力を相当に消耗させているのは否定できないでしょうね。
町医者の回診ではダメなのか分かりません。

余談ですが、「散居村と石仏の里」なるサイトがありましたね。


投稿: やいっち | 2008/02/17 01:29

「散居村と石仏の里」は、古い友人(大先輩)の尾田武雄さんのサイトです。
近々『とやまの石仏たち』(桂書房)という本が、出ますので、楽しみに待っています。

投稿: かぐら川 | 2008/02/18 00:30

かぐら川さん、わざわざコメント、ありがとう。
我が家の近くにも、三十三体のお地蔵さん(観音様)を収めたお堂があるので「散居村と石仏の里」は恰好のサイトですし、『とやまの石仏たち』(桂書房)も読みたいものです。

投稿: やいっち | 2008/02/18 00:56

ラララも故郷が恋しいですね。

投稿: ラララ | 2008/02/18 15:55

ラララさんの故郷は何処なの。

投稿: やいっち | 2008/02/19 02:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 病院へ:

« ちょっとだけ東奔西走 | トップページ | 屋根裏部屋の秘密 »