「日教組、全体集会開催を初めて中止へ ホテルが使用拒否」に関連して
「中国製冷凍食品、健康被害959人・入院8人 厚労省」や「道路特定財源の暫定税率 延長か廃止か 意見さまざま - AGARA紀伊民報」などの報道が目立っているその蔭で、「日教組、全体集会開催を初めて中止へ ホテルが使用拒否」(ホームページ:「asahi.com:朝日新聞の速報ニュースサイト」)なんて由々しき事態が起きていた。
小生は、この事態をテレビやラジオなどの報道ではなく、新聞を読んで初めて知った。
以後、テレビのニュースで少しは採り上げられるかと思ったが、小生が気が付かなかっただけなのか、今日(土曜日)のところは全く報道されなかった(あるいは扱いが小さかった)。
日教組と右翼(の街宣車)というと、小生には思い出すことがある。
小生は、78年4月から81年3月まで落合近辺に暮らしていた(初め西落合、ついで上高田)。
最寄の駅は、西武新宿線の新井薬師前駅。
上高田に引っ越してからだから、80年前後だったと思うが、正確な日にちは覚えていない。
或る日、目覚めるとアパートの外から煩いだみ声が聞こえてくる。
午前中だったと思う。
あるいは通勤前だったか、土曜日か日曜日の朝だったのかは覚えていない。
カーテン越しに外の様子を窺うと、晴れていた。
聴くと、どうやら右翼(の街宣車)が図太いというか無神経さがひしひしと伝わる声を張り上げ、それをまたマイク(拡声器)で増幅して、誰かを誹謗中傷している。
讒言(ざんげん)の相手は、槙枝 元文氏のようだ。
(「槙枝元文 - Wikipedia」を読むと、彼を毛嫌いする連中が彼への印象を悪くしようと意図したかと思える内容になっている。日教組の関係者あるいは当人(及びその関係者)は記述内容の訂正を試みないのだろうか。)
何を叫んでいたのか覚えていないが、そもそも意味のある発言はしないし、やつらは車の中でマイクを使ってしか語らない、よって一人、表に出て自ら名乗って語ることはしないのだから、自分の主張に自信がないのだろうが)、とにかく、ガーガーと喚き立てて同氏を誹謗中傷しているのである。
騒音が近所迷惑なのは明らかなのに、警察は黙って見過ごしているばかり。
あるいは警察も暖かく見守っていたのだろうか。
気の小さい小生は、ああ、意見の正しさ云々はともかく、左派がかった言動をすると、右翼と警察が束になって潰しに掛かるんだなと、恐怖の念のようなものを植えつけられた気がする。
警察があるいは、右翼を多少は取り締まることがあっても、街宣車が何十台も列を成して、がなり声を上げて堂々と街中を行進していくのを現に目にすると、一民間人の目からすると、街宣車の周囲を取り巻く警察関係者は、右翼をガードしているように見えてしまう。
あるいはグルになっているんじゃないかという疑念すら覚えてしまう。
この疑念は悲しくも全くの事実無根とも思えない。
戦後、岸信介が右翼や暴力団がらと結託して、学生運動や組合運動を徹底して弾圧し潰していった歴史を我々は知っている。
「岸信介 - Wikipedia」の中の、「六十年安保騒動」なる項を参照。
できればついでに、「暴力団 - Wikipedia」も一瞥してほしい。
日本に指定暴力団という不思議な制度(?)がある。
日本はイタリアと並び、先進国の中では暴力組織に優しい国として世界に有名である。
意図的かどうかは別にして、少なくとも結果的には(今日の繁栄を見ると)国が右翼や暴力団に優しいという事実は否めないのではなかろか。
何故、なんだろう?
昔は、警察組織のトップが暴力団らに弱みを握られているから弱腰なのかと思ったものだ。
今は、ある意味、意図が奈辺にあるのかは別にして、戦略的に(あるいは政治的に)暴力団に優しくしているのだろうと考えが変わってきた。
そうとしか思えない実態だし。
ちょっとまた前置きが長くなった。
いずれにしても、下記の事態は由々しきものと思う。当該のホテルが右翼に優しい企業(会社)だと分かっただけでも、御の字なのかもしれないが。
重大な問題を孕んでいると思うので、「日教組、全体集会開催を初めて中止へ ホテルが使用拒否」(ホームページ:「asahi.com:朝日新聞の速報ニュースサイト」)から記事の文面を可能な限り転記しておく。
「日教組、全体集会開催を初めて中止へ ホテルが使用拒否」(2008年02月02日03時06分):
日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会をめぐり、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が会場の使用を拒んでいた問題で、日教組は1日、使用できるめどが立たないとして、2日午前の全体集会を中止することを決めた。1951年に始まった日教組教研集会で、全体集会が開かれないのは初めて。東京地裁、高裁が使用を認める決定を出しているにもかかわらずホテル側が従わず、開催できない異例の事態となった。ホテル側の企業倫理が問われるのは必至だ。
記者会見した日教組の森越康雄委員長は「法律を守るということさえできないのか」と話し、民事訴訟での損害賠償請求だけでなく、行政処分や国政の場などあらゆる手段で責任を追及する方針を明らかにした。
隣接するグランドプリンスホテル高輪で1日夜に予定していた前夜祭も、会場使用を拒否されたため中止した。2日午後から都内各所で予定されている分科会は予定通り開催する。
全体集会は教研集会の冒頭に毎回開かれ、今年も約2000人が参加する予定だった。昨年3月に日教組が旅行会社を通じて申し込み、5月に契約が成立。11月になってホテル側が「右翼の抗議活動で利用客や周辺に迷惑がかかる」ことを理由に契約解除を通告した。
日教組は12月、東京地裁に会場使用の仮処分を申し立て、認められた。これに対しホテル側は保全異議申し立てや抗告をしたが、いずれも認められなかった。しかし、使用拒否の姿勢を崩さなかった。
■街宣警戒、司法を無視 ホテル
1日朝、日教組役員ら12人がホテルに入った。契約では、この時間から会場を予約していた。「使わせてほしい。高裁の決定も守らないのか」という役員らに、ホテル側は「使用できない」と繰り返した。日教組側が引き揚げた直後、ホテルが新たに会場を貸した企業の就職説明会への参加者が続々と入り始めた。
数千人が集まる全体集会の会場には、これまで公共施設があてられてきた。今回、日教組の依頼した旅行会社が会場を探し、グランドプリンスホテル新高輪が契約に応じた。
だが、その選択が招いたのは予想外の結果だった。日教組の森越康雄委員長は1日の会見で「同じ会場で自民党が大会を開き、右翼が押し寄せている。福田首相も出席し、大変な警備が必要だ。そこにも貸しているのに」と批判。「司法よりも企業の論理を優先する判断で、この国の自由は死んだという状況にさえなってしまう」と語った。
これに対し、ホテルの多々良嘉浩・営業戦略室マネジャーは「お客様の安全を第一に考えると、お受けできない」と話す。
昨年3月に申し込みがあった時点で「07年の集会で街頭宣伝車が来たが警察署に届け出て問題なく実施している」と説明を受けていた。だが、10月になって前回の開催地である大分に調査に行き、分かったのは、街宣車が100台以上集まっていたという想定以上の状況だった。そこで、契約解除を通告。地裁と高裁の判断を経ても考えを変えなかった。
調べてみたら、NHKニュースで(一部で)テレビ報道が為されたようだ(小生は観ていないが)。
「NHKニュース ホテル側の姿勢に批判の声も」:
現場の教師が、学校が抱える課題や取り組みを話し合う日教組の教研集会・教育研究全国集会は、2日から東京都内で開かれることになっていました。しかし、集会冒頭2000人が参加する全体集会の会場になっていた東京・港区の「グランドプリンスホテル新高輪」が、去年5月に結んだ契約を破棄する方針を伝えました。これに対して、日教組は仮処分を申請し、東京地裁に続いて東京高裁も使用を認めるべきだとする決定を行いましたが、ホテル側が使用を認めないとする方針を崩さなかったため、日教組は2日の全体集会を中止することを決めました。日教組の森越康雄委員長は記者会見で、「プリンスホテル側の対応はまったく理解できず、損害賠償だけでなくあらゆる手を尽くして抗議をしていきたい」と述べました。これに対して、グランドプリンスホテル新高輪の多々良嘉浩広報担当は「宿泊客や周辺への影響を考え判断したもので、裁判所の判断は短期間の議論で行われた不十分なもので、われわれは法令違反にあたらないと考えている」と話しています。しかし、裁判所の決定にもかかわらず使用を認めないホテル側の姿勢には、専門家から批判の声も上がっています。企業法務が専門の牛島信弁護士は「短期間とはいえ双方が主張を尽くしたうえで裁判所が判断したことにホテルが従わなかったのは残念だ。ほかの客への影響を心配するのもわかるが、単に拒んで済ませるのではなく、警察と協議してどうすれば集会を開くことができるかを考えるべきだったと思う」と話しています。 (2月2日 6時4分)
さらにその前に下記のような報道があったらしい(小生は見ていない。ネットの動画配信はともかく、実際にテレビで報道されたかどうか、分からない):
「日教組教研集会 初めて中止に」:
日教組の教研集会・教育研究全国集会は年に1回、現場の教師が、学校が抱える課題や取り組みを話し合うもので、ことしは2日に東京・港区の「グランドプリンスホテル新高輪」を会場に、2000人が参加する予定の全体集会から始まることになっていました。ところが去年11月になって、ホテル側が「右翼団体の抗議行動についてきちんとした説明がなく、ほかの客や付近に迷惑がかかる」として、半年前に結んだ契約の破棄する方針を伝えました。これに対して日教組は仮処分を申請し、東京地裁に続いて東京高裁も使用を認めるべきだとする決定を行いましたが、ホテル側は使用を認めないとする方針を崩しませんでした。このため日教組は1日、臨時の中央執行委員会を開き、2日の全体集会を中止することを決めました。テーマごとの分科会は、全体集会とは別の会場で、予定どおり行うということです。記者会見した森越康雄委員長は「この日のために頑張ってきた現場の教師をがっかりさせる結果となり、悔しいのひと言だ。司法の判断に従うのは法治国家として当然の話で、それを無視するプリンスホテル側の対応はまったく理解できない。損害賠償だけでなく、集会や表現の自由の根幹を揺るがす問題なので、あらゆる手を尽くして抗議をしていきたい」と述べました。集会の中止決定を受け、グランドプリンスホテル新高輪の多々良嘉浩広報担当は「受験生などの宿泊客や周辺への影響を考え一企業として判断した。裁判所の判断は短期間の議論で行われた不十分なもので、われわれは法令違反に当たらないと考えている」と話しました。
小生は以上の関連情報(報道)をネットを通じ、さらにネットで見つけた下記のサイトを通じ、得た:
「「グランドプリンスホテル新高輪」に批判の声も - 恒久平和のために
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コメント
日教組も分裂して力が弱くなったものですね。
この事件には、朝日、毎日、東京のいわゆる「左より」の新聞がホテルを批判する社説を掲げているのは当然としても読売はややニュアンスが違う。
新聞社のスタンスが如実に出ますね。
日教組に対してはいわゆる「つくる会」がありますが、これまた分裂騒動だ。
僕としては教育の現場に政治を持ち込むことには反対ですね。
投稿: oki | 2008/02/05 23:54
okiさん
日教組が弱くなったということもあるし、日本では組合(活動)自体が全体として弱まってしまった。
労働者を同じ目線で守る組織が日本では弱体化したため、サービス残業とか店長(管理職)という名目でただ働きさせるような劣悪な労働慣行が堂々とまかり通るようになっている。
医療も劣悪に、年金も取られるばかり、介護も先行き不透明、仕事は二極化で年収三百万円以下どころか、二百万円へ迫るのも時間の問題。
国の都合が先行しているんだね。国旗の掲揚や国歌の斉唱を強制するのは、国家統制の第一段階の象徴だろうな。
国の政策に文句を言えない、あるいは忙しいし、働き疲れで、どんな政策がいいかなんて考える気力も湧かない、そんな労働者を増やしていく。
あとは、小泉元首相みたいな人気だけで政治の舵取りをする政治家が幅を利かせるんだろうね。
ファッショ政治の復活ってことか。
でも、これを結果的にであれ大方の国民が望んでいるってことだったら、自業自得なのかな。
教育の現場に政治を持ち込むなってのは賛成。「つくる会」なんて、きっと背後に後押しする政治勢力が(かつては?)あったんだろうね。
読売さんの政治色なんて露骨に出ているし。トップの方の出自や体質がそのままに現れているって事かな。
投稿: やいっち | 2008/02/06 03:23
介護の面ではうちは得しているのですよ。
特養ホームですから、月に十万以下で至れり尽くせり。
年金でおつりがくるのですが、うちの自治体、世田谷は月に一万五千円ほど戻ってくるのです!
自治体格差もひどいですね、財政破たんした自治体もあれば世田谷のように裕福な自治体もある。
ホテル問題は右翼がどうのこうのでお客様に迷惑がかかるという話でしたが、反対に左翼の暴力も存在しますね。
「つくる会」は分裂しちゃったけど産経の後押しで大きな勢力になっていたら、左翼の妨害を危惧して断るホテルはあるのだろうか。
投稿: oki | 2008/02/06 12:17
oki さん
人徳なのか地域の事情なのか、恵まれているようですね。
ホントに地域格差が大きい。介護や医療より道路に熱心な地域もあったりする。
車の通行をよくする…。でも、お年寄りは自分では乗れない場合が多い。
なのに、ドンドン地域の公共輸送機関が電車もバスも便が減らされて。
お年寄りの方のヨコの連帯が在ればと思うけど、それも侭ならない。道路族は強固な団体(集団)になっていて、太刀打ちできない。
で、ますます地域は寂れていく。お年寄りは阻害されていく。
とにかく、変。
政治に付いては、小生はへそ曲がりなので、時代が左がかっていると、伝統や文化やを探ろうとする。
でも、今は特に小泉元首相の頃からあからさまに右傾化してしまっている(と小生は感じている)。
産経グループのタカ派、読売グループの保守派がテレビでもネットでも優勢になっているような気がしている。
単純素朴に怖い。
一旦、そういった流れになると止められないからね。
社会の二極化は、その意味でも怖い徴候だと思っています。
投稿: やいっち | 2008/02/06 14:00