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2007/12/22

アダム・エルスハイマー:夜の静謐と幻想の人(後篇)

[本稿は、「アダム・エルスハイマー:夜の静謐と幻想の人(前篇)」より続くものである。身辺の変化がある。関連してこの数日、何人かの人と話す。親身になって話し相手になってくれる人がいたというだけで嬉しかった。でも、小生は頑なな奴。聴く耳を持たない奴って思われただろうな。自業自得ってことか。今日、何年ぶりかで出前を取った。味噌ラーメンと鳥のから揚げと御飯。美味しかったし嬉しかった!]

エジプトへの逃避」など、本来はその絵画作品の手前に描かれる、聖書に由来する物語の描き方にこそ関心が集まるべきなのだが、エルスハイマーは実は、そんな物語(ほとんど片手間に、あるいは申し訳程度)よりも、本来は背景のはずの風景にこそ関心があったのではないかと思えてくる。

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→ ピーテル・パウル・ルーベンス(Pieter Paul Rubens) 『The Head of Medusa, c 1618 』 (画像は、「Mythos Agora Fine Art Prints Peter Paul Rubens」より) ルーベンスは何だってこんな絵を描いたんだろう。神話由来だから? でもこの絵の凄み!

 その意味で、神話や聖書や宗教的縛りから人間の肉眼での観察(道具として望遠鏡や顕微鏡などを使うことも含めて)にこそウエイトが置かれていく、そんな時代の転換を一つの絵画作品の中で如実に示されているともいえそうな作品なのかもしれない。
 いずれにしても、『Flucht nach Ägypten(エジプトへの逃避)』は見飽きることのない作品であることは間違いないのではないか。

 ここまで書いてきて、「トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera Devil in the Detailー細密画の巨匠」なる頁を発見。

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2007/12/21

浮世絵版画に文明開化:小林清親(前篇)

 本稿は、新装開店の「壺中水明庵」へ移しました:
浮世絵版画に文明開化:小林清親(前篇)
浮世絵版画に文明開化:小林清親(後篇)

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2007/12/20

レンブラントの風景・風俗素描(承前)

[ 本稿は、「レンブラントの風景・風俗素描(前篇)」に続くもの。
 長くなったので、続篇を二分割した。

 創作「メモランダム(その1)」を昨夜書いてアップ。
 一昨日に俄かに身辺状況が慌しくなる事情が生じ、昨日はバタバタ。ストレスがたっぷり。
 鬱憤晴らしというわけじゃないけど、久しぶりに変てこな虚構作品を書いてみた。
 書き出しはチラッと「マルテの手記」をイメージしていたんだけど、途中から日和ってしまった。(本稿をアップ当日追記)]

レンブラントの風景・風俗素描(承前)
(レンブラントの作品、特に風景の素描などは是非、クリックして拡大してほしい。)


 以下、本稿は、「レンブラントの風景・風俗素描(承前)」へ移動しました。

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2007/12/19

ライスダール…さりげなく劇的に(後篇)

[本稿は、「ライスダール…さりげなく劇的に(前篇)」の続篇である。風景画が絵画のジャンルとしてのピークを迎えるのは19世紀。が、それはまた陳腐化というのか、まさに家の壁に相応しいオシャレな飾り物と化してしまう。でも、今日、アップするライスダールの活躍した17世紀は勃興期の人。自然への畏敬の念に満ちている。が、そうした彼の作品をも我々は綺麗な絵としてしか鑑賞できなくなっているのではないか。風景画の陳腐化というより感性の磨耗でありセンス・オブ・ワンダーという感覚の欠如こそが真相なのかもしれない。

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→ 川瀬巴水画『大森海岸』(画像は、「hanga gallery Kawase Hasui」より)

 コメント欄にも書いたが、何故か昨夜の9時台の途中から「川瀬巴水」関連の記事へのアクセスが急増した(夜中の1時までに750回ほど)。時間帯からして「開運!なんでも鑑定団」が切っ掛けに思えるのだが、本当のところは分からない。
 風景画というより叙景画、叙情画、情緒画である川瀬巴水の世界。あまり対比する意味はないと思うが。(19日、アップに際し追記)]


ライスダール…さりげなく劇的に(後篇)

「独立したジャンルとしての「風景画」の成立は17世紀オランダに始まると言ってよい」とした上で、下記の記述が続く:

17世紀のオランダにおいて風景画が栄えた背景には、市民階級の勃興がある。カトリックのスペインの支配から独立を果たし、プロテスタントの共和国であった当時のオランダにおいては、海外貿易による富を背景として富裕な中産市民層が勃興した。教会や大貴族に代わって新たな絵画の注文主・享受者となった中産市民階級の家屋を飾るにふさわしい絵画とは、大画面の宗教画や歴史画よりは、より小規模な風俗画、静物画、風景画などであったろう。

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2007/12/18

渡辺崋山が蟄居を命じられた日

 今日12月18日は、「 今日は何の日~毎日が記念日~」によると、「1839年 江戸幕府が渡辺崋山に蟄居、高野長英に永牢を命じる」という日なのだとか。

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← 渡辺崋山『月下鳴機図』 (画像は、「渡辺崋山 - Wikipedia」より)

 何故に脈絡もなくこんな話題を持ち出すかというと、単に小生が渡辺崋山という人物に興味があり、そして彼の画が好きだからである。
(同時に、事情があって小生自身、ほとんど蟄居の生活をずっと送っている…、ということもあって、僭越ながらちょっと境遇をダブらせていることも…ないではない ? !)

渡辺崋山 - Wikipedia」によると、時の蘭学者たちのリーダー的存在であると看做されていた渡辺崋山は、幕府の保守派、特に幕府目付鳥居耀蔵に朱子学派に対する裏切り者と思われ、また「蘭学者が幕府の政治に介入することを好まなかった」という:

1839年(天保10)5月、鳥居はついにでっちあげの罪を設けて江川や崋山を罪に落とそうとした。江川は老中水野忠邦にかばわれて無事だったが、崋山は家宅捜索の際に幕府の保守的海防方針を批判し、そのために発表を控えていた『慎機論』が発見されてしまい、幕政批判で有罪となり、国元田原で蟄居することとなった。

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2007/12/17

ハドソンリバー派絵画:F・E・チャーチ(後篇)

[数年来の懸案だった、ユニットバスの換気扇のタイマースイッチを土曜日、ようやく修理。嬉しい! さて、いよいよ何かと切羽詰ってきた小生だが、「ハドソンリバー派絵画:F・E・チャーチ(前篇)」の続篇をアップする。こうした風景は今もアメリカに残っているのだろうか。ブログの画面が白いと(小生の場合)読みづらいので、淡いグリーンを背景にした。どうだろうか。(17日アップ当日記す)]

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→ Frederic Edwin Church 『Untitled』 (画像は、「Frederic Edwin Church (1826 - 1900) Artwork Images, Exhibitions, Reviews」より)

 いかにもアメリカ的でスケールがヨーロッパとは比較にならないほど雄大だが、決して西部ではないことに、妙に感動してしまう。二百年も遡らない過去の東部のアメリカの(少なくとも一部は失われてしまった)風景を描いた人びとがいたわけである。

アメリカを代表する野外彫刻パーク・美術館のストーム キング アートセンター(STORM KING ART CENTER)は、ダイナミックなハドソン峡谷に囲まれ、調和の良い風景と自然に恵まれた環境に位置する」というが、所蔵するアーティストも性格を異にするようだ。

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2007/12/16

アダム・エルスハイマー:夜の静謐と幻想の人(前篇)

 今日はちょっと寄り道して、異色の画家にスポットライトを当てる。
 それは、アダム・エルスハイマーという名の17世紀のドイツの画家。
 まあ、大きくは風景画(家)というテーマの一環である。小生には発見だった。

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→ Adam Elsheimer 『Der Brand Trojas』 (画像は、「Adam Elsheimer - Wikipedia」より)

 ネットではあまり情報が得られない(あるかどうかも分からない)。
西垣の上級者用楽天探求2006-09-19」なるブログ記事が参考になる。
 なんたって、冒頭近くに、「今日はナショナル・ギャラリーでのエルスハイマー特別展 に張り切って出発」とあるのだ。

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