オランダ風景画の巨匠アルベルト・カイプ(前篇)
[このところ半端なままに放置している草稿が多い。本稿も、11月19日頃に書きかけていたもの。やはり、アップするタイミングを探しているうちに二週間が経過してしまった。情報をもっと充実させてからアップさせたかったが、そんな時間を今の小生には見出すことは無理そう。
尚、「夢の話・二題半」なんて得体の知れない小文をアップした。
実際に見た夢の話なのだが、それが二題半というのには、事情がある。
三題になるはずが、、目覚めた瞬間には大よそは覚えていたのが、いざ書き始めてみたら、三つ目の夢が既に半ば以上は記憶の彼方に消え去ってしまったから、二題と半端になってしまったという情けない事情があるのだ。(アップ時に記す)]
← アルベルト・カイプ Aelbert Cuyp 『River Sunset』 (画像は、「Aelbert Cuyp paintings prints reproductions」より)
「オランダ風景画の巨匠アルベルト・カイプ(前篇)」
過日、『プルースト評論選 Ⅱ芸術篇』(保苅瑞穂編 ちくま文庫)を寝床で読んでいたら、アルベルト・カイプという画家への言及が気にかかった。
プルーストの文章では褒められているのかどうか定かではないが、ある山野の風景を叙述する際に、彼(の絵)が参照される形で名が挙がるとは、少なくともプルースト(1871-1922)の生前(のフランス)においては人気があった、あるいは知名度があったということなのだろう。
← アルベルト・カイプ『Peasants with Four Cows by the River Merwede』 (画像は、「アート at ドリアン 西洋絵画史・ギリシャ神話・聖書の物語」より) 他のサイトでは『Cattle with Horseman and Peasants』という題名だった。
そのときは、寝床でもあり、ちょっと気になりつつも、そのまま寝入ってしまった。
でも、脳裏に本書の訳注が印象付けられていたようである。
訳注には下記のように書いてある:
アルベルト・カイプ(1620-91)。オランダの画家。水辺の光景や人物や動物を配した風景を詩味ゆたかに描いた。『楽しみと日々』の「画家と音楽家の肖像」のなかにカイプを主題とした詩がある。
→ アルベルト・カイプ『ドルドレヒトのマース川 The Maas at Dordrecht』 (画像は、「アート at ドリアン 西洋絵画史・ギリシャ神話・聖書の物語」より)
あるいは、小生のマイブームテーマである「水」や「雲」、その延長としての「風景」に関連するものとして、そのまま流してしまうには惜しい、とりあえずは実際の絵を(ネットという強みを生かして、せめて画像情報の形であれ)見てみたいという思いが、寝て起きてから次第次第に強まってきたのである。
← アルベルト・カイプ『Cows in the Water』 (画像は、「アート at ドリアン 西洋絵画史・ギリシャ神話・聖書の物語」より)
当該の節を読んだのは、確か今月の初め頃のことだから、もう二週間も経っている(尤も、本書を読むのは今回が二度目。やはり、マイブームテーマ「水」や「風景」があったから、前回読んだ時にはあまり気にせずに調べることもなく済ましたのが、今回はつい引っかかってしまったということなのか)。
今更かもしれないけれど、ネットで見出せる情報を順不同で羅列してみる。
→ アルベルト・カイプ『The Dairy Maid』(1650-60) (画像は、「アート at ドリアン 西洋絵画史・ギリシャ神話・聖書の物語」より)
アルベルト・カイプなる画家については、小生は初耳である。あるいは何処かで名前を目にしているかもしれないが、記憶には欠けらも残っていない。
アルベルト・カイプ(Aelbert Cuyp)に付いては、ネット上(但し、小生が見出せた限りでは、であるが)では、下記が比較的詳しい:
「フランドル派」(ホームページ:「オランダ・バロック絵画館」)
← 『プルースト評論選 Ⅱ芸術篇』(保苅瑞穂編 ちくま文庫 筑摩書房) 言うまでもないだろうが、本書の装画は、フェルメール筆の『デルフトの眺望』である!
簡潔な説明で、一部だけのつもりでも、ほとんど全文の転記になりそう(その代わり、ネットで見出せる限り、画像を掲げるなどして、情報を集約してみたい:
アールベルト・カイプは肖像・風景画家ヤーコプ・ヘリッツゾーン・カイプの息子で,多様なジャンルの絵画を残したが,今日ではオランダ風景画の巨匠の一人とみなされている.彼は,オランダ風景画の題材にイタリア風の光の効果を導入し,「黄金の雰囲気」をたたえた作品は,ターナーやコンスタブルらの活躍した18世紀英国において高い評価を得た.カイプは,ドルトレヒトから居を移さなかったが,河沿いにホラント,ユトレヒト州を旅行し,多くのスケッチを残している.
カイプの初期(1639- 1645年頃)の作品には,ヨース・ド・モンペルⅡ世, ヘルキュレス・セーヘルス, エサイアス・ファン・デ・フェルデらへの関心が認められ,次第にヤン・ファン・ホイエン, サロモン・ファン・ライスダールやユトレヒトのヘルマン・ザフトレーウ゛ェンⅡ世らの影響を受けるようになるが,その中においてもカイプは常に強く明るい光のコントラストを追い求めている.
カイプは1645年頃から親イタリア派風景画家であるヤン・ボトの強い影響を受け,点景として現れる羊飼いや家畜たちは次第にクローズアップされてゆくようになる.
「オランダ風景画の巨匠アルベルト・カイプ(後篇)」に続く。
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