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2007/12/11

ハドソンリバー派絵画:F・E・チャーチ(前篇)

[文末近くで千住博氏著『美は時を超える』(光文社新書)を紹介している。と言いつつ、この記事を書いている最中(12月3日)に知った本なので、未読。数日後、早速、予約し借りてきた。…が、本の題名がうろ覚えで、同氏著の『絵を描く悦び』(光文社新書)を借りてしまった。著者名と出版社名や新書って条件には合致している ? ! 尤も、この本も絵画に限らず創作活動に携わる人には励ましの書、初心に還る書として、なかなかの本だった。それはそれとして、やはり、本稿に関係ある本だし、『美は時を超える』は近いうちに読むぞ!]

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← 千住博著『絵を描く悦び』(光文社新書) 冒頭に書いたように、『美は時を超える』と間違えて借りてきた本。でも、いい本だった。創作活動には無縁の小生だが、アーティストの真率な姿勢に感銘を受ける。

 ギャヴィン・プレイター=ピニー 著『 「雲」の楽しみ方』(桃井 緑美子 訳 河出書房新社)を読んでいたら、「雲」を描いたフレデリック・エドウィン・チャーチ (Church, Frederic Edwin(アメリカ1826-1900))という名の画家の絵に言及している箇所があった。
 小生は全く知らない画家。

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→ フレデリック・エドウィン・チャーチ 『Blueberry Hill, Vermont』 (画像は、「古き佳きアメリカンアートなど|★マーケティング戦略ビューロー@P-styleブログ★」で発見)

 フレデリック・エドウィン・チャーチという名だけでネット検索したら、下記のサイトがトップ近くに浮上:
肉筆複製画・美術品・絵画販売 ハドソンリバー派絵画

 この頁は商売の頁のようだが、その中に以下のような画家たちが作品画像と共に列挙されている:

アルバート・ビエスタッド Albert Bierstadt (1830-1902) 
コール・トーマス Cole, Thomas(1801- 1848) 
ヒアード・マーティン・ジョンソン Heade, Martin Johnson (1819-1904) 
チャーチ・フレデリック・エドウィン Church, Frederic Edwin(1826-1900) 
モラン・トーマス Moran,Thomas(1837-1926) 
デュランド・アッシャー Durand,Asher(1796-1886) 
ブリッチャー・アルフレッド・トンプソン Bricher, Alfred Thompson(1837-1908)
 

 何れもアメリカ(米国)の画家であり、ハドソンリバー派なのだとか。この中の一人としてお目当てのフレデリック・エドウィン・チャーチも名前が挙げられている。

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← FREDERIC EDWIN CHURCH 『In the Andes, 1878』(Oil on canvas, (38.57 x 56.35 cm.) (画像は、「FREDERIC EDWIN CHURCH 1826」より)

 ハドソンリバー派って何?
 英語に不自由を感じないなら、下記サイトがピカイチ:
A HUDSON RIVER PORTFOLIO

 まあ、ここはゆっくり眺めてもらうとして、下記がハドソンリバー派なるものを理解するのに助けとなりそう:
芸術と文化 - 視覚芸術」(ホームページ:「アメリカ早分かり」 ←どうやら、アメリカ大使館のHPのようだ)

 冒頭の一節を転記させてもらう:

米国で最初の著名な絵画流派‐‐ハドソンリバー派‐‐は1820年に誕生した。この流派の発展は、新世界が独自の題材‐‐この場合、西部への入植が進み、開拓地の素晴らしい風景が画家の関心をひきつけたこと‐‐を提供してくれることに画家が気付くまで遅れた。

ハドソンリバー派の画家の率直さ、簡明さは、米国の田園を描いたウィンスロウ・ホーマー(1836~1910)のような後の画家や、彼らの身近に暮らしていた人々に影響を与えた。トーマス・イーキンズ(1844~1916)は、中流の都市生活者を描いた。


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→ Frederic Edwin Church 『Morning, Looking East Over the Hudson Valley from the Catskill Mountains』(Oil on canvas, 1848) (画像は、「Frederic Edwin Church」より)

 要は、ハドソン川やハドソン峡谷などの、当時としてはいかにもアメリカ(北米)ならではという風景を発見した19世紀初頭の一部のアメリカの画家の一派らしい。
「当時としては」とやや限定するような表現を採ったのは、「ハドソン川 - Wikipedia」が参考になるが、ハドソン川の最南端に架かる橋は「ニューヨーク市ブルックリン、ニューヨーク市スタテン島を結ぶ」という、ある意味、今日的な意味でいかにもアメリカを思わせる光景を見出すからである。

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← Frederic Edwin Church 『Niagara, 1857』 (画像は、「Bert Christensen's CyberSpace Gallery Edwin Church」より)

 但し、「心臓外科医のひとりごと 紅葉」なるブログの頁を覗くと、「車で50分くらいのところにある山から撮ったもの」という写真が載っていて、以下のように書いてくれている:

(略)ハドソン川もこの辺りでは随分表情が変わります。一面紅葉の山で本当に奇麗でお気に入りの場所です。野生のシカがたくさん出ます。19世紀半ばにハドソンリバー派といわれる風景画派がアメリカではやり、メトロポリタン美術館にも彼らの作品が多数展示されているのですが、まさにその時代を思わせる様な情景が目の前にあり、タイムスリップしたような気持ちにさせてくれます。


ハドソンリバー派絵画:F・E・チャーチ(後篇)」に続く。

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