「レンブラントの風景・風俗素描(後篇)」へ
レンブラントらの素描(デッサン)画を見ていて、ふと、数年前に行った「ドレスデン版画素描館所蔵 ドイツ・ロマン主義の風景素描」展の時の印象を手元の画集(図録)を見つつ、思い出していた。
← 『ドレスデン版画素描館所蔵 ドイツ・ロマン主義の風景素描』(ユリウス・シュノルの「風景画帳」、フリードリヒ、コッホ、オリヴィエなど 国立西洋美術館) 「シュノルは10年におよぶローマ滞在中、旅行先に素描道具を携帯し、自分が心引かれた風景を記録しました。風景画帳は、ドイツに帰国したシュノルが、イタリアでの風景素描から115点を選んだアルバムです」 …この図録は小生には宝物だ。
「ドレスデン版画素描館所蔵 ドイツ・ロマン主義の風景素描: ユリウス・シュノルの「風景画帳」、フリードリヒ、コッホ、オリヴィエなど」というもので、油絵・水彩など彩色された絵画を見慣れた小生には、物珍しさもあり、また、高名な画家が裃(かみしも)を脱いだような親近感を覚えたりしたものだ。
ここしばらく我がブログで風景画を特集してきて(多分、あと一ヶ月ほどは特集が続くと思う)、また、デッサンをネットを通じてであろうと眺めてきて、少しは目も肥えた小生が今一度、上掲の展覧会を見ることが叶うなら、きっと違う感想を抱いていただろうと思ったりする。
というのも、上記の展覧会ではユリウス・シュノル・フォン・カロルスフェルト(Julius Schnorr von Carolsfeld 1794-1872)という小生には未知の画家だったため、まさに風景を漫然と見過ごしてしまった…せいぜいフリードリッヒ作品があるから足を運んだという意識のほうが強かったから、ちょっと後悔というか、惜しいことをした、今ならもっとじっくり眺め入ることができたはずなのに、と思ってしまうのである。
ユリウス・シュノルの「風景画帳」中の作品を図録で見ても、惚れ惚れする。タッチやラインなどが実に優しい。
デッサンだと、レンブラントもだが、タッチが、その柔らかさや優しさ丁寧さ観察力の細かさ、何を省略し何を描きこむかの判断が、そうした一切がモロに分かってくる。
となると、そのうち、ユリウス・シュノルの「風景画帳」をこのブログで特集したくなる。
という思いで、夜半、懸命に内外を問わずネット検索したが、所謂宗教画、聖書にテーマを得たありがちな絵画作品しか見出せなかった(但し、宗教画も素晴らしい。→ 「 - 今日の一枚 -絵画鑑賞- カロルスフェルト「聖母子」」参照)。
なので、多分、何かの幸運に恵まれて「風景画帳」関連のデッサン画の画像を相当数見出せない限りは、特集は断念することにした。(以上、07/12/24 アップに際し記す。)
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