出来たばかりの郷里の公園を散歩した
「トールのひとりごと」というブログを折々覗いている。サブタイトルに「富山の街・建築マップ&トールの日記」と。
富山生まれで、東京在住の小生には願ったり適ったりのサイトである。
その最新の記事「クリスマス・イヴ」の冒頭に「富岩運河環水公園」の話題、そして「富岩運河環水公園」の夜景画像が載っている。
富山関連のサイトをこの「富岩運河環水公園」の画像や情報を求めて、ネットサーフィンしていったら、素敵なブログを見つけた。画像も素晴らしい。
→ 残念ながら「富岩運河環水公園」を写した自前の画像が所在不明。なので、富山市内を横切る松川の画像を。06年9月に撮影したもの。この川も「水の都・富山」のシンボルの一つ。遊覧船も走っている。
せっかくなので(?)、5年以上前というHP所載の旧稿だが関連する記事ということで「我が家のマイブーム」などをブログにアップする。
その素敵なブログとは:
「Under the Blue Sky 別館 夜の富岩運河環水公園」
こういう写真を撮りたいもの。拝借したい!
前置きはこれくらいにしておこう。旧稿をどうぞ。
目次:
「我が家のマイブーム」
「出来たばかりの郷里の公園を散歩した」
「我が家のマイブーム」
この連休、郷里である富山に帰って初めて知ったのだが、このところ我がお袋は、湧き水の名所で水を汲んできて、その水で料理したりお茶やコーヒーを飲んでいるという。
どうやら小生の姉夫婦が、マイブームの火元らしい。お正月にも帰省したのだが、その時は、別にそんな話はトンとなかったので、最近、熱中し始めたらしい。
その水が、四日の朝でほぼ尽きたので、その午後、雨の中、姉夫妻と我輩と母と、そして姉夫婦の家の愛犬であるゴールデンレトリバー種の「愛」という名のワンちゃんも連れて、神通川を渡り呉羽山を越えた先にある、湧き水の取水場に行った。
その取水場は、お宮の形をした屋根もあったりして、賽銭箱も用意されている。賽銭箱には百円を放り込んで、神式に則り軽く拝礼をしたりして、それから早速、ペットボトルやら10リットルのボトルとかに水をたっぷり汲んだ。
以前、このサイトでも触れたことがあるのだが、富山は湧き水の宝庫である。環境庁名水百選に富山から四箇所も選ばれているのだ。エヘンである。隣りの石川県からも三か所、選ばれている。北陸全体が名水天国なのだ:
「富山の名水めぐり 水の王国 富山」(ホームページ:「嶋くん(水商売!)」)
有名かどうかは知らないが、富山で取れる葡萄が美味しいし、その葡萄で作ったジュースは、最高に美味しかった。作りたてということもあったのだろうけど。まさに富山の水あるが故の葡萄なのだと思う。
実は、この名水の場所の名前を失念していて、冒頭では書き漏らしていたのだが、上記のサイトで調べたら、「杉谷の霊水(すぎたにのれいすい)」と呼ぶもので、富山市杉谷にあり、「北陸自動車道の真下から湧く水」であり、立山連峰の伏流水で、長い歳月を経て湧き出ているものであり、なんと「毎時5トン余り湧き出てい」るとのこと。実際、10リットル容器があっという間に満タンになる。
富士山からの麓での湧き水も、遠い昔に融けた雪や降った雨水などが、千年、二千年という歳月を経てようやく表出してくるものなのだ。つまりは、それだけの歳月の堆積を飲んでいるということにもなる。
「杉谷の霊水」の詳細は、ここをどうぞ。
既に過日、富山市で運河を整備した大規模な公園が造成され、ほぼ完成に近づいていると紹介したが(付録の「出来たばかりの郷里の公園を散歩した」を参照)、正式な紹介のサイトをどうぞ:
「富岩運河環水公園」
こうしてみると、最初のうちは、「松川を美しくする会」なるサイトでの「水の都・富山」という触れ込みに、贔屓目に見ても幾分の誇張があるのではと思っていたのは、どうやら、おのが不明を恥じなければならないようだ。
うーん、富山は水の王国なんだ。富山の人、宣伝が足りないよ。
…じゃない、我輩が認識が甘かった!
(02/05/07作)
「出来たばかりの郷里の公園を散歩した」
午前中は、狭いながらも我が家の田圃で田植え。晴天どころか、フェーン現象が生じて、27度を越し、何でも七月頃の陽気なのだという。耕運機の操作を間違えてしまって、余計な苦労をしたもんだから、一通りの作業が終わった頃には、疲労困憊だった。
実は、最初は耕運機での田植えが不調なのが操作ミスだとは気づかないでいた。それで渾身の力を篭めて何とか苗が植わるように頑張っていたのだ。
しかし、数往復もしないうちに草臥れ果ててしまい、こんなに疲れるのは、やっぱり、3月から4月に掛けてお腹の不調を抱えるようになり、碌に食事も取れない日々が続いた上、4月の上旬から中旬に掛けては、数年振りに風邪を引いてしまって、お腹の不調を更に拗らせてしまった。この間、会社を二週間ほども休む羽目にもなってしまった。
4月の半ば頃からは体調も回復に向かい、その後、リハビリというほど大袈裟ではないが、例年やっている5月の田植えという作業に耐えうる体力を養おうと、心掛けてはきた。それでも、全般的な体力低下は否めない…。
それが、自分のドジでしなくてもいいはずの苦労をしていたのであって、耕運機のちょっとした摘みの位置の選択をミスったせいで、苦労をしていたのであって、それに気づいてからは、それまでとは雲泥の差の楽チンさで、作業がスムーズに進んだのだった。そうか、別に体力の衰えのせいじゃなかったんだ…。
それでも、基本的な作業が終り昼食を取った後は、疲れがドッと出て、奥の部屋に引っ込んで、バタンキュウであった。
幾分は眠ったのだろうか、起き上がって居間に戻ると、家族一同が揃ってテレビを見ながら談笑している。
もっとも、聞くところによると、それぞれに疲れていて、てんでに横になって寝入ったりしていて、ようやくみんな、起き出して集まったところなのだという。
その中で、足の怪我もあり、また、高齢でもある母は、あまり手伝いはできなかったこともあり、比較的元気なのだった。お昼だったか、お茶を飲みながらの一服の際、運河の周辺がとても綺麗に整備されたから、私たち(姉夫婦)は、よく仕事の後、夕方などに散歩する、あとで一緒に散歩しないかという話に乗り気だったのである。
みんなが疲れから回復して茶の間に集まった時、テレビに興じている中、母はその話を持ち出した。行きたいという気持ちで一杯なのだった。姉夫婦は別に異論はない。小生も、ようやく散歩する元気が出てきたところだった。それに整備された公園とやらを一度は見ておきたい。
一服したあと、五時過ぎ、姉夫妻と母と小生(と愛犬)とで、かなり整備された駅裏の公園へ。公園といっても、中島閘門から牛島閘門と繋がる、延長5.1キロの運河沿いの大規模な公園なのだ。公園として整備されているのは、中島閘門までだが、運河そのものは岩瀬の港まで繋がっている。
一昨年辺り、ほんの一部、数百メートルを残して、ほぼ完成に近づき、一般の方の散歩やジョギング、昼寝、デートにと解放されている。随所に花が植え込まれ、堤沿いには桜並木が整備され、運河の途中に、ビルでいえば5から6階ほどの高さの展望台がある。高いところの嫌いでない我が家の母、姉、小生は、愛犬のアイと一緒に登って、遠望を楽しんだ。
運河のあるこの辺り一帯は、ほんの数年前までは、溝(ドブ)特有の分厚い悪臭と、木場を兼ねてもいたので、濁った水の染み込んだ木材から発する黴臭い臭気とが混ざって、せいぜい工場しかない人気のまるでない、まさに駅裏の、そのまた更に外れに過ぎない一角を更に澱んだ雰囲気のものにしていたのだった。
運河は、有刺鉄線などで囲まれ、運河を取り巻く土手や資材置き場などは雑草が深く生い茂っていた。そんな運河なのだけれど、遠い昔、小生がガキの頃は、時折、友達と連れ立って、どこか場末っぽいこの<人外地>にわざわざ遊びに来たことがなかったわけではない。
さて、県は、汚泥のたっぷり堆積した運河の底の土を懸命に浚渫し、更に巨大なポンプを使って、何年も掛けて運河の水を浄化した。その成果が近年、ようやく出たということなのであろう。今も、運河の水は濁っていて、透明度はまるでない。ただ、散歩して歩いた夕刻も、依然として生暖かい風が吹き抜けるのだったが、少しも不快な匂いは感じられなかった。むしろ爽やかでさえあった。
実は、2000年に富山で国体=国民体育大会が開催された。その、県としての一大イベントに間に合うよう、タイムリミットの設定される中で、懸命の作業が、膨大な予算を計上されて行われたのである。
尤も、だからこそ、この富岩運河公園(仮称:小生が勝手に命名した。正式名称を亡失してしまった)が一般に開放されたのだろうけれど。
[ 後に正式名称が分かった:「富岩運河環水公園」 ]
当然のことながら、運河を巡る公園ということで、公園の何処からでも立山連峰が望める。
← 本文に「運河を巡る公園ということで、公園の何処からでも立山連峰が望める」とあるが、残念ながらこの環水公園から立山連峰を望んだ写真は持ち合わせていない。代りに、この運河と平行して走る富岩街道が富山湾に突き当たったところにある岩瀬浜から撮った立山連峰の写真を載せる。
ただ、立山連峰の眺めそのものは、富山市の市街地の何処からでも堪能できるのが、富山の素晴らしいところだ。それこそ、富山湾の浜辺にいながらにしてでも、白く輝く巨大な屏風が浮かび上がり、富山というスタジアムを覆わんとするような雄勁な感じを楽しむことが出来るのである。
昨日は、日中、七月下旬の陽気ということで、夕方になっても、風は冷たくは無く、散歩を楽しむには最高にコンディションがよかったのである。夕方のニュースで知ったのだが、この日は、魚津で蜃気楼という現象も生じたのだとか。まさに、そうした現象の起きる絶好の気象条件でもあったのだ。
やがて六時を回った頃なのだろうか、かすかに宵闇の気配が漂い始めた頃、それこそ無数にある街路灯や、展望台や展望橋を照らし出すスポットライトや、さらに運河や噴水などの水とのハーモニーを意図したライトなどが一斉に、ポッと光り始めた。無数の蛍が不意に出現したような錯覚を一瞬、覚えた。
無粋な小生も、この時ばかりは、誰か素敵な人と二人で散歩したいものだと思ったものだった。
我が家からも歩いて十数分ほどなので、もし、いつか小生が帰郷したなら、その頃には植えられたばかりの、まだ痩せ気味の木々の緑も豊かに育っていることだろうし、毎日のようにこの公園に散歩しに来るに違いない。 そんな日を早く実現したいと思わせる、散歩と散策のための憩いの公園なのだった。
(02/05/05作)
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