ブログを改装した訳は
看板を変えただけだから、模様替えというべきか。
「無精庵徒然草」は「壺中山紫庵」へ。
これは従前通り、何でも日記。
「無精庵サンバ館」は「壺中水明庵」へ。
これは大幅な変更なので、改装とか模様替えではなく、店舗の入れ替えに近いので、下記する。
「無精庵方丈記」は「壺中方丈庵」へ。
これも従前通りで、基本的に俳句や川柳、小説を含めた創作の部屋である。
← クロード・モネ「かささぎ」 (画像は、「クロード・モネ-音楽・映画、言わせておけば」にて発見) クリスマスに見つけた綺麗な画。このような絵も描けるモネだったが、目の病気もあったのだろうか、後年は全く未曾有の画境を彷徨うことになる。いかにも児戯めいた和風庭園を造って、アトリエで筆を揮う。自然は彼の脳裏にあったというべき? 悲劇か偉業なのか。絵を描くとは一体、どういうことなのか。
まず、「無精庵」は止めた。
これは前々から止めたかった(「ぶしょう」じゃなく、「せいしがない」の意に誤解されそうだし)。ブログを始めた時、ブログってものの性格や、ブログをどれほど続けられるか自分でも分からなかった。
なので、とりあえずということで、某創作系のサイトでのHN(ハンドルネーム)だった「無精庵」をブログの頭に被せたのである。
既にブログを始めてからほぼ40ヶ月になろうとしている。ここまで続くとは思っていなかった。
ま、下記する事情があるので、ついでだとばかりに、「無精庵」とはおさらばである。
また、「徒然草」や「方丈記」(以前は、「サンバ館」の前身として「万葉記」も使っていた。これは一昨年、早々と変更している)も、小生のブログの内容や中味のレベルからして荷が重すぎる題名である。
中には「方丈記」などをキーワードとしてネット検索して小生のブログをヒットしてしまう事例も少なからず。
ヒットしてクリックしてみたら、「方丈記」とはまるで縁のない世界に愕然とするばかりだったろう。
迷惑至極な話である。
よって、「徒然草」も「方丈記」も、止めたかった。やっと念願(?)が叶うわけである。肩の荷が下りた気分だ。
今回の模様替え(改装…新規巻き直し)は、主に、「無精庵サンバ館」を「壺中水明庵」へと変更することに伴うものと言える。
小生は、03年からサンバエスコーラ(チーム)・リベルダージ(G.R.E.S.LIBERDADE)のメンバーだった。
事情があって年内一杯でチームのメンバーを辞める。退会するわけである。
私的な事情、家庭の事情もあって、それと小生の怠惰もあって、実際上、チームのメンバーとしてはまるで活動していない。練習にも参加しないし、何かのイベント(サンバパレード)のお手伝いもしていない。
幽霊会員のようなもの。
ただ、チームのファンとして、デジカメを手に可能な限りサンバパレードの追っ駆けだけはやってきた。
カメラ小僧(中年)してきたわけである。
で、撮った画像を最初はHP(ホームページ)で、ついでブログに掲載してきた。
アップする画像は数十枚から百枚(撮った画像は少なくとも二百枚以上だが)。
特にHPでのアップ作業は、パソコンソフト(ホームページ作成ソフト)の知識不足や経験不足もあって、自分には難行だった。徹夜作業は当たり前。
でも、楽しかった。最初のうちは、ファンになっている人からのコメントもあったし、何らかの反応があった。
画像を載せてくれてありがとう、なんて言われると(メッセージやコメントを貰うと)、もう、それだけで疲れも苦労も吹き飛ぶ。
が、理由は分からないが、この一、二年はブログでやっているけれど、我がチームのメンバーからの反応は全くなし。
無音。コメントなし。
無論、自分の好きでやっていることだから、誰にもコメントの義務などないのだが、全くコメントがないと、張り合いがない。
何の益も求めたことはないが、レスくらいは少しは欲しいと思ってしまう。
何もないと、徹夜の作業の疲れは、まさに労苦に過ぎなくなる。
それと、私的な事情(家庭の事情…これまでは折々の田舎(富山)との往復)もあって、チームのメンバーであっても、これまで以上に実際の作業の手伝いはできなくなる。まず、無理と予想される。
サンバパレードのレポートなどを書くより、荷物の一つも運べよという意見には返す言葉もない。
諸々考えると、チームのメンバーである意味を感じられなくなったのである。
→ サイモン・シャーマ著『風景と記憶』(高山 宏・栂 正行【訳】 河出書房新社) 「原初の森に分け入り、生と死の川をわたり、聖なる山々に登る―人間は風景をどのように見、創りあげてきたか。これまでの歴史学の手法をすべて捨て去り、大いなる小説を読む感動を与える風景論の名著、ついに刊行」という内容。大著。風景画を特集するからには、本書を手にしないとお話にならない。念願の書をようやく繙(ひもと)くことができる。本書に限らず、知の世界は大変貌を遂げている! 但し、「松岡正剛の千夜千冊『迷宮としての世界』グスタフ・ルネ・ホッケ」では本書を称揚(?)しているようだが、本書に対する評価は二分されている。繭に唾して読むべきか。
でも、これまでの縁があるし、先方はどうか分からないが、小生のほうはチームに、またチームの面々のファンであることに変わりはない。新たに加わったメンバーがまた生きが良かったりして、勝手にファンとして追っ駆けとして、パレードやライブを楽しみたいと思っている。
今までは、チームのメンバーでありながら、パレードの際は沿道からギャラリー(観客)の一人としてデジカメ片手に応援し撮影もしてきたが、これからはまさに一人のファンとして追っ駆けするつもりでいる(東京にいるならば、だが)。
あと、これは自分の中の自己満足に過ぎないのだろうが、サンバパレードというのは、カメラ小僧(テレビ局のカメラマンたちを筆頭に! 彼らは大概、秘蔵して内緒で楽しむらしい)たちの恰好のターゲットである。で、多くのサイトで画像がアップされる。
その中には良質なものから悪質なものまで、良心的なものからそうでないものまで多様多彩である。
その中に割って入って、小生は自分のサイトで良質なもの良心的なサイトを選んでリンクを貼り、どうせなら、そうした優れた画像を表情を載せてくれるサイトがネット検索で上位に来るようにと願ってやってきた。
無論、ネットでサンバやパレードやダンサーなどをキーワードにネット検索すると、我が愛するサンバチームのサイトが上位に来るように計らった。優勝のチームより、より上位へ。
実際のサンバパレードなどを見てサンバ仲間の輪に入る人が大概だろうが、どのチームを選ぶかという段階で、ホームページを見てやってくる人も少なからずいる(らしい)。
我がチームに脚光を浴びてもらう、どうせなら我がチームのホームページを見てもらう、そうした一定の役割は、少しは果たせたのではないかと思う(やっぱり、自己満足か)。
夏が終わり秋も深まると、サンバパレードはなくなる。夏をサンバの表のシーズンだとしたら、晩秋から来年の梅雨前までは裏のシーズンである。
裏と言っても、メンバーらは夏の浅草サンバカーニバルに向けてプランを練りチームの体制を組みなおし、テーマに知恵を絞り、厖大な作業に取り掛かり、あるいはライブに精を出す。
結構、忙しい(らしい)のである。
が、追っ駆けの立場に立つと、来年の梅雨前後の時期までは、基本的にレポートを書く機会がなくなる。記事のネタがない。ブログも更新のやりようがない。
こういったことをあれこれ(…気づかないうちに迷惑を掛けている恐れもなしとしない…)考えると、「無精庵サンバ館」を「水明庵」に変え、絵画など美の追っ駆けエッセイやレポートを書くというブログに切り替えることにしたのである。
夏になって表のサンバシーズンになれば、サンバやベリーダンスなどのレポート記事を美(と熱気)の追っ駆けレポートとして掲載したいと思っている。
サンバ館を美の館に変更したのは、この数ヶ月、風景画などを特集してきて、自分が根っから絵画が好きなんだと改めて気づかされたということもある。無精庵徒然草でも、風景画(絵画)特集が続く。
それはそれでもいいのだが、従前の何でも日記的な記事を書く機会がなくなってしまう。「季語随筆読書創作愚痴日記…富山情報」という謳い文句がほとんと意味を成さなくなる。
やはり、無精庵徒然草、つまりはこれからは「壺中山紫庵」だが、ここは何でも日記のブログにしておきたい。
で、従来は「サンバ館」だった部屋(ブログ)を「美の館」専門館にしたくなったのである。
それにしても小生、自分でもこんなにアート好きだったのかと驚いている。
← ジョン・ラスキン著『風景の思想とモラル―近代画家論・風景編』(内藤 史朗【訳】 法蔵館) 「優れた芸術(絵画・詩)とは何か。ターナー、ワーズワース、ミケランジェロなど実例豊富に論じ尽す。ラスキン『近代画家論』第三巻からの待望の翻訳」といった内容。近くの図書館どころか我が区には、ラスキンは教育関係の著作しかない。他の区からの借り物らしいが、ようやく手にすることが出来た。やはり、ラスキンは古典だから一度は読んでおかないと。尤も、ラスキンの風景論の書が見つからず、代わりに借りたケネス・クラークの風景画論や「ザ・ヌード」は収穫だった。怪我の功名?
さて、「無精庵」から「壺中」に切り替えたことについて、若干、触れておく。
「壺中(こちゅう)」とは、「つぼの中」ということで、「壺中天」を意識している。
「壺中天」…つまりツボの中にも天があるという意を示したかった。入れ子の宇宙を気取って。
(実は最初、「夢中庵」をチラッと考えていた。どうにも「無精庵」から離れられなくて、一見すると似ているし、無我夢中であれこれ書いているって意味合いもあるし、この頃、夢をよく見るし…。…とみこうみしているうちに、「夢中」から「壺中」を連想してしまった。瞬間、あ、これにしよう! 小生の頭のメカニズム、単純極まる!)
ところで、「壺中」とは、「小心な者。臆病な者。」という意味である。
なんとも小生らしいではないか。
これは、「壺中天」では分不相応であり、「壺中」に留めておくべきだと自覚した。
気後れして、とても「壺中天」とは命名できなかった!
(「壺中天」をブログ名に使ったのでは、「壺中天」をキーワードにネット検索して、我がブログをヒットすることになり、「方丈記」などを使っていた今までと同じ轍を踏むことになる! なお、「壺中天」を含め、もっと幅広い観点から話を綴っているブログ記事があった。→「カイエ ミニアチュールの魅惑 ~多田智満子『幻術の塔』~」)
その代わり、「山紫水明な自然の中の方丈の庵(いおり)」ということで、各部屋に「山紫」「水明」「方丈」を割り振った。
それこそ、小生には相応しからぬ館の名前とは重々承知しているが、ま、風景画好きな人間ということもあるし、その辺りのことを斟酌して、何でも日記の「壺中山紫庵」、美の追っ駆け記録の「壺中水明庵」、夢好き虚構を練り上げること好きな小生の本願のブログ「壺中方丈庵」と改名することにしたのである。
実施は、12月26日。この日付に意味はない。この日、時間が空いたから、作業に取り掛かったのだ。
最後に…。
素敵な宿や料亭を探そうと、「山紫」や「水明」をキーワードにネット検索して我がブログを目にしてしまった方々には、予めごめんなさいって言っておこう!
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 何十年ぶりにマフラーの登場(2024.12.11)
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 生け垣の補修はしたものの(2024.10.01)
- そんなことすらわかっていなかった!(2024.07.24)
- 緑茶にほうじ茶に昆布茶まで(2024.07.22)
- あの住職が急死!(2024.06.03)
- 声はすれども姿は見えず(2024.04.26)
「番外編」カテゴリの記事
- ファンタスマゴリー(2024.06.17)
- “四股”はなぜ四股って書くの?(2019.11.06)
- 8月5日は「タクシーの日」でした(2011.08.07)
- 鶏冠(とさか)」と「冠」は似て非なるもの ? !(2010.09.23)
- 「はやぶさ」よ あれがヒマワリ咲く地球(2010.06.07)
「書評エッセイ」カテゴリの記事
- 何十年ぶりにマフラーの登場(2024.12.11)
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
- 「日本航空123便墜落事故」(事件)の真相解明を!(2024.12.02)
「思い出話」カテゴリの記事
- 入浴も体力消耗の因?(2024.11.28)
- タクシードライバー談義(2024.11.19)
- 玄関の戸(鍵)を交換(2024.11.17)
- 柳 宗悦著『民藝四十年』に学ぶこと多し(2024.11.11)
- 早くも暖房に縋る(2024.10.21)
「お知らせ」カテゴリの記事
- あけおめ ことよろ(2013.01.01)
- 最近、セシウムの降下量が急上昇!(2012.01.09)
- 喪明け(2010.09.16)
- 二度あることは三度ある(2010.08.03)
- 父の死のこと(2010.07.14)
コメント
さっそく私のリンク集変更しておきました。
つい最近まで、「壺中に天あり」という言葉を、漢詩の中の一節だとばっかり思っていました。ほんとに無知かつ無恥の私です。
投稿: かぐら川 | 2007/12/27 23:56
かぐら川さん
突然、ブログの表題を変更し、ご迷惑をお掛けしました。
きっと、このブログをお気に入りに加えてくれている方々にお手間をお掛けしているものと恐縮しています。
年明け早々にとも思ったのですが、年末年始は移動その他、雑事があって難しいようなので、年内のうち、時間があるときにと思い立って、一気に変更させてもらいました。
「壺中天」(または「一壺天とも)は、中国の「後漢書」の中の故事のようですね:
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/8138/rakudakan/camel/kotyuten.html
この「後漢書」の東夷伝に邪馬台国の卑弥呼が登場することでも有名な文献。その中に出てくる話。
投稿: やいっち | 2007/12/28 01:47
やいっちさん、ブログ改装と70万ヒットおめでとうございます(^^)。壺中天って素敵な言葉ですよね。たしか熊井明子さんの本で知った言葉です。これからも頑張って行ってくださいね!
投稿: magnoria | 2007/12/29 13:03
magnoriaさん
日々、日記、読ませてもらっています。
その誠実な姿勢にこそ、山紫水明が似合うような気がするけど、もう、早い者勝ちで、壺中天というより壺中のほうも使わせてもらいます。
淡々と続ける。ホームランは打てないけど、コツコツ、ヒットやバントを打って、打線をつないでいくような、そんな感じでやっていきます。
改装に見合うようなブログであれたらと、そう、淡々と、です。
お互い、楽しく刺激し合いつつ、続けましょう。
投稿: やいっち | 2007/12/29 14:35
新装開店、おめでとうございます!!\(^o^)/
& 70万アクセス達成おめでとうございます!!
なは。いまも、別の「愛読BLOG」さんのところに
「70万ヒット」祝辞を書き込んできたところで、
同じことを書かせて頂きますが、
伊達さま60万石を超えたのですねえー!\(^o^)/
次は加賀前田さまの百万石ですね!!\(^o^)/
-------------------
よいお年を!!
投稿: Kimball | 2007/12/29 15:11
Kimball さん
お祝い、ありがとう。
実は、小生の「壺中庵」が70ヒットする数時間前に、折々覗いている「Tea time diary」さんサイトが70万ヒットに近付いていて、ちょっとコメントを残させてもらいました。
逸早く、「Tea time diary」さんサイトが70万を通過していた。淡々と。そのゆとりぶりに、敵わないなってって感じさせられました。
それはともかく、Kimball さんのブログ、話題が多彩ですね。
ブログって、毎日、更新するとなると、話題を見つけるのが時に一苦労だったりする。
ましてKimballさんは日に何度も更新されている。
すごいですね。
好奇心がいのちなのかな。
これからもよろしく。
よいお年を!
投稿: やいっち | 2007/12/29 19:49