今更だけど、「キッコーマンに感謝決議案」のこと
昨日は真面目に仕事。
ひたすらゆるやかな営業だったが、夜中になって、おやっと感じた話がラジオ(NHKラジオ第一「ラジオ深夜便」)から。
話題の焦点は、キッコーマン!
そう、醤油などで有名なあのキッコーマン!
← 先週だったか、都内某所のコンビニに夜食を買いに行こうとしたら、入り口付近に子猫が…。
いきなり余談から入ると、小生、拙稿「紫と言えば醤油!」の中で、醤油についてあれこれ調べてみると同時に、当然ながらキッコーマン株式会社(ここでは、キッコーマンと略記させてもらう)のことにも言及している!
尤も、キッコーマンとは、「亀甲萬」だったのかと、驚いているレベルだったが。
どうやら、公式ホームページを覗いてみると、「アメリカ進出50周年」などという頁がある。
今年2007年がキッコーマンにとって「アメリカ進出50周年」の年に当る。だから、NHKさんが話題に採り上げた…ってわけじゃなさそう。
それじゃ、あまりにローカル過ぎる。キッコーマンのユカリの地(野田)での放送なら分かるけど。
話を聞いていると、アメリカにおけるキッコーマンの活躍が話題になっていると分かる。
でも、それでも、キッコーマンさんがアメリカ進出やアメリカで成功を収めるまでに苦労があったというだけなら、これまたローカルな話題に留まる。
悲しいかな仕事が暇だったもので、(心ならずも?)ラジオにじっくり耳を傾けることができた。
すると、アメリカにおいてキッコーマンの活躍ぶりが高く評価されているらしいと分かってきた。
なんと、「キッコーマンに感謝決議案 米議会に提出」( MSN産経ニュース)というから驚き。
一部、転記させてもらう:
【ワシントン=渡辺浩生】今年米国進出50周年を迎えた醤油メーカー、キッコーマンによる米経済や食文化への貢献を称えようという決議案が米議会に提出されている。どちらかと言えば日本叩(たた)きが目立った米議会が、個別の日本企業を称賛する決議案を提出するのは異例だ。「キッコーマン感謝決議案」は9月7日、米下院に共和党のラングレン(カリフォルニア州)、ライアン(ウィスコンシン州)両議員が提出した。9月20日には上院で同じ内容の決議案がウィスコンシン州のコール、ファインゴールド両民主党議員から提出された。
キッコーマンが、両州の生産拠点を通じて米経済の活力向上や、しょうゆ、照り焼きソースなどを通じた食文化に貢献してきたことや、社と1000人の従業員が続けてきた教育・文化活動を評価し、50年の米国での活動を称賛する内容。
キッコーマンは1957年6月、サンフランシスコに販売会社を設立。日本企業として戦後の米国進出の草分け的存在だ。米国を含めて海外での醤油類販売量は約15万1000キロリットルに上る。「ソイソース」としてスーパーやレストラン、家庭の食卓など米国人の食生活に定着、最近の日本食ブームで一段と存在感を増している。
→ 大人しいので近付いて、ちょっと撮影させてもらうとしたら、逃げないどころか、子猫のほうから近寄ってきて、カメラのレンズを覗き込む。いい顔に撮ってねって言ってるの?
さすがに「 MSN産経ニュース」だけあって、最後に「米議会では7月末に下院本会議で、慰安婦問題に関する対日非難決議が採択された。貿易摩擦が激化した1980年代は対日報復決議が上院で可決された時期もあった。決議は法的拘束力がないが、日本の個別企業を対象に感謝の意を表す決議案提出は珍しい。」と一言、付け加えるのを忘れない。
さすがである?!
ネットで関連情報を探ってみると、「先日、醤油のキッコーマンのアメリカでの売上が日本国内の売上を抜いたというニュースを耳にしました」とあった(但し、数字的なデータなど、情報源を確認していない。ただ、これが事実ならば、日本において減塩醤油とか薄塩醤油など、醤油が塩分の関係で、さらには生産コストの都合などで、一部、敬遠気味あるいは減産気味の傾向が見られなくもないだけに、皮肉な現象である)。
アメリカのレストランでは、仮にテーブルにソースしかなくても、醤油が欲しいと声を掛ければ、奥から出してくれるという。場合によっては厨房で使っている最中のものを出してくれることも(それほどに普及している)。
さらに、醤油を求める場合でも、醤油の英語訳である「ソイソース(soy sauce)」ではなく、「キッコーマン」と称したら、それで通じる(地域もある)とか。
公式ホームページ「キッコーマン」の中にある「第1回目 松岡修造レポート しょうゆ大使紹介」によると、“キッコーマンしょうゆ大使”の松岡修造氏の談として、下記の話が載っている:
僕はテニスの遠征で12歳から海外に行く機会が多かったのですが、アメリカのレストランではしょうゆをお願いするときに周りの人たちが皆“キッコーマンプリーズ!”と言うのを聞いて「しょうゆ」を英語で「キッコーマン」というんだと思っていた時期がありました。なぜならそれほどまでにキッコーマンはユニバーサルな言葉だったからです。
↑ キッコーマンブランド ↑
アメリカで(キッコーマンの)醤油が受け容れられるようになったのは何故なのか。
寿司など、メタボ問題では日本より遥かに深刻なアメリカ。日本食ブーム、健康志向が背景にあるのだろう。
でも、案外とキッコーマンの長年の努力が土壌や背景としてあり、それが今、時代の志向と相俟って花開きつつあるということなのかもしれない。
また、テレビそれもNHKの人気番組「プロジェクトX 挑戦者たち」は欠かさず見るという人なら、「醤油 アメリカ市場を開拓せよ」(2003年7月1日放送)を見ているかのしれない。
「【キッコーマン株式会社】企業理念を具現化する幅広い広報・IR活動 ネットPR.JP - netpr.jp -」から関連部分を転記させてもらう:
キッコーマンのしょうゆは、現在、世界100ヶ国以上で愛用され、海外6拠点で現地生産が行われており、海外での売上は約22%、利益は50%近く、平均年間10%の成長を続けているという。そのファーストステップとして、米中西部ウィスコンシン州での現地工場建設したのは1972年。自動車や電子メーカーの米国進出よりも早いという。最初は「バグジュース(昆虫の絞り汁)」としょうゆに鼻をつまんだアメリカ人達に受け入れられるようになるまでには大変な苦労があり、そのドラマは、NHKの「プロジェクトX 挑戦者たち」で「醤油 アメリカ市場を開拓せよ」(2003年7月1日放送)で紹介された。また、テレビ東京「日経スペシャル“ガイアの夜明け”」でも中国合弁工場について取り上げられている。
番組では、いろいろエピソードを聞かせてくれていたが(生憎、語り手が誰なのか分からない)、中でも、リチャード・マイヤーズ元米国統合参謀本部議長とキッコーマン醤油との関わりの話は圧巻だった。
← 事情があって営業中、紅い花を探して回った。但し、紅い花といっても、できれば彼岸花(曼珠沙華)の画像が欲しい。「闇に浮ぶ赤い花」という短編に掲載したい一心で…。
と言いつつ、営業中のことゆえ、メモすることもできず、話の中身を正確に伝えることが出来ない。
リチャード・マイヤーズ氏は、「第15代アメリカ軍統合参謀本部議長としてイラク戦争を指揮した」こと、その前は在日米軍司令官だったこともある人物として知られる。
アメリカでは肉というとソースを使うのが一般的のようだ(今でも?かどうかは分からないが)。
その彼、一度、醤油を使ったことがあって、それが気に入った。でも、銘柄などが分からなかったようだ。
その後、ソースを使ったり、さまざまな醤油を試したが、どうも気に食わない。
が、あるとき、キッコーマンの醤油に出会い(再会なのか?)、これだということになった。
彼は自分の食の際にキッコーマンの醤油を使うだけではなく、第15代アメリカ軍統合参謀本部議長時代に、アメリカ軍のソースを全てキッコーマンの醤油に切り替えさせたというのだ。
(この辺り、ネットで裏付けとなる情報を物色したが、見つけられなかった。要確認!)
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コメント
調味料はほとんど小さなオリジナルの自然食っぽいものばかりで、量産のものは買わないので、キッコーマンがそんなにポピュラーなメーカーだとは、まるで知らなかった!
投稿: 大 | 2007/10/10 20:15
今晩は。
キッコーマン醤油の野田は車で30分
年に3回ぐらい出かけます。
ローカルな街になってしまったのはJRや、地下鉄がなく、東武野田線だけですが、昔は江戸川の水運で栄えた古い町です。街に入ると、麹菌の独特な匂い、屋根も麹菌で黒ずんでいます。
道路が狭くて、シャッター通りになっていますが、16号沿いに大型店舗がたくさんできて、つくばエクスプレス線開通で
都心に出るのが便利になり新住民も増えているようです。
醤油の街ですから、醤油焼き煎餅や、醤油の樽をイメージした樽最中、醤油のたまり漬け美味しいです。
前は「ひしお」もたまには手に入ったのですよ。
仕事でアミノ酸と糖の褐変反応にかかわっていたので、キッコーマン醤油の中央研究所にはお世話になりました。
醤油は一番の調味料、万能です。
投稿: さと | 2007/10/10 23:12
大さん
「調味料はほとんど小さなオリジナルの自然食っぽいものばかりで、量産のものは買わない」ってのは、こだわりを感じますね。
小生は気持ちの上では共感するけど、実際的には安易な行動に走る人間。
もう、近所で買えるのが助かるってだけです。
投稿: やいっち | 2007/10/11 01:49
さとさん
コメント、ありがとう。
「母の様子 」が日記に載っていましたが、小生も今日10日、田舎の母に電話しました。おきげん伺い。
キッコーマン醤油は決してローカルな企業ではありません。全国区。それどころか世界へ羽ばたいている。
ローカルという意味は、関係者にしか興味が持たれないだろうという意味。
野田市へは、仕事で一度、(十年近く前)行ったことがあるだけで、賑やかな町かどうか小生は事情を知りません。
野田のこと、いろいろ教えてくださいね。
可能なら、一度はゆっくり町を見て回りたいもの。
さとさんが「キッコーマン醤油の中央研究所」にいて、醤油(の研究?)に関わっておられたとは初耳。
うっかりしたことは書けないですね。
醤油、ラジオでインタビュー番組があって、聞き入っていました。
その成果(?)が本文に紹介している拙稿「紫と言えば醤油!」です。
醤油も奥が深い。
つくばエクスプレス線開通は出発点の秋葉原もだけど、その沿線を相当に変えたようですね。沿線を旅するのも楽しそうです。
投稿: やいっち | 2007/10/11 01:59
野田のキッコーマン工場は、子供の頃遠足で見学した記憶が。
直径が人の背丈ほどもある大きな樽や、堂内に満ちた独特な醤油の生臭い匂いが印象的でした。
最近は近場の醸造元の醤油ばかり使っているので、大手さんのはあまり縁がなくなってしまいました。
マイヤーズ将軍の話、キッコーマンの味がそんなに他の醤油と違う(違いが分かる舌をお持ちだ)というのに吃驚しました。醤油の味なんて、同じ価格帯なら大差ないと思ってましたので・・・。(メーカーさん、ごめんなさい)もちろん、長く使っていれば、変わった時に気づくかもしれませんが。
投稿: 縷紅 | 2007/10/11 18:27
縷紅さん
コメント、ありがとう。
醤油とか味噌とかお酒とか、製造している現場は興味深いですね。お酒の醸造もとへは父の代理として何箇所か訪れたことがあります。
醤油は未だない。
そうですね。実際に見たら違うレポートが書けそう。
醤油。本文にもあるけど、塩分控えめというテレビやマスコミの煽り(?)かキャンペーン(?)に影響され、この十数年、ポン酢を多く使うようになっていて、醤油は小さい瓶が一本あると、数年、間に合うようになっている。
でも、ラジオでやっていたけど、醤油は豆が原材料。本来は体にいいって聞いて、考えろ改めている。
でも、刺身は高くて買えないし、焼き魚を食べる機会もないし、とにかく、情けないことにレンジでチンとカップ麺依存生活に堕している。
我ながら情けない食生活です。
棚にはカップ麺とかレンジ用の食材ばかり。
この記事、アメリカ人のテイストに醤油が合うってこと自体が不思議だった。
その前にキッコーマンがドンピシャだったのか、日本の他のメーカーのものでも、テイストに合うものがあるのか、どのようにしてアメリカに受け容れられていったのか、その辺り、事情が分かると面白そう。
で、マイヤーさんの件ですが、ソースと比べて醤油がよかったのか、醤油でも日本のいろんなメーカーのものを味見してキッコーマンがいいとなったのか、アメリカにも醤油を作る業者が居て、そのアメリカ産の醤油より日本の醤油がよかったってことなのか(ってことは、日本の大概の醤油でも十分、彼のテイストを満足させた可能性があるってこと)、その辺り、詳しい話を聞きそびれているのです。
なので、要確認なのです。
投稿: やいっち | 2007/10/12 19:27