物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論
宇宙論や素粒子論好きの小生なのだが、迂闊にもNHKテレビで特集番組を放映された昨年来、巷(ちまた)でも話題沸騰(?)となっている人物、そしてその方の理論について、今朝までまるで知らない(気付かない)で来た。
我ながら情けない。これも、書店へ寄らない(当然、本は買わない。雑誌も無論。新聞は取っていない)生活が40ヶ月以上続いている結果なのだろう。
テレビもモバイルなので、画面をじっと見るのが億劫だし、その前に新聞がないので、その日、あるいは近々、どんな番組が放映されるのかの情報に思いっきり疎くなっている。
→ リサ・ランドール著『NHK未来への提言 異次元は存在する』(NHK出版 Online Shop) 下記するインタビュー番組が早くも本になっているのだ!
まあ、愚痴はこれだけにして、その話題とは、リサ・ランドール(Lisa Randall)博士の異次元理論の件。
小生が気付いたのは、全くの偶然で、今朝、昨日の営業を終えて帰宅し、洗濯等しつつテレビを観ていたら、彼女が登場したのである。NHKテレビ。
そう、目下、来日中なのである。
まずは、NHKテレビでどのような番組が放映(再放送されている!)されたのか:
「NHK情報ネットワーク 番組 「未来への提言」」
この番組では、「理論物理学者 リサ・ランドール~異次元を語る~」というテーマで博士がインタビューを受ける形で語っている。インタビュアーは、JAXAの宇宙飛行士若田光一さん!
テレビといっても、「 BS1」だとか。
ヒエ~~。BSで放映されていたのだ。
貧乏人の小生には有料のサイトは、H(アダルト)系も含め、縁遠い。手が出ない。H系は、専ら想像・空想・妄想・揣摩臆測に頼っている?!
が、調べてみたら、昨年の五月、地上波でも放映されていたようだ。
要は、小生が不注意だったのである。
短いので上掲の頁を転記させてもらう(その代わり、補える情報をネットから探し出してみる。太字は小生の手になる。太字部分は関連情報が別記されているという意味だと思って欲しい):
21世紀の道しるべとするべく世界のキーパーソンに話を聞く新シリーズ、「未来への提言」。第二回目はハーバード大学の理論物理学者リサ・ランドール博士(43)をとりあげる。我々の住む3次元世界を取り囲む5次元世界が存在することを提唱したランドール博士は、若干43歳にして一躍物理学会のニューヒロインに躍り出た。アメリカの雑誌も特集で、ランドール博士を2006年のキーパーソンに選んだ。リサ・ランドールはいまや全米が注目する「時の人」である。
ランドール博士は2004年、5次元を解説した一般書を出版して人々の心をつかんだ。ラジオでの宇宙シリーズでも生出演して大人気を博している。全米のファンから贈られてくるギフトが絶え間ない。研究の成果とその魅力を伝えようとする熱意が人々に確実に伝わりはじめた。
来年、ランドール博士が提唱した5次元空間を証明する実験がスイス・ジュネーブ郊外で行われる。実験が成功すれば人類の世界観も覆されることに。今この実験に対する期待が高まっている。
5次元とはいったいどういうものなのか。それは我々の世界とどういう関係にあるのか。その解明によって人類の未来にどういう変化を期待できるのか。
JAXAの宇宙飛行士若田光一さんが、リサ・ランドール博士にロングインタビューで聞く。
← リサ・ランドール著『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』(向山信治/監訳 塩原通緒/訳、日本放送出版協会 ) 「宇宙は、私たちが実感できる3次元+時間という構成ではないらしい。そこには、もうひとつの見えない次元があるというのだ。もし、もうひとつの次元が存在するのなら、なぜ私たちには見えないのか?それは、私たちの世界にどう影響しているのか?どうしたらその存在を証明できるのか?現代物理学の歩みから最新理論まで、数式を一切使わずわかりやすく解説しながら、見えない5番めの次元の驚異的な世界に私たちを導いていく。英米の大学でテキストとして使われている話題の著書Warped Passagesの邦訳」
リサ・ランドール著『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』(向山信治/監訳 塩原通緒/訳、日本放送出版協会 )については、茂木健一郎氏の書評があった。ちょっとあっさりしているけれど、そのほうが食欲(読書欲)を擽るかも。
「ワープする宇宙 書評 本よみうり堂 YOMIURI ONLINE(読売新聞)」
この書評から一部だけ転記する:
物質の究極の構成単位である素粒子。時間や空間の構造。『ワープする宇宙』は、現代物理学の最前線の重要テーマを独自の理論を織り交ぜながら解説した、知的興奮の書である。鍵となる概念は、「余剰次元」。この宇宙には、前後、左右、上下の空間三次元、時間の一次元以外に、「第五の次元」が隠れているという。そう考えると、様々な知見がうまく説明できるとランドールさんは考えた。
第五の次元があるならば、なぜそれは「隠れて」いるのか? 「ワープした余剰次元」という斬新な考え方で説明するランドールさんの理論は今、実験による検証を待つ。
「茂木健一郎 クオリア日記 リサ・ランドール来日講演会」(主催:NHK情報ネットワーク、東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター)によると、2007年7月28日(土)、「小柴ホール」(東京大学)において、「リサ・ランドール講演会」と「対談 リサ・ランドール × 茂木健一郎」があったようだ。
これも今回の彼女の来日の目的の一つだったのだろう。
(リサ・ランドール博士の講演を聞きに東大に行った人の日記が見つかった。羨ましいね:「好奇心のランダムウォーク 好奇心」)
この「リサ・ランドール博士来日記念講演」についても、「NHKでは、この講演会の模様を後日番組として放送する予定」なのだとか。さすが、主催するNHKさんならではだ。やるね、NHKさん!
さらに調べてみたら、冒頭付近で紹介した小生が見逃したBSの番組について、「8月25日(土)に「未来への提言」シリーズの特別編を放送いたします」という頁を発見。
内容は下記:
「BS特集 未来への提言 特別編 大宇宙の根源を語りたい ~物理学者リサ・ランドールと若者たち~
BS1 8月25日(土)後10:10~11:00」(BSオンライン)だって。
これは見逃しちゃ、アカン! と思ったら、小生、BSとは無縁なんだった。アカン!
→ ブライアン・グリーン著『エレガントな宇宙』(林 一・林 大訳、草思社刊) この本にも興奮したものだが、『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』は、科学に門外漢(特に数式はダメ)な人にも評判がいいらしい。
これまでの文中で何度か、「ランドール博士が提唱した5次元空間を証明する実験がスイス・ジュネーブ郊外で行われる。実験が成功すれば人類の世界観も覆されることに。今この実験に対する期待が高まっている」といった文を目にしているはず。気になる!
上掲の頁に関連する話が載っている。
つまり、下記のような内容の番組がBSで8月25日、放映されるのである:
いま、物理学のニューヒロインと呼ばれ、最もノーベル賞に近いと注目されているのが、ハーバード大学教授で理論物理学者のリサ・ランドール博士だ。私たちが暮らす3次元世界のすぐそばに、5次元など異次元が存在するという博士の理論は、世界の研究者たちの間で最も引用される論文のひとつとなり、来年行われるスイスでの巨大な加速器を使った実験でその理論が実証されれば、アインシュタイン以来の21世紀最大の発見になるかもしれないと言われている。
7月末、ランドール博士が来日し、興味津々の日本の学生たちを前に、東京大学の小柴ホールで特別授業を行った。数式を一切使わない分かりやすい授業で定評のあるランドール博士は、新たにわかってきた研究の成果や、新しいことを発見する喜び、学ぶことの楽しさなどを魅力的に語った。また脳科学者の茂木健一郎さんとも対談を行い、会場を沸かせた。
異次元世界とはどのようなものなのか、そして大宇宙の根源はどうなっているのか。今回、ランドール博士は、東京大学ビッグバン宇宙国際研究センターや、素粒子物理国際研究センターを訪ね、科学者を目指す若者たちと、フェイス・トゥ・フェイスで語り合った。若者の科学離れ、理系離れが叫ばれるなか、飽くなき探究心をもって宇宙の謎を解き明かそうとしているリサ・ランドール博士の魅力と、彼女から若者たちへの未来へのメッセージを「未来への提言」シリーズの特別編としてお届けしたい。
ここまで書いておいて、肝心の番組を見ることが叶わないなんて、辛い!
余談だけど、この日、我がサンバチーム・リベルダージ(G.R.E.S.LIBERDADE)も出場する浅草サンバカーニバル(←小生はリンクを正式に許可されている)が催される。
話の関連性はないのだが、まあ、8月25日は、銘記すべき日だということである!
関連情報としては、下記が詳しい:
「So-net blog来夢望瑠_日々平凡リサ・ランドール博士 「未来への提言」 on NHK BS-1」
「飛び出せ! 北の宇宙基地 読書メモ(リサ・ランドール_異次元は存在する)
「5次元空間 リサ・ランドール博士」
英語が苦にならない人は、下記のインタビューを:
「The Morning News - Lisa Randall by Robert Birnbaum」
あるいは、大学でのプロフィールを:
「Harvard Physics Department Faculty - Lisa Randall」
[日本語で、「ランドールさんと、2回スペースシャトルで宇宙に行った若田光一さんとのやりとり」をメモってくれているブログ頁を発見:
「グーグーパンダの語る人生の目的 5次元の時空 リサ・ランドール(3)」 (8/10追記)]
[本稿に関連する拙稿:「宇宙の神秘に対する畏敬の念」(や「水から陸への冒険…人間は魚類の一員だ!」など) (07/09/16 追記)]
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コメント
やいっち様、
はじめまして! &
愚BLOGの紹介・TBありがとうございました!
------------
最近のNHKさんは話題番組は何度でも再放送
してくれる\(^o^)/ので、今年中に2,3度
生視聴または録画する機会があるのではと。\(^o^)/
小生としては、是非、今回の来日講義もふくめて
DVDにして発売してくれないかなあと期待しています。\(^o^)/
投稿: Kimball | 2007/08/19 22:27
Kimballさん
小生にはちょっとレベルの高いブログ。
でも、勝手に参考にさせてもらいました。
来訪、コメント、逆TB、ありがとうございます。
今日の記事の「茂木健一郎氏の「ヴィトゲンシュタインの猫」\(^o^)/ (凡人おやじ試訳)」も、ヴィトゲンシュタインファンの小生には楽しい話でした。
リサ・ランドールの理論、予約していた本が一冊、手元にあるので、今夜からボチボチ読んで、楽しむつもりでいます。
古代史も宇宙論も、政治の世界も今世紀に入って、ドンドン、新しい展開を見せていることにワクワク感を覚えています。
探求はまだまだ続くのですね。
投稿: やいっち | 2007/08/19 23:30