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2007/08/11

<降格>した冥王星、新たな主役に!

 車中では空車の時はラジオ三昧である。以前の車ならFMラジオが聴けたので、音楽三昧だったのだが、今、小生が担当している車にはAMラジオしか付いていない。カーナビは付いているが、まさしくナビの単機能。テレビなんて夢のまた夢。
 民放は若者向けの音楽(小生には音楽に聞こえない!)番組が中心で、熟年(?)の小生らの年代はほとんど相手にされていない。
 未明近くに演歌を扱う番組があるくらい、かもしれない。
 地方切捨ての政治というが、ラジオでは(民放は特に)熟年など大人が切り捨てられている。聞くに堪える番組をとなると、夜中を待つしかない。

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→ 「ヘリオスフィア」 (画像は、「太陽系 - Wikipedia」より)

 なので、自然、ラジオというと、NHK第一放送がメインとなる。
(尤も、今は頼みの綱のNHKさんも高校野球一色。ガッカリ!)

 先日は「財団法人 日本総合研究所」の会長である寺島実郎氏の話を聴けて有意義だった。
 同氏の見解は小生にはとても参考になる。アメリカのみならず中国を重視した将来展望をとか、中国の経済発展には環境対策が喫緊の課題であり、日本が環境技術を通じて新たに戦略的なODAを考えるべきだとか、あれこれ興味深い話があった。
 が、営業中の聞きかじりだし、同氏の著書を読む機会を得て、改めて何か書くかもしれない。

 音楽面では、民放で「Our Love to Stay」という名のポップ系のジャズ音楽グループの存在を知った。木曜日の営業中、昼間だったか、このグループの中のヴォーカルを担当しているAYAさんという方の話を聴けた。インタビュー番組だったのだが、結構、楽しかった

 さて、木曜日、ラジオで聞きかじった話では、天文学者の渡部潤一さんの話が面白かった(面白そうだった)のだが、残念ながらメモする余裕もなく、ここに紹介できない。
 ただ、話の最後に、同氏が太陽系の研究を専門にしていることを遅まきながら知って、ちょっと驚いた。
 太陽系のことを今更、何を研究する?
(まあ、小生の知識レベルはこんな程度!)

渡部潤一 - Wikipedia」によると、「渡部 潤一(わたなべ じゅんいち、1960年12月28日 - )は、日本の天文学者。専門は、太陽系天文学」で、「テレビ等メディアへの出演も多く、日本の天文学者の中では最も有名な1人といえる」というが、特に最近では、「2006年、国際天文学連合の「惑星の定義委員会」委員となり、冥王星の惑星からの除外を決定した最終メンバーの1人となった」ことで有名かも。

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← NHK科学・環境番組部【編】・渡部 潤一【監修】『太陽系が今、解き明かされる!宇宙ロマン―太陽系と生命の謎にせまる』(ナツメ社) 「太陽系の惑星が8個に!冥王星はなぜ惑星から外れたのか?塗り替えられる太陽系の全貌!」だとか。

 ところで、冥王星が惑星から除外されたというと、ややマイナスのイメージに聞こえる。
 なんだか、降格処分という憂き目に遭ったような。
 小生のような、「スイギンチカモクドテンカイメイ」で太陽系の惑星を覚えたロートルには尚更、ちょっと淋しい話題でもあった。

 が、「太陽系 - Wikipedia」を覗いてみれば分るように、「冥王星が惑星という分類からはずれ、新しく定義された準惑星に含まれることとなった」ことの意義は実は案外と大きいし興味深いことでもあるのだ。
 
 つまり、「冥王星は「さいはての惑星」ではなく、太陽系外縁天体内の新しいサブグループ(冥王星型天体)の典型例、すなわち「かつて考えられていたよりも遥かに広いことが明らかになってきた太陽系の、新しい領域を代表する存在」と見なされるようになったのである」!!

「かつては最も外側の惑星(とされていた)である冥王星の軌道を太陽系の果てとみなすことが多かったが、外縁天体(エッジワース・カイパーベルト)の発見によってその考えは古いものとなった」!!

 また、「太陽から放出された粒子(太陽風)は、エッジワース・カイパーベルトの外側にある末端衝撃波面を越えると恒星間空間を満たす星間物質や宇宙線の抵抗によって減速し、やがて星間物質の一部となる。太陽風が到達する範囲を太陽圏(ヘリオスフィア)、その境界面をヘリオポーズと呼」び、「散乱円盤天体や長周期彗星の多くはヘリオポーズより外側まで達する軌道を周回している。オールトの雲は1万天文単位(約0.16光年)以上、太陽の重力圏の限界付近まで広がっていると予想されている。その距離はおおむね10万天文単位(約1.6光年)程度とされているが、もっと遠くまで広がっているという説もあり、その場合は太陽系と近隣恒星のオールト雲が重なっていることもありうる」とか。

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→ 渡部 潤一・布施 哲治【著】『太陽系の果てを探る―第十番惑星は存在するか』(東京大学出版会) 「太陽系をとりまくエッジワース・カイパーベルトは氷の小天体群である。彗星のふるさととも呼ばれ、太陽系誕生の謎を解く鍵をも握っている。十番目の惑星を求める惑星発見の物語と、最新の太陽系天文学の成果」だって。

 エッジワース・カイパーベルトについては、近年、研究成果や発見が相次いでいる:
すばる望遠鏡、太陽系外縁部の天体表面に結晶の氷を発見
「すばる望遠鏡」が、「エッジワース・カイパー・ベルト天体の一つ、クワーオワー(50000 Quaoar)の表面に結晶状態の氷を発見した」というもの。

 渡部 潤一さんは、彗星や小惑星など太陽系内の小さな天体の観測研究を通じ、太陽系構造の進化を研究されているのだとか。

 物理学では、つい先日、メモした「物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論」で示したように、「宇宙は、私たちが実感できる3次元+時間という構成ではないらしい。そこには、もうひとつの見えない次元があるという」こと、しかも、これが単なる理論ではなく、「来年、ランドール博士が提唱した5次元空間を証明する実験がスイス・ジュネーブ郊外で行われる」ことになっている。

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← 8月9日の夜、都内某運河脇にて。ボートが通り過ぎていって、川面が揺らいだ。水面の影も揺らぐ。波の不思議。

 さらに、宇宙論では、「あれこれと耳学問の日々過ごす」でメモしたが、「通常の物質は宇宙の4%であり、暗黒物質は23%、残りの73%が暗黒エネルギーだという」ことがホットな話題となっている。

 我々に一番、馴染みの太陽系でさえ、外縁天体(エッジワース・カイパーベルト)の発見が太陽系の成り立ちについて、新たな展望を齎そうとしている。
 分らないことがドンドン生じている。科学の世界も新生面が切り拓かれつつあるのを素人ながらも感じてワクワクする。

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