車内はラジオ三昧です!
昨日は営業の日。よってラジオ視聴者になる日。
ってのは冗談だが、自宅ではあまり聴かないラジオに耳を傾ける日であることは確か(空車の場合に限る)。
ラジオでいろいろ話を聴いたり、いろんな音楽を耳にしたりする。
↑ 「仲道郁代Official Website」参照。
音楽では、ソニー・ロリンズ やジリオラ・チンクェッティの曲を久しぶりに纏めて聴けたし、アメリカが終戦間際になって慌てて原爆を投下したのは何故か、近年のアメリカの有識者の間でほぼ共通の見解になりつつあるという見方を聴くことができて興味深かった(少なくとも久間元防衛省長官がアメリカ軍の代弁者の如く語った見解や、一昨日だったかアメリカの高官が語った見解とはまるで違う)。
また、番組名は忘れたが(調べたら、「ビュッフェ131」だった。聞き手は、音楽評論家の黒田 恭一氏)、ピアニストの仲道郁代さんへのインタビュー、そして演奏を聴くことができた。演奏はFMで以前、聴いたことがあったような気がするが、はっきりしない。
但し、仲道郁代さんへインタビューの模様を伺ったのは初めて(当然ながら、声を聴くのも初めてだった!)。おっとした(?)話しぶりで、気に入っちゃった。クラシックを肩肘張らずに聴いて欲しいとか、あるポピュラーな曲の演奏も聴けた(詳細は忘れた)。
なので、早速、今日の夕方、図書館に行った際にCDを物色。AVコーナーのラックに「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集5」があったので、即、手に入れる。
AMラジオでクラシック系統の方の話や演奏を聴けたのは、予想外のことで嬉しかった。
(ソニー・ロリンズのCDは、いつもなら何枚もラックにあったはずなのに、一枚も見つからず、借りるのは断念。代わりに(?)というわけではないが、他に、アルパ奏者の上松美香さんの「INOCENCIA」を借りてきた。この前は、「PASION」を借りて聴いて気に入ったので、今度は違うCDを聴くことにしたのだ。)
真夜中過ぎ、NHKでは、夜明けに近いような時間帯には、〔にっぽんの歌こころの歌〕なるコーナーがあって、「真夜中の夢の競演 渥美 清 & 倍賞千恵子」という特集をやっていた、はずだが、残念ながら、仮眠を取ったら、仮眠どころか爆睡してしまって、全く聴けず。残念。
ラジオ深夜便(西橋正泰アンカー)をつらつら聞いていたら、〔ないとエッセー〕のコーナーで、「俳句的発想ー虫に親しむ~アリ~ 俳人 坪内稔典」を聴くことができた。どうやら、これは何回かに分けて話が続くようで、次回(7月13日(金曜)の深夜)は、「俳句的発想ー虫に親しむ~カタツムリとナメクジ~」がテーマとのこと。
和歌ではあまり相手にされなかった虫さんたちが、俳句の世界では結構、愛情を以て観察され句に詠まれている(こうした話題は、機会があったら、ブログに仕立てたいものである)。
〔こころの時代〕なる時間帯では、「アンコール「絵と青春、そして戦争」 画家 永井潔」といった内容の番組を聴くことができた。
言うまでもないが、営業中だったので、いずれも聞きかじりで、断片的に話を聴くだけで、聞き漏らしたことのほうが遥かに多い。
→ 永井潔「父と母」(1948年) 「永井潔展(九十歳記念)」より。
ここでは、「アンコール「絵と青春、そして戦争」 画家 永井潔」の周辺を若干、メモしておきたい。
と言いつつも、小生、画家の永井潔さんのことはまるで知らない。どこかで名前を目にしたことがあったのだろうけれど、実質、初耳だったと思う。
まして、永井潔さんという名前から絵が思い浮かぶことは全くなかった。
幸い、ネット検索したら、「永井潔展(九十歳記念)」ということで、「戦前戦後の油彩水彩素描70点 9月26日から10月3日まで「セシオン杉並」で開かれます」という頁をヒットした(展覧会は既に終わっている)。
文中、「日本美術会創立メンバー 初代研究所所長 「永井潔個展に寄せて」 北野輝」とか、「永井潔展をみて -身近な人々を見つめるやさしさ穏やかさ- 朽木 芳」なる文が載っていて、同氏への理解の大きな一助になる。
さて、「アンコール「絵と青春、そして戦争」 画家 永井潔」の中での永井潔さんの話は、ほとんど聞き漏らしたのだが、冒頭、硲伊之助やマチスの名前が出てきて、おやっと思ったのだが、その後、実車になり、話の詳細は全く不明。
硲伊之助は、一水会の創立者の一人とのことだが(「一水会とは」参照)、創立する数年前、春陽会退会を退会し、渡仏した。
フランスでの旅の最中、列車に乗っていて、マチスと偶然、出会ったらしい。硲伊之助の作品をマチスが見て、アトリエか何処かへ誘ったらしいのである(この辺り、裏付け資料を物色中)。
分からないのは、そうしたエピソードを永井潔さんがどういう話の流れでされたのか、そのあたりの事情が全く見えない。残念。
硲伊之助の名前は小生が学生だった72年か73年の頃に、友人から、ある話の流れの中で、なかなかいい作家だよという話を聞いたが、怠惰な小生は、硲伊之助の仕事がいかなるものか確かめないままに、忘れ去ってしまった。
小生が大学を卒業する前の年である1977(昭和52)8月に亡くなられていた。享年82歳。もう少し強く関心を抱いていたなら、晩年とはいえ、生前の活動ぶりを同時代ギリギリのタイミングで確かめられたかもしれなかったのだが。
ただ、友人との話の中で硲伊之助の存在が話題に上ったのは、硲 伊之助の訳した『ゴッホの手紙 全三冊』(岩波文庫)を書店で見たのが切っ掛けだった(他にも事情があったのだが)。
小生は、『ゴッホの手紙 全三冊』(岩波文庫)の一冊くらいは読んだと思うのだが(これも怪しい!)、実際には、みすず書房が1984年だったかに刊行した『ファン・ゴッホ書簡全集』(二見史郎訳)版でゴッホの手紙の大方を読んだのだった。
手紙でも擦れ違いだったわけだ。
硲 伊之助の作品(陶芸以外)は、「作品一覧」で幾つか見ることができる。
[追記:冒頭付近で小生は、「アメリカが終戦間際になって慌てて原爆を投下したのは何故か、近年のアメリカの有識者の間でほぼ共通の見解になりつつあるという見方を聴くことができて興味深かった」と書いている。
米政府のロバート・ジョゼフ核不拡散担当特使(前国務次官)は3日、広島、長崎への原爆投下について「原爆の使用が戦争を終わらせ、連合国側の数十万人の命だけでなく、数百万人の日本人の命を救ったことにほとんどの歴史家が同意すると信じている」と述べ、正当化できるとの考え方を強調したのは記憶に新しい。
久間元長官への援護射撃なのか、アメリカの自己正当化なのか。
いずれにしても、上記したように、こうした見解は少なくとも近年のアメリカの有識者の間ではほぼ否定されているようだ。
広島と長崎に投下した原爆の種類が違うことに、実験性があるのではというのは従来から指摘されている。さすがに<黄色人種>への偏見が背景にあったとは思いたくはないが、日本人憎しの感情があった可能性はある。
原爆の投下がソ連の参戦を早まらせたいう見解が一時あったが、むしろ、ソ連の日ソ不可侵条約の破棄と参戦という情報があったからこそ、アメリカは(実験としての、あるいは見せしめとしての、それとも天皇に終戦の決断を促す効果を与えるため)原爆の投下を急いだというのが最近の研究の結果の共通認識になりつつあるらしい。
「指導者と意思決定責任」(寺島実郎)を参照すると、そもそも、連合軍総司令官だったマッカーサー自身が、「原爆投下の決定をエノラ・ゲイ発進の48時間前に知らされただけであった」という。つまり、マッカーサーの対日戦略上、原爆投下はシナリオの中になかった、必要がなかったと考えられるわけである。
但し、この時点での寺島氏の見解では、「軍事的に不可欠な戦略として原爆投下が検討・実行されたものではなく、「スターリンのソ連への牽制」など戦後のヘゲモニーを視界に置いた極めて政治的な判断で選択されたことは間違いない」と考えられているようだ。
牽制の意味があったかどうかは分からないが(だったら、ソ連の情報が入手しやすいソ連領ではないソ連近海の何処かの海か孤島で投下して威力を示せば十分のはずである)、とにかくソ連が参戦する前に、日本の分割統治を断念させる意図があったのではと推測される。
尤も、当時のロシアに中国大陸の日本軍への攻撃はできても、海を渡って北海道へ侵略する余力や能力があったのかどうか、怪しかったのではなかろうか。
なお、全ての記述に理解が及ぶわけではないが、下記のブログ記事を参照:
「日暮れて途遠し 久間防衛相の「原爆しょうがない」は2重に誤り」 (7日追記)]
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コメント
大変御無沙汰しております。以前、TB・コメントを頂いたUsherです。
仲道郁代さん、大変愛らしい話し方をなさるのにとてもバイタリティ溢れる演奏をしますよね。 ソナタ全集ももうすぐ完結しますが、知人のピアノ講師の方が、「ソナタ全集録音など余程のエネルギーがないとできないワ…」と言っていました。
5月に彼女の演奏を聴きましたが、生演奏もオススメです。
投稿: Usher | 2007/07/16 21:18
お久しぶりです。ブグローの記事の際に、勝手ながらTBさせてもらいましたね:
http://fonthill-abbey.seesaa.net/article/23979634.html
ラジオでお話を伺い、過日、CDで演奏を楽しんだだけの仲道郁代さんにこんなエピソードがあり、思い入れがあるというのは羨ましい限りです。
しかも、コンサートでも楽しまれている。
こうでないとね。
投稿: やいっち | 2007/07/16 21:51