ベリーなる美神の舞いを見てきたぞ
ベリーダンスバーである「sheherazade(シェヘラザード)」というお店で二週間前に引き続き、ベリーダンスのライブを楽しんできた。
前回の出演者は、Nancyさんと noriさんの二人。
今回は、蓮さんとBiancaさんと、もう一人。
もう一人については、「[シェヘラザード]ショースケジュール」の頁に名前が書いてないので、ダンサー名を書いていいのかどうか分からないので、とりあえずもう一人ということにしておく。
→ 四谷三丁目近くにあるベリーダンスショーの楽しめるバー「sheherazade(シェヘラザード)」のある界隈をちょっと散歩。
小生は、サンバエスコーラ・「リベルダージ(G.R.E.S.LIBERDADE)」のメンバーでありファンなので、サンバ関連のエッセイやレポートをあれこれ書いてきた。
それこそ、その名もズバリ、「無精庵サンバ館」というブログサイトを開設しているほど。
そんな中、昨年の浅草サンバカーニバルで、我がチームのアーラの中に、ベリーダンスのパートがあった。
残念ながら、スタッフをしていたので、肝心のベリーダンサーらの踊りは、ほとんど画像や動画でしか見ることが叶わなかったが、取りあえずはベリーダンスとの出会いの一幕ではあった。
また、Charlie Kさんの「Charlie K's Photo & Text」なるサイト(の中の、「Belly Dance Photos Charlie Kaw」)を通じて、これまた純粋に画像や動画を通じてのみだが、ベリーダンスに接しつつあった。
(それと、今年は毎週ではないが、日曜日にはタクシーの勉強会に出席する必要があり、サンバパレードへ行けない、追っ駆けできないという事情があって、せめて空いた時間にライブを楽しみたいのである!)
サンバについてもだが、ベリーダンスについても小生が何を語る能も用意もない。全くの初心者(見物のほうの!)であり、ただただ女性ダンサーの踊りに魅入っているだけである。
ここではただ、「ベリーダンス - Wikipedia」から、「中東およびその他のアラブ文化圏で発展したダンス・スタイルを指す言葉であり、これらを呼称するために造語された西洋の呼称である」という点、実際にはいろんな種類があり、且つ、ベリーダンス(belly=腹)であって、ベリーが焦点なのだろうが、それこそ、つま先(裸足!)から頭の天辺まで、腕は勿論、指先まで神経が行き届き、配慮が払われていることは(ダンスである限り当然なのかもしれないが)断っておいていいだろう。
男性のベリーダンサーもいるのだろうが、取りあえずは小生が見たのは(見たいのは)女性のダンサーのもの。
サンバも最初は半裸の格好にカルチャーショックを受けたりするが(なんたって公衆の面前なのだから)、すぐにダンサーらの気迫や踊る喜び、その楽しみを観客と分かち合いたいという心の底から湧き上がる情熱に圧倒される。
そうして、腰の動き、ステップワーク、腕の動き、動きの中で支点として動かざる部分、さらには目を中心にした顔の表情、体全体から発する躍動感といった雰囲気を含めた全体に関心が移っていく。
サンバについては、「古都サルバドール・サンバの始原への旅」などでその起源というか誕生したドラマをスケッチしてみた。
そこには黒人奴隷の悲劇に満ちた歴史が背景に、土台にある。
一方、ベリーダンスはどうなのだろう。
映画などのドラマでは、アラブの王族や商人の屯(たむろ)する面前で半裸のダンサー達が踊らされるというシーンが多いのではなかろうか(小生の狭い知見と偏見に由来する見解に過ぎないのかもしれないが)。
男たちを楽しませるため女たちが踊らされるという歴史が遠い昔にはあったのだろうか。
それとも、ベリーダンスの起源は、全く逆であって、そもそも踊りというのは、神がかりなものであり(サンバも当初はそんな神がかり状態の、多くは若い女性の踊りから始まったらしいが)、神が憑いた、あるいは神が降りた(多くは)女性、あるいは憑依状態の人の踊りというか、狂的な舞いというのか、それはもう、常識と日常を逸脱した神との交信状態そのものなのであって、男たちが、あるいは支配者や勝利者が勝利の美酒に酔う酒宴の際に余興として奴隷にした部族や敵の女たちを躍らせて悦に入るといったものとは、まるで次元を異にするものなのかもしれない。
仮に支配者が自らの権威を高め力を鼓舞するための余興として奴隷を躍らせたものだったとしても、やがて時代と共に、あるいは踊り手の技術や能力や意志、表現力がその場面場面で力関係を逆転させていったのかもしれない。
少なくとも、近代においては(欧米においては)優れた踊り手の出現と優れた鑑賞者(評者)らの相互のかかわりを通じて、踊りそのものが芸術であり、表現行為そのものとして確立していく。
踊るという営為。小生はただの観客に過ぎず、ただ見て楽しませてもらうだけである。
だから、実際に踊る方たちの気持ち、踊っている最中のダンサーの脳裏に浮ぶもの、思念しているものなど分かるはずもない。
まして、個々のダンサーの方の踊りを的確に評するなど小生の能力や経験、語彙からして論外である。
あるいはよき理解者など気取らなくて、また、優れた評者たらんとすることも放棄して、ひたすら楽しめばいい、踊りの美しさ、流麗さ、エロス…を堪能すればいいのだろう。
踊り手と鑑賞者との間に誤解に満ちた共感があったって、その踊りが披露されている場面において、森や川や木々、木々の小枝で囀る小鳥たちの歌、動物たちの本能、風の囁き、あるいはエジプトやアラブの砂丘、またそういった自然、さらには一個の宇宙と交情する異次元世界に一瞬でもいい立ち会えているなら、それでいいのだろう。
命が踊っている。男が見れば女のエロスであり、女が男の踊り手を見れば男のエロスなのだろう。
← 同じく、「sheherazade(シェヘラザード)」のある界隈を店に行く前にちょっと散歩。裏町酒場のある細い路地。何故か哀感が漂ってくる。
肉体の動きを、ベリーダンスは体の中から表現しているように思える(そのような話を聞きかじった。以下は小生の勝手な解釈である)。
動物の肉体というのは、簡単に言えば、一個の筒のようなもの。その筒は、身体の壁をつくる「体壁系」(別名「動物系」。主に、「脳を中枢とする神経系、筋肉系、外皮系」など)と、身体の内部に蔵される「内臓系」(別名「植物系。主に、「腸管系や心臓を中心とする血管系」など)とで成り立っている。
(骨格は別儀とする。「著名人、三木成夫を語る」などを参照のこと。三木成夫著『胎児の世界―人類の生命記憶』(中公新書)は秀逸! 拙稿「三木成夫著『人間生命の誕生』」も覗いてもらえたら嬉しい!)
繰り返しになるが、ベリーダンスとは、ベリーということで、まさに体の内部をとても意識しているように思える。
体の表面のお肉や筋肉、筋の動きだけではなくて(むしろ、これらは表面であり結果なのであって)、まさに体を構成する植物(静止=体液)としての肉体と動物(移動=神経と筋肉)としての肉体とを体の内部から感じ取り、表現し尽くす肉体芸術なのではないかと(現時点では)思う。
ベリーダンスのライブで女体の蠢きの美しさを楽しみながら、ふと、生き物としての人間の不可思議と愛おしさを思っていたのだった。
(「sheherazade(シェヘラザード)」というお店ではダンサーの撮影は許されていないということなので、画像はありません。いつか、撮影の機会があったら、掲載することもあるかもしれない。)
[後記:]
小生には下記のようなベリーダンス関連の(あくまで関連であって、ベリーダンスそのものを評するような試みはしていない。できない?)エッセイや妄想文の類いを綴っている。
「歌舞伎の日阿国の踊りベリーに見ん」
「「裸足のダンス」再び」
「愛のルビコン」
「愛のファンタジア」
「カーニヴァルテーマ「太陽」(8)」
「仮面の舞踏」(ベリーダンスを見て興奮冷めやらぬうちに書いた妄想的モノローグ。文章のみ!)
ベリーダンスの画像というと、なんといってもここ(上掲の雑文の中の大半の画像は、このサイトの許可を貰って掲載させてもらっている):
「Belly Dance Photos Charlie Kaw」(ホームページは、「Charlie K's Photo & Text」)
他にも、挿画の形で文章には全く関係ない形で、「Belly Dance Photos Charlie Kaw」から拝借する形で、ブログの中に画像を掲載させてもらったことがしばしばある。
☆「音楽屋☆ユッキィ☆の仮面舞踏会(決) 抱かれちゃうよ~♪」を覗くと、生きのいいレポートが読めます(画像も?!)。
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