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2007/05/09

あれこれと耳学問の日々過ごす

 この数日の間にラジオやテレビなどで見聞きした、科学関係の話題から幾つか(自分の興味に従って)ピックアップしてメモしておく。
 以下で紹介する話題のうち、「海水魚の淡水養殖成功」と「最も明るい超新星爆発観測」は、昨日の営業中にラジオで聞きかじったもの。
 連休明けで、暇なような忙しいような、つかみどころのない営業だった。昼間はそこそこに忙しかったものの、夜中はさっぱり…と言いつつ、実は、数日振りの仕事で、日中の疲労が夜に出て、夜半過ぎ、車中でたっぷり寝てしまった。

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→ 昨日の午後、そろそろ暮色の気配の漂う頃合、芝公園から東京タワー方面を望む。

 自宅の汚いベッド(しかも、汚い毛布)で寝るより、車中で睡眠を貪ったほうが気分がいいみたい。
 それとも、仕事をサボるのが楽しい…?!
 違います。仕事の心地いい疲労のせいで眠れるのです。


1.不思議な水 海水魚の淡水養殖成功
2.不思議な物質 暗黒エネルギーの謎
3.最も明るい超新星爆発観測


1.海水魚の淡水養殖成功

海水魚の淡水養殖成功 岡山理大専門学校・山本学科長ら  トラフグ、ヒラメ、マダイ… 開発の水使用、コスト低減
(この頁を覗くと(今なら)、「ランチュウなど淡水魚と同じ水槽の中で泳ぐ海水魚のマダイ」といった画像を見ることができる!)
「トラフグ、ヒラメ、マダイなどの海水魚をカリウムなどの電解質をわずかに加えた淡水で養殖する実験に、岡山理科大専門学校(岡山市半田町)の山本俊政アクアリウム学科長らが成功した。「味も上々」で、内陸部での本格的な養殖に道を開く成果といえそうだ。」というもの。
 昨夜はラジオで、岡山理大専門学校・山本学科長へのインタビューの形で、いろんな話を聴くことができたのである。よって、小生には夕べが初耳だった。

 尤も、テレビでこの一月に関係の話題が放映されていたようだから、既に知っていることだろう。

 その番組とは、人気番組である(且つ、題名自体が素敵な)「素敵な宇宙船地球号」で、「素敵な宇宙船地球号 ここが見どころ!!」に予告編として、番組の内容が一部紹介されていたようだ(小生は、見逃した)。
 テーマそのほかは下記:
[第461回] 1月21日 23:00~23:30放送
「台所から地球が見える タイ、フグ、ヒラメは山の幸!?」
 ~不思議な水がつくる未来~

 淡水で海水魚の養殖をしようという研究は、世界的な魚志向の高まりもあって、漁獲高が急増。「2006年冬、アメリカの科学誌サイエンスが「このままでは、およそ40年後に全ての天然の魚が全滅のおそれあり」と衝撃的な予測を発表」するに至る現実がある。
 また、海水での養殖は従来より実施されてきたが、環境悪化による海洋汚染といった問題(弊害)があった。また、海水での養殖だと、コストが相当に割高なのだとか。

「そんな中、この事態を救おうと、岡山理科大学専門学校の山本俊政先生が「不思議な水(好適環境水)」を開発し」たというのである。
 小生は、この「不思議な水」という一言で耳が(関心が)ダンボとなった。そうでなかったら、何処か他の音楽の局を探したに違いない。
「不思議な水」!
「この水、なんと淡水魚と海水魚を一緒に飼育できるのです。先生は、海から30キロも離れた山の中で、トラフグやヒラメ、タイの稚魚を水槽で育て、鍋の季節に出荷しようとしてい」るのだという。
 昨夜の話では、まさに山間部(やもっと内陸部)などの過疎地対策の切り札の一つとして考えていたとも。

 研究の眼目は、下記にあるようだ:

海水魚と淡水魚は正反対の浸透圧の調整を行っているので一緒には暮らせないのですが、進化をさかのぼればどちらも祖先は太古の海で生きていたはずです。いまほど塩辛くなく単純な成分だったために、浸透圧の調整も必要なかったと考えられます。そこで先生は太古の海に着目しました。現在の海水に含まれる成分はおよそ60。その中から魚にとって本当に必要な成分は「カリウム」「ナトリウム」、その他数種類の成分だけということが分かりました。そしてこの水なら浸透圧の調整が必要ないので、エネルギーが少なくて済み、その分成長が速くなるようです。

 話によると、「実は海水魚の陸上養殖の試みは大分県でもあったのですが、人工海水代や冷暖房費にコストがかかりすぎ、閉鎖されてしまいました。しかし、山本先生の「不思議な水」なら人工海水に比べ60分の1のコストで済みます。」という。
 夢のような話? でも、現実化に一歩近づいているようだ。
 養殖関係の方、その中には英虞湾での真珠貝の養殖をされている業者の方からも問い合わせがあるという(「三重県地域結集型共同研究事業 ~英虞湾再生プロジェクト~」なんて試みもあるのだが)。
 近い将来、山間の何処かの過疎の村で、海水魚の養殖施設がお目見えということになりそう。
 水族館より楽しそうな気がする。

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← 『安めぐみ Venus』(DVD、渡辺 達生、竹書房)

2.暗黒エネルギーの謎

 5月5日(土)の深夜、NHK教育で、「宇宙を満たす暗黒物質わたしたちの誕生にかかわる謎の物質の正体▽宇宙の未来は? 」といった番組(サイエンスZERO)が放映されていた。
 余談だが、ゲストは安めぐみさんだったが、彼女の美貌のみならず利発さにも感激。もしかしたら、テレビを消すのも忘れて見入ったのは、そのせいかも?!
 と思ったら、番組の出演者は下記の通り:
【ゲスト】東京大学大学院理学系研究科教授…佐藤 勝彦,【コメンテーター】東京大学大学院教授…佐倉  統,【司会】安 めぐみ,熊倉  悟,【語り】土田  大,【語り】寺田はるひ
 そっか、安 めぐみさんは司会だったのね。
 安 めぐみさんは、「匂いフェチで、いわゆる中年男性の強烈な足の臭いさえも「臭いけど平気」となってしまう程に様々な「男性の匂い」が好きらしい」だって。

デラシネの独り言 サイエンスZERO(番組予告) 宇宙を満たす 暗黒物質の謎」によると、番組の内容は下記の通り:

 宇宙はどのように形作られたのか?宇宙の未来はこれからどうなるのか?こうした疑問に答えるヒントを与えてくれるのが「暗黒物質」だ。暗黒物質は、見ることが出来ず未だに誰も発見していないが、存在することは確実だといわれる不思議な物質だ。星や星間ガスなどのこれまで知られている物質の5倍以上の質量があり、現在の宇宙の成り立ちや将来の宇宙の姿を知るために欠かせないと考えられている。
 今年1月、愛媛大学などが参加する世界15カ国のチームは、重力によって光が曲がる「重力レンズ」と呼ばれる現象を観測することで、暗黒物質がどのように分布しているのかを示す大規模な宇宙地図を世界で初めて発表した。この結果、暗黒物質は銀河を包み込むように存在していることが明らかになり、銀河や星の誕生に密接に関わっていることがわかってきた。
 また暗黒物質を直接観測しようという研究も進められている。京都大学などの研究チームは、超電導磁石を使って強力な磁場を作り出すことで暗黒物質を検出する装置を開発。また岐阜県の神岡鉱山では、東京大学のチームが高感度光センサーを使って暗黒物質を発見する研究を進めている。宇宙の起源を明らかにし、さらに将来の宇宙の姿を描くために不可欠な暗黒物質研究の最前線に迫る。

 科学、とりわけ宇宙論(素粒子論でもある)に関心のある小生、近年、暗黒物質へ迫る研究が急ピッチで展開していることは仄聞していた。
 我々の体や地球や太陽やを構成する、いわゆる目に見える物質(光に反応する通常の物質)だけでは、宇宙の質量にはまるで足りないことが分かっていた。宇宙を暗黒物質が満たしているはずなのである。
 番組では、宇宙を満たす暗黒物質の3次元分布をシミュレーションしたCG画像が紹介されていて、壮観だった。いわゆる通常の物質と相関しているのが如実に分かるCG画像なのだった。

 その画像は、「暗黒物質の3次元分布を測定 宇宙 sorae.jp」でも見ることができる。
 拙稿「読書拾遺…樹の花にて」にて、暗黒物質の話題と共に、関連画像を掲載!

 ところが、近年はその暗黒物質よりも、暗黒エネルギーと称される謎のエネルギーがさらに広範に宇宙を満たしていることが判明したのである。
 どうやら、通常の物質は宇宙の4%であり、暗黒物質は23%、残りの73%が暗黒エネルギーだというのだ!
 この「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」は、宇宙を膨張に導く力として作用している。
 つまり、宇宙は膨張と収縮を繰り返すのではなく、この「暗黒エネルギー」の存在の影響で、急膨張しているのだとか。
アインシュタインは正しかった?暗黒エネルギーの性質を知る手掛かり」など参照。

 暗黒物質(や暗黒エネルギー)についての最新の研究発表については、下記など:
NEWS SCAN 2007年6月号:日経サイエンス 暗黒物質は暗くない? 光を放射も吸収もしない謎の物質だが,奇妙な光の発生源になっている可能性がある

3.最も明るい超新星爆発観測

 昨日、「最も明るい超新星爆発観測=2億4千万光年先-NASA」(時事通信)というニュースをラジオで聴いた:

 米航空宇宙局(NASA)は7日、これまでで最も明るい超新星爆発がチャンドラX線宇宙望遠鏡などによって観測されたと発表した。
 超新星爆発は、質量の大きな星が一生を終える際に起こす大爆発を指す。昨年9月、地球から約2億4000万光年離れた銀河で見つかったもので、SN2006gyと命名された。当初は超新星爆発とは別物との見方もあったが、観測を続けた結果、超新星爆発と断定されたという。
 NASAによると、観測チームを率いたカリフォルニア大学バークリー校のネーサン・スミス氏は太陽の150倍の質量の星が起こした爆発とみられると分析。「典型的な超新星爆発の100倍のエネルギーがあり、途方もなく大きな爆発だ。これまでに見たことがない」としている。

 超新星とは、「超新星 - Wikipedia」によると、「恒星がその一生を終えるときに引き起こす大規模な爆発現象である」が、超新星が我々の関心を惹くのは、その爆発の壮大さもさることながら、「初期の宇宙に存在した元素は水素とヘリウムのみだった」のが、「より重い鉄や珪素、我々の体を構成する炭素や窒素などの元素は恒星内部での核融合反応で生成し、超新星爆発により恒星間空間にばらまかれた。また、鉄より重い元素は超新星爆発時に生成したと考えられる」からでもある。
 そのメカニズムが「最も明るい超新星爆発観測」で解明が進むものと期待される(期待している)。

(超新星については、超新星と藤原定家との絡みで拙稿「土井さん、「超新星発見」から定家のこと」にて若干、扱っている。)

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コメント

「アマチュア天文家の板垣さん、超新星連続爆発を観測」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070614ik01.htm

 山形市のアマチュア天文家・板垣公一さん(59)が観測した奇妙な天体現象が、太陽の何十倍という重い星の最後の連続爆発であることが、九州大学の山岡均助教ら国際チームの解析で明らかになった。

 爆発は大小2種類で、質量が重い星の一生を知る新たな手がかりになるという。14日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。

 重い星が一生を終えて星全体を吹き飛ばす大爆発は、超新星と呼ばれる。超新星発見31回の国内最多記録を持つ板垣さんは、2006年10月、自身24個目となる超新星を発見。04年10月にも、ほぼ同じ位置で一時的に明るさを増した天体を観測していたことから、親交のあった山岡助教らに画像を提供する形で共同研究を行った。
         (2007年6月14日3時2分 読売新聞)

投稿: やいっち | 2007/06/16 13:57

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