スカタンな話をもったいぶってみた
過日、某サイトで「スカタン」という言葉に出会った。
というか、「スカタン」自体は全く未知の言葉ではないし、ずっと以前、何処かで読んだか見たか聞いたかしたことのある言葉なので、再会したというべきなのか。
でも、「スカタン」相手に再会もないだろうから、まあ久しぶりにこの言葉を目にした、という程度の表現に留めるほうが宜しかろう。
(念のために断っておきますが、本稿は駄文です!)
→ 松本修著『全国アホバカ分布考』(太田出版) (画像は、「Amazon.co.jp 通販サイト」より)
さて、「@nifty辞書」に拠ると「スカタン」の意味は以下の如し:
(1)当てがはずれること。だまされること。
(2)見当違いなことやへまなことをした人をののしっていう語。とんちんかん。まぬけ。すこたん。
詮索好きな小生としては意味もだが、できれば「スカタン」の語源、あるいはこの言葉の出来てきた経緯を知りたい!
常識的には、「スカを引く」の「スカ」と「アンポンタン(安本丹)」や「マンキンタン(万金丹)」などという時の、「タン(丹)」との合成語と考えるのが穏当なのであろうと推察される。
根拠はない。ただの小生の直感でモノを申している。上記したように、「すこたん」と同類ということも、一応は小生の説を裏書きしてくれているような気もする。
まあ、間違っても、スカートにタン! でも、アフガニスタンの略でもなさそう。
一説によると、「スカタン」は元々は京都の方言らしい。
この京都の方言だというのは、松本修著『全国アホバカ分布考』(太田出版)の中に示されている。本書は、小生は未読。太田出版は爆笑問題の太田光氏の出版社ではないことは確かなようだが。
実はネット検索していて偶然、下記のサイトを見つけたのである:
「松岡正剛の千夜千冊 『全国アホバカ分布考』松本修」
(「著者(松本修氏)はこの「探偵ナイトスクープ」のプロデューサーである」とか。)
この頁の中に、「アホバカ全国地図」の一次的分布図が載っているとか。こうした本も読まれる松岡正剛氏の関心の幅広さに奥ゆかしさ、懐の深さを感じる。
松岡氏は、その「アホバカ全国地図」の一次的分布図をご丁寧にも書き写されている。
その一項として「京都=アホ・アホウ・ボケ・ホウケ・フヌケ・スカタン」なる項があるのだ。
ちなみに我が郷里・富山の項を覗くと、「ダラ・ダラブツ・ドスダラ・バカ・アホ・ボケ・アヤメ」である。なんだか、やたらと言葉が汚い。やるせない気がする。
でも、アホバカなのだから、語感も含め優雅さや味わい深さを期待するほうが頓珍漢というもの。
さて、「スカタン」が京都の方言であるとなると、京都の方に語源などレクチャーしてもらいたいものである。
ここからは小生の(ほとんど妄想に近い)憶測なのだが、「スカ」は、「飛鳥(アスカ)」の「スカ」ではなかろうかと思ったりする。
「ア」は、「聖なる」の意の接頭である。「スカ」は諸説があるが、恐らくは「蘇我」と無縁ではない、といった説があるのは、知る人は知っている(あくまで説である)。
(「飛鳥(あすか)」の語源の諸説は例えば、「tobira.com/asukakyo/asukakyo2.htm">飛鳥京」なる頁の「「あすか」の語源 諸説」という項を参照のこと:「飛鳥の扉」)
蘇我一族は一時は大王を脅かす存在になったが、やがて「大化の改新」の際、(蘇我本宗家は)出自も含め謎の人物(一族?)である中臣氏により滅ぼされる。
中臣一族は間もなく藤原氏を賜り、明治維新まで(恐らくは明治以降も、そして今も、これからも?!)一千年以上に渡り繁栄を謳歌する。
こうした事実からすると、「スカ」は藤原一族により滅ぼされた蘇我一族を意味し、「スカタン」というのは、藤原氏には憎き敵だった蘇我氏を貶める呼称であったと推察されるのである。ただ、「スカ」だとあからさま過ぎるし、語感的に物足りないので「スカタン」と転訛したのではないか。
よって、「スカタン」というのは、長く蘇我一族を蔑称してきた、その名残なのではないかと考えるのも、無理な考察とは言えないかもしれないのである。
いやはや、スカタンな話でござった。
そもそも、「スカタン」なる言葉が江戸か明治か大正か、はたまた昭和といった近代か現代に近い時代になって突然に(あるいは外来語の形で流入し)生まれてきたものであるやもしれない。よって、近世以前には、探しても痕跡も見つからない「スカ」だったりすることも考えられる。
となると、小生の推察…憶測…妄想…思い込み…は前提自体が脆くも崩れ去り、全く意味をなさないわけである。
冒頭に駄文と断った所以(ゆえん)である。
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