まったりと過ごす日曜楽しかり
「4月23日 今日は何の日~毎日が記念日~」を覗かせてもらうと、今日は、「サンジョルディの日,世界本の日」だという。
「スペイン・カタロニア地方には、この日、守護聖人サン・ジョルディを祭り、女性は男性に本を、男性は女性に赤いバラを贈る風習がある。この日は「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスの命日でもあるため、スペインでは「本の日」とされている」とか。
さらに、"世界図書・著作権デー(World Book and Copyright Day)"であり、「こども読書の日」でもあるとか。
← 上原ひろみ『ブレイン』( トニー・グレイ (演奏), マーティン・ヴァリホラ (演奏), アンソニー・ジャクソン (演奏) 、ユニバーサルミュージック)
とにかく、今日は本に縁の深い日のようだ。
小生、こう見えても、少しは本を読む。
が、本は買わなくなった。正確に言うと、買えなくなった。
三年前の四月冒頭から本を買わない、もっと言うと、書店へは立ち入らないと決めたのである。小生なりの財政再建の真っ只中で、下手するとあと十年は続きそう。
この三年間に全く本を買わなかったかというと、さにあらず。十冊は買っている。
ただ、その大半は、同じく行くのを控えている美術展(画廊巡り)を、つい禁を破って参観に行き、売店で買ってしまった展覧会のカタログなのである。
その小生、図書館通いを復活させた。94年からの失業時代に図書館通いを今の仕事に携わって一年ほどまで三年ほど続けていたことがあるから、それ以来ということになる。
昨日、日曜日も図書館へ足を運んだ。というか、自転車で駆けつけたのだった。
二週間、仕事のスケジュールがタイトで、まる一日の休日は久しぶり。
なので、日曜日も前日の土曜日からマッタリモードだったというわけである。
→ 「埼玉県立近代美術館 企画展 渋澤龍彦―幻想美術館》展」(画像は「ぶらり遊歩道 《渋澤龍彦―幻想美術館》展」から。拡大可能)
図書館へ福永武彦の本(『ちくま日本文学全集 16 福永武彦』)や竹内まりあのCDなどを返却し、渋沢龍彦の本(『ちくま日本文学全集 14 渋澤龍彦』)や竹内まりあや高橋真梨子らのヒット曲集(CD)、上原ひろみ(「上原ひろみ official site」)の『ブレイン』( トニー・グレイ (演奏), マーティン・ヴァリホラ (演奏), アンソニー・ジャクソン (演奏) 、ユニバーサルミュージック)などを借りてきた。
竹内まりあや高橋真梨子らについては、期待に違わぬエンターティナーぶりで堪能しているのだが、上原ひろみは聴いてびっくり。飛んでる! ファンキィって感じ。
これは嵌まりそう!
福永武彦は、読んでやや期待はずれに終わった。彼の大作を読んでいないので、最終的な評価は今は控えておく。
渋澤龍彦の本は久しぶりに手にする。彼の本は学生時代からフリーター時代に何冊か読んだっけ。
せっかくなので、渋澤龍彦についての情報を探したら、下記のサイトが浮上してきた:
「ぶらり遊歩道 《渋澤龍彦―幻想美術館》展」
「埼玉県立近代美術館 企画展 渋澤龍彦―幻想美術館》展」の真っ最中なのだ。
やはり、彼は今も根強い人気を誇っているのだ。
小生が若い頃、渋澤龍彦の諸著を読み齧ってどれほど理解できたかは心もとないが、彼の紹介や坂崎乙郎のお陰で(友人らの刺激も大きかった)学生時代に絵画などへの視野が広がったのは間違いない(坂崎乙郎については、拙稿「坂崎乙郎著『夜の画家たち』」など参照)。
← 「埼玉県立近代美術館 企画展 渋澤龍彦―幻想美術館》展」(画像は「ぶらり遊歩道 《渋澤龍彦―幻想美術館》展」から。拡大可能)
渋澤龍彦については、小生には多くを語る能はない。上掲の「ぶらり遊歩道 《渋澤龍彦―幻想美術館》展」がとても参考になる。勉強にもなった。
『ちくま日本文学全集 14 渋澤龍彦』は、車中に持ち込むつもりなので、営業の合間の休憩の折に繙(ひもと)くのが楽しみだ。
例によってロッキングチェアーで夜明かしした(こう書くと、まるでロッキングチェアに腰掛けてまんじりともせずに徹夜した、などと誤解する向きがあるらしい。実際は、ロッキングチェアーにデンと腰を埋めたら、あとはトイレなどの他は一切、場所を移動しなかったというだけで、本を片手に居眠りの繰り返しなのである)。
スタインベックやフィッツジェラルドらの短編を幾つか読んだり、数学の啓蒙書を読んだり。
この二人の作家については、『コレクターズ版世界文学全集29 現代アメリカ傑作短編集』(佐藤亮一訳、日本ブック・クラブ)に所収のもの。本巻には、『仔鹿物語』で有名なM・K・ローリングスの短編集が多目に収められている。
冒頭のスタインベックの短編「ジューニアス・モルトビイという男」という短編にしびれた。語り口のうまさを痛感する。
この語り口の秘密を知りたいものだ。高校時代だったか、力技で『怒りの葡萄』を読んだことがあるけど、ほとんんど勢いで読んでしまっていて、味わうなんてできなかった。短編を読むと、読み手を物語りに引き込む力があることを思い知らされるのだった。
→ デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』(浅尾敦則訳、アーティストハウス) (画像は、「Amazon.co.jp 通販サイト」より)
他に、「二人の兵隊」ウィリアム・フォークナー、「ペゲッティのおのろけ」 ジョン・ハーシー、「夜間飛行」ロジャー・アンジェル、 「恐慌終る」メリイ・ボルト、「金婚旅行」 リング・ラードナー、「池」ルイス・ブロムフィールド などを所収。
どうやら、『現代アメリカ短篇集』(佐藤亮一訳、荒地出版社 1956/05/15)に、『仔鹿物語』で有名なM・K・ローリングスの短編集(佐藤亮一訳)を抱き合わせにして全集の中の一冊に仕立て上げたみたいだ。
なるほどね!
先週末からは、デビッド・ブラットナー著の『π[パイ]の神秘』(浅尾敦則訳、アーティストハウス)を読み始めている。「経済学・宗教・芸術…そして、男と女。すべての法則に「パイ」がある。人がパイに惹かれる理由、パイの歴史、パイ計算の天才チュドノフスキー兄弟、パイを憶える楽しみなどをまとめる。パイの小数点以下100万桁を収録」といった本。
← 「埼玉県立近代美術館 企画展 渋澤龍彦―幻想美術館》展」(画像は「ぶらり遊歩道 《渋澤龍彦―幻想美術館》展」から。拡大可能)
小生、この手の本には目がない。一昨年もアーネスト・ゼブロウスキー著『円の歴史―数と自然の不思議な関係』(松浦 俊輔訳、河出書房新社)を読んで楽しんだのだった(拙稿「数のこと」参照)。
本書は面白いので、後日、感想文を書くかもしれない。
今は、「πの歴史」などを参照願いたい(ホームは、「私の備忘録」)。
π(パイ)一般については、「πの部屋!」が楽しい。
パイ…。オッパイのパイ、お菓子のパイ、数学のパイ、どれも大好物である。どれも食べ過ぎに注意?!
さて、まったり過ごした日曜だったが、あるサイトでスパムメールの文章について話題になっていた。ひたすら消去と無視との憂き目を定められた不毛なメールの文を考察した一文に考えさせられるものがあった。
小生なりの感懐もあるので、せっかくの休日なので、掌編に仕立ててみた:
「トーストとミルクとホセと」
戯れに書いてみたけど、その気になって書くとなると、東京タワーや電車男じゃ済まないような、下手するとやけどしそうな世界を予感しつつ想を練っていたっけ。
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コメント
「ぶらり遊歩道」のよしです。拙稿をお読み頂き有難うございました。これからは時々訪問させていただきますのでよろしくお願いいたします。
投稿: よし | 2007/04/23 08:53
よしさん、来訪、書き込み、ありがとう。
トラックバックだけして失礼しました。
久しぶりに渋澤龍彦を読む楽しみにワクワクしています。
記事(日記)を書くに際し、何か新しい情報や同氏についてのいいサイトがないかと探していたところ、貴サイトの記事に遭遇したのです。
小生が下手な紹介をするよりずっと行き届いた案内で、勝手ながら紹介及び参照させていただきました。
これからもよろしくお願いします。
投稿: やいっち | 2007/04/23 09:29