春近し道行きせしは車にて
[本日の主なテーマは、女優の「吉行和子」さん。俳人の側面など。]
10日の土曜日、タクシーの営業の日だった。今回は、車中、ラジオで聞きかじったことなどを雑然と、漫然と羅列してみる。
NHKラジオ第一のニュース。「「水の都」として知られるイタリア北東部・ベネチアで9日、中世から伝わる伝統のカーニバルが開幕し、仮面や衣装を身にまとった観光客ら数千人が参加しました。カーニバルはおよそ2週間にわたって行われます」といった話だったようだ。
← 港区の三田台公園で観梅。
「白き梅雪散るごとく咲きにけり」
「イタリアの水の都ベネチアで9日、中世からの伝統のカーニバルが始まった。観光名所のサンマルコ広場を仮装行列が練り歩き、祭りは早くも最高潮。カーニバルは12日間行われ、120万人の人出が見込まれている」とか。
画像は、今年のものではないようだが(以前、参照させてもらったことがあるはず)、「ヴェネチアのカーニヴァル」がシュアな気がする。
「世界のカーニバル」が参考になる。
(それにしても、表記がややこしい。ベネチア? ヴェネチア? カーニバル? カーニヴァル?)
都内をうろうろしていたら、港区高輪の天神坂を通りかかった。この辺りは、小生、81年から90年近くまで居住していたところ。無論、この天神坂も幾度となく、バイクで、あるいは徒歩で上り下りしたものである。
天神坂…。教養のない小生でも、この名前から菅原道真を連想しないわけではなかったが、無精者故、坂の由来を調べることはしなかった。
→ 同じ公園にて。紅梅を観梅。お酒があったら乾杯だね。
「紅梅に頬染めたのか酒ゆえか」
というか、土曜日に車で通りかかった際、坂の上り口に坂の由来を記した道標だろうか、木製(?)の杭(くい)が立っているのに気づいた。走行中なのでシカとは読めなかったが、道真に関わる祠(ほこら)が近くにあったとか何とか、書いてあったような。
小生が居住していた当時だって、この道標は立っていたようだから、小生、読まなかったとは思えないのだが…。
「天神坂 - Wikipedia」によると、「古く、菅原道真に関る祠があったため。また、葭原が見えることから別名葭見坂・吉見坂(よしみざか)とも言われたという説がある」という。
「古く、菅原道真に関る祠があったため」というからには、今はもう祠はないのだろうか。
そもそも、何ゆえ、ここに「菅原道真に関る祠」があったのだろう。
高輪・天神坂界隈については、ここがいい。
都内では、他にも天神坂があって、「八雲1丁目と柿の木坂1丁目の境道。目黒キャンパスの東脇を南東に下る坂」であるとか。
こちらの坂は、「坂の東側に北野神社があり、この神社に天神(菅原道真)を祭ってある」ということなので、天神坂と呼ばれても、納得しやすい。
徳丸にも、天神坂がある。やはり徳丸北野神社があるから、名前の由来も分かりやすい。
← 元は宮様の屋敷跡だったという三田台公園。今は花の都だ。
「宮様もかくやとばかり花の宴」
三田界隈を通りかかった。途中、三田台公園があって、ここは「ハナミズキ、キンモクセイ、アオキ、ヤツデ、ジンチョウゲ、ツツジ、バラ、シュロ、カエデと十数種類の木々に会える」スポット。
梅も咲いていることは、数日前、通りかかった際、小生は気づいていた。
なので、車を止めて観梅。そして、無論、撮影。
そういえば、昨年の二月末も、ここで撮影したのだった:
「春になると…spring has come!」
局をあちこち捻っていたら、やはりNHKラジオで、偶然、吉行和子さんの話を聴くことができた。
偶然というのは、吉行和子さんは、「佐賀のがばいばぁちゃん」なる映画(文部科学省推奨!)で、まさに「がばいばぁちゃん」を演じた方なのだ(「ZAKZAK ひとりごと 吉行和子」参照)。ひょんなことから彼女にこの役が回ってきたのだとか。
→ もう、零れんばかりに咲き誇っている。未だ、東風は吹いていないはずだが…。
「吹かずとも春を盛りの梅の花」
そう、小生、9日の夜半過ぎ、日付の上では10日に、「オノレにはドーミエていたキホーテか」なる記事を書き、その中で、10日が「誕生日の漫才師の島田洋七」ということもあって、この作品の原作者・島田洋七さんを採り上げたばかりなのだった。
その当日の夜だったかに、「がばいばぁちゃん」を演じた吉行和子さんの話を伺う。
あまりに出来すぎのタイミングなのである。
小生の迂闊さえで、「がばい」なる言葉の説明を未だしていなかったかも。「佐賀県の方言では、「がばい」とは「とっても」という意味」だそうな。少なくとも、「すごい」という意味ではないとか。
偶然ついでに書き添えておくと、モデルとなった「佐賀のがばいばぁちゃん」と、吉行和子さんの母である吉行あぐりさんとは(ほぼ)同じ頃に生まれたのだとか。しかも、あぐりさんは今も矍鑠としておられるとか。
小生には初耳の話が多かったのだが、吉行和子さんが子供の頃は、喘息持ちで苦しんでいたというのも意外なら、そんな彼女を芝居の道に誘い込んだのも、あぐりさんだったのだという。
喘息も、演技している最中は出なかった…、そんな話も伺えた。
← 「花曇(はなぐもり)」とは、「桜の咲く頃の、曇りがちの天気」だというけれど、10日は曇天ということもあり、ふと、そんな言葉を思い浮かべたりしてしまった。
「曇天に花の筵と梅の花」
せっかくなので、「島田洋七のがばいようちゃんブログ」を覗いてみる?
NHKラジオで吉行和子さんの話を聴いていたら、彼女、長年、俳句をやっているという話も。
ああ、そういえば…。
彼女、「お~いお茶新俳句大賞」の審査員の一人として名を連ねていたのだった。
でも、小生、勝手に有名人だから引っ張り出されたのだろうくらいに決め付けていたような。
早速、お詫び方々、吉行和子さんの俳人としての側面を多少なりとも調べてみたい。
「定年時代 東京版 平成16年3月下旬号」なる頁には、下記のように書いてあった:
俳句も以前は興味がなかった。長い付き合いになる岸田今日子さんと冨士眞奈美さんが出席している句会に誘われたのがきっかけ。始めてみると、たくさんの思いを17文字に表現する、制約の中のおもしろさを知り、夢中になった。句会では、名前を伏せて俳句の投票を行っている。始めのうちは何度もビリになった。「めげずに出てきてえらいわね」と岸田さんと冨士さんから励ましの言葉も。
→ おお! 吉行和子・富士真奈美著『東京俳句散歩』(知恵の森文庫、光文社)なんて本が出ているではないか!
彼女、季語などの制約には縛られないで句作するとも語っていた。職業その他に関係なく楽しめるので、連句が楽しいとも。
こうなると、吉行和子さんの作品を詠んでみたいもの。
ネットで幾つか見つかったので、以下、列挙する。
「俳句王国 平成16年4月10日 放送」(ホームページは、「俳句王国」)より:
草餅をまるめ乙女ら無口なり
異国へと送る恋文花曇
「吉行和子 女優の俳句」(ホームは、「感動の人生」)より:
秘めごとも黴と同居の古日記
地の底に冬眠という宴あり
微熱ある男のためのおでん鍋
夕月とあわせ鏡でひくルージュ
秋扇去りし男に未練なし
← 「愛の亡霊」(監督:大島渚、1978、東宝東和)
料理も自分ではしない、一人での生活が好きだという彼女だが、妙に艶っぽい存在感がある。
思い返したら、小生は見損なっているのだが、吉行和子さんというと、小生の中では、数々のドラマでの演技もさることながら、映画「愛の亡霊」(監督:大島渚、出演:藤竜也、吉行和子、田村高廣)が印象に鮮明である。
というより、この映画(や前作の「愛のコリーダ」の印象もあって)で小生には吉行和子という女優(端的に女)が強烈にインプットされたのだった。
見ていないのに、鮮烈な印象が残っているのは、尾篭というか下賎というか下世話というのか、藤竜也さんと吉行和子との<絡み>があったから(否、あったのかどうかが分からなかったから)。
ネタバレになってはいけないのだろうが、映画の話が寝た話なのだから、まあ、いいとして、「■日本映画の感想文■愛の亡霊」などを参照願いたい。
そう、小生、こういう内容に想像力というか、妄想が逞しくなってしまうのだ。若い男なら誰でもそうなのでは?
「愛の亡霊」などの逸話については、松井久子監督との対談「折り梅」(「**「折り梅」** 公式サイト」)などが面白い。とにかく、吉行和子さんは若かった小生には色っぽかったのである。彼女は色っぽさを売り物にしようとはしていないのに、観る男の側が勝手に思い入れしちゃう。不思議な魅力の持ち主なのだ。
→ 土曜日の仕事、暇だったせいもあり、日曜日の未明、早々に終えて一人寂しく帰宅の途に。売り上げの悪い小生を月影が慰めてくれて…。
「天空の月と星とが伴ならん」
今日は、キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)を採り上げるつもりでいた。
過日、NHKテレビで彼女へのインタビューを放映しているのを偶然、見て、彼女の話しぶりに魅了されたからだ。あるいは、あと一歩で下品になりそうな口元に。
下ネタも、彼女の明るさと応答振りでギリギリ、セーフになっている。
インタビューする方も聴きだし方が上手いのだろうが、やはりキャメロン・ディアスの応答、反応の機転や機敏さがいい。頭の回転がいいのだろうが、彼女の話を聴いていて、実に楽しい気分になる!
いつだったか、もう何年か前になるが、ちょっとした知り合いが自分を日本のキャメロン・ディアスだと宣伝していた。
小生が見るところ、女優の鷲尾いさ子さんに似ていると思えて、若干、意義を唱えたい気分だったが、あのさばけぶりをテレビで見て、なるほどと今頃になって気づいたりした。
今日、採り上げようと、ちょっと思ったのは、テレビでキャメロン・ディアスが出演している「マスク」(1994年アメリカ)を放映されたからだが、小生、ついついザ・ドリフターズの特集番組のほうを選んでしまって(小生、「八時だよ、全員集合」の大ファンだった!)、とうとう見逃してしまったのだ。
なので、本日のブログの題材は、急遽、変更と相成ったのである。
← 天体だけじゃ物足りない小生、女優さんのマスクをついパチリ。名前の分からない人も居るが。
「一人でいい誰か傍にと撮ってみた」
ちなみに、映画「マスク」の内容は、下記(「Yahoo! JAPAN」より):
日曜洋画劇場「マスク」(1994年アメリカ)
「思ったことは何でも成し遂げられる不思議なマスクを拾った青年の活躍を描く。チャールズ・ラッセル監督。銀行員のスタンリー(キャリー)は、心優しいが小心者で女性に相手にされない。ある日、彼は銀行にやって来たナイトクラブの歌手のティナ(ディアス)に一目ぼれする。そんな折、スタンリーは帰宅途中に不思議なマスクを拾う。家で何げなくマスクを着けると、突然派手なスーツ姿の怪人に変身。思ったことを何でもできる不思議な力を手に入れる。」
[監督:チャールズ・ラッセル, 出演:ジム・キャリー, キャメロン・ディアス, ピーター・リーガート, ピーター・グリーン, 声:山寺宏一, 井上喜久子, 岩本規夫, 大塚明夫]
→ おっと、こちらの画像を載せなきゃね。映画「マスク」(販売元:FOX)
なお、文中の句の数々は拙作である。句は即興なり挨拶なり滑稽なり、なのだ!
一応、ここ(教室で言えば、後ろに!)整列させておく:
白き梅雪散るごとく咲きにけり
紅梅に頬染めたのか酒ゆえか
宮様もかくやとばかり花の宴
吹かずとも春を盛りの梅の花
曇天に花の筵と梅の花
天空の月と星とが伴ならん
一人でいい誰か傍にと撮ってみた
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コメント
吉行和子も文才はあるでしょうね、だって文人一家だから。
吉行淳之介は昔昔によく読みました。あの(自分にとっては異質な)湿った暗い世界を覗き込むのは、ひとつの密やかな愉楽でした。。。
そういえば梅の季節。
今日あたり、近所の(ささやかな)梅の名所へ自転車で行ってみようかな。
投稿: 石清水ゲイリー | 2007/02/12 10:12
石清水ゲイリーさん、コメント、ありがとう。
吉行和子さん、文才はあっても不思議じゃないと思ったけど、俳句ってのが意外で、つい、採り上げてみました。
彼女の(若い頃の)色気って独特。
吉行淳之介も、若い頃、ついつい読んでしまいますね。
今、読み直したら、どんな感想を持つか興味津々でもある。
そう、自転車散策はまさに石清水ゲイリーさんの独擅場ですね。また、レポートや画像、楽しみにしています。
投稿: やいっち | 2007/02/12 11:57