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2007/01/31

雪降る日待てど暮らせどこんものか

[テーマは、文部省唱歌「」の歌詞「雪やこんこ」について]

 小生のホームページ「国見弥一の部屋へようこそ」(の掲示板)に遠来の客があった。
 バス・バリトン歌手の大畑理博(おおはたみちひろ)氏である。
 彼のオフィシャルホームページは、「Hiro Songs Album-MICHIHIRO OHATA OFFICIAL WEB SITE-」であり、彼のプロフィールは、風貌もあわせ、「大畑 理博(バス・バリトン)」で観ることができる。
「富山県立呉羽高等学校普通科音楽コースを経て、東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。現在、東京ミュージック&メディアアーツ尚美ディプロマコース在籍。これまでに毛利準、直野資、黒田博、黒崎隆憲、在原美江子、日本歌曲分野を塚田佳男、青山恵子の各氏に師事」以下、詳しい経歴などはサイトを見てほしい。

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→ 昨年末、帰省した折、28日朝方には雪は全くなくて。

 彼の歌のレパートリーは幅広く、「日本歌曲(ソング含む)」、「童謡・唱歌・子供の歌」、「歌謡曲、ポップス」、「ミュージカルナンバー」などである。
 彼には、「千の風になって」を歌ってブレイクしたテノール歌手・秋川雅史氏のように早く全国区の歌手になってもらいたいものである。
(なお、「2007年3月10日「大畑理博ソングリサイタル」」とのこと。)

 さて、ブログに大畑理博氏の話題を採り上げたのは、実は彼のレパートリーにもある「童謡・唱歌・子供の歌」が問題なのだった。掲示板を覗いてもらえば分かる14531)が、彼は何かのエッセイを読んでくれ、間違いのあることに気づいてくれたらしく、「ちなみに♪雪や こんこ♪です決して「こんこん」ではないですよ~。一応、こんなのを専門にしているので・・・。」とある。

 ああ、そうだった! である。
 小生、確かに以前、間違えて歌詞を覚えていて、「♪雪やこんこん♪」と書いていたことがあった…。
 けれど、小生、どのエッセイなのか、自分でも分からない。
 ま、そんな迂闊な自分には今更、驚きもしないが、さらに朧な記憶だと、ホームページではなく、ブログで何かの記事を書いた際に、「♪雪やこんこん♪」じゃなく、「♪雪や こんこ♪」と訂正していたような気がするのだが、これも、我が事ながら画然としない。
 あるいは、コメント欄でそんな遣り取りがあったのか、それとも、何処か人様のサイトでそんな話題があっただけなのか。
 
 ただ、これは、偶然なのかどうか、29日の営業中、同様の話題があったのを車中でラジオより聴いていたのだった。というか、毎年、冬になると誰かがそんな話題を持ち出すのである。
 何度も聴いているうちに、小生、とっくにホームページのエッセイを書き直したつもりになってしまったらしい(これも推測)。

 まあ、ある意味、「どんぐりころころ」の歌詞で、「どんぐりころころ どんぶりこ」を「どんぐりころころ どんぶらこ」などと勘違いして覚えているようなものか(違うの声が喧しい!)。


 さて、件(くだん)の「雪」の歌詞を示しておくべきだろう。
(「ごんべ007の雑学村」内の「」参照)


「雪」
作詞作曲不詳/文部省唱歌(二年)


雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ。
降っては降っては ずんずん積る。
山も野原も 綿帽子(わたぼうし)かぶり、
枯木(かれき)残らず 花が咲く。

雪やこんこ 霰やこんこ。
降っても降っても まだ降りやまぬ。
犬は喜び 庭駈(か)けまわり、
猫は火燵(こたつ)で丸くなる。

 この歌詞だが、夕べ、ラジオで「雪やこんこん」ではなく「雪やこんこ」が正しいんだよという話を伺いながら、ふと、遠い昔、ガキの頃の小生が疑問に思っていたことを思い出していた。
 それは、小生、雪が降って、そうして周囲が雪景色になり、山野が雪を被って、それを綿帽子と表現していること、さらには、枯れ木も残らず雪を被って、それを「花が咲く」とメルヘンチックに表現しているのに、雪が降って、草木も枯れたのに、どうして花が咲くんだろうって???状態だったのである。
 あるいは、授業でこの歌を教わった時に、先生が生徒に説明してくれていたのか。
 だとしても、愚かな小生は先生の話など右の耳から左の耳へ何の抵抗もなく通り過ぎていっただろうが。

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← それが同日午後には霙(みぞれ)になり。

 さて、「雪やこんこ」の「こんこ」にはいろんな疑問を抱かれてきたようだ:

◎雪が降る様子を「コンコン」という擬音で表現しているという説。
(小生はずっとそう思ってきた(思い込んできた、というべきか)。小生の場合、雪 → 寒い → 風邪 → 風邪を引いて、咳が出てコンコン といったあまりに他愛無い連想が働いていた節がある!)

◎「こんこ」は、「「来う此」(「此処に来い」)が転じたもの」であり、「「雪やこんこ」は「雪よ、此処に来い」(=「雪よ、もっと降れ」)という事」だという説。
(「教えて!goo 「雪やこんこん」って、本当は「雪やこんこ」なの?」より)

◎「「こんこん」とは一般に雪が降り積もる様子をいう。しかし「雪やこんこん」の歌の場合は全く違う。これは「来ん来ん」であって、方言で「おいで」、つまり「雪よ降れ」という歌なのである。こんこん降るからこの題名だと思ってる皆さん、次の歌詞「あられやこんこん」でおかしいなと気付かなくてはいけません
(「日本語を考えるエッセイ集3 28【雪やこんこん】」より)

 三番目の説の、「雪やこんこん」は雪よ「来ん来ん」であり、「雪よ降れ」という歌なのだという説は、如何なものなのだろうか(そもそも元の歌詞は、「雪やこんこ」なのだという点はさておいて)。
 だとしたら、雪が降ったなら、山野も雪景色となり、枯れ木も雪という綿帽子を被って…と、随分と想像というか願望が先走った歌詞になってしまうような気がするのだが。
 さらに、歌詞の二番目は、「雪やこんこ 霰やこんこ。 降っても降っても まだ降りやまぬ」となっている!
 これは明らかに、「雪よ降れ」ではない。雪が降り頻り降り積もっている…なのに、まだ降りやまないという眼前の光景を(それが仮に記憶の中、脳裏に浮ぶ光景であったとしても)叙景している歌詞である。
 雪が降ったら、降りやまない、なんて歌詞では変である。

◎それとも、雪国などで一旦、雪が降り出したら、もう降りやまないのだという、まさに雪国特有の雪への諦めの念にも似た辛い体験に裏打ちされた感情が歌いこまれているというべきなのだろうか。
 つまり、いいよ、もう、どうせ雪は止んでくれって願ったって降っちゃうだし、もう、いっそのこと、雪よ、もっと降れ、降りやむなって…。
 まあ、いうなれば開き直り説とでも言うべき理解である。
(この説は、「雪(ふるさとの四季)」なる頁での説明を、小生がやや穿って理解したものである。ホームページは、「合唱でYEAH!」)

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→ 翌29日には、すっかり雪景色。午後、晴れたので、これでも朝方よりは少しは積雪が減っている。

 ここまで来ると、方言を調べる必要があるし、擬音としての「コンコン」に信憑性は本当にないのかどうかも調べる必要があろう。

 でも、まあ、歌詞をじっくり読み返してみると、やはり、「雪やこんこ」は、「雪よ、もっと降れ」なのだと理解したほうが、味わい深いようである。

 ここまで書いてきて、またまた思い出したことがあった。ガキの頃だったか、それとも、もっとひねくれ始めた頃だったか、但し、「雪やこんこ」ではなく「雪やこんこん」と思い込んでいた頃、「雪やこんこん」を「雪が来ん来ん」、つまり「雪が来ない来ない」と(敢えてか、単に勘違いしてか)誤解していた時期があったような…定かではない記憶がある…。

 今年は既に一月も終わりの日を迎えて、未だに暖冬のままである。
 雪が降らないで助かっている地域もあるが、降らない空を恨めしく眺めている、スキー場などの地域もあると聞く。
 そんな地域それぞれによって、あるいは「雪やこんこ」を「雪やこんこん」と聞き、そしてさらに「雪が来ん来ん」と嘆きの声のように聞こえてならないのではないかと、そんなことも思ったりしたのである。

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コメント

こんばんは。TBありがとうございます。
興味深く記事を読ませていただきました。
私も「こんこん」と降り積もる様子を歌ってるのだと思ってました。こんこんの方がなんとなく歌いやすいです。
どんぐりころころも、どんぐりの結末を知りたかったので
知ることができてよかったです。一安心です(笑)
雪国に住んでるのですが、今年は雪が全然ありません。
ただ昨日から大荒れで、春なのに真冬、今年度最初の真冬日って感じです。


こちらには小説もたくさんアップされてるようなので、
読ませていただきたいと思います。

投稿: shin | 2007/03/12 21:44

shin さん、来訪、コメント、ありがとう。
今日もお邪魔させてもらいましたが、楽しいブログですね。
トラックバックさせてもらった「雪やこんこ? 雪やこんこん?」の本文もさることながら、コメント欄での遣り取りも実に楽しい:
http://blog.banamas.pupu.jp/?eid=404702

雪国は今頃になって冬将軍の到来のようですね。暖かな気候に馴れた体にはきついかもしれません。ご自愛を願います。

無精庵方丈記があることに気づいてくれたようですね。本願のサイトなので、覗いてくれるだけでも嬉しい!

投稿: やいっち | 2007/03/12 22:32

こんばんは。
私の駄文日記を褒めて頂きましてありがとうございます…
穴があったら入りたい、いや掘ってでも入りたい気分です…謎ですね(笑)。コメントは普通に井戸端会議です。
気兼ねなく会話させて貰ってます。

こっちに書きますが、姫始めと瓢箪の夢、雪幻想を読みました。
雪幻想がかなりツボです。切なくて、妖しくて、幻想的で。
なんか私の好きな雰囲気だな〜と。
私、感想文とか苦手なので上手く言えないんですけど、二度三度読み、その世界に浸ってしまいました。
明日また他のも読ませて頂きたいと思います。楽しみです。

投稿: shin | 2007/03/13 21:55

shin さん、またまた来訪、コメント、ありがとう。
「なんちゃって料理サイトBanama's」
http://banamas.pupu.jp/
↑ 覗かせていただきました。

麻婆牛乳寒天、だてまき、バナナ餃子、納豆汁、じゃこせんべい…。
小生、日頃、ひとさまには決して見せられないような貧相な食事をしているので、目の毒なお品書きの数々でした(カップ麺、インスタントの味噌汁、レンジで温める御飯……)。
どれでもいいから一品、食べてみたい!

サイトでのコメント、井戸端会議、いいね。楽しそう。

創作の部屋、覗いてくれ、その上、幾つか読んでくれたのですね。実に嬉しい。
いずれも、デッサン風に描いています。ある意味、モチーフを生なままにとりあえず書き残しておいたという風です。
機会があったら、(数えたことはないのですが、200から300ほどの)生煮えの掌編を素材に短編や中篇に仕立てたいと思いつつ、果たせないでいます。
ま、近いうちに少しは果たせるかなと期待しているのですが。

投稿: やいっち | 2007/03/14 07:55

こんばんは。見てもらいたいからサイトを作るのですが、見られると恥ずかしい。
でも見てくださってありがとうございます。しかも美味しそうなどと…恐縮です。
ま、実際に微妙だけど絶妙に美味しいです(笑)

デッサン風、なるほどと思いました。
その部分を想像するのも楽しいのですが、これはこうなんだよ、
と答えを出していただけるとありがたいです。すっきりするので(笑)
短編、中編、長編も楽しみにしています。

無精庵方丈記にある作品は、じっくりと、音のないところで読みたい作品だと
思いました。てことで、また読みに来ます。

投稿: shin | 2007/03/15 19:06

shinさん、来訪、コメント、ありがとう。
料理のところは、眼の毒なので、今日は、見るな!ってところ、見ました!
残暑! も!
剣山が見参したら辛いですね。

こういうの好きです。
小生にも、こんなのがあります:
http://homepage2.nifty.com/kunimi-yaichi/hobby/dajare-menu.htm
http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/cat7167144/index.html

投稿: やいっち | 2007/03/16 13:59

私のところはもうあまり見ないでください!恥ずかしいので(笑)
そこまで見てくれる人がいるとは…って感じです。

鳥と川、花、読みました。なんかもう凄いですね。
頭の中で落語調で読んでしまいました。
「幽霊考」が面白かったです。
う〜んなるほど!と唸っちゃいました。
幽霊が夏に出る理由には参りましたけど(笑)

投稿: shin | 2007/03/19 12:36

shin さん、またまた来てくれましたね。
小生も「存在に悩む」一人です?!
BBS、入れないので、ブログのほうにカキコしました。
小生、やはり、料理の頁を覗いちゃいます。今日もきっとカップ麺で昼食を済ませる侘しい日々。ひたすら眩しい。写真で見て想像して楽しみます?!
まあ、小生は料理はできないので、せめて言葉で(を)料理しているってわけです。

投稿: やいっち | 2007/03/20 07:37

すみません…Banama's?の記事が重複していたので先の方を削除してしまいました。
やいっちさん、そっちの記事にコメントしてくださってましたか?
見ないで削除しちゃいました(涙)自分でもショックです…そして申し訳ありませんでした。言葉を料理か〜ほんっとうまいですね。

投稿: shin | 2007/03/20 08:18

shinさん、気にしないでね。
削除してくれてよかったかも。

言葉を料理…のつもりが、自分のほうが料理されちゃっているのかも。
言葉は存在に劣らず、難しい!

投稿: やいっち | 2007/03/20 09:02

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