夢の中大河を見しも枯れ葉道
年末の繁忙期が始まったのか、昨日の営業は忙しかった。
とにかく回数だけはあった。
が、こんな日に限ってトラブルめいた、ちょっとした出来事も多くなる。
書きたい、書いて鬱憤を晴らしたいけど、愚痴にしかならないし、営業の中身に関わるから、手元の手書きの日記帳(メモ用紙)に書き留めるだけにする。
こういう忙しいときだと、稼ぎ時のはずなんだけど、忙しさに久しく縁遠かったせいもあるのか、体がびっくりしてしまって、夜半を回ってから疲労が出てきたりして(過日の洗車の疲労が今頃になって出たのか?!)、肝心の丑三つ時前後に、グッスリ、寝込んでしまった。
水銀灯の灯りに照らし出される枯葉の舗道の光景があまりに綺麗で、車を路肩に止め、ちょっと見物のつもりが、夢の中で大河映画を見てしまったようだ!
→ 水銀灯に照らし出された枯葉の並木を撮りたかったけど、失敗。撮れたのは、うら寂しい落ち葉の舗道。ここでしばし…じゃなく、グッスリ寝入ってしまった!
忙しいと言っても、実際の稼動(実車になっている)時間というのは、多いなと感じた場合でも、拘束時間帯の半分もあればいいほう。まあ、せいぜい4割くらいの時間だろうか。
ということは、残りの時間は空車か回送か、いずれにしても空気を運んでいる状態。車内の空気とお友達ってわけである。
そんな中、さすがに本を読む時間は取れなかったが、ラジオは健在。
ラジオから音楽は勿論だが、あれこれ雑学的情報も得た。
特に社会的意義があるというわけではないが、何故か聞き入ってしまったのは、「漬物用「大根キープ」、マンションなどで人気」という話(NHKラジオ第一)。
話の大半は忘れたので、ネットで関連の記事を探したら、以下が見つかった:
「asahi.com: 漬物用「大根キープ」、マンションなどで人気 札幌 - 秋特集 2005年11月12日」
「漬物用の大根をキープして客の代わりに干すサービスが人気だ。札幌市中央区の中央卸売市場の場外市場脇の駐車場に建てられた小屋には、キープした人の名札がついた大根が所狭しとぶら下がっている」という。
「マンション住まいで干す場所がなかったり、共働きで洗ったり干したりする手間がかけられない人のためにと青果卸売業者が5年前に始めた。需要は増え続け、今年はすでに一昨年の3倍の約3000本」なのだとか。
小生は昨夜、ラジオで知ったわけで初耳だったが、表題の日付を見ると昨年の11月!
知っている人にとっては旧聞に属するわけである。
昨夜の話だと、野菜(ダイコン)の売れ行きが悪くなってきた中、ちょっとしたサービスのつもりで始めたダイコンのキープサービスなのだが、上記の理由(札幌での住宅事情の変化など)で、一気に人気爆発したらしい。
つまり、一戸建てでも、匂いの関係で近所から苦情が来るとか、マンションだと、見栄えが悪いという苦情が来る、そういった問題がなくても、年齢の問題があって自分ではダイコンを干す作業ができなくなった、などでダイコンを干すサービスの潜在的需要があったというわけだ。
漬物にしてもタクワンにしても、スーパーやコンビニで出来合いのものを買える。
が、そこは好みの問題がある。干し具合などは自分の嗜好や匙加減を重視したいわけだ。
小生も、スーパーで発作的にタクワンその他を買うことはあるが、一袋食べ終えると、当分、そのコーナーには立ち寄らなくなる。
別に不味いわけではない。ただ、好みとは微妙に(あるいは大幅に)味の感じ、漬け具合が違うのである。
いずれにしても、上記のニュース、住宅事情の変化、少子高齢化社会などが喧伝される今日、介護や福祉を広く捉えたなら、さまざまな潜在的なサービス(ニーズ)の可能性があることを如実に物語っているのかもしれない、なんてことを思っていた。
あとは、近くの高齢者や共稼ぎの家庭が何をサービスとして求めているか、耳を傾けることが肝心ということかもしれない。
余談だが、オレオレ詐欺が社会問題化し始めたころ、一番、痛感したことは、犯罪がどうこうということよりほかの事だった。
それは、一人暮らしだったり、一緒に暮らしていても家族間のコミュニケーションが取れていない家庭が多いってこと、騙される人が実に多いってこと……、よりも、例え詐欺であっても、孤独な暮らしを送る孤独な高齢者の話を親身になって聴く人が身近にはいない人が実に多いってことだった。
だから、犯罪者が付け入る隙が生まれるのだろう。家族や近所の人より犯罪者のほうが親身。
あまりに皮肉な現実ではなかろうか。
→ 『ジス・イズ・アニタ』( ユニバーサルクラシック)。商品説明やカスタマーレビューを読むと、大抵の人がヘタウマだって書いている。小生には分からない。でも、とにかく聴いていて心地いい!
昨夜、ラジオから素晴らしいジャズのボーカルが聴こえて来た。
途中から局を選んだので、誰の歌なのか分からないまま聞き入っていた。
そのうち、曲が終わり、歌手の説明が。
が、営業中でもあり、麻薬やアルコール依存症に苦しんだという話を聞きかじっただけ。ジャズ(など)アメリカのアーティストに多いパターンだなと思っていた。
歌手の名は、アニタ・オデイ。
名前くらいは知っている。
でも、説明を挟みながら、何曲か流れてきて、堪能することができた。
今朝、帰宅してネットでニュースをズラズラ読み流していて気づいた。
「「ZAKZAK 白人女性ジャズ歌手の最高峰」アニタ・オデイさん死去」だって!
「米ジャズ歌手、アニタ・オデイさんが23日、ロサンゼルスの病院で死去した。87歳。肺炎で入院中だった」のだとか。
「asahi.com:米ジャズ歌手、アニタ・オデイさん死去 - 文化芸能」によると、「シカゴで生まれ、10代から歌手として活躍。一方、麻薬や酒におぼれ、40年代後半にはヘロインの過剰注射で命を落としかけた。この経験から麻薬からは手を切ったが、アルコール依存は長く続き、96年には自宅で酔って階段から転落。大けがをして、約1年間歩けなかった」とも。
そんな話が夕べもラジオでは紹介されていた。
なるほど、だから、追悼の意味もあってアニタ・オデイの特集が組まれていたの(だろう)か。
「CNN.co.jp 米ジャズ歌手、アニタ・オデイさん死去 87歳 - エンタテインメント」によると、「1930年代にはジャズ・クラブのステージに立つ。40─50年代にかけ、「ハニーサックル・ローズ」や「スイート・ジョージア・ブラウン」などのスタンダードナンバーを歌い上げ、メジャーになった」とか、「ジャズ界の大御所ジーン・クルーパやロイ・エルドリッジ、セロニアス・モンク、ルイ・アームストロングらと共演する一方で、麻薬やアルコールにおぼれたことでも知られる」などと紹介されている。
どうも、「麻薬やアルコールにおぼれたことでも知られる」といった紹介が死後も付き纏うというのは、悲しいというべきか言葉にならない。
「子どもや家族はいない」というアニタ・オデイだが、上掲の記事を読んでいて思い出したが、「99年にAP通信とのインタビューで、「私がやりたいことは、演奏だけ。歌っているときは幸せ。自分が出来ることをやるのが、私の人生への贈り物」と語っていた」といった話も昨夜、ラジオで聴くことが出来たのだった。
なんて記事を小生は今、ビル・エヴァンスのCDを流しながら書いている。
ジャズっていいね。
← 金井 喜久子著『琉球の民謡』(音楽之友社)
今年(2006年)、沖縄出身の女性作曲家・金井喜久子(1906-1986)さんが生誕百年を迎えたのだとか。
彼女は、「日本人の女性で初めて交響曲を書いたと言われる宮古島出身の作曲家」だとか。
「asahi.com:作曲家・金井喜久子、生誕100年 世代超えて再評価の波 - 音楽 - 文化芸能」なる記事が金井喜久子さんについて詳しい。
「金井は東京音楽学校(現東京芸大)に学び、オペラ「沖縄物語」や交響詩曲「梯梧(でいご)の花咲く琉球」など、躍動感たっぷりのリズムと沖縄民謡の音階で彩られた曲を数多く残した。「交響曲第1番ハ短調」(40年)は日本の女性作曲家が書いた初の交響曲とされる。マーロン・ブランド出演の米ハリウッド映画「八月十五夜の茶屋」(56年)の音楽も担当した」だって。
さらに詳しいことを知りたい方には、「日本の作曲家たち- 5 金井喜久子」がいいかも。
関連情報満載!
→ 『<金井喜久子作品集>てぃんさぐぬ花~沖縄のうた』 (藍川由美 (アーティスト), 斎藤京子 (演奏), 金井喜久子 (作曲) 、カメラータ東京)
だからなのだろうか、夕べはラジオで、金井喜久子さんの曲を(も)演奏される、沖縄出身のピアニスト高良仁美さんの話や演奏を聴くことが出来た。
沖縄出身の歌手は近年、珍しくなくなったが、ピアニストは少ない(?)ような(気がするだけか)。
(「今でこそ、沖縄文化は人気を博している。しかし、音楽評論家の片山杜秀さんは「金井が生きた時代からつい最近に至るまで、クラシック音楽を頂点とする教養主義のもと、格下のものとして見下されていた」と言う」からなのだろうか。片山杜秀さんのこと。)
→ 『高良仁美/琉球カチャーシー ~金井喜久子 ピアノ曲全集』(キング・インターナショナル)
高良仁美(たからひとみ)さんのプロフィールについては、「慶應義塾大学 JASRAC寄附講座 音楽と現代社会」が詳しかった。
彼女には、「 @TOWER.JP - 金井喜久子 - 琉球狂詩曲~金井喜久子ピアノ曲全集/高良仁美」なんてのがあるみたい。
ピアノで沖縄調の曲を聴くなんて初めて。ピアノの世界がますます広がるのかも。
他にもいろいろ。
例えば、「2つの顔の人物埴輪、初出土 和歌山・岩橋千塚古墳群」ってニュースも、「和歌山市岩橋の特別史跡「岩橋(いわせ)千塚古墳群」の大日山35号墳(6世紀前半、前方後円墳)から、一つの頭の前後に顔が二つある人物埴輪(はにわ)が見つかった」とあって、古代史や考古学好きな小生は興味津々。
なんたって、「顔が二つある埴輪の出土は全国初」なのだ。
他にも古代史や考古学関連のニュースもあった。興味は尽きない!
政治のニュースも聞き逃してはいない。
それにしても、民主党の与党との融和ぶりは一体、どうしたのだ?
議論もなしに自衛隊の防衛庁から防衛省への昇格を認めるんだって?!
小沢民主党は与党の補完勢力なのか。
もしかして、小沢さんも与党に復党したい? その布石を打ったのか?
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