海亀やドジなカメとは君じゃなく!
「悲しいってわけじゃない、ただ…」と題した記事にヨッピさんに戴いた『カメの日向ぼっこ』を載せたから、というわけでもないだろうが、昨夜半過ぎ、NHKラジオでカメの話を聴くことができた。
「ラジオ深夜便」の中の、「ないとエッセー」というコーナーでのこと。
テーマは、以下のよう:
「海亀にロマンを求めて~太平洋2万キロの旅」
日本ウミガメ協議会会長…亀崎 直樹
→ ヨッピさんに戴いた『カメの日向ぼっこ』に再登板してもらう!
仕事中でもあり、ほとんどまともには聞けなかったが、 「海亀にロマンを求めて~太平洋2万キロの旅」というテーマにも示されているように、稀有壮大で、それでいてカメを愛する気持ちが溢れているのが感じられて、久しぶりにちょっとほのぼのした気がする。
……、それでも、丁度、仕事も佳境に入っているころなのに、それにしては聞き入っていたなと思ったら、そうだ、忘れ物があって、それを届けるため、肝心の夜中の時間帯に車を回送にしていたのだった。
夜半過ぎの一時過ぎだったろうか、お客さんを下ろし都心方向へ向けて空車で走っていたら、後部座席から不穏な音が。
そう、着メロだ!
あちゃー、やっちゃったか!
振り返って、後部座席をチラッと見てみると、薄暗い座席の周辺で携帯電話の液晶の放つ光が…憎憎しい!
走行中なので出ることが出来ない。
すぐに切れる。
でも、また、架かってきた。
すぐに切れる。
車を脇道に入れ、周囲の安全を確かめて車を路肩に止める。
しばらく待っていたら、やはり架かってきた。
出る…つもりだったが、小生の使っている携帯とは機種は勿論だが、会社も違い、どうやって出たらいいのか分からない。
小生、折畳み式の携帯だと思い込んでいて、どうやって開いたらいいのかとしばし悩んでいたりした。
そのうち、ブロックがどうのかと表示が出て、電源自体が切れてしまった。電池がなくなったわけでもないのに。 どこかを弄って、完全なオフに切り替えてしまったようだ。
しばらくモタモタし、あちこち弄っていたら、ようやく液晶が光った。
待つまでもなく、すぐに電話。
さすがの小生も折りたたみ式の携帯でないことは分かってきている。
電話を受けるボタンはこれだなと見当をつけて、押し、「もしもし」と言うと、向こうからも返事が来た。
架かった! って、当たり前だよね。
携帯、そちらにありませんか、だって。
(あるよ、ありますよ、だから話しているんでしょう)と言いたいけれど、グッと堪えて、「はい、あります」と、丁寧な応対に終始する。
持ってきてくれませんか、さっき降りた場所で待ってますから。あの、メーター、倒してくれていいですから、料金、ちゃんと払いますから。
いいえ、それは……、と言いかけたところで何故か切れた。今度こそ、電源?
小生は、とにかく、車をお客さんを下ろしたほうへ向けて走り出す。あーあ、これで、今日も売り上げは落ち込んでしまうな。仕方ないな…。
そのうち、また、架かってきた。
あの、今、どこら辺を走っておられます?
○×です。
ああ、もう近いですね。
大丈夫です、すぐに着きますから。
って、走行中に電話はしたくない(法律で禁じられているからってこともあるけど、危険だし)。
曲がり角、曲がり角って、小生は呟いている。
えっと、何とか言う店が目印だったな、そこを曲がって、2ブロックほど町を走り抜けて、大きな交差点を渡った角のコンビニが目的地だった。
着いた。
あれ? お客さん、いないじゃん?
って、焦っていたら、お客さんは道路の反対側から出てきた。
小生は、基本的にお客さんの姿は、顔も含め、見ない。覚えない。
ただ、乗るときに、手荷物その他はしっかり見ておく。
降りる時に、「ありがとうございました。お忘れ物、ございませんか」と、最低でも二度は言う。
清算が無事に済んだら、とにかく、忘れ物だけはさせないよう、神経を使う。
でも、そのお客さんは、酔っていたこともあり、足元が怪しい感じなので、それに車中でマケテよ、とか、訳の分からないことを言っていたし、料金を払ってもらえるのか心配になったり、あるいは寝込んでしまって、目的地に着いても起きてくれるかな、などと心配になり、料金の支払いや更に降りる時に、特に(昨日は小雨がほぼ終日、降っていた。こういう日は傘の忘れ物が多い)傘や手荷物などを持って降りたか、注意深く観察しておいた。
なので、服装も覚えている。
ちゃんとビニール傘も含め荷物を持って降りたことも。
無論、降りる際には、必ず、後部座席を確認する。
とにかく、お客さんのためにも、運転手たる自分のためにも、絶対、トラブルは勿論、忘れ物もしない、させない。
でも、携帯電話までは気づかなかった。
後部座席を振り返って忘れ物、落し物のないことを確認はしているが、たまに、運転手の真後ろ側、あるいは、そうでなくとも、足元に小さなものを落とすか忘れてしまう場合がある。
今日のような(酔っておられる方が多い夜中だと特に)携帯は、薄暗い足元に忘れられる(あるいは眠っているうちに手から離れ、足元に落ちてしまったりするのだろうが)と、どうしようもない。
料金の精算の際には、ちゃんと清算するのは当然として、領収書(レシート)も渡すようにしている。とにかく、領収書(レシート)はどうしますかと訊く。
要らないと言う方も結構、居るのだ。
今日の問題のお客さんも、遊び(飲み会)の帰りのようで、領収書(レシート)は要らないからと断られたのだった。
でも、携帯電話だったので、自宅から(多分)か、家の近くの公衆電話から自分の携帯へと電話して忘れ物の確認をすることができたわけだ。
これが、財布や眼鏡、小物、傘、その他だと、どの車に乗ったかは、領収書(レシート)だけが頼りなのである。
そこにはそうした困った際に問い合わせる先の電話番号などが記入してあるのだ。
だから、要らないとしても、貰っておいて、自宅で最終的に捨てるなり、処分をすればいいのである。
見覚えのある姿格好のお客さんが道路を渡ってくる。
小生は相手を覚えているが、先方は酔っていることもあるし、小生の車がどんな車か覚えていないだろうに。
まあ、降りた場所でタクシーが非常灯を灯して停車していれば、それと分かるのだろう。
これですね。
はい、ありがとうございます。
あの、おカネ。お礼……。
いえ、いいんです。どうもありがとうございました!
小生は、忘れ物を先方に届けた際は、一切、礼は受け取らない。
というか、忘れ物をさせないのがプロのドライバーなのだ。
忘れ物があったってことは、運転手の側のミスの結果なのである。
なので、基本的にお客さんが御礼をする筋合いのものではないのである。
忘れ物があったこと(特にカードなどの入った財布や携帯電話などの緊急性のあるモノの忘れ物)に気づき、車を回送にし、連絡を取り、先方の指定先に届ける、こういった一連の作業で最低でも一時間、下手すると二時間も営業時間がつぶれることがあっても(しかも、大抵、稼ぎ時だったりする)、それは誰のせいでもなく(ましてお客さんのせいでもなく)、運転手の負うべき、また、現に負っている責務の一端なのである。
そのために、最低、二度は、時に三度も「忘れ物はございませんか」と確認する。確認してもらう。
すると、大概のお客さんは、車を降りてから、再度、車内を覗いて、忘れ物・落し物のないことを確認する。
それが、酔っておられたり、よほど疲れているお客さんだと、ただ、黙って降りていかれる。
こちらは守りに入って、何も異常のないことを念入りに確かめておく。
ああ、やっと、トラブル、解決。
今日は相手の方の姿・格好、顔などを覚えていたが、たまに、携帯電話で、相手の顔を覚えていないことがあったりする。
上記したように、小さなものなので、すぐに(お客さんも小生も)気づかず、次のお客さんが乗ってこられた際などに、あれ、忘れ物ですよと教えられる(指摘される)ことがあるのだ。
これも、上記したように、小生は姿・格好もお客さんのプライバシーだと思うので、基本的には観ない。また、覚えない。降りていかれたら、脳裏から一切を消し去る。
忘れる(正確には、最初からちゃんと覚えたりしないってことでもあるが)のは小生の大得意である!
相手の姿や顔の分からない場合、携帯電話を届けに行った際は、携帯の待ち受け画面はどんな画面かとか、無論、相手に携帯に電話してもらったりなどして、間違いなく携帯電話の所有者だと確認して渡す(当然の話だが)。
こういう事情があって、小生、回送の車の中で、あれだけ忘れ物のないようにって言ってるのにと、実際には口に出して言えない文句を胸の中でブツブツ言ってみたり、後部座席を見たのに気づかなかったのはどうしてなのか、確かに、背凭れと座席との境目の部分に半分、埋もれるようにしてあったけれど、じっくり見ていれば、気づかないはず、なかったのに、とか、あーあ、今日も売り上げはダメかとか、まあ、いいや、開き直るしかない。
事故や、事故でなくても、酔った方がゲロを吐いたりして、二時間あるいはそれ以上の時間を洗車や匂いの拡散その他などで無為に過ごすしかないことを思えば、一時間弱で解決したのだから、よかったじゃないかとか、お蔭で、そう、海亀の話をじっくり聞けたじゃないか、とか、ブツブツグチグチ。
海亀?!
というわけで、話は最初に戻る。
前置きが長くなったので、肝心の海亀の話は、メモするのは止めておく。
大体、小生が聴いていて一番、印象に残ったのが、話の内容が海亀で、語り手が亀崎 直樹氏ということで、これはご自身が語っておられたのだが、子供の頃など、足は遅いほうじゃないのに、ノロカメと呼ばれたり、研究者となってからも、名前が亀崎さんだから亀さんの研究をされているのですかとからかわれたりするんです、なんて話だったというお粗末ぶりだから、尚のこと、下手に書かないほうがいいだろう。
ドジな小生が下手にメモするより、恰好のサイトが見つかった:
「アオウミガメ追跡プロジェクト - インタビュー - 環境goo 第7回 ウミガメ追跡プロジェクトを推進する 亀崎直樹さん」
話の中で印象に残ったのは、たとえば、「アカウミガメはインド洋や大西洋、地中海や黒海まで、あたたかい海に広く分布しているが、太平洋における産卵地は、日本とオーストラリアだけという」点だった。
そのアカウミガメは2万キロの旅をして、日本などに産卵にやってくる。
日本の海岸線は貴重な産卵の地なのである。
ここで、海亀と環境問題との関わりがクローズアップされるわけである。
但し、「アオウミガメ追跡プロジェクト - インタビュー 第7回 ウミガメ追跡プロジェクトを推進する 亀崎直樹さん」なる記事では、「亀崎さんらが中心になって2001年9月に始まったのが「洋上のアカウミガメ追跡プロジェクト」だ」ということで、その後の研究成果どのものが書かれているわけではない。
昨夜の話は、その意味で、研究の進展を語ってくれる貴重な機会だったわけである。
詳しい情報を得たいなら、「日本ウミガメ協議会の活動紹介」という主旨の「マリンタートラー」という機関紙があるようで、そちらを参照願いたい。
さらには、「小笠原にある「うみがめニュースレター編集委員会」が発行する、日本で唯一のウミガメに関する総合情報誌」という触れ込みの「うみがめニュースレター」もいいかも。
さて、今日の本題は、本来は、ここからのつもりでいた。
海亀の話は、上掲のサイトに任せるつもりでいたし、忘れ物の話は日記ということで、小窓にちょっとメモするだけのつもりでいて、本題は、昨日から車内で読み始めた灰谷 健次郎著『兎の眼』(角川書店)に話の小道具として扱われている「ハエ」の話をするつもりだったのだ。
でも、もう、前ふりが長くなりすぎたので、またの機会に、ということにする。
尚、小生にはタクシーでの忘れ物に関して、以下の体験記(?)があります:
「タクシーと忘れ物(お彼岸篇)」
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コメント
以前に携帯をタクシーの中に落したときは、翌日東京の下町にあった営業所まで菓子折りもって取りに行った。
別の時、タクシーから体だけ先に出して、荷物を引っ張り出そうとしてドアを閉められてしまったときには、すぐさま近代化センターに電話し連絡とったんだけれど、駅前の交番まで戻ってきた運転手にタクシー代を請求されて、アッタマ来て交番で口論になった。
うっかりクレジットカードで支払いができないことを確認しそびれて乗っちゃったこともあったが、コンビニでカードのコピーとってドライバーさんに渡して、翌日現金書留で送った。
海亀って、頭なでても咬まないのかなぁ。
投稿: 志治美世子 | 2006/11/28 22:50
やいっちさま、プロですね。
そんなプロのドライバーばかりだったら、私も気兼ねなくタクシー使うおうかなという気にもなりますが、小心者の私は、知らない人とせまい空間二人だけという状況に耐えられません(笑)。
タクシーで嫌な思いをしたことがあるわけではないのですが。
投稿: RKROOM | 2006/11/29 00:11
志治美世子さん、タクシードライバーにもいろいろ居ますね。
でも、基本的に運転手は忘れ物をさせてはいけないという義務があるのです。
何か問題があったら、志治美世子 さんのように東京タクシーセンターに電話するのが正解:
03-3648-0300
海亀の生態については:
http://www.d5.dion.ne.jp/~naw/turtlena.htm
危険な亀さんではないようです。
でも、甲羅を撫でたほうがいいのでは。
口元に指をやったら噛むのは肉食なんだから当たり前かも。
投稿: やいっち | 2006/11/29 01:43
RKROOM さん、こんにちは。
プロのドライバーに徹するのは難しい。
小生、お客さんのところへ携帯電話を届けに行った際、お礼は貰っていないのは当然として、(忘れ物をさせて迷惑をかけ)「申し訳ありませんでした」とは言えなかった。
胸中では、何度も「忘れ物、ございませんですか」と、降りる時に声を掛けたじゃないかっていう気持ち(憤懣)が渦巻いていたんだね。
ちなみに、小生も、タクシーには客としては乗りなれないので、たまーに乗る際にはプレッシャーを感じます。
まだまだ、業界としての乗りやすさへの取り組みが足りないってことでしょうね。
反省!
いつもながら素敵な画像とコメント。
いつか、気が向いたら、また、小生の画像掲示板に画像を戴けたらと(密かに?)期待しております!
投稿: やいっち | 2006/11/29 01:46