週末は音と本とに三昧だ
「羮や懲り膾吹く我ありて」に書いたように、月曜日の休みはまったりのんびり過ごした。
昨日、冷たい雨の中、一時間以上も傘も差さずに(カメラ撮影に傘が邪魔だったから)応援と撮影のため立ち尽くしていたので、その疲労を回復させること、万が一にも風邪を引いたりしないよう、用心に用心を重ねたのだ。
→ 『ブラジル風バッハ/中丸三千繪&ベルリンフィル12人のチェリストたち』(中丸 三千繪、東芝EMI クラシック)。惜しいけど、返却。二十回は聴いたっけ。ボサノバなのかクラシックなのか、ジャズなのか分からない、不思議な世界だった。
それにしても、日曜日来の雨と寒さは身に堪える。部屋の中に居ても、凍えるような気がする。
まだ、11月下旬にも入っていないから、暖房を入れるのも早すぎる気がする。
今、暖房を使ったら、これ以上、寒くなったとき、対処の取りようがなくなってしまう。
なので、部屋の中では、ひたすら重ね着。それでも、足りないなら、タオルケットを羽織って耐える。
午後になって雨が上がってきた。薄っすらとだが青空もベランダの窓越しに見える。
今日は、図書館へ行こう。返却する本などがあるし。
でも、その前に食事だ。
冷蔵庫の中を覗く。何もない。
そりゃそうだ、前日の日曜日は一切、外出しなかったのだから、買い置きもあるはずもない。日曜日は、冷蔵庫の中にあったものを片っ端から食べていたのだったし。
でも、冷凍室の奥に何かある。凍りついた塊(かたまり)となっているし、奥の方に潜んでいて(?)気付かなかったのだ。
引っ張り出してみると、それは冷凍されたウドン!
← 『ベスト・オブ・ジョアン・ジルベルト ~ポートレイト・イン・ボサ・ノヴァ』(ユニバーサル ミュージック クラシック)。上記した『ブラジル風バッハ』と共に返却。これも、二十回は聴いた。ボサノバの世界を堪能。生で聴けた人は羨ましい。
ウドン! おお、こりゃ、御馳走だ。
それにしても、一体、いつ頃、買ったものやら……。
怖いので賞味期限は見ないで、さっそく調理。
流し台のヒーターは故障したままなので使えない。
秘蔵の(?)電気鍋を出して、凍り付いていたウドンを茹でる。
茹でているうちに、ウドンがバラバラになってしまった。箸で引っ掻き回したせいでウドンが解体したわけじゃない。
きっと、やはり、古いのだ……。
でも、食べるものはないのだ。棚には梅干、チョコレート、ビスケット、飴などがあるが、腹の足しになるとは思えないものばかり。
現にあるウドンを食べるしかない…。
→ 内井 惣七 著『空間の謎・時間の謎―宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』(中公新書)。日本人の書き手で初めて科学哲学についての本格的な本を読んだという手応えを感じた。さすがに感想を書くのは控える。本の表紙画像に見られるように、ライプニッツ、恐るべしを改めて痛感。
それからテレビを見たり、ブログの記事を書いたりして、気がつくと、午後の四時に。
溜まっている支払いもある。外出しなければいけない。図書館は、その足で行くことに。
と、部屋の外に出たら、建物の庇に雨粒が。
雨?
雨だ!
さっきまでの青空は何処へ行ったのだ。
見上げると、青色は雲のせいで薄くなっているけれど、微かに見える。
天気雨に近い。
雨は激しくならないと判断し(というか決め付けて)、返却する本やCD、支払いのための伝票などをビニールの袋に詰め込んで、いざ、ポツポツ降る雨の中、外出。
無論、足は自転車である。図書館は遠くないので自転車を使うほどのこともないのだが、まあ、乗りたいから乗ったのである。
雨も昨日のようにひどくなることもないようだし。
図書館への道は平坦で、電動のアシストを使う必要は、さすがの小生も感じないのだが、漕ぎ出しがスムーズで楽なので、もう、乗っている最中は小まめに電動のスイッチをオン・オフに切り替えるのをやめている。
この漕ぎ出しが楽ってのは、結構、安全運転にも繋がっているような気がする。
何故なら、普段から自転車に乗り慣れている人なら分かるだろうが、漕ぎ出し動き出した自転車を交差点だからといって、完全に止めて左右の安全確認をするってのは、案外と面倒。
そう、重いペダルを漕いで、再度、スピードを出さないといけないのだ。
→ 「ショパンのツボ」(ユニバーサルクラシック)。「演奏: ラローチャ(アリシア・デ), ヤブロンスキー(ペーテル), その他」で、ショパンの「雨だれ」などの有名な曲を集めた、クラシックの初心者向けのCD。何ゆえ、「タツノコプロ」が関わっているのだろう。
だから、せっかくスピードが乗っている自転車を止めるのが面倒で、多くの人が(一部の人が、というべき?)交差点であっても、スピードをほとんど殺さずに走り抜けようとする。
それが、出会いがしらの事故に繋がるというわけである。
その点、電動アシスト装置が備わっていると、交差点も余裕で止まれる。実際には立ち漕ぎで擬似の停止状態で様子を伺うわけだが、その止まっている状態から、安全を確かめて走り出すのも余裕だし、それ以上にあまりに滑らかな走行なので快感を覚えるくらいなのである。
← モーリス・ラヴェル『ボレロ』。「100%シリーズ第18弾。モーリス・ラヴェル「ボレロ」を種々の演奏形式・編曲により収録したオムニバス盤」ということで、演奏がボストン交響楽団(指揮: ミュンシュ)、冨田勲、グレン・グールド、カナディアン・ブラスなど。「ボレロ」を趣向も様々に、たっぷり楽しめそう。
というわけで平坦な道であっても、電動装置に頼りっきり、スイッチは入れっぱなしとなっているのだ。
図書館では、上で画像と共に紹介した本やCDなどを返却して、次に借りる本などを物色。
でも、その前に、新聞・雑誌のコーナーで、新聞を読む。新聞は購読していないので、たまに読むと偉く(?)なったような気がする。
単に情報だけなら、ネットで集めることができるが、やはり、新聞ならではの詳しさがあるし、読みやすいし、特集もあって、工夫していることを感じる。
それでも、ネットの世界の日進月歩に新聞はどのように対処・対抗していくのだろうか。
これでも、新聞好きなだけに(可能なら、新聞は複数だって契約したいのだ)、他人事ながら気になる。
→ 山口 泰二著『アメリカ美術と国吉康雄―開拓者の軌跡』(日本放送出版協会)
ネットの世界でも、情報は得られると書いたが、その舌の根も乾かないうちに言を否定しそうだが、ネットのニュース情報は、画面での読みやすさを重視しているためか、情報の中身が薄い。まさに表層。
だったら、それこそブログなどで詳しい背景など探ったら、ということになるのだが、そう、何もかもをネットで一々裏書きを取ったり、多くのブログを渉猟して回るってのも、結構、億劫だったりする。
しかも、情報の危うさという問題もある。
新聞は、さすがに確度の高い情報を提供してくれるが、ネットは、それこそネット情報を摂取する側の読解力や真偽の程を確かめる真贋を見分ける目が要る。
さて、あれこれ迷った挙句、借りたのは、CDについては、既に画像で示した、「ショパンのツボ」(ユニバーサルクラシック)、モーリス・ラヴェルの『ボレロ』、そしてこれは前にも借りたのだが、また聴きたくなって借りてしまったアルビノーニのアダージョの入っている『バロックフェスティヴァル バロック名曲集』(画像が見つからなかった。新しい2枚組の「バロックフェスティヴァル バロック名曲集」が出ているから、もう、相手にされていないのか…)。
本は、今、読みかけの本や全く手付かずの本があるので、車中用の本として、選書版だし、国吉康雄をもっと深く知りたいし、ということで、山口 泰二著の『アメリカ美術と国吉康雄―開拓者の軌跡』(日本放送出版協会)を借りてきた。
ついでながら、トーマス・マンの『ファウストゥス博士』(円子修平訳、『トーマス・マン全集6』新潮社)を予約してきた。
夏場は、サンバに引き寄せられるのか、文学というより、知見を広めるような本を読みがち。
冬場となると、一つの世界にドップリと浸ってみたくなる。
今年の初め頃は、ドストエフスキー、トルストイなどを読み返したので、今度はトーマス・マンというわけである。『魔の山』は二度、読んだし、二度目で彼の小説の物語としての、あるいは語り口の面白さ上手さに感服したので、今度は小生には未踏の『ファウストゥス博士』に挑戦しようというわけだ。
← オリヴァー・サックス著『タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代』(斉藤隆央訳、早川書房)。月曜日、夕方、読了。素晴らしい本だった。化学の研究に命を捧げた数多くの人が居るってことを、身近に感じさせてくれた。同時に、サックスの書き手としての卓抜ぶりに改めて感激した。
「ファウスト」というと、ゲーテの戯曲作品で有名。
モデルとなった「ゲオルグ・ファウスト」は実在の人物! 「 マルティン・ルターに悪魔の力を借りていると非難されたという」曰くつきの人物でもある。しかも、「錬金術を実験中に爆死。五体はばらばらとなったという」から驚き。
尤も、月曜日の夕方に読了した、オリヴァー・サックス著『タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代』(斉藤隆央訳、早川書房)などを読めば分かるが、科学、特に化学の研究に携わって命を落とした人は数知れない。未知の物質の秘密を探るのは命がけだったのだ。でも、それでも知りたいという欲求には敵わないってことなのだろう(か)。
丁度(というか、生憎というか)、大田区の図書館は12月の前半、システム機器入れ替えのため全館休館となるから、貸し出し期間も長いので、長編を返却期限を気にせずに読めるのだ。
日曜日は、雨の音、月曜日は、ミュージックの音と読書三昧。これが我が週末なのだ。
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