ケルト…エッシャー…少年マガジン
ブログ「無精庵徒然草」は、一部、メンテナンス中ですが、すでにコメントなどが行なえるようになっています。
本日、「フレッツ光」が正式に開通しました。
月曜日は小生が手作業でやったため、ちょっと負荷と無駄の多い接続だったようです。
今日は、業者の方に来てもらい、修正してもらいました。
というわけで、本日が「フレッツ光」の正式開通日となります。
ワーイ! パチパチパチ……。
……シーン。
← 「ヤン・ファン・エイク TOPページ」より「ヴァン・デル・パーレの聖母子」。敷物に注目。
昨日、仕事のほうは比較的忙しかったのだが、そんな中、車中での待機中などに鶴岡 真弓著『ケルト美術への招待』 (ちくま新書)を読み始めた。
まだほんの読み止しなのだが、、「アルノルフィーニ夫妻の肖像」などで有名なヤン・ファン・エイクの「ファン・デル・パーレの聖母」や作者不詳の「聖ジルのミサ」という絵が紹介されていた。
それらの絵を見てちょっと驚いた。
人物群像の足元に見える敷物に注目。ケルト美術特有の細密な装飾的宇宙が、まさに人物群が霞むほどに緻密に描かれている!
→ 「1500年代 ヨーロッパ」より「聖ジルのミサ」
ケルト文化や美術は、インド・ヨーロッパ語族の侵入によりケルト人が圧倒され辺境の地へと追いやられ、やがて長いヨーロッパ中世を通じて、消え行くかに見えたが、北方ルネサンスの絵画などにその余脈というか後裔を見出すのである。
つまり、ヨーロッパ文化の根底にしっかり根付いてしまった。表面的には見えないほど根深く!
鶴岡 真弓著『ケルト美術への招待』については、これから二週間ほどかけて、車中などでじっくりゆっくり読んでいくとして、実は、突拍子もないことなのかもしれないが、細部に際限もない宇宙を見る、つまり、喩えが変かもしれないが、壺中の天地を見るような発想と表現をケルトの美術品やその精神に見ているうちに、ふと、過日、採り上げたエッシャーのことを連想してしまったのである。
発想が違うのは歴然だけれど、しかし、何か同じような傾向、少なくともその匂いらしいものは嗅ぎ取れるような気がしていたのだった。
← 野地 秩嘉著『エッシャーが僕らの夢だった』(新潮社)
ところで、エッシャーというと、過日のブログを書いてからも、あれこれネット検索していたのだが(「ウロボロス…土喰らうその土さえも命なる」参照)、すると面白い本を発見。
それは、野地 秩嘉著『エッシャーが僕らの夢だった』(新潮社)である。
これは(小生は勿論、未読)、「たくさんの著名人に愛される異端の版画家エッシャー。彼の世界最大のコレクションが、日本にあるのは何故なのか? アウトサイダーとしての生き方を選び、エッシャーの絵に魅せられ、東京で夢を追い続けた3人の男達の青春群像」といった本なのだが、何が小生の関心を呼んだのか。
そのわけは、ブログ「定年再出発 番組を作り続ける エッシャーの宇宙」を覗くと分かる。
冒頭には、「30年前に、子供空想美術館という番組を作ったことがある。目の錯覚を利用しただまし絵やオプチカルアートを集めて、中山公男さんの案内で仕立てた番組で、今考えるとずいぶん手の込んだ子供番組だったなと思う」とある。
小生は、多分、忘れてしまった可能性はなしとしないが、多分、この番組は見ていない。
気になるのは以下の記述である。
その中に、オランダの異端の版画家エッシャーの絵があった。見ているうちに眩暈を起しそうになる不思議な絵である。
70年代、エッシャーはずいぶん若者の心をとらえた。なんと言っても日本で最初にメジャーな雑誌に載ったのはあの「少年マガジン」だったのだから。後に、エッシャーのコレクションを日本人が所有することになるなど、エッシャーと日本の結びつきは意外に深い。
エッシャーと『少年マガジン』!
意外?
しかし、か細い記憶を辿ってみると、エッシャーと認識していたかどうかは別として、小生のガキの頃からの愛読書だった『少年マガジン』に、そういった絵を折々散見していたことを仄かに思い出されてくる。
小生は、小学校の低学年の頃から、少なくとも三十代の半ば近く(1980年代の終わり頃)までは、『少年マガジン』を毎号、欠かさず読んでいた。
さすがに買うのは、止めていたが、学生時代も社会人になってからも、普段は自宅で食事しても、最低週に一度は外食で、食堂を選ぶ基準は、食べ物の量と値段とそして漫画本の充実だった。
それも、漫画だったら何でも良かったわけではなく、最低限、『少年マガジン』が置いてあるかどうかが、ある意味一番の店選びの基準だった。
次第に『少年マガジン』を人気(刊行部数)の点で圧倒してきた『少年ジャンプ』なども読まないわけではないが、まずは『少年マガジン』を欠かさず読まないことには気が治まらないのだった。
「週刊少年マガジン - Wikipedia」を覗くと、「1970年前後には『朝日ジャーナル』『平凡パンチ』と共に大学生の愛読誌と呼ばれ、黄金時代を築くが、その後週刊少年ジャンプに少年漫画雑誌売り上げ1位の座を奪われた」とある。
そう、小生の場合、『朝日ジャーナル』には「?」が付くが、確かに『平凡パンチ』と『少年マガジン』には随分とお世話になった(世話のなり方の位相が違うが)!
とにかく、小生が我が読書の思い出を語るなら、漫画の本、中でも『少年マガジン』を欠かすわけには絶対にいかないのだ。
→ ブログ「定年再出発 番組を作り続ける エッシャーの宇宙」に載っている画像。
ブログ「定年再出発 番組を作り続ける エッシャーの宇宙」に戻る。
以下の記述を見出す:
大伴はSF作家クラブの会員でもありイラストレーターでもある真鍋博とは懇意にしていた。ときどき、事務所へ打ち合わせ兼ねて遊びに行った。そんなある日、真鍋から大伴は一冊の画集を見せられる。エッシャーである。彼はこの絵に一瞬にして捉えられた。興奮した。すぐにマガジンの巻頭図解で紹介しようと思い立つ。
そうして1968年8月から数回にわたり、エッシャーの絵は「不思議な絵」という形で紹介されることになる。
ちょっと、ケルト文化(美術)とエッシャーとの関係の話からは離れ去ってしまった。
ま、機会を設けて語る(書く)こともあるだろう(ないかもしれない)。
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コメント
「光接続」がうまくいったのですね。おめでとうございます。
私も4月から「光」にしたのですが、何のメリットもありません。もったいない気がしております。でも、これからのネットの楽しみ方を考えると、インフラとしては、いいような気がします。
相変わらず、いろいろな記事を投稿されていますね。残念ながら、コメントできるだけの知識を持ち合わせておらず、Read Only な訪問です。いつも楽しく読ませていただいておりますよ。
投稿: elma | 2006/10/18 21:46
elma さん、コメント、ありがとうございます。
小生、「今なら月額費用最大13ヵ月割引」に惹かれて変えました。
それと、小生の家はNTTの基地局からやや遠いので、ADSLだと遅め。光なら、少しは早いかなと。
記事。ま、好奇心に駆られてあれこれ書いています。みんな自分の知らないことばかり。調べながら書いている。
下手すると、自分でも自分の記事に対してRead Only だったりして?!
投稿: やいっち | 2006/10/18 22:39
コメントおよび引用ありがとうございました。
エッシャーもさりながら、大伴昌司のことをなんとか大勢の人に知ってもらいたいと思っていましたので、この記事は嬉しいです。
まだ、貴ブログをすべてみていないので、きっちり言えるわけではないですが、ケルトにも言及しておられるとか。
4年前、アイルランド、ウェールズのケルト文化を尋ねる旅を、河合隼雄さんとやったことがあります。どこかに書いたと今思い出しました。
投稿: yamato | 2006/10/19 00:48
yamatoさん、来訪、コメント、ありがとう。
記事、参考になりました。
「4年前、アイルランド、ウェールズのケルト文化を尋ねる旅を、河合隼雄さんとやったことがあります」とのこと、読んでみたいです。
ケルトについては、雑文が少々です:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2005/12/post_67e4.html
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2006/01/post_fbe0.html
投稿: やいっち | 2006/10/19 01:35
エッシャーといえばBunkamuraで展覧会があります。
そのチラシにいわく「風景をモチーフにした初期の精緻な版画作品をはじめ、その全体像に触れるとき私たちはこの版画家がヴァン・エイク矢デューラー、ホルバインといった北方系の画家の系譜に属することを思い知らされる」と。
弥一さん川端龍氏記念館にいかれたんですね。
入館料はいかほどだったですか。
投稿: oki | 2006/10/19 09:51
Bunkamuraでのエッシャー展情報、ありがとうございます:
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/06_escher/index.html
エッシャー展は、確か80年代に見たきり。垂涎ですね。
昔とは違う見方ができそうなんだけど。
龍子記念館は、入館料200円です。小生でも払えました!
投稿: やいっち | 2006/10/20 07:15