神無月…神々の集いし月や喧(かまびす)し
今日は格調高く(?)テーマは「神無月」を選んでみた。
「10月 - Wikipedia」を覗くまでもなく、「一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており、出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれる」ことは結構、広く常識(?)として知られているようだ。
が、「ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり、「神無」の宛字から生まれた附会である」という。
→ 街中で美少女発見!
そう、「古くから我が国では10月を神無月(かんなづき)と言います。これは10月に日本中の神様が、出雲の国(現在の島根県)に集まり会議を開き、他の国には神様が居なくなってしまうことからそう呼ばれてきました。神様の集まる出雲の国では反対に10月は神在月(かみありづき)と呼ばれています」(「大阪仏壇仏具センター 越前屋・ミニ知識 神無月」より)というのは、後半の下りはともかく、前半に関しては疑問符が付くと思ったほうがいいようだ。
「10月 - Wikipedia」に戻ると、「「神無月」の語源として以下のような説があるが、いずれにしても「神無」は宛字としている」:
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月
神な月(かみなづき):「神の月」の意
雷無月(かみなしづき):雷のない月
再度、「大阪仏壇仏具センター 越前屋・ミニ知識 神無月」を覗かせてもらうと、「この神様の会議が行われるようになったのは大国主神が日本の国土を開発した神様でその時自分の息子や娘を各地に配置し、その地を管理させたことに由来します」とある。
← 実はポスターでした。21日、スタジオへ行った日、駅のホームにて。ガラスの表面にかすかに映る怪しい影は、我輩か。
そう、「大国主 - Wikipedia」に記述されているように、「全国の神々が出雲の大国主の元に集まる為、地方によっては「神が居なくなる月」と言う意味で神無月と呼ぶ物である。従って、出雲では神様が集まる為、神在月と呼ばれている」のだとしても、「厳密には集まる神様は大国主の子孫の神様で、国つ神である。アマテラス系の天つ神は出雲には出向かないので、これらの神社では神無月ではないわけである」とか。
小生は十年ほど以前のことになるが、古田武彦氏の諸著を読み漁ったことがある。古代史について、定説に果敢に挑戦されている姿勢の研究者である。
「2003年3月16日(日) 弥生の土笛と出雲王朝 出雲暦は王朝のしるし 大国主とわたし 古 田 武 彦」なる頁を覗くと、「出雲に神様が集まると言われている地域は、日本列島のどこなのか。わたしの印象では全国ではない。西日本が中心だ。そのような印象を持っています。九州の神社ですが、うちの神様は神無月に出雲に行かれない神様。そのような伝承を持っている神社もある」などと書いてあったりするが、ここでは「大国主の子孫の神様」たちとの関連を論じていないのが不思議。
それはともかく、出雲の地への神々の参集を参勤交代と捉え、江戸時代の参勤交代の制度は、「出雲の神無月の話をヒント」に始められたのではないか、という説は面白い。
さらに、「出雲王朝の淵源はウラジオストックにある」という説が示されているが、ちょっと論評は難しい。
→ 24日、営業中、撮影現場に遭遇!
古田 武彦著の『人麿の運命』(青山 富士夫写真、原書房)は、小生の愛読書で折々繙(ひもと)く本である。写真と人麻呂の歌とのマッチングがいい。
そもそも人麻呂は小生が畏敬する神がかりな人物なのである。
小生には、「古田武彦著『人麿の運命』の周辺」という小文がある。
古田武彦氏の史学は、毀誉褒貶があるが、徹底して経験的で現場主義的なところが好きなのである。
小心者の小生は、定説を裏書きする学者の本と古田武彦氏らの諸著とを交互に読んで、適宜バランス(?)をとっている。
古田武彦氏の説のうちの幾つかは、近い将来、定説になるような気がするのだが。
魏志倭人伝の記述からは邪馬台国の地の特定が難しい。まして、記述中にある他の「黒歯国」や「侏儒国」となると、場所は皆目、見当が付かない。
「「黒歯国」「侏儒国」はほんとにあったのか?」なるサイトがある(ホームページは、「邪馬台国大研究」)。
本文には、あくまで疑問符を付した上で、「勿論、縄文・弥生の航海術を甘く見ては行けないという意見があるのは知っている。南米に多く存在する縄文土器は、太平洋を渡っていったものだという説も、一つの可能性としては認めてもいいだろう」としている。
但し、「しかし私見では、それはアクシデントのなせる業(わざ)だと思う。たまたま外洋に漁に出ていた縄文人(弥生人・古墳時代人でもいい)が、流されて、魚を食べながら生きながらえて、或いは船の上で死に絶えてミイラになり、もしかしたら人は乗らず漁の間に船だけ流されて、結果的に丸木船が北米・南米にたどり着いたという可能性はあるだろう。しかし計画的に、太平洋に浮かぶ島へたどり着き、再び無事に倭国へ帰還できたとはとても思えない」と、即座にその説を否定的に受けとめていることを示している。
小生は、弥生人・古墳時代人に限らず、古代の航海術は相当に高いものがあったのではないかと思っている。
そもそも、人類が一万年以上も昔ベーリング海峡を越えて北米大陸に渡ったことは既に定説になっている。
その北の地から南米の末端近くまでは二百年ほどで至っている。
では、縄文時代(あるいは場合によってはその以前)、南海の島々を伝って南米大陸へ偶然にしろ渡ったアジアの人々がいなかったかどうか。
いないと考えるのが不自然だろう。
最初に南の海を渡って南米大陸の地に渡ったのが数千年前のことなのか、知る由もないが(考古学上の痕跡が将来、見つかれば年代の特定があるいは可能になるかもしれない)、その最初期からは紀元前後までは千年、二千年の歳月が積み重ねられていく。
なるほど、今から見たら、弥生や古墳時代、まして縄文時代というのは、はるかな昔かもしれないが、縄文時代の早期から時間を積み重ねていくと、経験と知識(伝聞も含め)の堆積は、南海のルートを夢物語とはしなかったのではないかと思う。
邪馬台国も、何も無理して日本列島の中にその地を求める必要などないのではなかろうか。
← 現場の中心には……。
って、ちょっと神無月から脱線してしまった。
小生、出雲の地へ旅したいといつも思っている。出雲出身の女性と聞くと、なんとなく神々しく思えてくる。昔、好きだった女性が島根の人だったから? かもしれないが。
余談だが、神無月の語源って、神々が集って会議をして喧(かまびす)しいことから、「かまびすし」→「かまびつき」→「かんびつき」→「かんなづき」と転訛したってことは考えられないだろうか。
無理? だよね!
話が脱線続き?
実は、今日は、「県立高校で必修とされている授業を実施していなかった問題」を採り上げるつもりでいた。富山県の県立高岡南高校で発覚し全国へ問題が広がる発端となった履修不足問題のことである。
「高岡南高、必修科目履修せず卒業ピンチ」
受験には不要な科目(世界史)を履修しないで、受験に必要な科目だけを集中的に履修する。
合理的?
あまりに情けない気がする。学問って、土台が広いほど高い木が実るものじゃないのか。
「それぞれの高校から、ブランド大学、それから地元の国公立大学にどれだけ入れるかっていう、まるで公立高校が予備校化したような姿になっているということの証だと思います。多少のことをやっても、結果を出せば結果オーライというか、許されるという状況が、他の所でも多分あるのじゃないですかね」(教育評論家 尾木直樹氏)というが、寂しい限りだ。
小生など、高校三年の夏に理科系から文科系に変更し、さらに、12月になって、小生が勉強していた科目が受験するつもりの大学になくて、せっかく勉強した科目も当座の役に立たなかった苦い経験がある。
(普通は、受験する大学の受験科目を調べてから勉強するものだが、小生は逆を行っていた!)
結果として、高校三年の時、全科目を勉強してしまった(身に付かなかったけれど)。
数学も理系の数学に文系の数学、国語も古文から現代国語、地学、世界史・日本史、地理、倫理・社会、英語、物理、化学…。体育も真面目にやったし(体育は楽しみでやっていたが)。
うん? 音楽の授業って、あったっけ。
将来のことを考えると、研究者になるならないは別にして、社会人であっても基礎教養という基盤が大事だと思う。大学も、受験する科目数を増やしたほうがいいのではなかろうか。
なんて話を書こうかと思ったが、やはり、受験しか目に入らない状況にあっては、馬の耳に念仏かと、バカバカしくなって書くのを止めて、一足飛びに神がかりな話を選んだというわけである。
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