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2006/10/29

古(いにしえ)の先の先にも人のあり

 以下は、某サイトに書いた昨夕の日記:

今日の失敗(未遂?)

 今日の失敗といっても、毎日、大小あれこれと数々の失敗をやらかす。
 全部を挙げるってのは難しい。昨日の食事の内容も覚えていないのに、自分の失敗の数々を一々覚えているわけがない!

 ここに書くのは、さっき、あったばかりで記憶に鮮明だから。

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→ 土曜日の午後、自転車を駆って、大田区立郷土博物館へ行ってきた。

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 夕方。クリーニングを出すついでにパン屋さんへ。
 カップ麺、ケーキ、食パン、ハム、羊羹。
 レジで小父さんがレシートを打ち出している。旧式のタイプ。小生のタクシーにも、つい一昨年まで使っていたような、青色インクで印字する奴だ。
 ダダダ、ダダ、ダダダダダ、ダダ……。

 打ち出されるのを待つ身には、ちょっと長い。
 が、打ち出している店側にとっても、実は長く感じられている。
 小生、つい懐かしさもあって見惚れていた。
 で、お釣りと一緒に、その買い物明細と料金などを印字されたレシートを貰った。
 その瞬間、小生、
 「忘れ物、ござ……」と言いかけてしまった。

 そう、仕事上での口癖である。
 お釣りとレシートを渡すと同時に、「釣銭を確認してください。お忘れ物のないように。」と、必ず声を掛ける。
(釣銭は、こちらが断らなくても)お客さんが必ず確認するだろうが、特に「お忘れ物のないように」という一言は、最低、二度は言う。
 その口癖が、買い物に行った店のレジで、つい、口を突いて出てきそうになったのだ!

 でも、安心召されい!
「忘れ物、ご……」くらいで、口篭ったから。

 大田区立郷土博物館へ行ってきた。
 天気も秋晴れとはいかないが、風のない晴れ。自転車日和である。
 通勤の際に走る距離の半分ほどなのだが、出かけたのが午後の三時前ということもあってか、博物館に着いた時には汗が滲んでいた。でも、疲労を感じるほどではない(尤も、小生ほどの齢となると、疲労は翌日かさらにその先になるから油断ならない)。

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← 大田区立郷土博物館にはお目当ての図録はなかった。

 博物館へ行ったお目当ては、言うまでもなく昨年、同館で催された「「郷土博物館・特別展「高橋松亭(弘明)・版画の世界」展」のチラシ…は無理として、図録を入手すること。
(高橋松亭に魅了された事情などは、「高橋松亭…見逃せし美女の背中の愛おしき」や「週末ジタバタ日記(フレッツ光へ!)」などの記事を参照願いたい。)
 でも、入館したすぐのフロアーにこれまでの展覧会の図録(見本)が棚に並べられていたが、案の定、お目当ての図録はなかった!
 やはり、この展覧会は、というより高橋松亭(の図録)は人気があったのだろう。

 ガッカリ。だからって、そのまま帰るのも勿体無い。
 大田区立郷土博物館では、常設展として、「大昔の大田区」や「馬込文士村」を見ることができるし、特別展として、「横穴墓よこあなぼ(おうけつぼ)のなぞ」展をやっている。
「古墳時代後半から奈良時代初期にかけて、丘陵や山などの斜面を掘り込んでつくられた横穴式の埋葬施設を「横穴墓」と呼びます」とか、「展示では、多摩川流域を中心に世田谷・川崎などの近隣地域の状況も紹介しながら、区内横穴墓の特徴を探り、古代の大田区について考える機会とします」とのことで、考古学や古代史ファンの小生、まして居住する地域に関係する内容とあっては、見逃す手はない。

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→ 『ミクロネシア』(大田区立郷土博物館編集・発行)


「横穴墓(おうけつぼ)」は、一般に「古墳時代の後期から奈良時代の前半にかけて行なわれた墓制の一つ」だとされるが、その起源乃至は発祥の地は、5世紀代の横穴墓が発見されている九州地方の北部、特に福岡から大分県にわたる地方と考えられている」とか。
 但し、「最近になって、韓国忠清南道公州(こんじゅ)市の丹芝里(たんじり)で5世紀後半の横穴墓が発掘調査され。その類似した様相などから、日本の横穴墓の起源に関して一石を投ずることになった」とも(いずれも、いずれも図録『横穴墓のなぞ』(大田区立郷土博物館)より)。

 このことが物語っているのは何なのか。素直に考えると、古代において九州に政権(権力の中心)があったものが、次第に東遷(さらに北上)したということなのだろうが、さて。

 大田区立郷土博物館では、肝心の「「郷土博物館・特別展「高橋松亭(弘明)・版画の世界」展」の図録は惜しくも入手できなかった。
 代わりに(なのかどうか)、『横穴墓のなぞ』、『動物と考古学』、『ミクロネシア』、『よみがえる大田区の風景』(いずれも大田区立郷土博物館編集・発行)を買ってしまった。
 衝動買い!
 買ってしまうだろうなと、覚悟はしていたけど。

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← 『動物と考古学』(大田区立郷土博物館編集・発行)

 この二年半で数冊しか本を買っていないのに(というか、本は高島野十郎とヴァギナの本だけで、あとは図録を数冊だけなのに)、身の程知らずにも買ってしまったのだ。
 ま、『よみがえる大田区の風景』に関しては、古(いにしえ)の大田区の風景を描く図版の数々を観ることができるし、中には高橋松亭は勿論のこと、歌川広重、浅井忠、川瀬巴水、伊東深水、佳恵、山田馬助、江逸、石渡庄一郎、亀井竹二郎、その他の絵やセピア色の写真も多数、載っているので、まずは良しとしておくわけである。

(ふと、疑問に思うのは、小生の郷里である富山には、江戸や明治、大正、昭和の初期を描いたような浮世絵はあるのか、ないのかということ。この点について、あまりに無知なのが情けない。それはともかく、居住する地には江戸や明治・大正という歴史の積み重ねがある。先人たちが生活してきたのだ。が、その更に千年以上の昔、祖先なのかどうか分からないとしても、先人たちの暮らしがあったということをも思ってみるのもいいのではないか、ということ。思ったからって、どうなるわけでもないのだが、でも、ね。)

 小生は美術展のチラシを集めるのがささやかな趣味である。あとは栞(しおり)も集めている。
 共におカネの負担のない、展覧会や書店に行った際についでに叶う趣味なので、細々と続けられるのがいい。
 でも、手元不如意で、展覧会も書店も敷居が高く、収集は滞ったままなのが悲しい。
 無論、郷土博物館でも、十種類ほどのチラシを入手してきた。

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→ 大田区立郷土博物館で催されていた「郷土博物館・特別展「高橋松亭(弘明)・版画の世界」展のチラシ。さすがに昨年のチラシがあるはずもなく……。

 さて、郷土博物館を後にして、一旦、帰宅し、図録を置いて、返却する図書やCDがあるので、今度はまた自転車を駆って図書館へ(ガビーン! 『こころにしみるなつかしい日本の風景―近代の浮世絵師・高橋松亭の世界』(清水 久男:編集、国書刊行会)を返却し忘れていることに夜になって気づいた。無意識裡に返したくないという気持ちが働いたのか。日曜日には返さないと! ああ、買えるものなら買って手元に置いておきたい。さすがに版画は買えないし…)。

 図書館に入館したら、いつもはまっすぐに2Fの開架コーナーへ行く。
 が、入り口脇の特設コーナーに絵画展が行なわれているのが見えた。
 といっても、何処かの小学生の作品展。
 昨年か一昨年に観た時には、中に目を瞠るような作品があった。才能とまでは言わないが、素質を感じさせる絵があったのだ。
 そんなこともあって、思わす作品の展示コーナーへ足が向いたのだった……が。
 残念ながら、瞠目すべき作品には出会えなかった。五年生、六年生となると、低学年に比して技量的に飛躍しているが、それは出来の好い作品だと思うが、順調に技術的に成長していることを示しているが、でも、一昨年に見たような凄いものには、まして、六年前に工事現場のフェンスに貼られていた小学生の絵画には比べるべくもない。
 小生、当時、思わず(携帯の)デジカメで撮ったものだった。

 さて、手ぶらで帰るはずがない。
 CDは、「オシアンの夢…目を閉じてこころ澄ませて聴くケルト」(のコメント欄)で話題の俎上に上ったこともあり、ブラームスのクラリネット協奏曲をAVコーナーの棚で物色したが、見当たらず、代わりに、ラヴェルの「ボレロ」を借りてきた。
 これは、ブログ「ラヴェルのボレロから牧神の午後へ」の中で、ひさびさに「ボレロ」を聴いて感動した、などと書いているが、棚に「ボレロ」なる題名を見て、これだ! と思い、早速、借りることにしたのである。
 同じCDには、ドビュッシーの「サラバンド」「舞曲」、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」(いずれもラヴェル編:リッカルド・シャイー指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)が入っていて、お得?!
 既に5回ほど聴いちゃった。
 返却するまでに何十回、聴くことになることやら。
[ここで紹介した「ドビュッシーを含めたラヴェル編曲を一枚にしたCDの曲目」についての考察を某サイトで読むことができます。(当日、追記)]

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← ボブ・カラン著/アンドルー・ウィットソン絵『ケルトの精霊物語』(萩野 弘巳訳、青土社)

 借りてきた本は、鶴岡真弓/鎌田東二編著の『ケルトと日本』(角川選書)、ボブ・カラン著/アンドルー・ウィットソン絵の『ケルトの精霊物語』(萩野 弘巳訳、青土社)、松田道生著『カラスはなぜ東京が好きなのか』(水谷高英/挿画、平凡社)の三冊である。

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→ 鶴岡真弓/鎌田東二編著『ケルトと日本』(角川選書)

 松田道生著『カラスはなぜ東京が好きなのか』(水谷高英/挿画、平凡社)は、「東京の街に棲息するハシブトガラスの生活を、巣作りから子育て、巣立ちまで丹念に追い、彼らと都市の関わりを探った動物記。「カラスの食べ物」「カラスの寿命」「江戸のカラス」などカラスの雑学を紹介するコラムも多数収録」といった本なのだが、図書館の入り口の新刊コーナーにあったもの。
 何故か、惹き付けられた。嫌われモノだし、一時期、マスコミが危険な鳥としてキャンペーン的に報道されたけれど、彼らなりに健気に生きているのだし、そもそも彼らはスズメ科の中の鳥でもある。
 この頃は、東京も撃退対策が一定の効果が現れているのだろうか、一頃よりは数が減っている(と感じる)。
 本書は、車中で読むつもりで借り出してきたのだが、つい繙(ひもと)いてしまい、昨夜からせっせと読み始めている。読めば読むほどカラスに親しみを覚えるから皮肉だ。

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← 松田道生著『カラスはなぜ東京が好きなのか』(水谷高英/挿画、平凡社)

 皮肉と言えば、著者の松田道生氏は、日本野鳥の会評議員なのだが、カラス撃退対策の一翼を担わされた人物でもある。
 が、同氏はカラスを愛しておられる。本書も、カラスに親しみを感じてもらいたい一心で書いた面もあるのだ。

 それにしても、『ケルトと日本』と『ケルトの精霊物語』とを借りてきたりして、小生、このところ、ケルト付いている。
 何故なのだろうか。自分でも分からない。
 ケルト、キルト、オカルト……。妙な連想も働いたりして。
(『ケルトの精霊物語』の著者によると、「ケルト語には「ケルトイ」という、「秘密」もしくは「隠された」という意味をもつ語が発見されている」とか。)
 ま、縄文時代の日本への関心と併せ、ケルト文化を考え想像し、自然を見つめなおすのも意味なしとしないと思うのだが。

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コメント

はじめまして。
自分の携帯電話に出る時に゛○○でございます。”なんて会社の名前を言ったり、ついぼけっと取ってしまった電話にいきなり”お電話かわりました”なんて言ってしまったり、ちょっと人知れず赤面するような失敗ってありますよね。
もごもご口篭もってしまった様子、手に取るように分かっちゃいましたよ!

投稿: ys | 2006/10/29 23:12

展覧会の図録はそこでしか売っていないから僕もつい購入してしまいますね。
世田谷の郷土資料館には全国美術館博物館からの寄贈図録がおいてあって誰でも閲覧できます。
ほんとに全国いろいろな展覧会やっていますね。
郷土博物館の特別展覧会はねらい目ですね。
新宿の博物館とか文京のふるさと郷土資料館とかお金は少し取りますがいい展覧会やっていますね。

投稿: oki | 2006/10/29 23:29

そうそう郷土博物館の図録はそこの市町村の図書館においてありませんか?
大田だったら大田の図書館で見られると思うのですがー。

投稿: oki | 2006/10/29 23:32

ys さん、こんにちは。コメント、ありがとう。
小生には、大小、いろんな失敗があります。
ちょっと可愛い、誰にもありがちな(?)失敗談でした。
このバツの悪い感じが分かってもらえただけでも、嬉しいです。

投稿: やいっち | 2006/10/30 01:15

oki さん、情報、ありがとう。
郷土博物館は、入場料はタダだったのですが、つい図録を買ってしまって、反って高くついてしまいました。
小生としては、「郷土博物館・特別展「高橋松亭(弘明)・版画の世界」展」の図録だけが目当てだったのです。
これだけは、買って手元に置きたかったのです。実に残念!

投稿: やいっち | 2006/10/30 01:18

三鷹の大岡信の展覧会にいかれた弥一さん、今日から渋谷区立松涛美術館で始まった「迷宮美術館ーコレクター砂盃冨男が観た20世紀美術」にも興味おありなのでは。
僕は明日歯医者に行くのでそのついでに立ち寄る予定。
入館料三百円とはいつもこの美術館はうれしいです。

投稿: oki | 2006/10/31 23:40

oki さん、情報、いつもながら、ありがとう。
小生、交通費が出せない。
三鷹へは思い切って出かけたけど、今は、自制の日々。
近々交通費、往復で千円ほどの外出も控えているし。

ちなみに郷土博物館は、入館料がただでした。自転車で行けたし。
そのうち、体力が付いたら、渋谷へも自転車で出かけたい!

投稿: やいっち | 2006/11/01 00:45

遊行さんからの情報だと渋谷区立郷土資料館で折口の回顧展をやっているそうです、これはぜひ行かないとー。
國學院大學の目の前ーなんとかたどりつけるかな。
砂盃の展覧会はすばらしかったですよ。

投稿: oki | 2006/11/01 22:39

情報、ありがとう。以下、ですね:
「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kyodo/index.html
「特別展「生誕120年記念 折口信夫の世界-その文学と学問」展」
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kyodo/20061017_origuti.html
昨日も、すぐ近くを通ったっけ。
ところで、漢字研究の第一人者の白川静氏が10月30日に死去されていたというニュースを今朝・未明に聞きました:
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061101NTE2INK0201112006.html
畏敬する方だっただけに、惜しまれます。

そういえば、10月17日に亡くなられていた西洋史(中世ヨーロッパ史)の木村尚三郎氏の葬儀(増上寺)会場の傍を30日に通りかかったっけ。

渋谷は今の小生には遠い。

投稿: やいっち | 2006/11/02 08:01

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受信: 2006/10/29 21:50

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