カラスの森?!
以下は、某サイトに書いた日記:
カラスの公園?!
昨日、図書館でCDなどと共に三冊の本を借りてきた。
その中の一冊が、松田道生著『カラスはなぜ東京が好きなのか』(水谷高英/挿画、平凡社)である。
(「古(いにしえ)の先の先にも人のあり」参照。)
→ 大倉山公園。高台にあるので、眺望がいいね。
さて、今日、昨日、行った郷土博物館で入手したパンフレットで馬込エリアには大倉山公園があると知り、自転車で行ってみた…が、児童公園よりは大きいけど、あまり工夫を感じられないような、来た甲斐を感じない公園。
でも、やや高台にあるので大森山王などを展望できる。
← 大倉山公園。木々の奥には怪しい建物が! 実は、馬込文化センターでした。何か、催し物があったらしいが、小生が公園から建物内を覗いた頃には、片付け作業中だった。
せっかくなので、その足で馬込文士村のルートを辿って自転車散歩。
あちこち、坂の多い高台の道を走り回っていたら、公園なのか、それとも個人の家の庭なのか分からない、不思議な森(林か)に行き会った。
そうした林があることは知らないわけではなかったが、車などで通り過ぎるだけで、林の中の様子を覗いて見たことはなかった。
公園(?)はフェンスなどで覆われていて、その中には鳥小屋ならぬカラス小屋があったりする。奥のほうには民家もある。
やはり、個人の家の庭なのか。
それにしては広すぎる。
しかも、ようやく見つけた入り口には、鉄柵があって、立ち入りを一切、拒む風情。
カラスがやたらと多い。
あるいは、カラスの森で、区の管理下にある施設であり、民家に見えるのは、管理人(世話人)の家なのかもしれない。
とにかく、その森(林?)にはカラスが一杯。十数メートルの木々が数多く聳え立っていて、木々の枝分かれした陰には、どうやらカラスの巣があるようだ。
頭上にはカラスが右往左往。
どうやら、得体の知れない者が、つまり小生が中の様子を伺っていることに気付き、警戒しているよう。
鳴き声が喧(かまびす)しい。
小生、上掲の本を読み始めていることもあり、カラスの巣を探したが、やはり素人には簡単には見つけられない。
とりあえず、持参したデジカメで中の様子を撮影。
その際、ついフラッシュ撮影となったようで、そのフラッシュがカラスの警戒態勢を一層、強めたのは明らか。 鳴き声のトーンもペースも速くなり、不穏な空気さえ漂ってくる。
小生、段々、怖くなってきた。 このままだと、カラスに襲われる。 ヒッチコックの映画「鳥」をふと、思い出したりして。
小生、早々に退散してしまった。
それにしても、取りあえずは、カラスの森と呼んでおくが、あの公園(林? 森?)は謎だ。
(以上で転記は終わり。)
カラスの森(あくまで仮称である。物語が書けそうだ!)を、帰宅してから地図で調べてみたら、名前は書いてないが公園の表示がされている。
ということは、個人の住宅や庭地ではない。区かどうかは別にして公共の空間のようだが、一体、どんな性格の施設なのか、今の所、不明である。
日記の中に、ヒッチコックの映画「鳥」云々と書いているが、帰宅して、松田道生著『カラスはなぜ東京が好きなのか』の続きを読んでいたら、案の定なのか、ヒッチコックの映画「鳥」のことが話題に出てきた。
一時期、カラス撃退ということで、マスコミでキャンペーンを張られ、その際、カラスが人を襲うという<事実>を、いかにもマスコミらしく、大袈裟に伝えるため、カラスが集団になって、それこそ、ヒッチコック監督の映画「鳥」を髣髴させるような場面を撮り、テレビで放映したがる。
けれど、実際にはカラスが集団で人を襲うことは(めったに)ない。
→ カラスの森の中のカラス小屋? 何羽かのカラスがバタバタやっていた。不審者(我輩のことだ!)が覗いていることに気付いてのことなのか…。
そもそもカラスは自分の縄張りを守るのが先決であって、そのカラスは番(つがい=夫婦)とその雛が一つの単位で暮らしている。
つまり、その単位の縄張りを侵犯された(とカラスが思った)ら、その侵犯者に威嚇することがあるだけなのである。
よって、他の夫婦が一緒になって侵犯する人(や動物など)を威嚇したり、まして襲うようなことはめったにないのだという。
ただ、子育て最中だと、人を襲うこともある。カラスによっては、死に物狂いで襲ってくることだってあるとか。
それでも、集団で襲ってくるという観察例はないらしい。
← カラスの森の木立を見上げ、カラスの巣を探したけれど、見つからず。カメラのフラッシュがカラスたちを驚かせたのか、鳴き声が一層、激しくなった。小生は這う這うの体(ほうほうのてい)でスタコラサッサと後にした。
余談だが、ヒッチコックの映画「鳥」の原作は、ダフネ・デュ・モーリアの短編『鳥』であることは言うまでもない。
小生はご他聞に漏れず、ガキの頃から幾度となく、ヒッチコック監督の映画を(「鳥」も含め)見てきたが、原作が誰であるかに思い至り、まして実際に読んでみたのは、実に1994年の失業時代だった。
失業保険での生活を送る中、体と心のリハビリを兼ねてのプール通いの毎日だったが、毎日、10枚分の文章を書き、読書に耽っていた。
その際、自分の読書の範囲を広げることに主眼を置いていた。古典を中心に読んできた自分の狭い素養を広げようと懸命だったことを覚えている。
その失業時代に、ジョージ・エリオットなどを発見したのは成果だったと思う。
(その頃の思い出については、「古田武彦著『人麿の運命』の周辺」参照。)
同時に、その頃、ダフネ・デュ・モーリア著の『鳥―デュ・モーリア傑作集』 ( 務台 夏子訳、東京創元社、文庫)も<発見>したのだった。
その後、遅まきながら、『レベッカ』も読んだのは言うまでもない。
→ 馬込文士村コースには、要所要所にこういった標識が立っていて、道案内をしてくれる。
小生は、カラスの森を後にして、馬込や大森山王には方々に立っている馬込文士村の案内標識を頼りに、近くにあるらしい川端康成や石坂洋次郎旧居跡(但し、ホントに跡だけで、何もない。あるのは案内の看板・標識だけ)、川端龍子記念館や彼の旧居を利用した公園の脇などを自転車で通り抜けていった。
内心、カラスが追いかけてこないかと、ヒヤヒヤしていたが、彼らは縄張りから遠ざけてしまえば、凱歌の鳴き声を発することはあっても、しつこく追いかけてくることはないと、『カラスはなぜ東京が好きなのか』には書いてあるのだが…。
← ダフネ・デュ・モーリア著『鳥―デュ・モーリア傑作集』 ( 務台 夏子訳、東京創元社、文庫)
帰りには、また、図書館へ。
昨日、返しそびれてしまった、『こころにしみるなつかしい日本の風景―近代の浮世絵師・高橋松亭の世界』(清水 久男:編集、国書刊行会)も、大倉山公園へ向う前に返却しているのだが、今週、車中で読むに相応しい本が欲しかったのと、ブラームスのフルートかクラリネットの曲(CD)を聴きたかったから、再度、物色に行ったのである。
ブラームスには適当なCDが見つからず、代わりに(?)モーツァルトのフルート協奏曲(ウイリアム・ベネット)とクラリネット協奏曲(ジェルヴァーズ・ド・ペイエ)の収録されているCDを借りることに。
もう、夕方から今まで三度、聞いた。就寝前も聞くだろう。
車中用に借りた本は、西田治文著の『植物のたどってきた道』(日本放送出版協会)である。必ずしも新しい本ではないが、過日、掻き立てられた疑問への糸口を得るのに、手ごろかなと思ったのである。
それは、某サイトで、「自分の中に猛毒を身につけているのだろうか?」とか、「植物が綺麗なのは」「虫を惹きつけるため」なのかどうか、といった遣り取りをコメント欄でやっていてのこと。
→ 西田治文著『植物のたどってきた道』(日本放送出版協会)
植物は、大地に根を下ろしている。それは強みであると同時に、外敵に対し、移動(逃避)という手段を取れない憾みがあるということでもある。
それでも、植物はここの種類においてはあれこれあっても、生き物全般としては大成功を収めている。
植物って、どうして綺麗なのか。
綺麗だと思っているのは人間だけなのか。動物…鳥や昆虫類も綺麗だと思っている? それとも蜜などに惹かれているだけ?
だったら、どうしてあれほど多彩・多用な花々を咲かせる必要がある。無用なことにエネルギーを費やすはずもなく、花びらの形や色の多彩さは何を物語っているのか…。
ま、読みながら、ボチボチ、瞑想・妄想してみることにしようと思っている。
カラスのことについては、稿を改め、単独でメモする機会を設けたい。
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コメント
こんばんは!
某サイトって、わたしのサイト?
西田治文著『植物のたどってきた道』(日本放送出版協会)
はおもしろそうですね。興味はあっても調べている時間がないelmaです。読んだら、教えてくださいね。
投稿: elma | 2006/10/30 18:33
elma さん、コメント、ありがとう。
>某サイトって、わたしのサイト?
そうです。サイト名を出していいでしょうか。
西田治文著『植物のたどってきた道』(日本放送出版協会)は、なかなか面白い…といっても、まだ十頁ほどしか読めていないけど。
植物と動物との関連など、こういった疑問について、どんな本を読めばいいのか、まるで見当が付かなかったのですが、図書館で植物の棚を物色していて、この本が取っ掛かりになりそうかなという直感があったので借り出しました。
勘は当っているかも。
ま、読むのはこれから、です。
いずれ、感想文を書けたらいいなと思っています。
関連する(?)エッセイに、以下があります:
「日の下の花の時」
http://atky.exblog.jp/1540794/
投稿: やいっち | 2006/10/31 07:32