音楽拾遺…ヴィラ・ローボス他
自転車のこと。数回は通勤に乗ったなら慣れるかなと思ったけど、甘いみたい。
やはり、年齢のこともあるし、一ヶ月どころか二ヶ月、あるいは三ヶ月ほどの期間は慣れるには必要のようだ。
なんたって、長年の無精体質を変える必要があるわけで、頑固なほどに体に沁み込んだ怠惰な根性を変えるとなると、一朝一夕で済むはずがないのだ。
でも、である。今年の末までには晴れて体質改善を果たす!
そうしたら、「無精庵」というブログの名前も変えるかな。何がいいかなー。
そんなことを考えつつ、これからもボチボチ、自転車通勤の日々が続くのだ。
→ キャ! と。…って、これはたまたま通りかかった都内某所の看板。信号待ちの間に撮った。「劇団四季 ステージガイド キャッツ」が近くにある。名曲「メモリー」が懐かしいね。調べてみたら1983が初演だったのだ。その二年前、小生、失恋したけど、その人のイメージがダブっていて…。
昨日は何故か日中、珍しく忙しく、何処かに待機して本を読むなど論外だった。夕方には幕張の先まで来ていた。もう少し早い時間にこちらに来ていたら、丁度帰り道でもあるし、せっかくなので、幕張メッセで開催されている「世界の巨大恐竜博2006」の会場に立ち寄ったかもしれない。
そんな日は、お客さんが途切れた合間に聴く音楽が楽しみ。
昨日もいろいろ聴けたが、小生には初耳の作曲家の曲を聴けたのが最大の収穫だった。
ラジオ(NHK-FM:「ミュージックプラザ 1部 -クラシック-」)では、番組の進行役(案内役)の唐澤美智子さんが作曲家の名前を幾度となく告げてくれるのだが、うまく聞き取れない。
ピラローボスとかフィラローボスと言っているような。
早速(でもないか)、ネットで調査。
どうやら、ヴィラ・ローボスという名前らしい(ビラ・ローボスという表記も)。かなり高名な人物らしく、彼の名前を冠したホール(会館)があるほどなのである:
「ブラジリア概要」という頁(そのうちの「9.観光及び見どころ」という項目)の中の、「(5)国立劇場(Teatro Nacional)」という項に「アステカ文明のピラミッドを模した」という「大ホール(ヴィラ・ローボス・ホール)」の外観を見ることができる。
仕事中ということもあり、断片的にしか聴けない(お客さんが乗車中は基本的にラジオはオフにするかボリュームを下げる)。タイミングよく、ヴィラ・ローボス作曲の「ブラジル風のバッハ 第5番」を最初から最後まで聴き通すことができた。叙情的で透明感のある、素晴らしい曲だった。
ラジオの中での話では、ブラジルの一作曲家に過ぎなかったヴィラ・ローボスを世界的な存在にしたのは、某高名な作曲家(指揮者)だという。
残念ながら、小生も知っているその有名人の名を忘れてしまった。悔しい!
「ブラジル風のバッハ 第5番」の前に、何曲か、短めの曲も聴けて、すぐに気に入り、ラジオの周波数を変えることなく、空車となったら即、ボリュームを上げて彼の音楽に聞き入る。
全部の曲を聴けたわけではないが、昨日の予定では、以下のとおりだったようだ:
「みんな捨てちゃう」 ヴィラ・ローボス作曲
(0分59秒)
「クルミアッス-神父様」 ヴィラ・ローボス作曲
(2分32秒)
「ズオン・カンブエーテ」 ヴィラ・ローボス作曲
(2分00秒)
「黒鳥の歌」 ヴィラ・ローボス作曲
(3分54秒)
「こわれたギター」 ヴィラ・ローボス作曲
(3分18秒)
「サントス侯爵夫人のためのルンドゥー」 ヴィラ・ローボス作曲
(2分29秒)
(ハーモニカ)ロバート・ボンフィーリオ
(管弦楽)ニューヨーク室内交響楽団
(指揮)ジェラード・シュウォーツ
<BMGビクター BVCC-14>「ブラジル風のバッハ 第5番」 ヴィラ・ローボス作曲
(11分45秒)
(ソプラノ)アンナ・モッフォ
(管弦楽)アメリカ交響楽団
(指揮)レオポルド・ストコフスキー
<BMGジャパン BVCC-38012>「ブラジル民謡組曲」 ヴィラ・ローボス作曲
(21分10秒)
(ギター)エドゥアルド・フェルナンデス
<ポリドール POCL-1642>
上記したように(小生の探し方が下手なのか)、ヴィラ・ローボスについての情報はネットからはあまり見つからない。
そうはいっても、個人のブログでは彼を扱う記事が散見される:
「ビラ・ローボスの世界 Moon Light -ウェブリブログ」
造詣の深い方のようで、「ピアノを勉強する人は、驚くほど、この南米最大の作曲家をほとんど知りません。 ^_^;) ベートーベン、ショパン、リスト、プロコフィエフなど古今東西の大作曲家たちが、一生かかっても勉強できないほどの曲をピアノの為に書いたからです」など、興味深い記述を読むことができる。
「守口フィラデルフィア管弦楽団研究会クラフト ヴィラ=ロボス 5つの前奏曲~第1番ホ短調 - livedoor Blog(ブログ)」
「実は中学生の頃、ヴィラ=ローボスにハマッていました。しかもちょうどそんなタイミングで運良く生誕100周年を迎えたのでNHKでヴィラ=ローボスについて特番があり、その中ではヴィラ=ローボスの映像をたくさん見ることができました」とあったのには驚き。
中学生のころに彼にハマッたのも驚きだが、「NHKでヴィラ=ローボスについて特番」というのも、絶好の機会を逃してしまっていたんだということも含めちょっとショック。
同じサイト(ブログ)だが、「守口フィラデルフィア管弦楽団研究会クラフト ヴィラ=ロボス ショーロ第1番 - livedoor Blog(ブログ)」でも、「ショーロとはブラジルの伝統的な音楽の様式で、即興的な演奏をするもののようです。ヴィラ=ローボスのギター作品は数は少ないのですが、どれも大変魅力的。どうしてもっとたくさん書いてくれなかったのか残念ですが、少ないながらも素晴らしい作品ばかり。この作品は技巧的には難しそうですが、スマートな中に静かな情熱が込められているようでお気に入りです」とあって、ますますもっとヴィラ=ローボスの曲を聴きたくなる。
「ミューズの日記:チャーリー・バードのヴィラ=ローボス 編」では、ギタリストのチャーリー・バードを紹介する中でヴィラ=ローボスに言及している。
「■高架歩道建設へ=聖市内に「かまぼこ型」」を覗くと、「ビラ・ローボス公園とビラ・ローボス・ショッピング・センター」とがあることを知る!
「GENE-PRO - Concert & Opera Recommend」では、「クラシックで、ラテンなノリで、B 線上のエリア 3/ワールド・ミュージックへ、大胆にアクセスしていく注目のアーティストたち...」という一環でヴィラ=ローボスに言及されている。
残念ながらヴィラ=ローボスについてのまとまった紹介頁は見当たらなかった。ただ、NHKではラジオでも教育テレビでも、折々彼の曲が扱われているということを知ることが出来た。小生が知らなかっただけなのだ。
他に、ピアソラやセルジオ・アサド、ラミレスら作曲の曲も断片的に聴けたけど、今日は素通りする。
ところで、午後「02:00」からの「 ミュージックプラザ 1部 -クラシック-」に聞き入る前に、「01:00」からの「歌謡スクランブル」も、ちゃっかりしっかり聴いている。
深沢 彩子さんの案内での、「- 演歌名曲アルバム -(1)」だったようだ。
掛かった曲は、以下のとおり:
「舟 唄」(八代 亜紀) 「北の旅人」(石原裕次郎) 「さだめ川」 (ちあきなおみ) 「みちづれ」(牧村三枝子) 「酒 よ」(吉 幾三) 「冬紅葉」(日野 美歌) 「浪花節だよ人生は」(木村 友衛) 「帰ってこいよ」(松村 和子) 「花街の母」(金田たつえ) 「風雪ながれ旅」(北島 三郎) 「江差・追分・風の街」(大川 栄策) 「雪の華」(森若 里子) 「津軽恋女」(新沼 謙治)
いずれも、小生の好きな歌手あるいは好きな曲ばかり。
不思議なのは、昨日は日中に関しては忙しかったはずなのに、思い返してみると、全部の曲を聴いたようだということ。
あれ? その間、お客さんが乗らなかった? そんなはずはない!
これらの曲を聴いていると、小生、ガキの頃からドップリ演歌(や歌謡曲)漬けだったことをつくづく感じる。
他に、日付は既に火曜日の未明になっていたが、多分、民放のラジオでハーモニカ談義、そして勿論、演奏もたっぷり聴くことができた。ハーモニカと笛とは学校で習わされたから、馴染みではある。が、演奏にも無能だった小生、やや苦い思い出しかない。
ついでに、ハーモニカの名人の方の名前も聞き漏らした。昨年だったかにもハーモニカ演奏を同じ人で聴いたはずなのだが。
それでも、ハーモニカという楽器の名前、そして演奏を聴くと、なんだかしみじみしてしまう。
というわけで、比較的忙しい日は本も読めないし、雲が多めで月影も朧で、音楽だけが心を寛がせる頼みの綱だったのである。
[(追記)今(そろそろ夜の九時)気付いたのだが、このブログ「無精庵徒然草」は、昨日、三年目に突入。つまり、まる二年、続いたというわけである。パチパチパチ!]
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コメント
こんにちは。トラバありがとうございます。お仕事中に音楽鑑賞、素敵ですね。
ヴィラーロボスは1887年生まれのブラジルの作曲家で、大変な富豪でした。この為僕が以前NHKで見たようなプライヴェート映像が多く残っているのです。フランスに渡り、ミヨーに師事して作曲を学び、大変多作家で数多くの交響曲をはじめとする作品を残しています。詳しい方がいらっしゃるでしょうから、僕はでしゃばらずこの辺にしておきますね。
投稿: リベラ33 | 2006/09/05 18:09
リベラ33 さん。
勝手にトラバだけして失礼しました。
返しのコメントをいただき、ありがとうございます。
ヴィラ・ローボスは、知っている人には有名な方のようですが、ネットではまとまった形で紹介した頁を見つけることができませんでした。
お蔭で参考になりました。
サンバファンなのでブラジル音楽となると、つい耳がダンボになるのです。ブラジル音楽も世界が広い!
冨田勲の「ドーンコーラス」というアルバム、銘記しておきます。
ありがとうございました。
投稿: やいっち | 2006/09/05 20:55
3周年おめでとうございます!自転車通勤始められたとのこと、お仲間ですね(^^)。私はほんのひとっ走りですけど。自転車も久しぶりに乗るとなかなか大変なのですよね。でも、私は庭のお花が咲いているのが見れたり、顔見知りの方と笑顔で挨拶できるから好きです(^^)。本当は歩いた方がもっといいのですが。東京にいた時は、仕事や通勤や電車での外出で、知らず知らずのうちにたくさん歩いていたのですよね。田舎にいると本当に歩かないですよ。意識的に歩かないとダメですね。
投稿: magnoria | 2006/09/06 01:00
magnoria さん、二周年の祝福、ありがとう。昨日から三年目に突入です。
自転車通勤だと、バイクでは気付かなかった風景などに出会います。
でも、つい足元を見てしまう。
すると、夏の虫たちの死骸が路面に一杯。木陰には秋の虫たちが元気に鳴いているけれど。夏の虫と秋の虫の交代の時期なのですね。
歩く…。火曜日は図書館へ(歩いて)行くつもりだったけど、疲れて、一日、グッタリしてしまった。まだまだ自転車には体力的に足りないみたい。
投稿: やいっち | 2006/09/06 01:50
ヴィラ・ローボスとはなかなか面白いところに注目されましたね。サンバのブラジルだけでなく、非西洋文化への傾倒時期にも時代が重なっています。恐らく、現時点では擬バロック的な曲等が有名ですが、今後は非構造主義的な観点からまだまだ注目されると思います。
音楽に限らず、後年のそうした態度と大戦間のダダイズム的な面を、ひっくるめてみる視点は未だに確立されていないでしょう。
投稿: pfaelzerwein | 2006/09/07 04:01
ヴィラ・ローボスに着目したというより、ラジオで聴いて、その不思議な叙情などに妙に惹き付けられたのです。
ヴィラ・ローボスの音楽的評価は、残念ながら小生、その任にあらずです。
できれば、この際、pfaelzerweinさんに試論をお願いしたいところ。
ああ、誰か採り上げてくれないかな。結構、面白い論が考えられそう。
投稿: やいっち | 2006/09/07 07:33